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トカゲ - Wikipedia

トカゲ

爬虫つなゆううろこぞくするのひとつ

トカゲ蜥蜴とかげいし竜子りゅうこ)は、ゆううろこトカゲ分類ぶんるいされる爬虫類はちゅうるい総称そうしょう分岐ぶんき分類ぶんるい学的がくてきにはゆううろこからヘビるいミミズトカゲるいのぞいたがわ系統けいとうぐんである。(ミミズトカゲるいはトカゲとする場合ばあいもある。)

トカゲ
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 爬虫つな Reptilia
: ゆううろこ Squamata
: トカゲ Lacertiliaがわ系統けいとうぐん
下位かい分類ぶんるいぐん

下目しため

形態けいたい

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最長さいちょうしゅハナブトオオトカゲ最大さいだい全長ぜんちょう475cm(最大さいだいしゅコモドオオトカゲとされる)。最小さいしょうしゅミクロヒメカメレオンで、体長たいちょう最大さいだいでおよそ29mm程度ていど[1]

イグアナ下目しためじょう棲種を中心ちゅうしんに、環境かんきょうやストレスによって自身じしんからだしょくえる能力のうりょくっている。もっと有名ゆうめいなのはカメレオンだが、種類しゅるいのトカゲにも微妙びみょうからだしょく変化へんかられる。

にはヤモリ下目しためのぞ下部かぶまぶたがある。またたねによっては頭頂とうちょうばれる、おな器官きかんがあり、これにより明暗めいあん感知かんちすることができる。たねによっては顕著けんちょで、が3つあるようにえるたねもいる。した顎骨がっこつ前部ぜんぶ結合けつごうしている。がわ頭部とうぶには通常つうじょうみみあながあり、おく鼓膜こまくがあるが鼓膜こまく表面ひょうめん露出ろしゅつしているたねもいる。またみみあなのないたねもいる。

通常つうじょう四肢ししつが、例外れいがいおおくいる。外観がいかん四肢ししのないたねでも骨格こっかくにはあしほねのこっている。じょう棲種ではゆびひだじょううろこゆび下板しもいた)があり垂直すいちょくめんでものぼることのできるたねもいる。

分類ぶんるい

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トッケイヤモリ Gekko gecko
 
グリーンイグアナ
Iguana iguana
 
クスリサンドスキンク
Scincus scincus

爬虫類はちゅうるいなかではもっと種類しゅるいすうおおいグループで、現生げんなましゅ熱帯ねったい地方ちほう中心ちゅうしんに7000しゅちか[2]られており、以下いかのように分類ぶんるいされる[2]

フタアシトカゲ下目しため Dibamia
ヤモリ下目しため Gekkota
スキンク下目しため Scincomorpha
カナヘビ下目しため Lacertoidae
オオトカゲ下目しため Platynota
イグアナ下目しため Iguania

日本にっぽん生息せいそくするたね

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系統けいとう

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分子ぶんし系統けいとう解析かいせきから、トカゲゆううろこのうちヘビるい(ヘビ)とミミズトカゲるい(ミミズトカゲ)をのぞいたがわ系統けいとうぐんであることが判明はんめいしている(以下いか分岐ぶんきのうちうす緑色みどりいろしめ範囲はんい旧来きゅうらいトカゲピンク色ぴんくいろがミミズトカゲるいうす青色あおいろがヘビるい[3][4]たん系統けいとうぐんのみを正式せいしき分類ぶんるいぐんとしてみとめる立場たちばでは、「トカゲ」はりたない。

ゆううろこ
Dibamia

フタアシトカゲ Dibamidae

Bifurcata
ヤモリ下目しため
Pygopodomorpha

イシヤモリ Diplodactylidae Underwood 1954

Pygopodidae Boulenger 1884

カワリオヤモリ Carphodactylidae

Gekkomorpha

トカゲモドキ Eublepharidae

Gekkonoidea

チビヤモリ Sphaerodactylidae Underwood 1954

ユビワレヤモリ Phyllodactylidae

ヤモリ Gekkonidae

Gekkota
Unidentata
スキンク下目しため
Scincomorpha

スキンク Scincidae

Cordylomorpha

ヨルトカゲ Xantusiidae

カタトカゲ Gerrhosauridae

ヨロイトカゲ Cordylidae

Scinciformata
Episquamata
カナヘビ下目しため
Teiformata

ピグミーテグー Gymnophthalmidae Merrem 1820

テユー Teiidae Gray 1827

Lacertibaenia
Lacertiformata

カナヘビ Lacertidae

ミミズトカゲるい

フロリダミミズトカゲ Rhineuridae Vanzolini 1951

フタアシミミズトカゲ Bipedidae Taylor 1951

Blanidae Kearney & Stuart 2004

Cadeidae Vidal & Hedges 2008

フトミミズトカゲ Trogonophidae Gray 1865

ミミズトカゲ Amphisbaenidae Gray 1865

Amphisbaenia
Laterata
有毒ゆうどくゆううろこるい
オオトカゲ下目しため
Paleoanguimorpha
Shinisauria

シナワニトカゲ Shinisauridae Ahl 1930 sensu Conrad 2006

オオトカゲうえ

ミミナシオオトカゲ Lanthanotidae

オオトカゲ Varanidae

Varanoidea
Neoanguimorpha
Helodermatoidea

ドクトカゲ Helodermatidae Gray 1837

Xenosauroidea

コブトカゲ Xenosauridae

Anguioidea

Diploglossidae

ギンイロアシナシトカゲ Anniellidae

アシナシトカゲ Anguidae Gray 1825

Anguimorpha
イグアナ下目しため
はしせいるい

カメレオン Chamaeleonidae

アガマ Agamidae Gray 1827

Acrodonta
イグアナうえ

ゼンマイトカゲ Leiocephalidae

イグアナ Iguanidae

モリイグアナ Hoplocercidae Frost & Etheridge 1989

クビワトカゲ Crotaphytidae

バシリスク Corytophanidae

シンネッタイトカゲ Tropiduridae

ツノトカゲ Phrynosomatidae

アノールトカゲ Dactyloidae

ハガクレトカゲ Polychrotidae

ヤマイグアナ Liolaemidae

スベイグアナ Leiosauridae

マラガシートカゲ Opluridae

Pleurodonta
Iguania
ヘビ
メクラヘビ下目しため

ホソメクラヘビ Leptotyphlopidae Stejneger 1892

Gerrhopilidae Vidal et al. 2010

Xenotyphlopidae Vidal et al. 2010

メクラヘビ Typhlopidae Merrem 1820

Scolecophidia

カワリメクラヘビ Anomalepididae

へび下目しため
Amerophidia

サンゴパイプヘビ Aniliidae

ドワーフボアTropidophiidae Brongersma 1951

Afrophidia
ボアうえ

ミジカオヘビ Uropeltidae

ミミズサンゴヘビ Anomochilidae

パイプヘビ Cylindrophiidae

サンビームヘビ Xenopeltidae Bonaparte 1845

メキシコパイソン Loxocemidae

ニシキヘビ Pythonidae Fitzinger 1826

ボア Boidae

トゲアゴヘビ Xenophidiidae

ツメナシボア Bolyeriidae Hoffstetter 1946

Booidea
ヘビうえ

ヤスリヘビ Acrochordidae Bonaparte 1831

Colubroides

タカチホヘビ Xenodermidae

セダカヘビ Pareidae

クサリヘビ Viperidae

ミズヘビ Homalopsidae

ナミヘビ Colubridae

イエヘビ Lamprophiidae

コブラ Elapidae

Caenophidia
Alethinophidia
Serpentes
Toxicofera
Squamata

南極大陸なんきょくたいりくのぞぜん大陸たいりく

生態せいたい

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極地きょくち高山こうざんのぞく、陸上りくじょう様々さまざま環境かんきょう生息せいそくする。

しょくせい分類ぶんるいたねによりことなり、昆虫こんちゅうるい節足動物せっそくどうぶつ甲殻こうかくるい貝類かいるいミミズ魚類ぎょるい両生類りょうせいるい爬虫類はちゅうるい鳥類ちょうるい哺乳類ほにゅうるい動物どうぶつ死骸しがいはなやそのみつ果実かじつ種子しゅし海藻かいそうひとしべるたねられている。がいして肉食にくしょく傾向けいこうつよたね多数たすうである。

繁殖はんしょく形態けいたいおも卵生らんせいだが、たまご胎生たいせいたねもいる。

一部いちぶのトカゲは、外敵がいてきおそわれたときにまもるためにきりする。うしなわれた再生さいせいする[5]

人間にんげんとの関係かんけい

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トカゲによる被害ひがい

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ほとんどのトカゲはどくをもたず、よほどの大型おおがたしゅでもないかぎ人間にんげんがいおよぼすことはない。ただし、オオトカゲるいなどにまれると、口内こうないにいる雑菌ざっきん傷口きずぐちからはいりこみ感染かんせんしょうこすことがある。

実際じっさいどくをもつのはメキシコ北部ほくぶ分布ぶんぷするメキシコドクトカゲテキサス南部なんぶ分布ぶんぷするアメリカドクトカゲ、インドネシアに分布ぶんぷするコモドオオトカゲの3種類しゅるいである。このうち、前記ぜんき2しゅうごきも比較的ひかくてきおそく、どくはヘビのどくことなりむことでゆっくり注入ちゅうにゅうされるため、それほど危険きけんではない。コモドオオトカゲについては、従来じゅうらいまれると唾液だえきちゅう細菌さいきんによって敗血症はいけつしょうこすとかんがえられてきたが、近年きんねんあいだどくかんゆうし、みついた傷口きずぐちどくながむことがあきらかになった[6]。1974ねん以降いこう、30にんがコモドオオトカゲにまれ、そのうち5にん死亡しぼうしている[7]。また、ひと捕食ほしょくすることもあるという[6]

食用しょくよう

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オーストラリアアボリジニは、60cmほどもある大型おおがたのトカゲをらえ、いてべる。尻尾しっぽあたりがとく美味びみで、鶏肉とりにくのようなあじがするという[8]

トカゲは外敵がいてきからまもるためにきりすることから、日本語にほんごでは、下位かい組織そしきひと責任せきにんかぶせてのがれることを「とかげの尻尾しっぽ」という。

"Tokage"(トカゲ)は、日本にっぽん命名めいめいにより台風たいふうアジアめい採用さいようされている(直接的ちょくせつてきにはとかげ由来ゆらい)。「トカゲ」というアジアめいけられた台風たいふうれいとしては、平成へいせい16ねん台風たいふうだい23ごうがある。

英語えいごけんでは、男性だんせい隠語いんごとしてトカゲの名前なまえもちいられることもある。「Bleeding the lizard」は「小便しょうべん」「Milking the lizard」は「マスかき」を意味いみする[9]

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ Glaw, F.; Köhler, J. R.; Townsend, T. M.; Vences, M. (2012). Salamin, Nicolas. ed. “Rivaling the World's Smallest Reptiles: Discovery of Miniaturized and Microendemic New Species of Leaf Chameleons (Brookesia) from Northern Madagascar” (英語えいご). PLoS ONE 7 (2): e31314. doi:10.1371/journal.pone.0031314. 
  2. ^ a b マーク・オシー ちょとみ水明すいめい 和訳わやく監修かんしゅう 『トカゲ大全たいぜん』, 2021ねん, MPJ.
  3. ^ Wiens, J. J.; Hutter, C. R.; Mulcahy, D. G.; Noonan, B. P.; Townsend, T. M.; Sites, J. W.; Reeder, T. W. (2012). “Resolving the phylogeny of lizards and snakes (Squamata) with extensive sampling of genes and species”. Biology Letters 8 (6): 1043–1046. doi:10.1098/rsbl.2012.0703. PMC 3497141. PMID 22993238. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3497141/. 
  4. ^ Zheng, Yuchi; Wiens, John J. (2016). “Combining phylogenomic and supermatrix approaches, and a time-calibrated phylogeny for squamate reptiles (lizards and snakes) based on 52 genes and 4162 species”. Molecular Phylogenetics and Evolution 94 (Part B): 537–547. doi:10.1016/j.ympev.2015.10.009. PMID 26475614. 
  5. ^ “トカゲのはどうれる?”. 朝日新聞あさひしんぶん be. (2009ねん7がつ9にち). https://www.asahi.com/shimbun/nie/tamate/kiji/20110711.html 
  6. ^ a b 動物どうぶつ - コモドオオトカゲ”. ナショナルジオグラフィック. 2014ねん12月20にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2020ねん2がつ15にち閲覧えつらん
  7. ^ “コモドオオトカゲ、外国がいこくじん観光かんこうきゃくおそう インドネシア”. AFPBB News. (2017ねん5がつ5にち). https://www.afpbb.com/articles/-/3127309 
  8. ^ 椎名しいなまこと熱風ねっぷう大陸たいりく ダーウィンのうみをめざして』講談社こうだんしゃ文庫ぶんこ、144ぺーじ 
  9. ^ スターリング・ジョンソン ちょ鈴木すずき智洋ともひろ生方うぶかた孝士たかし やくだい2外国がいこくとしてまなぶファッキン英語えいご』 2かん、イプシロン出版しゅっぱん企画きかく、2008ねん1がつ、84ぺーじISBN 978-4-903145-35-8 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • せんせき正一しょういち監修かんしゅう 長坂ながさか拓也たくやへん爬虫類はちゅうるい両生類りょうせいるい800しゅ図鑑ずかん だい3はん』、ピーシーズ、2002ねん、14-73ぺーじ
  • 小学館しょうがくかん図鑑ずかんNEO 両生類りょうせいるいはちゅうるい』、小学館しょうがくかん2004ねん、83-109ぺーじ
  • 海老えびぬまつよし 『爬虫・両生類りょうせいるいビジュアルガイド トカゲ1 アガマ&イグアナ』、まことぶんどう新光しんこうしゃ、2004ねん、4-112ぺーじ
  • 海老えびぬまつよし 『爬虫・両生類りょうせいるいビジュアルガイド トカゲ2 ヤモリうえ&スキンクうえ』、まことぶんどう新光しんこうしゃ、2004ねん、4-112ぺーじ
  • Go!!Suzuki 『爬虫・両生類りょうせいるいビジュアルガイド オオトカゲ&ドクトカゲ』、まことぶんどう新光しんこうしゃ2006ねん、6-128ぺーじ

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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