(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ペトロフ事件 - Wikipedia

ペトロフ事件じけん』(ペトロフじけん)は探偵たんてい小説しょうせついえ鮎川あいかわ哲也てつや処女しょじょさくで、だい世界せかい大戦たいせん終了しゅうりょうまえ日本にっぽん租借そしゃくであった中国ちゅうごく大連たいれんで、鬼貫おにつら警部けいぶがロシアの富豪ふごう殺人さつじん事件じけん解決かいけつしてゆく内容ないようである。大連たいれんぶつとしては有名ゆうめい清岡きよおかたくぎょうちょアカシヤの大連たいれん』(1970ねん以上いじょうに、戦前せんぜん大連たいれん生活せいかつ詳細しょうさいえがかれていて、そのめんでも注目ちゅうもくされている。

物語ものがたり大連たいれんだい広場ひろば発端ほったんで、
旅順りょじゅんひがし鶏冠けいかん山北さんぽく堡塁ほうるいうつり、
あじあごうはしみなみ満州まんしゅう鉄道てつどうて、
最後さいごハルビンへと展開てんかいして、
ハルビンからまつ花江はなえわたった太陽たいようとう決着けっちゃくむかえる。

概要がいよう

編集へんしゅう

ぞく協和きょうわむねとする満州まんしゅう帝国ていこく玄関げんかんこうにあたる、戦前せんぜん日本にっぽん租借そしゃく大連たいれん。もと東京とうきょう警視庁けいしちょう鬼貫おにつら警部けいぶハルビン派遣はけんされたあと、大連たいれんすな河口かこう警察けいさつしょで、ロシア富豪ふごうのイヴァン・ペトロフがなつかわえきちかくのなつかわ海岸かいがん別荘べっそう地帯ちたいころされた事件じけん解決かいけつしていく。ロシア革命かくめいのちにこれに反対はんたいしろけいロシアじん革命かくめい支持しじみだれる国際こくさい都市とし大連たいれんがおもな舞台ぶたいで、その物語ものがたりとなりの旅順りょじゅん展開てんかいし、さらにあじあごうはしみなみ満州まんしゅう鉄道てつどうて、ロシアじん建設けんせつしたハルビン展開てんかいしていき、ロシア堪能かんのう鬼貫おにつら警部けいぶ鉄道てつどう時刻じこくひょうってアリバイのくずしに奔走ほんそうして、ハルビンからまつ花江はなえわたった太陽たいようとうにて終局しゅうきょくむかえる。

おもな登場とうじょう人物じんぶつ

編集へんしゅう
  • 鬼貫おにつら警部けいぶ - 関東かんとうしゅう警察けいさつすな河口かこう警察けいさつしょ勤務きんむで、もと警視庁けいしちょう警部けいぶ
  • サヤーピン刑事けいじ - ハルビン警察けいさつ勤務きんむで、もと鬼貫おにつら警部けいぶ同僚どうりょう
  • イワン・ペトロフ - 大連たいれんしろけいロシアじん富豪ふごう
  • アントン・ペトロフ - イワンのおい
  • かくはこぶたまき(コウ・ユンクヮン) - アントンの婚約こんやくしゃ
  • ニコライ・ペトロフ - イワンのおいで、アントンのいとこ
  • アレクサンドル・ペトロフ - ニコライのおとうと
  • ナタリヤ・バクール - アレクサンドルの婚約こんやくしゃ

受賞じゅしょう

編集へんしゅう

1949ねんにミステリー専門せんもん雑誌ざっし宝石ほうせき」が3周年しゅうねん記念きねんして募集ぼしゅうした長編ちょうへん小説しょうせつコンテストに応募おうぼして、特別とくべつしょうかがやき、よく1950ねん別冊べっさつ掲載けいさいされたもので、著者ちょしゃ処女しょじょさくであると同時どうじに、鬼貫おにつら警部けいぶシリーズのはじまりでもある。アリバイくずしは当時とうじF・W・クロフツ探偵たんてい小説しょうせつ有名ゆうめいで、その影響えいきょう著者ちょしゃ自身じしんみとめていて、[1] かくしょう名称めいしょうも「ニコライ、不在ふざい証明しょうめい提出ていしゅつする」などと、まるで翻訳ほんやく小説しょうせつのようである。

原稿げんこう

編集へんしゅう

原稿げんこう[2]

  • もとの原稿げんこうは、戦前せんぜん大連たいれん完成かんせいしていたが、日本にっぽんへの原稿げんこう喪失そうしつした。
  • 別冊べっさつ宝石ほうせきはん、1950ねん
  • 宝石ほうせき増刊ぞうかんばん、1960ねん
  • 光風こうふうしゃばん、1950ねん
  • たてふう書房しょぼうばん、1970ねん
  • 角川かどかわ文庫ぶんこばん、1979ねん
  • 青樹あおきしゃばん、1987ねん
  • 講談社こうだんしゃ大衆たいしゅう文学ぶんがくかんばん、1987ねん
  • 光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこばん、2001ねん

などがあり、その都度つど著者ちょしゃれているが、いまひろまれているのは光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこばんである。

戦前せんぜん大連たいれん生活せいかつ描写びょうしゃ

編集へんしゅう

このほん当時とうじ満州まんしゅう(げん中国ちゅうごく東北とうほく)の地図ちず大連たいれんおよびハルビンの地図ちずみなみ満州まんしゅう鉄道てつどうおよび大連たいれん旅順りょじゅん支線しせん時刻じこくひょうもふくみ、全体ぜんたいてきにはフィクションであるのではなし内容ないよう半分はんぶんいても、当時とうじ警察けいさつしょ交通こうつう事情じじょう国際こくさい事情じじょう探偵たんてい小説しょうせつにありがちなしょうほそさでふんだんにかれていて、そのめんでも清岡きよおかたくぎょうの『アカシヤの大連たいれん』(1970ねん以上いじょうに、注目ちゅうもくされている。

  • だしの舞台ぶたいになるだい広場ひろば現在げんざい大連たいれん中山ちゅうざん広場ひろばとして、当時とうじ面影おもかげのままである。
  • 鬼貫おにつら警部けいぶつとめていたという大連たいれんすな河口かこう警察けいさつしょは、最近さいきん西南せいなんすまで西安しーあん当時とうじ大正たいしょうどおり)と一路いちろ交差点こうさてんにあり、当時とうじ一路いちろちゅう山路やまじから路面ろめん電車でんしゃかよっていて、現在げんざい西安しーあん商業しょうぎょう発展はってん素地そじ当時とうじからあったことがかる。
  • 現在げんざい大連たいれん市街しがい旅順りょじゅんあいだ旅順りょじゅんみなみのバスがおも利用りようされているが、当時とうじ大連たいれん旅順りょじゅん鉄道てつどう支線しせん活発かっぱつ利用りようされていた。
  • あじあごうなどの鉄道てつどう乗務じょうむいん日本人にっぽんじん中国人ちゅうごくじんのチームで構成こうせいされていて、チケットを紛失ふんしつしたさい手続てつづき、荷物にもつあずかりの手続てつづきなど国内こくない同様どうようであった。

など

著者ちょしゃ鮎川あいかわ哲也てつやは、このほん各社かくしゃ出版しゅっぱんのたびに、青春せいしゅん時代じだいごした中国ちゅうごく東北とうほく状況じょうきょうおもしては、改訂かいていしている。

参照さんしょう項目こうもく

編集へんしゅう

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ 鮎川あいかわ哲也てつや『ペトロフ事件じけん』(光文社こうぶんしゃ、2001ねんISBN 4-334-73178-3 )のあとがき
  2. ^ 鮎川あいかわ哲也てつや『ペトロフ事件じけん』(光文社こうぶんしゃ、2001ねんどう部分ぶぶん

外部がいぶリンク

編集へんしゅう