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出入国管理 - Wikipedia

出入国しゅつにゅうこく管理かんり

人物じんぶつ出入国しゅつにゅうこく管理かんり把握はあくする公務こうむ

出入国しゅつにゅうこく管理かんり(しゅつにゅうこくかんり)とは、国境こっきょう空港くうこうみなとなど、ひとことなる国家こっかあいだ出入でいりする場合ばあいに、当該とうがいくに政府せいふ)がその出入国しゅつにゅうこく管理かんり審査しんさ把握はあくすることをいう。出入でいりさかい管理かんり出入でいりいき管理かんりばれることもある[ちゅう 1]

タイスワンナプーム国際こくさい空港くうこうのパスポートコントロール

英語えいごでは Immigration Control もしくは Border Controlぶ。なお正確せいかくには、入国にゅうこくは「Immigration(イミグレーション)」、出国しゅっこくは「Emigration(エミグレーション)」である。なお日本語にほんごでこれをそのままんだ「イミグレーション」、それを省略しょうりゃくした「イミグレ」は、このまま日本語にほんごしている。文字もじ表記ひょうきおよび発音はつおん非常ひじょう類似るいじしており、注意ちゅういされたい。

物品ぶっぴん出入でいりについては手荷物てにもつ検査けんさなどが出入国しゅつにゅうこく審査しんさ付随ふずいしておこなわれるが、貿易ぼうえきなど物品ぶっぴん出入でいりのみを目的もくてきとする場合ばあいは「出入国しゅつにゅうこく」とはいわず「輸出入ゆしゅつにゅう」というのが普通ふつうである。

出入国しゅつにゅうこく管理かんり目的もくてき

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防犯ぼうはん

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なお、ひと国家こっかあいだ移動いどうさいしては一定いっていりょう物品ぶっぴん携行けいこうみとめられるが、これにかんして税関ぜいかん検査けんさ検疫けんえきなどの手続てつづきがある。

防疫ぼうえき

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現代げんだいでは地球ちきゅう裏側うらがわなど、生態せいたいけいおおきくちが世界せかいあいだで、ひと物資ぶっし移動いどう可能かのうになったため、生態せいたいけいおおいに擾乱じょうらんする可能かのうせいのある植物しょくぶつ食料しょくりょう生物せいぶつとく病原びょうげんたい)の移動いどう水際みずぎわ阻止そしすることは、出入国しゅつにゅうこく管理かんり重要じゅうよう目的もくてきひとつである。特定とくてい感染かんせんしょう流行りゅうこうしている地域ちいきとのあいだでは、渡航とこう制限せいげんかれたり、感染かんせんうたがいがある場合ばあいは、上陸じょうりく許可きょかとなったりすることがある。

経済けいざい保護ほご

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国家こっかあいだ経済けいざい格差かくさおおきい場合ばあい大量たいりょう経済けいざい移民いみん希望きぼうしゃしょうじることがある。しかしその人数にんずうあまりにもおお場合ばあい渡航とこうさき国民こくみん失業しつぎょう住宅じゅうたく不足ふそくなどの問題もんだいこしてしまう。この観点かんてんから、移民いみん希望きぼうしゃ一定いっていすう制限せいげんしている国家こっかおおい。


上記じょうき必要ひつよう項目こうもく3つをCIQ英語えいご: Customs・Immigration・Quarantineりゃく)とぶ。

出入国しゅつにゅうこく手続てつづき

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旅券りょけん査証さしょう

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旅券りょけん

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旅券りょけん(パスポート)は、旅行りょこうしゃ国籍こくせきのある国家こっか政府せいふ発行はっこうする、出入国しゅつにゅうこく管理かんりさい提示ていじ要求ようきゅうされる国籍こくせき身分みぶん証明しょうめいしょであり、出入国しゅつにゅうこく管理かんり記録きろくちょうとしての性格せいかくつ。すべての国家こっかにおいて、旅券りょけん所持しょじ携帯けいたい出入国しゅつにゅうこくさい必須ひっすである。

日本にっぽんにおいては、旅券りょけんかく都道府県とどうふけん旅券りょけん窓口まどぐちまた在外ざいがい公館こうかん申請しんせいして取得しゅとくする(2006ねん以降いこう都道府県とどうふけん旅券りょけん窓口まどぐちではなく市役所しやくしょ町村ちょうそん役場やくばとう窓口まどぐちになっている地域ちいきもある)。

なお、国際こくさい条約じょうやくなどに明文めいぶんがあるわけではなく、したがって、すべての国家こっか適用てきようされるとはいえないものの、国際こくさい慣例かんれいとして、おおむね国家こっか元首げんしゅ原則げんそく各国かっこく1にん)は、出入国しゅつにゅうこく審査しんさ対象たいしょうがい国王こくおう元々もともと旅券りょけん作成さくせいしておらず、大統領だいとうりょう旅券りょけん携行けいこうするが使つかわない)とされている。しかし、王族おうぞく閣僚かくりょう首相しゅしょうふくむ。)の場合ばあいは、元首げんしゅでないため、公用こうよう渡航とこうであっても、旅券りょけんへの許可きょか記載きさいとう手続てつづき必要ひつようとするれいおおいとされる(本人ほんにんはいわゆるVIPルート、つまり空港くうこうターミナルビルはいらずにみちとおる。また、日本にっぽん内閣ないかく総理そうり大臣だいじんにおける公用こうよう渡航とこう場合ばあいは、通常つうじょう羽田空港はねだくうこうから政府せいふ専用せんよう使つかわれ、同行どうこう官吏かんり事後じご代理だいり申請しんせいする)。日本にっぽんにおいても、天皇てんのう以外いがい皇后こうごうふく皇族こうぞくは、外国がいこくでは一般人いっぱんじんになるので旅券りょけん発給はっきゅう渡航とこうしている。

査証さしょう

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査証さしょう渡航とこうさきくに入国にゅうこくするさい必要ひつようとなる入国にゅうこく申請しんせいしょで、渡航とこうまえ渡航とこうさきくに在外ざいがい公館こうかん申請しんせいして取得しゅとくする。査証さしょうは、通常つうじょう旅券りょけん押印おういんまたは貼付ちょうふされる。査証さしょう事実じじつじょう入国にゅうこく許可きょかとみなして入国にゅうこく審査しんさにほとんど拒否きょひ処分しょぶんをしない制度せいどくに出入国しゅつにゅうこく管理かんり法令ほうれいをいわゆる大陸たいりくほう方式ほうしきさだめたくにおおい)と、査証さしょう入国にゅうこくの「推薦すいせん文書ぶんしょ」にぎないとして、あらためて厳格げんかく入国にゅうこく審査しんさおこな制度せいどくに出入国しゅつにゅうこく管理かんり法令ほうれいをいわゆるえいべいほう方式ほうしきさだめたくにおおい。日本にっぽんこくはこちらにふくまれる)があり、後者こうしゃくに渡航とこうするものにとっては、査証さしょう取得しゅとくはかならずしも入国にゅうこく保証ほしょうとはならない。

入国にゅうこく審査しんさ許否きょひ建前たてまえじょう法令ほうれいもとづいておこなわれるが、現実げんじつには、「挙動きょどう不審ふしんである」「審査しんさかん侮辱ぶじょくした」「質問しつもんたいして誤魔化ごまかす・うそをつく」など、そのとき担当たんとうした審査しんさかん心証しんしょうがきっかけとなって、不法ふほう入国にゅうこく不法ふほう就労しゅうろう目的もくてきであると判明はんめい入国にゅうこく許可きょか決定けっていにより国外こくがい退去たいきょ処分しょぶんとなるようなれいすくなくない。

国際こくさいてき往来おうらいえた現代げんだいにあっては、各国かっこくあいだ査証さしょう相互そうご免除めんじょ協定きょうていむすばれるれいえており、短期間たんきかんにおける観光かんこう目的もくてきでの滞在たいざい希望きぼうしゃかぎり、まえもって渡航とこう予定よていさきこく在外ざいがい公館こうかん査証さしょう取得しゅとくしていなくても入国にゅうこく許可きょかされることがえている[1]ただ入国にゅうこく審査しんさ免除めんじょとはならない)。

出入国しゅつにゅうこく書類しょるい

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出入国しゅつにゅうこく書類しょるい出入国しゅつにゅうこくカード)は、必要ひつよう事項じこう記入きにゅうし、審査しんさかん提出ていしゅつする。不要ふようとするくにもある。

入国にゅうこく審査しんさ

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入国にゅうこくにゅうさかい)するまえ審査しんさけ、許可きょかされたもの入国にゅうこくできる。国籍こくせきゆうするもの外国がいこくから帰国きこくするさいにも入国にゅうこく審査しんさ通過つうかする必要ひつようがある。入国にゅうこく審査しんさでは入国にゅうこく目的もくてき滞在たいざい期間きかんなどの試問しもんおこなわれる(ここで目的もくてき滞在たいざいさき曖昧あいまいであるなどによって不法ふほう入国にゅうこくしようとしていると発覚はっかくすることもある)。審査しんさ結果けっか入国にゅうこく拒否きょひされた場合ばあい制限せいげんエリアからることはできず、そのまま自分じぶんくにかえらないといけない。また、税関ぜいかん審査しんさ検疫けんえきける。

入国にゅうこくまえ事前じぜん審査しんさおこな場合ばあいもあり、過去かこにはガルーダインドネシア航空こうくうが、搭乗とうじょうしゃたいして機内きないにおいてインドネシア事前じぜん入国にゅうこく審査しんさを、大韓航空だいかんこうくうアシアナ航空こうくう搭乗とうじょうしゃたいして、成田なりた国際こくさい空港くうこう大韓民国だいかんみんこく事前じぜん入国にゅうこく審査しんさおこなっていた。事前じぜん入国にゅうこく審査しんさおこなった場合ばあい到着とうちゃく専用せんよう入国にゅうこくレーン(おもに、クルー、外交がいこうかんようレーン)を通過つうかすることができる。いずれも希望きぼうしゃのみで、事前じぜん審査しんさけずに、到着とうちゃく通常つうじょう入国にゅうこく審査しんさけることもできる。

また、出発しゅっぱつこく同時どうじ到着とうちゃくこく入国にゅうこく審査しんさおこな場合ばあいもあり、アメリカ発着はっちゃく国際線こくさいせん航路こうろでは、カナダ、アイルランドシャノン空港くうこうダブリン空港くうこう)、アラブ首長しゅちょうこく連邦れんぽうアブダビ国際こくさい空港くうこう)の空港くうこうにおいてアメリカの入国にゅうこく審査しんさおこなわれたり(アメリカ到着とうちゃくには、国際線こくさいせんでなく、国内線こくないせんターミナルに到着とうちゃくする)、ユーロスターでは、パリきたえきにおいてイギリスの入国にゅうこく審査しんさが、マレー鉄道てつどうでは、ウッドランズ・トレイン・チェックポイントにおいてマレーシアの入国にゅうこく審査しんさおこなわれている。

アメリカ同時どうじ多発たはつテロ事件じけん以後いご現在げんざいいたるまで世界せかい各国かっこく入国にゅうこく審査しんさきびしくなる傾向けいこうつづいている。2019ねん現在げんざいにおいては、アメリカ日本にっぽんこく韓国かんこく台湾たいわんマレーシア[2]中国ちゅうごくひとしで、入国にゅうこく審査しんさ生体せいたい情報じょうほう取得しゅとく顔写真かおじゃしん撮影さつえい指紋しもん採取さいしゅデータベースへの登録とうろく)がおこなわれるようになっている。これらがお写真しゃしん指紋しもんなどの生体せいたい情報じょうほう入国にゅうこく審査しんさ取得しゅとくする国家こっかでは、過去かこ犯罪はんざいれき要注意ようちゅうい人物じんぶつ生体せいたい情報じょうほうデータベースと照合しょうごうおこなったうえで、厳格げんかく審査しんさによって入国にゅうこく許可きょか可否かひ決定けっていされている。

典型てんけいれい

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入国にゅうこく審査しんさカウンターで旅券りょけん出入国しゅつにゅうこくカード、帰路きろ航空こうくうけん係官かかりかん提出ていしゅつし、質問しつもんこたえ、入国にゅうこく審査しんさける。

日本にっぽん

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日本にっぽん外国がいこくじん入国にゅうこくする場合ばあいは、入国にゅうこく審査しんさかんによって上陸じょうりく審査しんさけて上陸じょうりく拒否きょひ事由じゆうたらないことを確認かくにんしたうえ上陸じょうりく許可きょかなければならない(通常つうじょう旅券りょけん上陸じょうりく許可きょかシールが貼付ちょうふされる)。2007ねん平成へいせい19ねん11月20にちより、J-BIS導入どうにゅうされた。

日本にっぽんでは、ざい日米にちべいぐん将兵しょうへいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく連邦れんぽう政府せいふ関係かんけいしゃ各省かくしょう長官ちょうかん次官じかん次官補じかんほ次官補じかんほ代理だいりきゅう)は日米地位協定にちべいちいきょうていによりべいぐん施設しせつ空軍くうぐん飛行場ひこうじょう海軍かいぐん海兵かいへいたい軍港ぐんこう)をつうじてであれば、軍人ぐんじんIDカードのみで以下いか手続てつづきをることなく自由じゆう出入国しゅつにゅうこくできる。また、日本にっぽんふく一部いちぶくにでは空港くうこう制限せいげん区域くいきからないかぎ国際線こくさいせん航空機こうくうき同士どうし入国にゅうこく手続てつづきしでぐことができる。

アメリカ国土こくど安全あんぜん保障ほしょうしょうは、2009ねん1がつ12にちより、航空機こうくうきまた船舶せんぱく入国にゅうこくする査証さしょう免除めんじょプログラム対象たいしょうこくからのアメリカ入国にゅうこくしゃたいしても、出発しゅっぱつ72あいだまえまでにインターネットもちいて氏名しめい旅券りょけん番号ばんごう国内こくないでの滞在たいざいさき申告しんこくさせ、手数料てすうりょう徴収ちょうしゅうする「電子でんし渡航とこう認証にんしょうシステム」を義務付ぎむづけた。申告しんこく内容ないようはI-94W審査しんさカードと同一どういつ

シンガポール

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入国にゅうこく審査しんさカウンターで旅券りょけん入国にゅうこくカード帰路きろ航空こうくうけんまたは旅程りょてい確認かくにんしょ係官かかりかん提出ていしゅつして入国にゅうこく審査しんさける[3]

出国しゅっこく審査しんさ

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くに出国しゅっこくするさいにも同様どうよう審査しんさおこなわれる場合ばあいがある。出国しゅっこくする人物じんぶつ把握はあくおよび確認かくにんのために、有効ゆうこう旅券りょけん各種かくしゅ様式ようしき書類しょるい提示ていじもとめられる。犯罪はんざいれき有無うむ係争けいそうちゅう裁判さいばん被告人ひこくにん、あるいはその理由りゆうなどで出国しゅっこく制限せいげんける場合ばあいがあり、それらの判断はんだん基準きじゅんくにによってことなる。一般いっぱんてきに、出国しゅっこく入国にゅうこく審査しんさほど厳格げんかくではいことがおおい。たとえばアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくやオーストラリアでは国際線こくさいせん搭乗とうじょうチェックイン航空こうくう会社かいしゃ旅券りょけん査証さしょう確認かくにんするが、ほとんどの空港くうこうでは官憲かんけんによる「出国しゅっこく審査しんさ」はない。なお国際線こくさいせん搭乗とうじょうチェックイン航空こうくう会社かいしゃ旅券りょけん査証さしょう確認かくにんするのは、くだこく資格しかく旅券りょけん査証さしょう不備ふび)のため入国にゅうこく拒否きょひされた場合ばあい航空こうくう会社かいしゃ責任せきにん搭乗とうじょうこくまで送還そうかんしなければならないからでもある。

日本にっぽん

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日本にっぽん場合ばあい出国しゅっこくするさいには、日本人にっぽんじん外国がいこくじんかかわらず出国しゅっこく確認かくにんける必要ひつようがある。入国にゅうこく審査しんさかん旅券りょけん搭乗とうじょうけん提示ていじしたうえで、入国にゅうこく審査しんさかんから出国しゅっこく確認かくにんけ、旅券りょけんにそのことを証明しょうめいする証印しょういんけなければ出国しゅっこくしてはならないとされている。なお、出国しゅっこく確認かくにんずに日本にっぽん出国しゅっこくする行為こういは“みつ出国しゅっこく”で刑事けいじばつ対象たいしょうとなる(出入国しゅつにゅうこく管理かんりおよ難民なんみん認定にんていほう71じょう)。

以前いぜんは、旅券りょけん以外いがい帰国きこく記録きろく(EDカード)に住所じゅうしょ氏名しめい渡航とこうさきなどを記入きにゅうし、審査しんささい提出ていしゅつする必要ひつようがあったが、日本にっぽん国籍こくせき保持ほじしゃ帰国きこくについては、平成へいせい13ねん2001ねん7がつ1にち以降いこう不要ふようとなっている[4]。なお、外国がいこくじんについても、さい入国にゅうこく予定よていしゃのぞ短期たんき滞在たいざいについては、平成へいせい28ねん(2016ねん)4がつ1にちから提出ていしゅつ不要ふようになった(入国にゅうこくさいしては、従前じゅうぜんどお入国にゅうこく記録きろく提出ていしゅつ必要ひつよう)。

なお、学校がっこう修学旅行しゅうがくりょこうなど団体だんたい旅行りょこう場合ばあい事前じぜん出国しゅっこく確認かくにんけることが可能かのうである。この場合ばあい、あらかじめ旅券りょけん出国しゅっこく日付ひづけのある出国しゅっこく証印しょういん押印おういんされ、出国しゅっこく当日とうじつ職員しょくいん専用せんよう通路つうろ事前じぜんわたされる「事前じぜん出国しゅっこく審査しんさしょう」を入国にゅうこく審査しんさかんわたせばよい。また、海外かいがいにある一部いちぶCAT(シティエアターミナル)では、併設へいせつされた出入国しゅつにゅうこく管理かんり事務所じむしょにおいて事前じぜん出国しゅっこく審査しんさけることが出来できる。

シンガポール

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カウンターで旅券りょけん搭乗とうじょうけん出国しゅっこくカード提出ていしゅつして出国しゅっこく審査しんさける[3]

出入国しゅつにゅうこく審査しんさ設備せつび

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ほとんどのくににおいて出入国しゅつにゅうこく審査しんさじょう撮影さつえい禁止きんしである。また携帯けいたい電話でんわ利用りよう禁止きんしされている。理由りゆうとして、密入国みつにゅうこくするための参考さんこう資料しりょうにされることをふせぐためだとされている。

出入国しゅつにゅうこくとう管理かんり証印しょういん(スタンプ)

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日本にっぽん入国にゅうこく証印しょういん出国しゅっこく証印しょういん
出国しゅっこくさいし、旅券りょけん国名こくめい出国しゅっこく日付ひづけ出国しゅっこく場所ばしょなどがしるされているスタンプが押印おういんされる。くにによっては出国しゅっこく審査しんさかん署名しょめいしるされる場合ばあいがある。一部いちぶ(かつてのジョホールバルえきなど)では、スタンプのわりに、出国しゅっこく審査しんさかん出国しゅっこく日付ひづけ出国しゅっこく場所ばしょ手書てがきで記入きにゅうする場合ばあいもある。なお、自動じどうゲート通過つうかする場合ばあいには押印おういんされない。アメリカなど、出国しゅっこく証印しょういん省略しょうりゃくするくにえている。
入国にゅうこくさいし、旅券りょけん上陸じょうりく許可きょか入国にゅうこく許可きょか(Entry Permit)などしるされているスタンプが押印おういんされる。国名こくめい入国にゅうこく日付ひづけ入国にゅうこく場所ばしょ入国にゅうこく条件じょうけん(期間きかん就労しゅうろう可否かひ許可きょかされる地域ちいきなど)などがしるされている。くにによっては入国にゅうこく審査しんさかん署名しょめいしるされる場合ばあいがある。一部いちぶ(かつてのシンガポールえきなど)ではスタンプがされない場合ばあいもある。また、入国にゅうこく証印しょういんがあると敵対てきたいする国家こっかへの入国にゅうこく拒否きょひされる場合ばあいイスラエルなど)、希望きぼうにより旅券りょけん押印おういんしない場合ばあいもある。
旅券りょけん保持ほじしゃ旅券りょけん発行はっこうこく入国にゅうこく母国ぼこくへの帰国きこく)する場合ばあい押印おういんされる証印しょういん帰国きこく証印しょういんという。通常つうじょう帰国きこく証印しょういん専用せんようのものが用意よういされているが、外国がいこくじんよう入国にゅうこく証印しょういん一緒いっしょになっている場合ばあいや、押印おういん省略しょうりゃくするくにもある。

自動じどうゲート

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手続てつづきの簡素かんそ迅速じんそく目的もくてきに、従来じゅうらい有人ゆうじんおこなっていた出入国しゅつにゅうこく審査しんさ自動じどうおこなう、自動じどうゲートの設置せっち各国かっこくすすんでいる。利用りようには、事前じぜん指紋しもん顔写真かおじゃしんとう個人こじん情報じょうほう登録とうろくする場合ばあい出入国しゅつにゅうこく管理かんりきょくのデータベースに登録とうろくされる)と、IC旅券りょけんのICチップに登録とうろくされた情報じょうほう利用りようする場合ばあいがある(前者ぜんしゃ場合ばあい、IC旅券りょけんでなくても利用りよう可能かのう)。日本にっぽんJ-BIS)や香港ほんこんe-みち)、マカオ、韓国かんこく台湾たいわん中国ちゅうごく、タイ、オーストラリアやニュージーランド(Smartgate)などで、空港くうこう陸路りくろのチェックポイントに設置せっちされている。通常つうじょう国民こくみんであれば原則げんそくてき利用りようすることができるが、外国がいこくじんについては、各国かっこくごとに対応たいおうことなっている。(タイは国民こくみんのみ。日本にっぽん台湾たいわん中国ちゅうごく韓国かんこくなどは、外国がいこくじん登録とうろくみの外国がいこくじんであれば利用りよう可能かのう香港ほんこん条件じょうけんたした居住きょじゅう外国がいこくじん利用りよう可能かのう

また一部いちぶでは、相手あいてこく自動じどうゲート登録とうろくしゃ対象たいしょうに、自国じこく自動じどうゲートの利用りよう可能かのうにする相互そうご協定きょうていむすばれており、現在げんざいべいかんかんこうあいだおこなわれている(Smart Entry Service)。ただし、自動じどうゲート登録とうろく手続てつづきは、各々おのおのおこな必要ひつようがある(各国かっこくでデータは共有きょうゆうされていないため)。

入国にゅうこく税関ぜいかん手続てつづ支援しえん装置そうちキオスク端末たんまつ)が米国べいこく・カナダで導入どうにゅうされている。端末たんまつ指紋しもん採取さいしゅ写真しゃしん撮影さつえい必要ひつよう事項じこう入力にゅうりょくし、装置そうちから印刷いんさつされるレシートと旅券りょけん提示ていじして審査しんさかん審査しんさける。中国ちゅうごくでは、入国にゅうこく審査しんさじょうまえ設置せっちされた「にゅうさかい外国がいこくじん指紋しもん自助じじょとめそん」において事前じぜん指紋しもん採取さいしゅおこない、登録とうろくみのレシートをって入国にゅうこく審査しんさけることになる[5]日本にっぽんにおいても、上陸じょうりく審査しんさ時間じかん活用かつようして、指紋しもん採取さいしゅ顔写真かおじゃしん撮影さつえいおこなうための機器きき「バイオカート」を主要しゅよう空港くうこう導入どうにゅうしている。

滞在たいざい許可きょか外国がいこくじん登録とうろく

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滞在たいざい許可きょかはほとんどのくにでいくつかの種類しゅるい区分くぶんされている。

  • 通過つうか - 航空機こうくうき船舶せんぱくぎ、国際こくさい列車れっしゃ経由けいゆなどのため、そのくに領域りょういき通過つうか宿泊しゅくはくふくむ)するときにあたえられる滞在たいざい許可きょか通常つうじょう72時間じかん(3にち)。
  • 短期たんき滞在たいざい観光かんこう短期たんきビジネス) - 短期間たんきかんそのくに滞在たいざいする場合ばあいあたえられる滞在たいざい許可きょか入国にゅうこく審査しんさ比較的ひかくてき簡略かんりゃくである。通常つうじょう89にちまで(3ヶ月かげつではないこと注意ちゅういようする。だいつきふくまれる場合ばあいは91~92にちとなり、最大さいだいで48あいだ不法ふほう滞在たいざい成立せいりつする)。
  • 長期ちょうき滞在たいざい就学しゅうがく就労しゅうろう) - 就学しゅうがく就労しゅうろうなど、長期間ちょうきかんにわたって滞在たいざいする必要ひつようがある場合ばあいあたえられる滞在たいざい許可きょか審査しんさ基準きじゅんきびしく、受入うけい証明しょうめい入学にゅうがく許可きょかしょ雇用こよう契約けいやくしょなど)のほか、とく就労しゅうろう場合ばあい一定いってい以上いじょう実績じっせき大学だいがく卒業そつぎょう証明しょうめいしょ業務ぎょうむじょう経歴けいれき・スキルとう[ちゅう 2])がなければあたえられない。通常つうじょう90にち以上いじょう4ねん以内いない
  • 永住えいじゅう - 国籍こくせき異動いどうしないが、渡航とこうさきくに永久えいきゅうてき居住きょじゅうすることがみとめられた場合ばあいあたえられる滞在たいざい許可きょか長期間ちょうきかん婚姻こんいん就労しゅうろうなど、渡航とこうさきくに安定あんていした生活せいかつ基盤きばんっていて、一定いってい以上いじょう犯罪はんざいれきがないなどの条件じょうけん必要ひつようになる。滞在たいざい許可きょか期限きげんぎてなおそのくに滞在たいざいしようとする場合ばあいは、滞在たいざい許可きょか更新こうしんしなければならない。滞在たいざいちゅう実績じっせきによっては、滞在たいざい許可きょか更新こうしん拒否きょひされることがあり、この場合ばあいはそのくにから出国しゅっこくしなければならない。

国際こくさい管理かんり地域ちいき

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国際こくさい管理かんり地域ちいきえい: International zone)では領有りょうゆうこく出入国しゅつにゅうこく管理かんり政策せいさくだけが実施じっしされるわけではないため、治外法権ちがいほうけんゆうする状態じょうたいとなっている。もっともよくられるれい国際こくさい空港くうこうにおいて出国しゅっこく手続てつづきをおこなったのち入国にゅうこく手続てつづきをおこなまえ地域ちいきである。国際こくさい空港くうこうのこのような地域ちいきには保税ほぜい免税めんぜいてん設置せっちされることもおおいが、本国ほんごく法制ほうせいが「一切いっさいおよばない完全かんぜん治外法権ちがいほうけんゆうするわけではない。紛争ふんそう地域ちいきではグリーン・ゾーン(green zone)とばれる国際こくさい管理かんり地域ちいきもうけて外交がいこうかん危険きけんにさらされないよう保障ほしょうすることがあり、紛争ふんそう当事とうじこく同士どうしはなすために国際こくさい管理かんり地域ちいきもうける場合ばあいもある。

国際こくさい管理かんり地域ちいきれい

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ どういち国内こくないでも海外かいがい領土りょうどとう別個べっこ入管にゅうかん業務ぎょうむおこなわれている地域ちいきからのにゅういき管理かんり同時どうじおこなわれることがあるため。
  2. ^ 語学ごがく教師きょうしなら教員きょういん免許めんきょしょう経歴けいれきしるした文書ぶんしょ、プロスポーツ選手せんしゅならチームの証明しょうめいする個人こじん成績せいせき資料しりょう入団にゅうだんさき招聘しょうへいじょうなど。もちろん現地げんちかれていることをようする。

出典しゅってん

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  1. ^ 最強さいきょうのパスポート、日本にっぽんとシンガポールが依然いぜんトップ”. CNN (2019ねん10がつ3にち). 2019ねん10がつ8にち閲覧えつらん
  2. ^ マレーシアにおける生体せいたい認証にんしょう情報じょうほう提供ていきょう開始かいしについて
  3. ^ a b 『ことりっぷ海外かいがいばん シンガポール』昭文社しょうぶんしゃ、2016ねん、96ぺーじ
  4. ^ 日本人にっぽんじん帰国きこく記録きろく(EDカード)の廃止はいしについて』(プレスリリース)入国にゅうこく管理かんりきょく、2001ねん6がつ8にちhttp://www.moj.go.jp/PRESS/010608-1.html2010ねん3がつ9にち閲覧えつらん 
  5. ^ うら东国际机场入さかい外国がいこくじんゆび纹自じょとめそんゆび
  6. ^ Соглашение между Российской Федерацией и Сирийской Арабской Республикой о размещении авиационной группы Вооруженных Сил Российской Федерации на территории Сирийской Арабской Республики (с изменениями на 18 января 2017 года)(ロシア
  7. ^ Vasiliev, Alexey (19 March 2018). Russia's Middle East Policy. Taylor & Francis. pp. 511-. ISBN 978-1-351-34886-7. https://books.google.com/books?id=IRdSDwAAQBAJ&pg=PT511 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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