指ゆび

指ゆび（ゆび）は、一般いっぱん的てきに人間にんげんの身体しんたいの一部いちぶで、手てや足あしの末端まったん部ぶにある突出とっしゅつ部ぶで、中なかに関節かんせつのある骨格こっかくを含ふくむ。人ひとが日常にちじょう的てきに使つかう部位ぶいだけに様々さまざまな意味合いみあいを持もつ言葉ことばに発展はってんし、慣用かんよう句くでも多用たようされている。相あい同どうな構造こうぞうは四肢しし動物どうぶつ全般ぜんぱんに見みられ、四肢ししの形成けいせいの初期しょきから存在そんざいする物ものである。

指ゆび

大和言葉やまとことばとしての「ゆび」は手足てあし両方りょうほうを指さすが、漢字かんじの「指ゆび」は手偏てへんが付ついていることからもわかるとおり、本来ほんらいは手ての「ゆび」を意味いみする。英語えいごなどのゲルマン語ごや中国ちゅうごく語ごでは手ての「ゆび」と足あしの「ゆび」を区別くべつする。「finger」と「toe」、「Finger」と「Zehe」、「手指しゅし」と「脚あし趾」など。英語えいごでは日本語にほんごの指ゆびと同様どうように親指おやゆびを含ふくめてfinger(s)と呼よぶ場合ばあいと、親指おやゆびを除のぞいた4本ほんのみをfingerとする場合ばあいがある。日本語にほんごでも、医学いがく用語ようごでは「指ゆび」と「趾」を区別くべつする。

一方いっぽう、仏ふつ: doigt・西にし: dedo・伊い: ditoなどは「ゆび」と同様どうよう、手足てあしともに用もちいられる。

形態けいたい学がく的てき観察かんさつ

指ゆびはそれを所有しょゆうする人間にんげん、動物どうぶつによっては構成こうせい要素ようそや構造こうぞうが様々さまざまであり、その機能きのうに見合みあった生活せいかつをしている。基本きほん的てきには四肢ししを持もつ脊椎動物せきついどうぶつに存在そんざいするもので、それ以外いがいの動物どうぶつの場合ばあい、類似るいじの構造こうぞうをこう呼よぶ場合ばあいがあるが、普遍ふへん性せいのあるものはない。

人ひとを含ふくめ左右さゆうの手てあるいは腕うでや足あしにそれぞれ生物せいぶつ固有こゆうの本数ほんすうと形状けいじょうで備そなわり、付属ふぞく器官きかんとして爪つめ、指紋しもん、外そと分泌ぶんぴつ器きなどがあり、外部がいぶへの攻撃こうげきやモノの把持はじ、触覚しょっかく、歩行ほこうにおける体重たいじゅう移動いどうの補助ほじょ機関きかんなどとして働はたらく。

形態けいたい学がく的てきに指ゆびは多おおくの関節かんせつと腱けんと筋肉きんにくから構成こうせいされ、複雑ふくざつな動うごきに耐たえるモノが多おおい。また、その先端せんたんには角質かくしつ化かした爪つめがあり、これも様々さまざまな形かたちがあって、指ゆびの働はたらきを補助ほじょする。

霊長れいちょう類るいの指ゆびと皮膚ひふ

霊長れいちょう類るい、人ひとの手ての皮膚ひふは無む毛皮けがわと有毛ありげ皮かわとで組成そせいされており、共通きょうつうして掌てのひらは無む毛皮けがわ、手ての甲こうは有ゆう毛皮けがわである。無む毛皮けがわには高たかい密度みつどで触覚しょっかくに関かんする感覚かんかく細胞さいぼうが配置はいちし、敏感びんかんな触覚しょっかく器きとなっている。無む毛皮けがわは独特どくとくの皮膚ひふ紋もんを持もち、指ゆびのそれを指紋しもんと呼よんでいる。

指ゆびの本数ほんすう

動物どうぶつの種たねによって、また生うまれ付ついての突然変異とつぜんへんいによって指ゆびの本数ほんすうは変かわってくる。

人ひとの指ゆびの数かずは一ひとつの手足てあしに対たいして5本ほんである。それ以外いがいは奇形きけいとして扱あつかわれ、「多た指ゆび症しょう」「合ごう指ゆび症しょう」「欠かけ指ゆび症しょう」などの名称めいしょうで呼よばれている。また、指先ゆびさきの長ながさが短みじかい物ものも「短たん指ゆび症しょう」という奇形きけいであり、オルブライト遺伝いでん性せい骨こつ異い栄養えいよう症しょうなどの影響えいきょうによって、特とくに手ての親指おやゆびの爪つめが、足あしの親指おやゆびと同おなじ形状けいじょうとなって現あらわれる。

動物どうぶつの指ゆびの数かずは進化しんかの分岐ぶんきと共ともに分わかれ、種たねによって指ゆびの本数ほんすうが異ことなる。偶蹄ぐうてい目めは第だい三さん趾・第だい四よん趾が発達はったつし他ほかは退化たいか、奇き蹄目とされるウマは第だい三さん趾のみ発達はったつし他ほかは退化たいか。鳥類ちょうるいはダチョウが2本ほんの指ゆびで、走行そうこうを主おもとした機能きのうを果はたしている。それに対たいし他ほかの鳥とりの多おおくが4本ほん指ゆびで前後ぜんご逆ぎゃく向むきについており、指ゆびでモノを挟はさむことができるようになっている。パンダは5本ほんに加くわえ、こぶが1本ほんあり、指ゆびが6本ほんあるように見みえる。イヌは親指おやゆびの爪つめを狼おおかみ爪つめと呼よんでおり、後肢あとあしの狼おおかみ爪つめは退化たいか・消滅しょうめつしていることが多おおい。バクは前肢ぜんし4本ほん後肢あとあし3本ほん、サイは3本ほんと、種たねによって指ゆびの本数ほんすうは大おおきく変かわる。

系統けいとうとの関係かんけい

四肢ししは魚類ぎょるいから両生類りょうせいるいが進化しんかする過程かていにおいて、胸むねびれと腹はらびれ、いわゆる対たい鰭ひれを支ささえる柄えの部分ぶぶんから発達はったつしたものである。その際さい、その外側そとがわに配置はいちした骨ほねから生しょうじたのが指ゆびである。これは、足あしが地面じめんを掻かく際さいの引ひっかかりになるように発達はったつしたものであろう。

ごく初期しょきの両生類りょうせいるいにおいては、5本ほんより多おおくの指ゆびを持もつ例れいがいくつか知しられているが、この時期じきに次第しだいに整理せいりされ、最終さいしゅう的てきには前後ぜんごとも5本ほんの指ゆびがあるのが定型ていけいとなった。したがって、それ以降いこうの脊椎動物せきついどうぶつの各かく群ぐんにおいても5本ほんが基本きほんであり、そこからの特殊とくしゅ化かの過程かていにおいて、様々さまざまな本数ほんすう、形態けいたいのものが生しょうじた。特とくに変化へんかの激はげしいのが鳥類ちょうるいであり、前足まえあしは飛行ひこうのための翼つばさとなり、その過程かていにおいて、親指おやゆびを除のぞいて独立どくりつの指ゆびは見みられない。後肢あとあしは多おおくのものでは4本ほんであるが、内うちの1本ほんが完全かんぜんに後うしろを向むく。

形態けいたいと適応てきおう

当初とうしょの指ゆびは足あしの先端せんたんのわずかな突起とっきであったようであるが、動物どうぶつの陸上りくじょう進出しんしゅつ、それにつれてのニッチの拡大かくだいにしたがって、その形態けいたいも多様たよう化かした。

細長ほそながい指ゆびは、関節かんせつで折おり曲まげることで物ものを掴つかむ機能きのうを持もつ。樹き上じょう生活せいかつにおいては、細ほそい枝えだを持もつのに適てきした構造こうぞうとなる。樹き上うえ性せいのカエルや、サル類るいにおいてこれは著いちじるしく見みられる。また、食物しょくもつを掴つかむなど、さらに細こまかい動作どうさもこのような指ゆびによって可能かのうとなる。なお、物ものを掴つかんで操作そうさするという点てんではヒトの親指おやゆびのように掌てのひら側がわに曲まげられる指ゆびは貴重きちょうである。しかしこれを持もつものは少すくない。パンダの6本ほん目めというのはこのような機能きのうを持もたせたものである。

地上ちじょうを走はしるという機能きのうから考かんがえた場合ばあい、むしろ長ながい指ゆびは邪魔じゃまであり、短みじかくしっかりしたものが望のぞましい。イヌやネコなどは指ゆびを短みじかく折おり畳たたむようにしてこれを実現じつげんする。しかし、よりしっかりと長距離ちょうきょりを走はしるには、さらに固かためる方ほうが望のぞましく、ほとんど区別くべつできない指ゆびに固かたくて厚あつい爪つめを装備そうびする。ダチョウや有ゆう蹄類のものが有名ゆうめいで、これらの動物どうぶつではさらに指ゆびの減少げんしょう傾向けいこうがはっきりと見みられる。

水中すいちゅう生活せいかつには、指ゆびの間あいだに水みずかきを広ひろげて、水みずを掻かく能力のうりょくをつける（カエル・カモノハシ・アヒルなど）。より遊泳ゆうえい力りょくをつけるために、指ゆび全体ぜんたいを厚あつく肉にくが被こうむってオールのような形かたちになる例れいもある（ウミガメ・クジラ）。空そらを飛とぶためにも、指ゆびの間あいだに水みずかきを発達はったつさせる例れいがある（トビガエル・コウモリなど）。

ゆびの名称めいしょう

人間にんげんの手てのゆび

第だい一指いっし。親指おやゆび。 第だい二に指ゆび。人差ひとさし指ゆび。 第だい三指みつゆび。中指なかゆび。 第だい四よん指ゆび。薬指くすりゆび。 第だい五指ごし。小指こゆび。

日本語にほんごの指ゆびの名称めいしょうは多様たようである。

標準ひょうじゅん	親指おやゆび（おやゆび）	人差ひとさし指ゆび（ひとさしゆび）	中指なかゆび（なかゆび）	薬指くすりゆび（くすりゆび）	小指こゆび（こゆび）
医学いがく（番号ばんごう）	第だい一指いっし（だいいちし）	第だい二に指ゆび（だいにし）	第だい三指みつゆび（だいさんし）	第だい四よん指ゆび（だいしし）	第だい五指ごし（だいごし）
医学いがく（名称めいしょう）	母はは指ゆび（ぼし）	示しめせ指ゆび（じし）	中指なかゆび（ちゅうし）	薬指くすりゆび（やくし） 環かん指ゆび（かんし）	小指おざし（しょうし）
漢語かんご	拇指ぼし（ぼし）	食指しょくし（しょくし）	中指なかゆび（ちゅうし）	無名指むめいし（むめいし）	小指おざし（しょうし）
幼児ようじ語ご	お父とうさん指ゆび（おとうさんゆび）	お母かあさん指ゆび（おかあさんゆび）	お兄にいさん指ゆび（おにいさんゆび）	お姉ねえさん指ゆび（おねえさんゆび）	赤あかちゃん指ゆび（あかちゃんゆび）
その他た		塩しお嘗なめ指ゆび（しおなめゆび）	高々指たかたかゆび（たかたかゆび） 丈たけ高だか指ゆび（たけたかゆび）	薬師やくし指ゆび（くすしゆび） 名無ななし指ゆび（ななしゆび） 紅べに差さし指ゆび（べにさしゆび） 紅べに付づけ指ゆび（べにつけゆび）
ピアノの運うん指ゆび番号ばんごう	1	2	3	4	5
ギターの運うん指ゆび番号ばんごう /運うん指ゆび記号きごう （指ゆび板いた側がわ/爪弾つまはじき側がわ）	T（まれ）/p	1/i	2/m	3/a	4/c（まれ）

医学いがく、生物せいぶつ学がくなどでは、指ゆびを番号ばんごうで呼よぶ。

人間にんげんの足あしのゆび

下肢かしのものには漢字かんじに「趾（し）」を用もちい、第だい一いち趾・第だい二に趾・第だい三さん趾・第だい四よん趾・第だい五ご趾と書かく。第だい一いち趾と第だい五ご趾は、それぞれ母はは趾、小しょう趾とも呼よぶ。

指ゆびの内外ないがい

医学いがくでは、手ての親指おやゆびが外側そとがわ（がいそく）、小指こゆびが内側うちがわ（ないそく）であり、日常にちじょう語ごの外側そとがわ（そとがわ）、内側うちがわ（うちがわ）と紛まぎらわしい。このため、親指おやゆび側がわを橈側、小指こゆび側がわを尺しゃく側がわと呼よぶ。足あしは親指おやゆびが内側うちがわ（ないそく）、小指こゆびが外側そとがわ（がいそく）であり、日常にちじょう語ごの内側うちがわ（うちがわ）、外側そとがわ（そとがわ）と一致いっちする。足あしの親指おやゆび側がわを脛ずね側がわ、小指こゆび側がわを腓こむら側がわとも呼よぶ。

指ゆびと健康けんこう

指ゆびは手ての付属ふぞく器官きかんとして、健康けんこうについては手てを基調きちょうに語かたられることが多おおいが、知覚ちかく神経しんけいや運動うんどう神経しんけいが鋭敏えいびんである指ゆびの固有こゆうの働はたらきは、人ひとの日常にちじょう生活せいかつに欠かかすことのできないものが多おおく、その重要じゅうよう性せいは高たかい。

付属ふぞく器官きかんである爪つめは代謝たいしゃが早はやく、また、爪つめの裏うらには毛細血管もうさいけっかんが走はしっており、その色いろが日常にちじょう的てきに観察かんさつしやすいために、その時々ときどきの体調たいちょうを現あらわしやすく、様々さまざまな健康けんこう診断しんだんの指標しひょうとなり、健康けんこうのバロメーターとも呼よばれる。

また、指ゆびには固かたまりやすい関節かんせつ部ぶが多おおいため、指ゆびは使つかわないと1週間しゅうかんほどで動うごきがかなり鈍にぶくなってしまう。老化ろうかに伴ともない、関節かんせつ部ぶの代謝たいしゃは悪わるくなるため、老後ろうごもその機能きのうを保持ほじするためには、こまめに動うごかすことが求もとめられる。

指ゆび固有こゆうではないが、指ゆびに症状しょうじょうが現あらわれやすい病気びょうきとして、

• 爪つめにまつわる病気びょうきは爪つめの項こうを参照さんしょう。
• 爪つめもかかりやすいが、指ゆびも白癬はくせんに侵おかされることがある。指ゆびの股またなどに多おおく見みられ、痒かゆみや疹、皮膚ひふの剥はがれや紅べに斑むらなどを症状しょうじょうとする。
• 関節かんせつ炎ほのお、関節かんせつリウマチ、腱鞘炎けんしょうえんなどによって起おこる変形へんけい性せい関節かんせつ症しょうが関節かんせつに熱ねつを持もち、痛いたみ、変形へんけい、運動うんどう障害しょうがいなどを齎もたらす（もたらす）。
• 指ゆびは関節かんせつが多おおく複雑ふくざつな動うごきに耐たえるが、持続じぞく的てきな動うごきや力ちからを入いれる動うごきには強つよいとは言いえず、関節かんせつの機能きのう以外いがいの動うごきによって引ひき起おこされる脱臼だっきゅう、無理むりな動うごきによる靭帯じんたい損傷そんしょう、関節かんせつの耐たい久能くのを超こえての使用しようによる関節かんせつ炎えんなどが機能きのう的てきな障害しょうがいの症例しょうれいに挙あげられる。
• 関節かんせつが多おおく、衝撃しょうげきは関節かんせつに吸収きゅうしゅうされるために指ゆび自体じたいの骨折こっせつは比較的ひかくてき少すくないが、突つき指ゆびなどによって、指ゆびの靭帯じんたい損傷そんしょうのみならず、指ゆびの掌てのひらに隠かくされた部位ぶいの骨折こっせつを引ひき起おこしていることがある。また重量じゅうりょう物ぶつによる圧迫あっぱくが外傷がいしょうがなくとも骨折こっせつを引ひき起おこしていることもあり、曲まげることが可能かのうでも響ひびくような痛いたみを伴ともなう時ときはレントゲンによる観察かんさつが必要ひつようとなる。
• 他たには痛風つうふう、胼胝だこ（タコ）、レイノー病びょう、キーパンチャー病びょう、ビュルガー病びょう、フィラリア症しょうなどが引ひき起おこす象皮病ぞうひびょうなど膠にかわ原ばら病びょう、他たに爪つめの病気びょうきなどが指ゆび周辺しゅうへん部ぶに症状しょうじょうを引ひき起おこす病気びょうきとして多おおく挙あげられる。
• 凡例はんれいではないが、心筋梗塞しんきんこうそくの時とき、病気びょうき初はじめに左ひだり腕うで部ぶに痛いたみが走はしることがある。

文化ぶんか

• 日本語にほんごで、指ゆびは指示しじや指摘してきの意味いみで用もちいられることが多おおく、それらに関連かんれんする語彙ごいが最もっとも多おおい。「指ゆびを差さす」「後指うしろゆびをさす」
• 日本語にほんごで、指ゆびは数かずを数かぞえる指標しひょうとして用もちいることがある。「指ゆびを折おる」
  • 日本にっぽんで指ゆびを用もちいて数かぞえる時ときは、人差ひとさし指ゆびを立たてて 1、さらに中指なかゆびを立たてて 2、さらに薬指くすりゆびを立たてて 3、さらに小指こゆびを立たてて 4、さらに親指おやゆびを立たてて片手かたてを広ひろげて 5 を表あらわす。両手りょうてを使つかうと十じゅう進数しんすう 10 まで、両手りょうてに両足りょうあしを加くわえると十じゅう進数しんすう 20 = 二に十じゅう進数しんすう 10 までを表現ひょうげんできる。左右さゆうの手指しゅしに限かぎらず、「拳こぶし」または「親指おやゆびと人差ひとさし指ゆびで円えんを作つくること」で 0 を意味いみすることがある。
  • 十進法じっしんほうや二に十進法じっしんほうの外そとに、指ゆびを使つかって二進法にしんほうや六ろく進しん法ほうで数かぞえる方法ほうほうがある。二に進数しんすうでは、片手かたてで 11111（十じゅう進数しんすう31）まで、両手りょうてで 1111111111（十じゅう進数しんすう1023）までを表現ひょうげんできる（→二に進しん指数しすうえ法ほう）。六ろく進数しんすうでは、両手りょうてで55（十じゅう進数しんすう35）まで、両手りょうて両足りょうあしで5555（十じゅう進数しんすう1295）までを表現ひょうげんできる。
  • 競売きょうばいや競せりの時ときの数かずの表記ひょうきには、その会場かいじょうのルールが用もちいられるが、表意ひょういに指ゆびが使つかわれることがある。
• 指ゆび遊あそびや指ゆびを使つかっての影絵かげえなどは、地方ちほうによって様々さまざまな伝統でんとうや風習ふうしゅうが存在そんざいする。また年代ねんだいによる違ちがいも存在そんざいする。
  • 人差ひとさし指ゆびと中指なかゆびを立たてるVサインまたはピースサインの表現ひょうげん形態けいたいは時代じだいによる流行りゅうこうがある。
• 指ゆび遊あそび：指ゆびを用もちいての遊戯ゆうぎ。
• 指相撲ゆびずもう：手てを組くみ合あわせ、指ゆびを力士りきしに見立みたてて押おさえあう遊戯ゆうぎ。
• 指人形ゆびにんぎょう：指ゆびに人形にんぎょうを模もした被ひせ物もつをし、指ゆびを動うごかすことで動作どうさをさせるもの。手て全体ぜんたいに被かぶせて動うごかす人形にんぎょうを言いう場合ばあいもある。パペットではなくギニョールと言いう。
• 指ゆび笛ふえ：指ゆびを口くちに入いれ、笛ふえのように音おとを出だすこと。またその演奏えんそう。
• 指切ゆびきり：誓約せいやくの証あかしに小指こゆびを切きること。また、それに託ことづけた小指こゆびを曲まげて引ひっ掛かけ合あい、誓約せいやくをすること。げんまん。
• 指金さしがね：指ゆびを細ほそく美うつくしくするために挿さす金かねの輪わ。指輪ゆびわや指貫ゆびぬきのことを指さす場合ばあいもある。
• 指ゆび鳴ならし

慣用かんよう句く

• 指ゆびを折おる：指折ゆびおりの、屈指くっしの、多おおくの中なかで指ゆびを折おって数かぞえ上あげるほど優すぐれていること。また、数かぞえる時ときの動態どうたい。
• 指ゆびを差さす：モノを指ゆびで示しめすこと。人ひとをあざけりそしること。手てを出だすこと。
• 指ゆび一本いっぽんも差ささせない：他者たしゃに少すこしも非難ひなんを許ゆるさない潔癖けっぺきな状態じょうたい。また人ひとに干渉かんしょうさせないことを言いう。
• 指ゆびの股またを広ひろげる：太鼓持たいこもちが遊客ゆうかくをおだてて機嫌きげんを取とるさまを言いう。
• 指ゆび果報かほう：指紋しもんを見みて占うらないをすること。転てんじて、思おもいがけない幸しあわせ。

指ゆび具ぐ

指ゆびにはめる道具どうぐとして、サック、手袋てぶくろ、軍手ぐんてなどがあり、装飾そうしょくや保護ほごの役割やくわりを果はたす。サックは事務じむ用途ようととして、書類しょるいをめくりやすくする目的もくてきで用もちいられることがある。

また爪つめに着つける道具どうぐとして、付つけ爪つめ、マニキュアなどがあり、ネイルケアとして装飾そうしょくや保護ほごの役割やくわりを果はたす。

裁縫さいほうを行おこなう時ときに針はりの頭あたまを押おすために指貫ゆびぬきを用もちいることもある。金属きんぞく、プラスチック、革かわなどがある。

関連かんれん項目こうもく

• 指ゆび趾
• 親指おやゆび/人差ひとさし指ゆび/中指なかゆび/薬指くすりゆび/小指こゆび
• 爪つめ/蹄
• 突つき指ゆび
• 多た指ゆび症しょう
• 指ゆび詰づめ
• 指数しすうえ