クライペダ

クライペダ ; Klaipėda
市し旗はた	市し章あきら
位置いち
	; クライペダの位置いち（リトアニア共和きょうわ国こく）
座標ざひょう : 北緯ほくい55度ど42分ふん27秒びょう東経とうけい21度ど08分ふん34秒びょう / 北緯ほくい55.70750度ど東経とうけい21.14278度ど
歴史れきし
文献ぶんけんに登場とうじょう	1252年ねん
市しに制定せいてい	1254年ねん
旧名きゅうめい	メーメル (Memel)
創設そうせつ者しゃ	ドイツ騎士きし団だん
行政ぎょうせい
国くに	リトアニア
地方ちほう	小しょうリトアニア
郡ぐん	クライペダ郡ぐん
自治体じちたい	クライペダ都市とし自治体じちたい
市し	クライペダ
市長しちょう	ヴィータウタス・グルブリアウスカス
地理ちり
面積めんせき
市域しいき	110 km2 (42.5 mi2)
人口じんこう
人口じんこう	（2009年ねん現在げんざい）
市域しいき	183,433人にん
その他た
等ひとし時とき帯おび	EET (UTC+2)
夏時間なつじかん	EEST (UTC+3)
郵便ゆうびん番号ばんごう	LT-91001（中心ちゅうしん部ぶ）
市外しがい局番きょくばん	(+370) 46
	公式こうしきウェブサイト : http://www.klaipeda.lt/

クライペダ（リトアニア語ご: Klaipėda）は、ネマン川がわ河口かこうに近ちかく、バルト海ばるとかいに面めんしたリトアニア西部せいぶの港湾こうわん都市とし。クライペダ郡ぐんの中心ちゅうしん都市としであり、同国どうこく唯一ゆいいつの港湾こうわん都市としである。ドイツ名なはメーメル (Memel) またはメーメルブルク (Memelburg)、ポーランド語ごではクワイペダ (Kłajpeda)。

ハンザ同盟どうめいの重要じゅうような都市としとして、古ふるくから交易こうえき上じょうの要衝ようしょうである。人口じんこうは 18万まん5899 人にん（2007年ねん）で、1989年ねんの 20万まん2900人にんから減少げんしょう傾向けいこうにある。ほとんどの住民じゅうみんはリトアニア人じんである。今日きょうクライペダはスウェーデン、デンマーク、ドイツ、ポーランドと連絡れんらくする主要しゅようなフェリー港みなとである。

クライペダはダネ川がわの河口かこう近ちかくに位置いちしてドイツ、イギリス、デンマークにあるような木き枠わくの柱はしらが使つかわれる建築けんちくに富とんでいる。クライペダ近郊きんこうには、リトアニアで人気にんきのある海岸かいがんリゾート地ちのパランガやニダおよび世界せかい遺産いさん（文化ぶんか遺産いさん）に登録とうろくされたクルシュー砂州さす国立こくりつ公園こうえんがある。

歴史れきし

創建そうけんからプロイセン王国おうこくまで

クライペダはバルト族ぞくにより12世紀せいきに創建そうけんされた。長ながい間あいだクライペダは東ひがしプロイセンに属ぞくし、そのあいだメーメルと呼よばれていた。

このバルト海ばるとかいの港町みなとちょうは1252年ねんにドイツ騎士きし団だんによって創建そうけんされ、カストルム・メルメレ（Castrum Memele, ドイツ語ごでは Memelburg, また Mimmelburg）の名なで記録きろくに残のこされた。1254年ねんにメーメルはハンザ自由じゆう都市としとなり、1257年ねんにはリューベック法ほう（ドイツ語ご版ばん）を承認しょうにんした。この地域ちいきはドイツ騎士きし団だんによりキリスト教きりすときょうに改宗かいしゅうさせられた。1422年ねんのメルノ海うみ平和へいわ条約じょうやく（ドイツ語ご版ばん）により、プロイセン公国こうこくとリトアニアの国境こっきょうが定さだめられた。メーメルはプロイセン領りょうとなり、この国境こっきょう線せんは1919年ねんまで変かわらずに残のこった。これはヨーロッパにおける最もっとも長ながく変更へんこうされなかった国境こっきょう線せんのひとつである。

1474年ねんの初はじめには、メーメルはプロイセン州しゅうの都市としとしてクルム法ほう（英語えいご版ばん）に基もとづき統治とうちされていた。1525年ねんにメーメル公爵こうしゃく領りょうはアルブレヒト（アルブレヒト・フォン・ブランデンブルク＝アンスバハ＝プロイセン）によりルター派は地域ちいきとなる。これが街まちと港湾こうわんの長年ながねんにわたる発展はってんの始はじまりを告つげた。なぜならプロイセン公国こうこくはポーランドの采さい地ちであり、後のちにはポーランド＝リトアニア共和きょうわ国こくの一部いちぶとなったからである。ダネ川がわの河口かこう近ちかくに位置いちするという利点りてんを活いかし、この国境こっきょうの都市としは近隣きんりんのリトアニアに貿易ぼうえき港こうとしての役割やくわりを務つとめた。繁栄はんえいの時代じだいは1629年ねんから1635年ねんにかけて、メーメルがスウェーデンの攻撃こうげきにより損害そんがいを受うけ、占領せんりょうされたときに終おわった。メーメルは幾度いくども再建さいけんされたが、75年ねん後ごには多おおくの人ひとがペストで死亡しぼうした。18世紀せいき初頭しょとうにスウェーデンに再ふたたび占領せんりょうされたが、1720年ねんにプロイセン王国おうこくの領土りょうどとして確定かくていした。

ドイツ帝国ていこくから戦たたかえ間あいだ期きまで

20世紀せいき初頭しょとうの街まち並なみ（絵葉書えはがき）

1871年ねんにプロイセン王国おうこくを主体しゅたいにドイツ統一とういつが達成たっせいされると、メーメルはドイツ帝国ていこくの中なかで最もっとも東北とうほく部ぶに位置いちする都市としとなった。

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん後ごの1919年ねん、敗戦はいせん国こくのドイツ領りょうであった当地とうちは連合れんごう国こくの保護ほご下かに置おかれ、ヴェルサイユ条約じょうやく締結ていけつによりメーメル及およびその周辺しゅうへん（メーメルラント）はドイツから割譲かつじょうされた。割譲かつじょう地ちは国際こくさい管理かんり地域ちいきとしてフランスによる委任いにん統治とうちの下したに置おかれ、フランス軍ぐんが駐留ちゅうりゅうする中なかで地方ちほう自治じちが行おこなわれていた。しかし、1923年ねんにブドリュス大佐たいさ指揮しき下かのリトアニア軍ぐんが侵攻しんこうし、リトアニアに編入へんにゅうされた。フランスは自治じち権けんの保持ほじを条件じょうけんにメーメルラントを放棄ほうきし、連合れんごう国こくもリトアニアへの編入へんにゅうを追認ついにんし、リトアニア領りょうクライペダとして国際こくさい承認しょうにんされた。ドイツ人じんの人口じんこうが多おおかったクライペダでは、1938年ねんの選挙せんきょでナチ党とうが勝利しょうりし、1939年ねん 3月22日にち、ドイツ第だい三さん帝国ていこくに併合へいごうされてドイツ領りょうメーメルとなった（この時とき、ヒトラー総統そうとうが旧きゅう市街しがいのドラマ劇場げきじょうのバルコニーに立たち演説えんぜつした）。この併合へいごうはオーストリア併合へいごう及およびチェコスロバキア解体かいたい（ズデーテン地方ちほうとベーメン・メーレン保護ほご領りょうの併合へいごう）の後のちに行おこなわれ、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん前まえにドイツが平和へいわ裏うらに獲得かくとくした最後さいごの地域ちいきとなった。

第だい二に次じ大戦たいせん末期まっきから現在げんざいまで

リタス記念きねん硬貨こうか：クライペダが描えがかれている

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅう、1944年ねん末すえから1945年ねんにかけて連合れんごう国こくの勝利しょうりが目前もくぜんとなった頃ころ、東部とうぶ戦線せんせんの戦線せんせんが近ちかづくにつれてドイツ人じん住民じゅうみんは引ひき揚あげを余儀よぎなくされた。1945年ねん1月がつ28日にち、クライペダはソビエト連邦れんぽうの赤軍せきぐんに占拠せんきょされた。大戦たいせん後ご、メーメル地域ちいきは東ひがしプロイセンの他ほかの地域ちいきとは違ちがいカリーニングラード州しゅうの一部いちぶとはされず、リトアニア・ソビエト社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こくに編入へんにゅうされ、リトアニア・ソビエト社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく領りょうクライペダとなった。この地域ちいきに残のこっていたドイツ系けい住民じゅうみんは、シベリアに送おくられるかドイツへ追放ついほうされる等とうした（ドイツ人じん追放ついほう）。

ソ連それんは、バルト海ばるとかい東岸とうがんの不凍港ふとうこうであるクライペダをヨーロッパ地域ちいき最大さいだいの漁業ぎょぎょう地域ちいき兼けん海軍かいぐんの拠点きょてんにした。1950年ねん頃ころまでに、ソ連それんの海港かいこうとして近代きんだい的てきな大だい造船ぞうせん所しょや漁港ぎょこうが再さい整備せいびされ、1950年代ねんだい末すえまでに人口じんこうは戦前せんぜんの2倍ばいにふくれあがり、そして1989年ねんには20万まん3000人にんに達たっした。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの影響えいきょうから、ほとんどすべての住民じゅうみんはロシア、ベラルーシ、ウクライナそしてリトアニアといった地域ちいきから流入りゅうにゅうしていた。はじめはロシア語ご話者わしゃが市政しせいを担になっていたが、スターリンの死後しごはリトアニアから他たより多おおく人ひとが集あつまったため、リトアニア人じんが最もっとも多おおい民族みんぞくとなった。とはいえそれでも、リトアニアで人口じんこう10万まん人にんを超こえる都市としの中なかではクライペダが最もっともロシア語ごを母国ぼこく語ごとする人ひとの割合わりあいが大おおきい。

1970年代ねんだいまで、クライペダは経済けいざい面めんでのみ重要じゅうよう視しされ、文化ぶんか活動かつどうや宗教しゅうきょう活動かつどうは最小限さいしょうげんに抑おさえられ制限せいげんされていた。多おおくの教会きょうかいは第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅうに損害そんがいを受うけ、さらにソ連それん占領せんりょう中ちゅうに取とり壊こわされており、ローマ・カトリック教会きょうかいを広ひろめようとした者ものは逮捕たいほされた。その後ご、文化ぶんか活動かつどうは1970年代ねんだいから80年代ねんだいにかけて発展はってんしはじめ、海うみの祭まつりなどが催もよおされるようになっていった。

1990年ねんにリトアニアがソ連それんからの独立どくりつ回復かいふくを宣言せんげんし、1991年ねんにクライペダ大学だいがくが設立せつりつされる。今いまではドイツ語ごとリトアニア語ごの2カ国かこく語ご協会きょうかい「Hermann-Sudermann-Schule」も作つくられている。

交通こうつう

船舶せんぱく

クライペダ港こうと造船ぞうせん所しょの浮うわきドック

ドイツ（キールおよびザスニッツ（ドイツ語ご版ばん））、デンマーク、スウェーデン、ポーランド（グダニスク）への航路こうろが存在そんざいする。

近郊きんこう公共こうきょう交通こうつう

近郊きんこう公共こうきょう交通こうつう網もうとしてバスが運行うんこうされる。バスはボルボ社しゃまたはダイムラー・ベンツ社しゃのものがよく使つかわれる。また路線ろせんタクシーも利用りようされている。路線ろせんタクシーとは、フォード・トランジット・バスのような大おおきさで、特定とくていの路線ろせんに運行うんこうされるものである。運賃うんちんは乗客じょうきゃく一いち人にん当あたりに定さだめられている。路線ろせんタクシーの運賃うんちんは、一いち日にちあたり 1リタス、深夜しんや料金りょうきんは 2リタスである。利用りよう距離きょりには限定げんていはない。

渡船とせん：旧きゅう市街しがい（Old Castle Port）～スミルティネ（30分ふんに1本ほん程度ていど、所要しょよう時間じかん約やく10分ふん）
路線ろせんバス：スミルティネ～ニダ（1日にち10便びん程度ていど、所要しょよう時間じかん約やく1時じ間あいだ）
路線ろせんバス：クライペダバスターミナル～パランガ（30分ふんに1本ほん程度ていど、所要しょよう約やく45分ふん）

鉄道てつどう

クライペダには1875年ねんに鉄道てつどうが開通かいつうした。パゲギャイおよびポゲーゲンに通つうじる路線ろせんは第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんまで唯一ゆいいつの鉄道てつどう路線ろせんであった。今日きょうでは近郊きんこう路線ろせんだけが運行うんこうされている。今日きょう、もっとも重要じゅうような鉄道てつどう路線ろせんはシャウレイ（Šiauliai）経由けいゆでヴィリニュスへ通つうじる路線ろせんである。この路線ろせんには毎日まいにち三さん本ほんの遠距離えんきょり列車れっしゃ（うち一いち本ほんは夜行やこう列車れっしゃ）、および三さん本ほんの地域ちいき内ない列車れっしゃが運行うんこうされている。運行うんこう主体しゅたいはリトアニア鉄道てつどう（Lietuvos Geležinkeliai）である。

ヴィリニュス行いき（1日にち3本ほん、所要しょよう時間じかん約やく5時じ間あいだ）

長距離ちょうきょりバス

バスターミナルから、シャウリェイ、シルーテ、ヴィリニュス（カウナス経由けいゆ）、リガ、リエパーヤ、ポーランド、ドイツ、ロシアのカリーニングラードへの路線ろせんバスが出でている。バスターミナルはクライペダ中央ちゅうおう駅えきのすぐそばにある。ターミナルからは近郊きんこうの都市としとの路線ろせんバスも多おおく発着はっちゃくする。