デザート

デザート（英えい: dessert）は、食事しょくじの最後さいごに出だされ食たべられる果物くだものや菓子かし（プディングやケーキ・アイスクリームなど）のこと。

日常にちじょう的てきな食事しょくじではビタミン類るいなどの主要しゅような食事しょくじでは不足ふそくする栄養えいようを補助ほじょする役割やくわりがある。

非ひ日常にちじょう的てきな食事しょくじでは、甘あまく風味ふうみの良よい食たべ物もので食後しょくごの満足まんぞく感かんをより高たかめたり、華はなやかさで食事しょくじ全体ぜんたいの印象いんしょうを高たかめる役割やくわりがある。

デザートを作つくる専門せんもん職しょくとして、製菓せいか師し（パティシエ）がある。

日本にっぽんではケーキやアイスクリームもデザートとされるが、フランス料理りょうりにおいてはこれらは「アントルメ・ド・パティストリー」（菓子かし職人しょくにんが作つくる菓子かし）に分類ぶんるいされ、スフレ・プディング・ババロアなどの「アントルメ・ド・キュイジーヌ」（料理人りょうりにんが作つくる菓子かし）と区別くべつされている。

呼称こしょう

語源ごげんはフランス語ふらんすごの「（デセール）」に由来ゆらいし、この語かたりは、「食事しょくじを下さげる」「食卓しょくたくを片付かたづける」という意味いみの「（デセルヴィール）」に由来ゆらいする。

「dessert」という言葉ことばは上記じょうきの意味いみをさすものとしてアイルランド、アメリカ、カナダ、オーストラリア、フランスで最もっとも良よく使つかわれるが、イギリスやその他たのイギリス連邦れんぽう諸国しょこくでは「スウィート」「プディング」がより使つかわれる。ただ、この意味いみにおいて「スウィート」を使つかうものはイギリスでは、いくらか下層かそう階級かいきゅうや労働ろうどう者しゃ階級かいきゅうなど大衆たいしゅう的てきな存在そんざいと見みなされる。主おもにイギリスではガムやあめ玉だまなどの駄菓子だがしの事ことを言いう。日本にっぽんでは長ながらくデザート、甘あまいもの（甘味あまみ）、お菓子かしと呼よばれていたが2006年ねん頃ごろよりマスメディアやバラエティ番組ばんぐみを中心ちゅうしんに俗語ぞくごのスイーツと呼よぶことが一般いっぱん的てきとなった。

デザートの様式ようしき

国くにや地域ちいきに基もとづかないデザートの様式ようしき

デザート・ビュッフェ（英えい: dessert buffet、またはデザートバイキング）とは、ビュッフェ形式けいしき、特とくに日本にっぽんではいわゆる食たべ放題ほうだいで数すう多おおくのデザートを好すきなだけ選えらんで採とることができる「デザートのビュッフェ」である。飲食いんしょく店てんにおけるデザート・ビュッフェは、単たんなるビュッフェと同おなじくその多おおくに時間じかん制限せいげんがあり、具体ぐたい的てきに1時じ間あいだか2時じ間あいだほどで客きゃくが入いれ替かわる。

また、デザートとは一般いっぱんに食後しょくごに食しょくすものであるが、日本語にほんごにおいてはしばしばスイーツや甘味あまみと混同こんどうされる。したがって特とくにデザート・ビュッフェ専門せんもん店てんなど、時間じかん帯たいなどによっては食後しょくごのデザートではなく、おやつとして供きょうされる（「ケーキバイキング」など）場合ばあいもある。

フランス料理りょうりにおけるデザート

フランス料理りょうりのデザート例れい
（アイスクリームと果物くだもののケーキ）

本格ほんかく的てきなフランス料理りょうりのコースでは、前菜ぜんさい、スープ、魚さかな料理りょうり、肉にく料理りょうり、サラダが終おわった後のちに別室べっしつに移動いどう又または同一どういつのテーブルで食器しょっき類るいが整理せいりされ、デザートが出だされる。前菜ぜんさいからサラダまでを「メインコース」と呼よび、それ以降いこうを「デザートコース」と呼よぶ。コースの流ながれは以下いかの通とおり。

客きゃくの好このみによりチーズ。チーズ用ようのパンや付つけ合あわせのナッツ・ドライフルーツが出でることもある。
ケーキ、菓子かし、果物くだもの、アイスクリームといった甘あまいもの。
コーヒーなどの飲料いんりょう。プティフールと呼よばれる茶菓ちゃかが付つくこともある。

イタリア料理りょうりにおけるデザート

イタリア料理りょうりではデザートのことをドルチェという。これはイタリア語ごで甘あまいもの全般ぜんぱんを指さす。

イタリア料理りょうりに出でてくるアイスクリームを使つかったデザートをイタリアンジェラートといい、チョコレート系けいや低ていカロリーのヨーグルト系けい、フルーツ系けいなどがある。

日本にっぽん

日本にっぽんで振舞ふるまわれる中華ちゅうか料理りょうりのコースでも、前菜ぜんさい、スープ、魚さかな料理りょうり、肉にく料理りょうり、主食しゅしょくの後のちに甘あまい菓子かし（甜点心こころと呼よばれる）や果物くだものが出だされることが多おおい。もともとは汁粉しるこや揚あげ団子だんごのような熱あついデザートが多おおかったが、近年きんねんでは杏仁きょうにん豆腐とうふ、マンゴープリンなどの冷つめたいデザートも各種かくしゅ作つくられている。

デザートとは無縁むえんに思おもわれていたあるラーメン屋やなどでも、プリンなど、豊富ほうふなデザートを品しな揃そろえする事ことで客きゃく単価たんかアップを図はかるアイテムとなっている、洒落しゃれたお店みせが増ふえ女性じょせい客きゃくがラーメン店てんに来きやすくなったのでデザートが集客しゅうきゃくアップの決きめ手てになってきた。

また、回転かいてん寿司ずし店みせでもすでに、各種かくしゅデザートは定番ていばんの商品しょうひんとなっている。皿さらに乗のってプリンが巡回じゅんかいしている光景こうけいも、珍めずらしいことではない。

さらに、女子じょし会かいや誕生たんじょう会かいなどで近年きんねん女性じょせい客きゃくの増ふえている居酒屋いざかやでも、コース料理りょうりの締しめとなるデザートに力ちからを入いれる店みせが、おもにチェーン店てんを中心ちゅうしんに増大ぞうだいしている。バースデーケーキの無料むりょうプレゼントを行おこなうなど、それぞれの店みせのサービスもエスカレートしている。

子供こどもに与あたえるデザートの弊害へいがいとして2006年ねんに大学生だいがくせいの食生活しょくせいかつの実態じったいを調しらべ、子供こども時代じだいに食たべた甘あまいデザートの食しょく習慣しゅうかんが持もち越こされ大学生だいがくせいの食事しょくじが自立じりつに欠かける原因げんいんの一ひとつであるとして、食しょく育いくの大切たいせつさが指摘してきされている^[1]。