(Translated by https://www.hiragana.jp/)
感染症 - Wikipedia

感染かんせんしょう

寄生虫きせいちゅう細菌さいきんきん・ウイルス・異常いじょうプリオンによる病原びょうげんたい感染かんせんによりしょうじる反応はんのう総称そうしょう

感染かんせんしょう(かんせんしょう、英語えいご: infectious diseaseスペイン: infección)とは、感染かんせんする病気びょうき総称そうしょうであり、寄生虫きせいちゅう細菌さいきんきんウイルス異常いじょうプリオンなどの病原びょうげんたい感染かんせんにより宿主しゅくしゅしょうじる病気びょうき総称そうしょう感染かんせんしょう体内たいない微生物びせいぶつ侵入しんにゅうし、増殖ぞうしょくすることでおこる[1]

感染かんせんしょう
概要がいよう
診療しんりょう 感染かんせんしょうがく
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
ICD-10 A00-B99
DiseasesDB 28832

感染かんせんしょうのうち、伝染でんせんせい(ヒトや動物どうぶつからのヒトや動物どうぶつへと次々つぎつぎ病気びょうきがうつる)をもつものを伝染でんせんびょうい、集団しゅうだん発生はっせいして流行りゅうこうする伝染でんせんびょう疫病えきびょうう。瘟疫(うんえき、おんえき)、疫癘えきれい(えきれい)ともう(瘟、疫、癘ともに「はやりやまい」の)。

感染かんせんしょう歴史れきし生物せいぶつ発生はっせいともにあり、先史せんし時代じだい有史ゆうし以前いぜん)から近代きんだいまでヒト病気びょうきだい部分ぶぶんめてきた。医学いがく感染かんせんしょう歴史れきしはじまったとっても過言かごんではない。人類じんるい歴史れきしとおして根本こんぽんてき治療ちりょうほうまったかった時代じだい圧倒的あっとうてきながく、伝染でんせんびょうおおきな災害さいがいとらえられてきた。古今ここん東西とうざい歴史れきししょには頻繁ひんぱん疫病えきびょう記述きじゅつ登場とうじょうする。ペストだい流行りゅうこうはヨーロッパの人口じんこうすうぶんの1ほどをいたらしめ、人類じんるい文明ぶんめいのありかたをえたともわれているし、20世紀せいき初期しょきぜん世界せかいだい流行りゅうこうしたスペイン風邪かぜもおそらく1おくにん以上いじょうひと死亡しぼうしたと推計すいけいされており世界せかい情勢じょうせい影響えいきょうあたえた。

当時とうじペスト医師いしのマスク(17世紀せいき

1929ねんにようやくはつ西洋せいよう医学いがくてき抗生こうせい物質ぶっしつであるペニシリン発明はつめいされたが、そうした抗生こうせい物質ぶっしつるい治療ちりょうできるのは感染かんせんしょうのごくごく一部いちぶにすぎない。

現代げんだいでは、開発途上国かいはつとじょうこくではとくさんだい感染かんせんしょう[2]ばれるマラリア結核けっかくAIDSや、腸管ちょうかん感染かんせんしょうおおきな問題もんだいであり、感染かんせんしょうがくのみならず保健ほけんがく開発かいはつがくなどしゅうがくてき対策たいさく喫緊きっきん課題かだいである。2013ねんにおいても、世界せかいでは感染かんせんしょうにより920まんにん死亡しぼうしており、ぜん死亡しぼうやく17%をめる[3]一方いっぽう先進せんしんこくにおいては新興しんこう感染かんせんしょう再興さいこう感染かんせんしょうくわえて、ざいたいせいきん蔓延まんえんバイオテロ脅威きょうい公衆こうしゅう衛生えいせいうえおおきな課題かだいとして注目ちゅうもくあつめる一方いっぽう高度こうど医療いりょう発達はったつともなって手術しゅじゅつ患者かんじゃ免疫めんえき抑制よくせい状態じょうたい患者かんじゃにおける日和見ひよりみ感染かんせん増加ぞうかするなど、日常にちじょうてきにもまだまだ解決かいけつかっているとはえなかった。さらに2019ねん(~2021ねん新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしょう世界せかいてき流行りゅうこう (2019ねん-)き、先進せんしんこくでも発展はってん途上とじょうこくでも、非常ひじょう多数たすう人々ひとびと感染かんせん死亡しぼうしつづけている(2021ねん5がつ29にち時点じてん世界せかい累計るいけい感染かんせんしゃすう1.72おくにん死亡しぼうしゃすう370まんにんちょう[4]推計すいけいされている。)。

感染かんせんしょう対象たいしょうとする医学いがく領域りょういき感染かんせんしょうがくである[5]

感染かんせんしょうには有効ゆうこう治療ちりょうやくいものもおおいが、現在げんざいのところ感染かんせんしょう治療ちりょう使つかわれるくすりには、抗生こうせい物質ぶっしつこうウイルスやくこうきんやくこう原虫げんちゅうやく駆虫くちゅうやくなどがある。ワクチン予防よぼうおこなえる感染かんせんしょう一部いちぶにあるが、ワクチンの開発かいはつ成功せいこうしていないものもおおい。

分類ぶんるい

感染かんせん場所ばしょによる分類ぶんるい

のうなど中枢ちゅうすう神経しんけい
ずいまくえん脳炎のうえんなど
かお
鼻炎びえんふく鼻腔びこうえん咽頭いんとうえん喉頭こうとうえん眼窩がんかはち窩織えんなど
くび
喉頭蓋こうとうがいえん咽頭いんとうかべ膿瘍のうよう急性きゅうせい甲状腺こうじょうせんえんレミエール症候群しょうこうぐんなど
はい気管支きかんし
肺炎はいえん気管支炎きかんしえん結核けっかくなど
心臓しんぞう血管けっかん
感染かんせんせいしんないまくえん心外しんがいまくえん心筋しんきんえん感染かんせんせい大動脈だいどうみゃくえん敗血症はいけつしょうなど
腹部ふくぶ消化しょうか
胆嚢たんのうえんきもかんえん肝炎かんえんかん膿瘍のうよう膵炎膿瘍のうよう胃炎いえん胃潰瘍いかいようちょうえん虫垂炎ちゅうすいえんちょうこしすじ膿瘍のうようクラミジアかん周囲しゅういえんなど
泌尿器ひにょうき
腎盂じんうじんえん膀胱ぼうこうえん前立腺ぜんりつせんえんちつえん骨盤こつばんない感染かんせんしょうなど
皮膚ひふ
はち窩織えんあぶら肪織えんガス壊疽えそ(せつ)、よう(よう)、伝染でんせんせいうみかさぶた(とびひ)、ブドウ球菌きゅうきんせい熱傷ねっしょうさま皮膚ひふ症候群しょうこうぐん帯状疱疹たいじょうほうしん水痘すいとう麻疹ましん風疹ふうしん皮膚ひふ白癬はくせん疥癬かいせんなど
関節かんせつ筋肉きんにくほね
感染かんせんせい関節かんせつえん骨髄こつづいえんすじまくえん筋炎きんえん脊椎せきついカリエスなど
リンパぶし
リンパぶしえん
口腔こうくう
しゅうえん齲蝕とんがせいしゅうえんインプラント周囲しゅういえんなど

病原びょうげんたい種類しゅるいによる分類ぶんるい

真正しんしょう細菌さいきん感染かんせんしょう
レンサ球菌きゅうきん(Aぐんβべーた溶連菌ようれんきん肺炎はいえん球菌きゅうきんなど)、黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきん(メチシリン感受性かんじゅせい黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきん(MSSA)、メチシリンたいせい黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきん(MRSA))、表皮ひょうひブドウ球菌きゅうきんちょう球菌きゅうきんリステリアずいまくえんきん淋菌りんきん病原びょうげんせい大腸菌だいちょうきん(O157:H7など)、クレブシエラ肺炎はいえん桿菌かんきん)、プロテウスきん百日咳ひゃくにちぜききんみどりうみきんセラチアきんシトロバクターアシネトバクターエンテロバクターマイコプラズマクロストリジウムなどによる各種かくしゅ感染かんせんしょう
結核けっかく結核けっかくせいこうさんきんコレラペストジフテリア赤痢せきり猩紅熱しょうこうねつ炭疽たんそ梅毒ばいどく破傷風はしょうふうハンセン病はんせんびょうレジオネラ肺炎はいえん在郷ざいきょう軍人ぐんじんびょう)、レプトスピラしょうサルモネラ菌さるもねらきんちょうチフスパラチフスライムびょう野兎やとびょうQねつなど
発疹ほっしんチフスツツガムシびょう日本にっぽんべにむらねつなど
クラミジア肺炎はいえんトラコーマ性器せいきクラミジア感染かんせんしょうオウムびょうなど
きん感染かんせんしょう
アスペルギルスしょうカンジダしょうクリプトコッカスしょう白癬はくせんきんしょうヒストプラズマしょうニューモシスチス肺炎はいえん旧名きゅうめい:カリニ肺炎はいえん)など
寄生きせいせい原虫げんちゅう感染かんせんしょう
アメーバ赤痢せきりマラリアトキソプラズマしょうリーシュマニアしょうクリプトスポリジウムなど
寄生きせいせい蠕虫感染かんせんしょう
エキノコックスしょう日本にっぽんじゅう吸虫しょうフィラリアしょう回虫かいちゅうしょう広節裂頭条虫こうせつれっとうじょうちゅうしょうなど
ウイルス感染かんせんしょう
インフルエンザウイルスせい肺炎はいえんウイルスせい肝炎かんえんウイルスせいずいまくえんウイルスせい胃腸いちょうえんウイルスせい結膜炎けつまくえん後天こうてんせい免疫めんえき不全ふぜん症候群しょうこうぐん (AIDS)、成人せいじんT細胞さいぼう白血病はっけつびょうエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつねつ風邪かぜ症候群しょうこうぐん狂犬病きょうけんびょうサイトメガロウイルス感染かんせんしょう重症じゅうしょう急性きゅうせい呼吸こきゅう症候群しょうこうぐん (SARS) 、中東ちゅうとう呼吸こきゅう症候群しょうこうぐん (MERS) 、新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしょう (COVID-19) 、新型しんがたブニヤウイルス重症じゅうしょう熱性ねっせい血小板けっしょうばん減少げんしょう症候群しょうこうぐん進行しんこうせいせいしろしつ脳症のうしょう水痘すいとう帯状疱疹たいじょうほうしん単純たんじゅん疱疹手足てあしこうびょうデング熱でんぐねつジカねつ日本脳炎にほんのうえん伝染でんせんせいべにまだら伝染でんせんせいたんかくだましょう天然痘てんねんとう風疹ふうしん急性きゅうせいはいしろずいえんポリオ)、麻疹ましん咽頭いんとう結膜けつまくねつ(プールねつ)、マールブルグ出血しゅっけつねつじん症候しょうこうせい出血しゅっけつねつラッサねつ流行りゅうこうせい耳下腺炎じかせんえんウエストナイルねつヘルパンギーナチクングニアねつなど
プリオンやまい / 伝達でんたつせい海綿かいめんじょう脳症のうしょう
うし海綿かいめんじょう脳症のうしょう (BSE)、クールーびょうクロイツフェルト・ヤコブびょう致死ちしせい家族かぞくせい不眠症ふみんしょう (FFI)、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群しょうこうぐん (GSS) など

病態びょうたいからの分類ぶんるい

いち感染かんせん感染かんせん
最初さいしょ病原びょうげんたいによる感染かんせんいち感染かんせんつづいてべつ病原びょうげんたいによる感染かんせん感染かんせんという。また、どういち宿主しゅくしゅに2種類しゅるい以上いじょう病原菌びょうげんきんによって感染かんせんこることを混合こんごう感染かんせんという。感染かんせんいちれいとして、いち感染かんせん抗生こうせい物質ぶっしつ排除はいじょしてもその抗生こうせい物質ぶっしつ抵抗ていこうせいつねざいきん異常いじょう増殖ぞうしょくこすきん交代こうたい現象げんしょうがある。
局所きょくしょ感染かんせん全身ぜんしん感染かんせん
病原びょうげんたい侵入しんにゅう定着ていちゃく部位ぶい限局げんきょくして病変びょうへんこす場合ばあい局所きょくしょ感染かんせんという。この病原びょうげんたい血行けっこうせいなど全身ぜんしんひろがって症状しょうじょう場合ばあい全身ぜんしん感染かんせんという。
持続じぞく感染かんせんあらわせい感染かんせん潜伏せんぷく感染かんせん

公衆こうしゅう衛生えいせいがくてき分類ぶんるい

世界せかい疾病しっぺい負荷ふか(WHO、2019ねん[6]
順位じゅんい 疾病しっぺい DALYs
まん
DALYs
(%)
DALYs
(10まんにんたり)
1 新生児しんせいじ疾患しっかん 20,182.1 8.0 2,618
2 きょせいこころ疾患しっかん 18,084.7 7.1 2,346
3 脳卒中のうそっちゅう 13,942.9 5.5 1,809
4 しも気道きどう感染かんせんしょう 10,565.2 4.2 1,371
5 下痢げりせい疾患しっかん 7,931.1 3.1 1,029
6 交通こうつう事故じこ 7,911.6 3.1 1,026
7 COPD 7,398.1 2.9 960
8 糖尿とうにょうびょう 7,041.1 2.8 913
9 結核けっかく 6,602.4 2.6 857
10 先天せんてん異常いじょう 5,179.7 2.0 672
11 背中せなかくびいた 4,653.2 1.8 604
12 うつびょうせい障害しょうがい 4,635.9 1.8 601
13 肝硬変かんこうへん 4,279.8 1.7 555
14 気管きかん気管支きかんしはいがん 4,137.8 1.6 537
15 腎臓じんぞうびょう 4,057.1 1.6 526
16 HIV / AIDS 4,014.7 1.6 521
17 その難聴なんちょう 3,947.7 1.6 512
18 墜死ついし 3,821.6 1.5 496
19 マラリア 3,339.8 1.3 433
20 裸眼らがん屈折くっせつ異常いじょう 3,198.1 1.3 415
新興しんこう感染かんせんしょう
輸入ゆにゅう感染かんせんしょうのうち、継続けいぞくてき国内こくないでの発症はっしょうられるようになったもの。
れい後天こうてんせい免疫めんえき不全ふぜん症候群しょうこうぐんCOVID-19
再興さいこう感染かんせんしょう
社会しゃかい情勢じょうせい変化へんかにより、近年きんねんまでおさえられていた発症はっしょうすうふたた増加ぞうか傾向けいこうしめすもの。
れい結核けっかく梅毒ばいどく風疹ふうしん麻疹ましん
ひとじゅう共通きょうつう感染かんせんしょう
ヒトとヒト以外いがい動物どうぶつ両方りょうほう感染かんせんしょうじ、予防よぼう対策たいさく両者りょうしゃへの介入かいにゅうようするもの。
れい狂犬病きょうけんびょうエキノコックス
伝染でんせんびょう
病気びょうきこした個体こたい(ヒトや動物どうぶつなど)から病原びょうげんたいべつ個体こたいへと到達とうたつし、連鎖れんさてき感染かんせんしゃすう拡大かくだいするもの。
輸入ゆにゅう感染かんせんしょう
旅行りょこうしゃ輸入ゆにゅう食品しょくひんかいして病原びょうげんたい海外かいがいからまれ、国内こくないではまれ感染かんせんしょうしょうじるもの。
れい重症じゅうしょう急性きゅうせい呼吸こきゅう症候群しょうこうぐんデング熱でんぐねつ黄熱病おうねつびょう
検疫けんえき伝染でんせんびょう
輸入ゆにゅう感染かんせんしょうのうちいち国内こくない進入しんにゅうすると流行りゅうこうする危険きけんのあるものは、検疫けんえきほうによって検疫けんえき伝染でんせんびょう指定していがされている。
れいコレラペスト

日本にっぽんにおける法的ほうてき分類ぶんるい

感染かんせんしょうほうによる。

一類いちるい感染かんせんしょう
感染かんせんりょくじゅうあつたび危険きけんせいきわめてたかく、早急そうきゅう届出とどけで必要ひつようになる
るい感染かんせんしょう
感染かんせんりょくじゅうあつたび危険きけんせいたかく、早急そうきゅう届出とどけで必要ひつようになる
さんるい感染かんせんしょう
感染かんせんりょくじゅうあつたび危険きけんせいたかくはいものの、集団しゅうだん発生はっせいこす可能かのうせいたかため早急そうきゅう届出とどけで必要ひつようになる
よんるい感染かんせんしょう
ひと同士どうし感染かんせんいが、動物どうぶつ飲食いんしょくぶつとうかいしてひと感染かんせんするため早急そうきゅう届出とどけで必要ひつようになる
るい感染かんせんしょう
国家こっか感染かんせんしょう発生はっせい動向どうこう調査ちょうさおこない、国民こくみん医療いりょう関係かんけいしゃ医療いりょう機関きかん必要ひつよう情報じょうほう提供ていきょう公開こうかいし、発生はっせいおよ蔓延まんえん伝染でんせん防止ぼうしする必要ひつようがある感染かんせんしょう
新型しんがたインフルエンザとう感染かんせんしょう
あらたにひとからひと伝染でんせんするようになったウイルスを病原びょうげんたいにする感染かんせんしょう
指定してい感染かんせんしょう
既知きち感染かんせんしょうなかで、上記じょうきいちからさんるい分類ぶんるいされない感染かんせんしょうで、いちからさんるいじゅんじる対人たいじん対物たいぶつ措置そち必要ひつよう感染かんせんしょう
いちねん以内いない政令せいれいさだめる期間きかんかぎり、感染かんせんしょうほう規定きてい準用じゅんようする
当該とうがい期間きかん経過けいか、1かいかぎり、いちねん以内いない政令せいれいさだめる期間きかんかぎ延長えんちょうすることができる[8]
しん感染かんせんしょう
感染かんせんしたひとからひと伝染でんせんするとみとめられる疾病しっぺいで、既知きち感染かんせんしょう症状しょうじょうとうあきらかにそれまでのものとはことなり、その感染かんせんりょく罹患りかんしたときじゅうあつしせいからはんずるに、きわめて危険きけんせいたか感染かんせんしょう

診断しんだん

感染かんせんしょういたみ・発熱はつねつなどを契機けいき気付きづかれることがおおいが、これらの症状しょうじょうはまた腫瘍しゅようやアレルギーなど感染かんせん以外いがいによってもこされるため、診断しんだんがくまえた問診もんしん身体しんたい診察しんさつにより適切てきせつ鑑別かんべつしぼむことによって、必要ひつよう十分じゅうぶん検査けんさによる診断しんだん可能かのうとなる。

身体しんたい診察しんさつによる診断しんだんれいとして、蜂巣はちすえんでの皮膚ひふ発赤はっせきのように視診ししん気付きづかれるもの、気管支炎きかんしえんでの呼吸こきゅう雑音ざつおんなど聴診ちょうしん気付きづかれるもの、虫垂炎ちゅうすいえんでのMcBurneyあつ痛点つうてんちょうこしきん膿瘍のうようにおけるPsoas signやObturator signなど触診しょくしん気付きづかれるものがある。

治療ちりょう

感染かんせんしょうおおくは安静あんせい休養きゅうよう栄養えいよう水分すいぶん補給ほきゅうによる免疫めんえきりょく回復かいふく、あるいは体位たいいドレナージによるはいたん促進そくしん利尿りにょうなどの補助ほじょ療法りょうほうつうじて自然しぜん治癒ちゆするが、先進せんしん諸国しょこくにおいては治癒ちゆはやめたり、徹底てっていしたり、後遺症こういしょう予防よぼうしたりする目的もくてきでしばしば抗生こうせい物質ぶっしつ抗菌こうきんやくによる化学かがく療法りょうほう (細菌さいきん)や、こうウイルス治療ちりょう併用へいようされる。また、局所きょくしょ感染かんせんにおいては切開せっかいはいうみやドレナージといった外科げかてき治療ちりょう併用へいようされる。敗血症はいけつしょうショック全身ぜんしんせい炎症えんしょう反応はんのう症候群しょうこうぐん(SIRS)などを合併がっぺいする重症じゅうしょう感染かんせんしょうにおいては、ときに抗体こうたい製剤せいざい血漿けっしょう交換こうかん併用へいようする。

予防よぼう

消毒しょうどく滅菌めっきん

消毒しょうどく
病原びょうげん微生物びせいぶつころすこと、または病原びょうげん微生物びせいぶつ能力のうりょく減退げんたいさせ病原びょうげんせいをなくすことである。よって、すべての微生物びせいぶつころすことではない。一般いっぱん消毒しょうどくもちいられる物質ぶっしつ消毒しょうどくざいという。
滅菌めっきん
病原びょうげんたい病原びょうげんたい有無うむかかわらず、すべての微生物びせいぶつ死滅しめつさせる、あるいは除去じょきょすること。手術しゅじゅつにおける滅菌めっきん無菌むきん操作そうさばれる。

法律ほうりつ

感染かんせんしょうかんする法律ほうりつには以下いかのようなものがある。

日本にっぽん

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

  • 市民しみん健康けんこう安全あんぜん確保かくほとバイオテロリズムへの対応たいおうかんする法律ほうりつ 2002[9]

疫学えきがく

 
感染かんせんしょうおよび寄生虫きせいちゅうびょうによる人口じんこうひゃくまんあたり死亡しぼうしゃすう(2012ねん
  28にんから81にん
  82にんから114にん
  115にんから171にん
  172にんから212にん
  213にんから283にん
  284にんから516にん
  517にんから1,193にん
  1,194にんから2,476にん
  2,477にんから3,954にん
  3,955にんから6,812にん
 
感染かんせんしょうおよび寄生虫きせいちゅうびょうによる人口じんこうひゃくまんあたり障害しょうがい調整ちょうせい生命せいめいねん(2004ねん[10]
  データなし
  250ねん以下いか
  250ねんから500ねん
  500ねんから1,000ねん
  1,000ねんから2,000ねん
  2,000ねんから3,000ねん
  3,000ねんから4,000ねん
  4,000ねんから5,000ねん
  5,000ねんから6,250ねん
  6,250ねんから12,500ねん
  12,500ねんから25,000ねん
  25,000ねんから50,000ねん
  50,000ねん以上いじょう

2010ねんには、やく1000まんにん感染かんせんしょう死亡しぼうしている[11]。WHOは感染かんせんしょうによる死者ししゃICD分類ぶんるい集計しゅうけいしており、2002ねんについてのデータを以下いかしめす。

感染かんせんしょうによる世界せかい死亡しぼうりつ[12][13]
順位じゅんい 死因しいん 2002ねん死者ししゃ
(ひゃくまん)
死因しいんめる割合わりあい(%) 1993ねん死者ししゃ
(ひゃくまん)
1993ねん順位じゅんい
N/A 感染かんせんしょうすべて 14.7 25.9% 16.4 32.2%
1 しも気道きどう感染かんせんしょう[ちゅう 1] 3.9 6.9% 4.1 1
2 HIV/AIDS 2.8 4.9% 0.7 7
3 感染かんせんせい下痢げり[14] 1.8 3.2% 3.0 2
4 結核けっかく (TB) 1.6 2.7% 2.7 3
5 マラリア 1.3 2.2% 2.0 4
6 麻疹ましん 0.6 1.1% 1.1 5
7 百日咳ひゃくにちぜき 0.29 0.5% 0.36 7
8 破傷風はしょうふう 0.21 0.4% 0.15 12
9 ずいまくえん 0.17 0.3% 0.25 8
10 梅毒ばいどく 0.16 0.3% 0.19 11
11 Bがた肝炎かんえん 0.10 0.2% 0.93 6
12-17 熱帯ねったいびょう (6)[ちゅう 2] 0.13 0.2% 0.53 9, 10, 16–18

さんだい死因しいんはHIV/AIDS、結核けっかく、マラリアである。感染かんせんしょうによる死亡しぼうはほぼすべて減少げんしょうしているが、しかしHIVによる死者ししゃは4ばい増加ぞうかしている。

歴史れきしてきパンデミック

 
1720ねんのペストでは、マルセイユ周辺しゅうへんで10まんにん死亡しぼうした

感染かんせんせい疾患しっかんとの関連かんれん

一部いちぶ感染かんせんしょう感染かんせんせい疾患しっかん発症はっしょうつよ関連かんれんつことが、近年きんねんあきらかになりつつある。

血液けつえきがたべつ感染かんせんりつ 

RTIインターナショナル英語えいごばん研究けんきゅうしゃ現在げんざいまでの発見はっけんをまとめており、細菌さいきんやウイルス、感染かんせんしょう感染かんせんせいABOしき血液けつえきがた関係かんけいするのは、使用しようされる血液けつえきがた抗原こうげんによって抗原こうげん感受性かんじゅせいことなるためである[15]。Oがたはペスト、ノロウイルス、耳下腺炎じかせんえん結核けっかくよわく、Aがた天然痘てんねんとうみどりうみきん、サルモネラによわく、Bがた淋病りんびょう結核けっかく大腸菌だいちょうきん、サルモネラによわく、ABがた天然痘てんねんとう大腸菌だいちょうきん、サルモネラによわ[15]国立こくりつ生物せいぶつ工学こうがく情報じょうほうセンター発行はっこう遺伝いでん医学いがく書籍しょせきでは、Oがたはマラリアから防御ぼうぎょされ、コレラではOがたよわくABがたつよ可能かのうせいがある[16]

ヒト以外いがい感染かんせんしょう

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

  1. ^ たとえば肺炎はいえん、インフルエンザ、急性きゅうせい気管支炎きかんしえんなど。
  2. ^ シャーガスびょうデング熱でんぐねつ、リンパせいフィラリアしょう、リーシュマニアしょう、オンコセルカしょうじゅう吸虫しょう、トリパノソーマしょうなどがある。

出典しゅってん

  1. ^ メルクマニュアル医学いがく百科ひゃっか P1,082 188しょう 感染かんせんしょう基礎きそ知識ちしき
  2. ^ さんだい感染かんせんしょうについて 外務省がいむしょう 2011ねん7がつ, 2021ねん4がつ5にち閲覧えつらん
  3. ^ GBD 2013 Mortality and Causes of Death, Collaborators (17 December 2014). “Global, regional, and national age-sex specific all-cause and cause-specific mortality for 240 causes of death, 1990-2013: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2013”. Lancet 385 (9963): 117–71. doi:10.1016/S0140-6736(14)61682-2. PMC 4340604. PMID 25530442. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4340604/. 
  4. ^ [1]
  5. ^ Infectious Disease, Internal Medicine”. Association of American Medical Colleges. 2015ねん2がつ6にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2015ねん8がつ20日はつか閲覧えつらん。 “Infectious disease is the subspecialty of internal medicine dealing with the diagnosis and treatment of communicable diseases of all types, in all organs, and in all ages of patients.”
  6. ^ Global health estimates: Leading causes of DALYs (Excel) (Report). 世界せかい保健ほけん機関きかん. 2020ねん12月. Download the data > GLOBAL AND BY REGION > DALY estimates, 2000–2019 > WHO regions. 2021ねん3がつ27にち閲覧えつらん
  7. ^ a b だい73かい厚生こうせい科学かがく審議しんぎかい感染かんせんしょう部会ぶかい 議事ぎじろく”. 厚生こうせい労働ろうどうしょう. 2023ねん4がつ26にち閲覧えつらん
  8. ^ 指定してい感染かんせんしょうおよ検疫けんえき感染かんせんしょうについて (PDF) 厚生こうせい労働省ろうどうしょう(2020ねん11月27にち閲覧えつらん
  9. ^ アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく感染かんせんしょう対策たいさく (PDF)
  10. ^ World Health Organization (2009ねん2がつ). “Age-standardized DALYs per 100,000 by cause, and Member State, 2004”. 2009ねん2がつ閲覧えつらん
  11. ^ “Could Ebola rank among the deadliest communicable diseases?”. CBC News. (2014ねん10がつ20日はつか). http://www.cbc.ca/news/1.2802071 
  12. ^ The World Health Report (Annex Table 2) (PDF) (Report). 2004.
  13. ^ Table 5 (PDF) (Report). 1995.
  14. ^ ICD-10 #A00-A79Intestinal infectious diseases参照さんしょう
  15. ^ a b Ewald DR, Sumner SC (November 2016). “Blood type biochemistry and human disease”. Wiley Interdiscip Rev Syst Biol Med 8 (6): 517–535. doi:10.1002/wsbm.1355. PMC 5061611. PMID 27599872. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5061611/. 
  16. ^ Laura Dean (2017). “ABO Blood Group”. Medical Genetics Summaries. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK100894/  PMID 28520352

関連かんれん文献ぶんけん

  • 千酌ちくみ浩樹ひろき麻酔ますいっておくべき感染かんせんしょう知識ちしきだい1かい基本きほんてき感染かんせんしょう」『日本にっぽん臨床りんしょう麻酔ますい学会がっかいだい37かんだい4ごう日本にっぽん臨床りんしょう麻酔ますい学会がっかい、2017ねん、513-531ぺーじdoi:10.2199/jjsca.37.513 

関連かんれん項目こうもく

動物どうぶつ由来ゆらい感染かんせんしょう

外部がいぶリンク