ポツダム命令めいれい

ポツダム命令めいれい（ポツダムめいれい）とは、いわゆるポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れいに基もとづいて発はっせられた一群いちぐんの命令めいれいの総称そうしょうである。いわゆるポツダム勅みことのり令れいやポツダム政令せいれいは、ポツダム命令めいれいの一種いっしゅである。

ポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れい

概説がいせつ

ポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れいとは、大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう第だい8条じょう第だい1項こうの「法律ほうりつに代かわる勅みことのり令れい」に関かんする規定きていに基もとづき昭和しょうわ20年ねん（1945年ねん）9月がつ20日はつかに公布こうふ・同日どうじつ施行しこうされた「ポツダム」宣言せんげんノ受諾じゅだくニ伴ともヒ発はつスル命令めいれいニ関せきスル件けん（昭和しょうわ20年ねん勅みことのり令れい第だい542号ごう）の通称つうしょうである。ポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れいという用語ようごは、法令ほうれい上じょうは使用しようされていないが、閣議かくぎ決定けっていのレベルを含ふくむ公文書こうぶんしょで使用しようされている。

「ポツダム」宣言せんげんノ受諾じゅだくニ伴ともヒ発はつスル命令めいれいニ関せきスル件けん（昭和しょうわ20年ねん勅みことのり令れい第だい542号ごう）において、日本国にっぽんこく政府せいふはポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともなう連合れんごう国軍こくぐん最高さいこう司令しれい官かんの要求ようきゅう事項じこうに基もとづき、特とくに必要ひつようある場合ばあいは命令めいれいをもって所要しょようを定さだめ、必要ひつような罰則ばっそくを設もうけるとしている。敗戦はいせん後ごの日本にっぽん国内こくないにおける連合れんごう国軍こくぐん最高さいこう司令しれい官かんの法的ほうてき根拠こんきょと日本国にっぽんこく政府せいふを介かいした間接かんせつ的てきな執行しっこう権限けんげんを示しめしている。

ポツダム命令めいれい

連合れんごう国軍こくぐん最高さいこう司令しれい官かんの要求ようきゅう

連合れんごう国軍こくぐんによる日本にっぽん占領せんりょうは、日本にっぽんの政府せいふ機関きかんを温存おんぞん・利用りようする間接かんせつ統治とうちによったが、連合れんごう国軍こくぐん最高さいこう司令しれい官かんの要求ようきゅう事項じこうは指令しれい・覚書おぼえがき（command、memorandum）の形かたちで政府せいふに伝つたえられ、政府せいふは命令めいれいの形かたちにして国民こくみんと政府せいふ機関きかんに伝つたえた。

ポツダム命令めいれいの効力こうりょく

ポツダム命令めいれいの多おおくは、昭和しょうわ27年ねん（1952年ねん）4月がつ28日にちの日本にっぽん国こくとの平和へいわ条約じょうやく（いわゆるサンフランシスコ講和こうわ条約じょうやく）の発効はっこうに伴ともない、ポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れいとともに、または暫定ざんてい措置そちとして発効はっこうの日ひから180日間にちかん限かぎりで廃止はいしされたが、新あらたに代替だいたいの法律ほうりつが制定せいていされたものや法律ほうりつとしての効力こうりょくを有ゆうするとの存続そんぞく措置そちがとられたものもある。

なお、大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう下かにおいては、憲法けんぽう第だい8条じょうに基もとづく勅みことのり令れい（緊急きんきゅう勅みことのり令れい＝法律ほうりつに代かわる勅みことのり令れい）と、第だい9条じょうに基もとづく勅みことのり令れい（普通ふつうの勅みことのり令れい）があった。いずれも法令ほうれい番号ばんごうとしては単たんに「勅みことのり令れい第だい何なに号ごう」とされたため、通常つうじょう、どちらであるのか見分みわけるには公布こうふ時じの上諭じょうゆまで参照さんしょうしなければ判別はんべつできないが、このポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れいは前者ぜんしゃであり、また、公布こうふ後ごに当時とうじの帝国ていこく議会ぎかいの承諾しょうだく（1945年ねん12月8日にち貴族きぞく院いん、同どう18日にち衆議院しゅうぎいん、ともに全会ぜんかい一致いっち）を得えているため、その法令ほうれい番号ばんごう区分くぶんにかかわらず、旧きゅう憲法けんぽう下かの法律ほうりつとしての効力こうりょくを有ゆうするものとされている（昭和しょうわ23年ねん9月がつ6日にち付づけ官報かんぽう掲載けいさいの法務ほうむ総裁そうさい説明せつめい（閣議かくぎ決定けってい）参照さんしょう）。

前述ぜんじゅつのようにポツダム命令めいれいの根拠こんきょとなるポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れいは、法律ほうりつとしての効力こうりょくを有ゆうするものとされ、従したがってこれに基もとづくポツダム命令めいれいも、日本国にっぽんこく憲法けんぽうの施行しこう及および日本国にっぽんこく憲法けんぽう施行しこうの際さい現げんに効力こうりょくを有ゆうする命令めいれいの規定きていの効力こうりょく等とうに関かんする法律ほうりつにより失効しっこうすることはないとされた（昭和しょうわ22年ねん法律ほうりつ第だい72号ごう）（昭和しょうわ23年ねん9月がつ6日にち付づけ官報かんぽう掲載けいさいの法務ほうむ総裁そうさい説明せつめい（閣議かくぎ決定けってい）参照さんしょう）。

また、日本国にっぽんこく憲法けんぽう施行しこうの際さい現げんに効力こうりょくを有ゆうする命令めいれいの規定きていの効力こうりょく等とうに関かんする法律ほうりつについては、昭和しょうわ22年ねん1月がつ29日にちに公布こうふされた（同日どうじつ施行しこう）昭和しょうわ二に十じゅう二に年ねん法律ほうりつ第だい七なな十じゅう二に号ごう日本国にっぽんこく憲法けんぽう施行しこうの際さい現げんに効力こうりょくを有ゆうする命令めいれいの規定きていの効力こうりょく等とうに関かんする法律ほうりつの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ（昭和しょうわ22年ねん法律ほうりつ第だい244号ごう）により第だい１条じょうの２が追加ついかされ、日本国にっぽんこく憲法けんぽう施行しこうの際さい現げんに効力こうりょくを有ゆうする命令めいれいの規定きていの効力こうりょく等とうに関かんする法律ほうりつの規定きていが、ポツダム命令めいれいの規定きていに影響えいきょうを及およぼさない旨むねが確認かくにんされた。

ポツダム命令めいれいによる罰則ばっそく

ポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れいでは、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ご、連合れんごう国こく軍ぐんの占領せんりょう下かにあった日本にっぽんで、連合れんごう国軍こくぐん最高さいこう司令しれい官かんの発はっする要求ようきゅう事項じこうの実施じっしにつき特とくに必要ひつようがある場合ばあいには、命令めいれいを以って、政府せいふは所定しょていの定さだめをし、必要ひつような罰則ばっそくを定さだめることができるとした。

最初さいしょのポツダム命令めいれいと最後さいごのポツダム命令めいれい

最初さいしょのポツダム命令めいれいは、命令めいれいの根拠こんきょとなるポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れいの公布こうふ施行しこうの2日にち後ごの昭和しょうわ20年ねん9月がつ22日にち公布こうふ、同日どうじつ施行しこうされた

• 昭和しょうわ20年ねん大蔵省おおくらしょう令れい第だい79号ごう（聯合れんごう國こく占領せんりょう軍ぐんノ發行はっこうスル「Ｂ」號ごう圓えん表示ひょうじ補助ほじょ通貨つうかノ件けん）。

最後さいごに制定せいていされたポツダム命令めいれいは、昭和しょうわ27年ねん4月がつ26日にち公布こうふ、同日どうじつ施行しこうされた

• 航空機こうくうきの出入国しゅつにゅうこく等とうに関かんする政令せいれい等とうの一部いちぶを改正かいせいする政令せいれい(昭和しょうわ27年ねん4月がつ26日にち政令せいれい第だい113号ごう)

であり、平和へいわ条約じょうやく発効はっこう（昭和しょうわ27年ねん4月がつ28日にち）に伴ともないポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れいが廃止はいしされる2日にち前まえであった。

ポツダム命令めいれいの方式ほうしき

ポツダム緊急きんきゅう命令めいれいと同日どうじつ制定せいていされた昭和しょうわ二に十じゅう年ねん勅みことのり令れい第だい五ご百ひゃく四よん十じゅう二に号ごう（「ポツダム」宣言せんげんノ受諾じゅだくニ伴ともヒ発はつスル命令めいれいニ関せきスル件けん）施行しこうニ関せきスル件けん（昭和しょうわ20年ねん勅みことのり令れい第だい543号ごう）により、その形式けいしきは勅みことのり令れい（いわゆるポツダム勅みことのり令れい）・閣かく令れい・省令しょうれいの3種しゅとされ、また閣かく令れい・省令しょうれいに規定きていできる罰則ばっそくの限度げんども定さだめられた。

この施行しこうに関かんする件けんは、ポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れいの施行しこう命令めいれいの性格せいかくであり、これ自体じたいはポツダム命令めいれいではない。立案りつあん当時とうじ、連合れんごう国軍こくぐん最高さいこう司令しれい官かん又またはその代表だいひょう者しゃの要求ようきゅうが直接ちょくせつ地方庁ちほうちょうに対たいしてなされ、府県ふけん令れいなどの地方庁ちほうちょうの命令めいれいの制定せいていを要ようする事態じたいが危惧きぐされたが、これは好このましくないことからポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れいは、万一まんいちにそなえて広ひろく「命令めいれい」としておき、一方いっぽう普通ふつうの勅みことのり令れい（施行しこうに関かんする件けん）をもって差さし当あたりその必要ひつように従したがい命令めいれいの種類しゅるいを勅みことのり令れい・閣かく令れい・省令しょうれいのみに限定げんていすることし、罰則ばっそくの限度げんども定さだめることとした。。最終さいしゅう的てきに地方庁ちほうちょうの命令めいれいがポツダム命令めいれいとされることはなかった。

なお、昭和しょうわ22年ねん（1947年ねん）5月3日にちの日本国にっぽんこく憲法けんぽう施行しこうにより、勅みことのり令れい、閣かく令れいという法ほう形式けいしきは廃止はいしされたが、昭和しょうわ20年ねん勅みことのり令れい第だい543号ごうは、改正かいせいされず関係かんけい法令ほうれいの規定きていで次つぎのように読よみ替かえるものとされた。

1. 勅みことのり令れいは、政令せいれいと読よみ替かえる。日本国にっぽんこく憲法けんぽう施行しこうの際さい現げんに効力こうりょくを有ゆうする勅みことのり令れいの規定きていの効力こうりょく等とうに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ22年ねん政令せいれい第だい14号ごう）第だい2項こうによる読よみ替がえ。
2. 閣かく令れいは、総理そうり庁ちょう令れいと読よみ替かえる。日本国にっぽんこく憲法けんぽう施行しこうの際さい現げんに効力こうりょくを有ゆうする勅みことのり令れいの規定きていの効力こうりょく等とうに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ22年ねん政令せいれい第だい14号ごう）第だい2項こうによる読よみ替がえ。
3. さらに総理そうり庁ちょう令れいは、総理府そうりふ設置せっち後ごは、総理府そうりふ令れいと読よみ替かえる。総理府そうりふ設置せっち法ほう（昭和しょうわ24年ねん法律ほうりつ第だい127号ごう）附則ふそく第だい5項こうによる読よみ替がえ。

また司法省しほうしょう廃止はいし後ご、法務ほうむ庁ちょうが設置せっちされ、さらに1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）6月がつ1日にちに法務ほうむ府ふとなった。それぞれの時期じきに法務ほうむ庁ちょう令れい、法務ほうむ府ふ令れいが制定せいていされたが、ポツダム命令めいれいとの関連かんれんでは、法務ほうむ庁ちょう令れい、法務ほうむ庁ちょう令れいによりポツダム命令めいれいが制定せいていできるかについては、後のちに法制ほうせい局きょく長官ちょうかんとなる佐藤さとう達夫たつおが「法務ほうむ府ふ令れいに対たいする読よみかえの読よみ替がえはちょっと見当みあたらない。」とするくらいあやふなところがあるものの、ポツダム命令めいれいとして法務ほうむ庁ちょう令れいが6本ほん（単独たんどく4本ほん、他た省しょうとの共同きょうどう命令めいれい4本ほん）、法務ほうむ府ふ令れい5本ほん（単独たんどく1本ほん、他た省しょうとの共同きょうどう命令めいれい4本ほん）が制定せいていされている。

閣かく令れい・省令しょうれいについては、昭和しょうわ20年ねん9月がつ22日にちの閣議かくぎ了解りょうかい「昭和しょうわ二に十じゅう年ねん勅みことのり令れい第だい五ご百ひゃく四よん十じゅう二に号ごう（「ポツダム」宣言せんげんノ受諾じゅだくニ伴ともヒ発はつスル命令めいれいニ関せきスル件けん）ニ基もとク閣かく令れい及省令れいノ件けん」により閣議かくぎ了解りょうかいを事前じぜん（緊急きんきゅうの場合ばあいは事後じご報告ほうこく）に行おこなうとされた。

前述ぜんじゅつのようにポツダム命令めいれいの根拠こんきょとなるポツダム緊急きんきゅう勅みことのり令れいは、法令ほうれい番号ばんごうとしては通常つうじょうの勅みことのり令れいと同おなじ番号ばんごう付づけをされ公布こうふ時じの上諭じょうゆまで参照さんしょうしなければ判別はんべつできないが、これはポツダム命令めいれい一般いっぱんについても同様どうようであり、法令ほうれい番号ばんごうにおいて通常つうじょうの命令めいれいとポツダム命令めいれいは区別くべつされておらず、上諭じょうゆ（勅みことのり令れいの場合ばあい）制定せいてい文ぶん（政令せいれい、省令しょうれい等とう）に「昭和しょうわ二に十じゅう年ねん勅みことのり令れい第だい五ご百ひゃく四よん十じゅう二に号ごうポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もと」という文言もんごんがあるかどうかを確認かくにんしないと判別はんべつできない。

更さらに一部いちぶ改正かいせいの場合ばあいはこの文言もんごんを欠かく事例じれいがある。例たとえば死産しざんの届出とどけでに関かんする規程きていは、昭和しょうわ21年ねん厚生省こうせいしょう令れい第だい42号ごうとして制定せいていされた際さいは「昭和しょうわ二に十じゅう年ねん勅みことのり令れい第だい五ご百ひゃく四よん十じゅう二に号ごう（「ポツダム｣宣言せんげんノ受諾じゅだくニ伴ともヒ命令めいれいヲ発はつスル件けん）に基もとづき死産しざんの届出とどけでに関かんする規程きていを次つぎのように定さだめる」とあったが、昭和しょうわ22年ねん2月がつ1日にち厚生省こうせいしょう令れい第だい4号ごうによる改正かいせいでは「昭和しょうわ二に十じゅう一いち年ねん九きゅう月がつ厚生省こうせいしょう令れい第だい四よん十じゅう二に号ごう（死産しざんの届出とどけでに関かんする規程きてい）の一部いちぶを次つぎのように改正かいせいする」となっている。被ひ改正かいせい法令ほうれいがポツダム命令めいれいであるかないかを確認かくにんするしかない。

なお、公布こうふの際さいにこの文言もんごんを欠かいていた重要じゅうよう物資ぶっし在庫ざいこ緊急きんきゅう調査ちょうさ令れい（昭和しょうわ23年ねん3月がつ27日にち政令せいれい第だい65号ごう）について最高裁判所さいこうさいばんしょ大だい法廷ほうていは「罰則ばっそくを設もうけた政令せいれいを公布こうふするに当とうつてその根拠こんきょを示しめさなかつたとしても、それだけでは直ただちにそ の政令せいれいを無効むこうであるとする二に一いちとはできない。その効力こうりょく如何いかは、罰則ばっそくを設もうけることができる実質じっしつ上じょうの根拠こんきょがあつたかどうかによるのである」として「本件ほんけん政令せいれい第だい六ろく五ご号ごうは、その実質じっしつにおいて「昭和しょうわ二に〇年ねん勅みことのり令れい第だい五ご四よん二に号ごうボツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けん」に基もとづくものである」と判示はんじし、形式けいしき的てきにポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく旨むねの制定せいてい文ぶんがなくてもポツダム命令めいれいであることがあると認みとめている。

ポツダム命令めいれいの役割やくわり

ポツダム命令めいれいにより定さだめられた事項じこうは多岐たきにわたる。占領せんりょう初期しょきには「非ひ軍事ぐんじ化か・民主みんしゅ化か」政策せいさくの推進すいしんという役割やくわりを果はたしたが、占領せんりょう後期こうきには占領せんりょう政策せいさくの転換てんかん（逆ぎゃくコース）に伴ともない、労働ろうどう運動うんどうや社会しゃかい主義しゅぎ運動うんどうの取締とりしまりの役割やくわりを果はたして行いくようになる。「治安ちあん維持いじ法ほう廃止はいし等とうノ件けん（昭和しょうわ20年ねん勅みことのり令れい第だい575号ごう）」、「政治せいじ犯人はんにん等とうノ資格しかく回復かいふくニ関せきスル件けん（昭和しょうわ20年ねん勅みことのり令れい第だい730号ごう）」や「公職こうしょくに関かんする就職しゅうしょく禁止きんし、退職たいしょく等とうに関かんする勅みことのり令れい（昭和しょうわ22年ねん勅みことのり令れい第だい1号ごう）」（いわゆる公職こうしょく追放ついほう令れい）は前者ぜんしゃとされるが、公職こうしょく追放ついほう令れいは占領せんりょう初期しょきの旧きゅう軍人ぐんじんの追放ついほうが占領せんりょう終期しゅうきには解除かいじょがされる一方いっぽう、共産党きょうさんとう中央ちゅうおう委員いいんの追放ついほうに適用てきようされるなどポツダム命令めいれい自体じたいは変かわらなくてもその適用てきよう対象たいしょうが変化へんかするものもあった。後者こうしゃの例れいとしては、「団体だんたい等とう規正きせい令れい（昭和しょうわ24年ねん政令せいれい第だい64号ごう）」や「昭和しょうわ二に十じゅう三さん年ねん七なな月がつ二に十じゅう二日附内閣総理大臣宛連合国最高司令官書簡に基もとづく臨時りんじ措置そちに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ23年ねん政令せいれい第だい201号ごう）」（いわゆる政令せいれい201号ごう）や「占領せんりょう目的もくてき阻害そがい行為こうい処罰しょばつ令れい（昭和しょうわ25年ねん政令せいれい325号ごう）」などがあるが、やはり占領せんりょう目的もくてき阻害そがい行為こうい処罰しょばつ令れいのようにその処罰しょばつ対象たいしょうが、占領せんりょう軍ぐんの指令しれいに反はんする行為こういであり、その指令しれいが転換てんかんするとともに実際じっさいの適用てきよう対象たいしょうが変化へんかしていくこととなっていた。

ポツダム命令めいれいの数かず

ポツダム命令めいれいの総数そうすうは、526件けんである。

制定せいていにおける混乱こんらん

ポツダム命令めいれいは、連合れんごう国軍こくぐんの急きゅうな要求ようきゅうにより制定せいていされたため、法令ほうれいの公布こうふにおいても混乱こんらんが多おおく見みられた。現在げんざい確実かくじつに確認かくにんできるだけでも次つぎのものがある。

二に度ど公布こうふされたポツダム命令めいれい

前述ぜんじゅつの日本にっぽん證券しょうけん取引とりひき所しょ法ほう中ちゅう改正かいせいノ件けん（昭和しょうわ20年ねん11月25日にち大蔵省おおくらしょう令れい第だい100号ごう）は、当初とうしょは11月26日にち付づけの官報かんぽう第だい5662号ごうで公布こうふする予定よていであったが、急遽きゅうきょ11月25日にち付づけ官報かんぽう号外ごうがいで公布こうふされた。そのため26日にちの官報かんぽうの取とり消けしが間まに合あわず、11月26日にちの官報かんぽうでも同おなじ内容ないよう（省令しょうれい番号ばんごうも同おなじ第だい100号ごう）が11月26日にち付づけで公布こうふされ、同おなじものが2回かい公布こうふされてしまった。翌よく11月がつ27日にち付づけ官報かんぽうで11月26日にちのほうは取とり消けされている。 同様どうように航海こうかいノ制限せいげん等とうニ関せきスル件けん（昭和しょうわ20年ねん11月25日にち運輸省うんゆしょう令れい第だい40号ごう）も同様どうように11月25日にち付づけ官報かんぽう号外ごうがいと11月26日にちの官報かんぽうで重複じゅうふく公布こうふされ11月27日にち付づけ官報かんぽうで11月26日にちのほうが取とり消けしとなっている。

二に度ど廃止はいしされた法令ほうれい

軍事ぐんじ郵便ゆうびん物ぶつニ関せきスル件けん（明治めいじ37年ねん勅みことのり令れい第だい19号ごう）は、同おなじ昭和しょうわ21年ねん11月22日にちに公布こうふ施行しこうされた

昭和しょうわ二に十じゅう年ねん勅みことのり令れい第だい五ご百ひゃく四よん十じゅう二に号ごうポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともなえひ発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく船舶せんぱく保護ほご法ほうの廃止はいし等とうに関かんする勅みことのり令れい（昭和しょうわ21年ねん勅みことのり令れい第だい562号ごう）と

昭和しょうわ二に十じゅう年ねん勅みことのり令れい第だい五ご百ひゃく四よん十じゅう二に号ごうポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく軍用ぐんよう電気でんき通信つうしん法ほう等とうを廃止はいしする勅みことのり令れい（昭和しょうわ21年ねん勅みことのり令れい第だい564号ごう）

の両方りょうほうで廃止はいしとされていた（なお表記ひょうきはいずれも明治めいじ三さん十じゅう七なな年ねん勅みことのり令れい第だい十じゅう九きゅう号ごう）。昭和しょうわ22年ねん3月がつ13日にち付づけ官報かんぽう第だい6047号ごう80ページで官報かんぽうの訂正ていせいがされ勅みことのり令れい第だい564号ごうから削けずられた。勅みことのり令れい第だい564号ごうの御ご署名しょめい原本げんぽんでは明治めいじ三さん十じゅう七なな年ねん勅みことのり令れい第だい十じゅう九きゅう号ごうが線せんで抹消まっしょうされている。

日にち遅おくれ官報かんぽう　公布こうふの日ひは法的ほうてきにいつになるのか

昭和しょうわ二に十じゅう三さん年ねん七なな月がつ二に十じゅう二日附内閣総理大臣宛連合國最高司令官書簡に基もとづく臨時りんじ措置そちに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ23年ねん政令せいれい第だい201号ごう） この政令せいれいは、昭和しょうわ23年ねん7月がつ31日にち付づけ官報かんぽうで公布こうふされ、公布こうふの日ひから施行しこうされたことになっている。しかし、実際じっさいには8月がつ2日にちに印刷いんさつ発送はっそうされており、7月がつ31日にちの行為こういを処罰しょばつできないとする最高裁さいこうさい判決はんけつがある。

件名けんめいの改正かいせいと反映はんえいしない処理しょり

昭和しょうわ21年ねん12月14日にちに制定せいていされた昭和しょうわ21年ねん厚生省こうせいしょう令れい、運輸省うんゆしょう令れい、内務省ないむしょう令れい第だい1号ごうは、題名だいめいを有ゆうしないので、制定せいてい文ぶんを要約ようやくした件名けんめいが「労働ろうどうニ関せきスル団体だんたいノ主要しゅよう役やく職員しょくいんヘノ就職しゅうしょく禁止きんし等とうニ関せきスル件けん」とされた。この省令しょうれい（ポツダム命令めいれい）は、昭和しょうわ22年ねん1月がつ18日にちに昭和しょうわ22年ねん厚生省こうせいしょう令れい、運輸省うんゆしょう令れい、内務省ないむしょう令れい第だい1号ごうで改正かいせいされた。このときの改正かいせい文ぶんに

件名けんめい中ちゅう「主要しゅよう役やく職員しょくいん」を「役職やくしょく員いん」に改あらためる。

とあった。本来ほんらい件名けんめいは正式せいしきに付ふされていないため、内容ないようの変更へんこうがあればそれにより件名けんめいも変更へんこうになって特とくに改正かいせいはされないので、件名けんめいの改正かいせいというのは異例いれいのことである。なお、改正かいせい内容ないようとしては、追放ついほう対象たいしょう者しゃは「労働ろうどうに関かんする団体だんたいの主要しゅよう役やく職員しょくいんの職しょくに就つくことが出来できない」とあった規定きていのうち、主要しゅよう役やく職員しょくいんを役職やくしょく員いんに改あらためるものであるため、件名けんめいの改正かいせいも内容ないようは妥当だとうであるといえる。

さらにこの省令しょうれいは、昭和しょうわ22年ねん3月がつ14日にちに昭和しょうわ22年ねん厚生省こうせいしょう令れい、運輸省うんゆしょう令れい、内務省ないむしょう令れい第だい2号ごうで改正かいせいされたが、このときは「昭和しょうわ二に十じゅう一いち年ねん厚生省こうせいしょう、運輸省うんゆしょう、内務省ないむしょう令れい第だい一いち号ごうを改正かいせいする」として件名けんめいを引用いんようしなかった。

そしてポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく労働省ろうどうしょう関係かんけい諸しょ命令めいれいの廃止はいしに関かんする法律ほうりつ（昭和しょうわ27年ねん法律ほうりつ第だい75号ごう）では、労働ろうどうに関かんする団体だんたいの主要しゅよう役やく職員しょくいんへの就職しゅうしょく禁止きんし等とうに関かんする件けん（昭和しょうわ二に十じゅう一いち年ねん厚生こうせい、運輸うんゆ、内務省ないむしょう令れい第だい一いち号ごう）を廃止はいしすると規定きていし、件名けんめいの改正かいせいを無視むしした形かたちになっている。

現在げんざいも効力こうりょくを有ゆうする「ポツダム命令めいれい」

現在げんざいもいくつかのポツダム命令めいれいが、法律ほうりつとしての効力こうりょくを持もって存続そんぞくしている。これらは、法令ほうれい番号ばんごうは制定せいてい時じのものがそのまま付ふされることになっている（つまり法律ほうりつとしての効力こうりょくをもっていても政令せいれい第だい○○号ごうのように表記ひょうきする）ので注意ちゅういが必要ひつようとなる。

ポツダム命令めいれいは、ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんの廃止はいしに関かんする法律ほうりつにより別べつに法律ほうりつで廃止はいし又または存続そんぞくに関かんする措置そちがされない場合ばあい、平和へいわ条約じょうやく発効はっこうから180日間にちかん、法律ほうりつとしての効力こうりょくがあったものでありその後ご、政令せいれいや省令しょうれいとして効力こうりょくを存続そんぞくさせたものはない。

平和へいわ条約じょうやく発効はっこうから180日間にちかんを経過けいかした時点じてんで、ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく大蔵省おおくらしょう関係かんけい諸しょ命令めいれいの措置そちに関かんする法律ほうりつ等とうにより、法律ほうりつとしての効力こうりょくを有ゆうするものとされたものは55件けんである。

更さらにその後ごに廃止はいし等とうがされたもの、また実効じっこう性せい喪失そうしつ若もしくは罰則ばっそく関係かんけいの経過けいか措置そちのみのものを除のぞき現行げんこう法令ほうれいとされているのは次つぎの22件けんである。

• ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく賠償ばいしょう庁ちょう関係かんけい諸しょ命令めいれいの措置そちに関かんする法律ほうりつ（昭和しょうわ27年ねん法律ほうりつ第だい16号ごう）によるもの
  • 朝鮮ちょうせん総督そうとく府ふ交通こうつう局きょく共済きょうさい組合くみあいの本邦ほんぽう内ないにある財産ざいさんの整理せいりに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ26年ねん政令せいれい第だい40号ごう）
• ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく大蔵省おおくらしょう関係かんけい諸しょ命令めいれいの措置そちに関かんする法律ほうりつ（昭和しょうわ27年ねん法律ほうりつ第だい43号ごう）によるもの
  • 閉鎖へいさ機関きかん令れい（昭和しょうわ22年ねん勅みことのり令れい第だい74号ごう）
  • 閉鎖へいさ機関きかんに関かんする債権さいけんの時効じこう等とうの特例とくれいに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ23年ねん勅みことのり令れい第だい264号ごう）
  • 旧きゅう日本にっぽん占領せんりょう地域ちいきに本店ほんてんを有ゆうする会社かいしゃの本邦ほんぽう内ないにある財産ざいさんの整理せいりに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ24年ねん政令せいれい第だい291号ごう）
  • 国外こくがい居住きょじゅう外国がいこく人じん等とうに対たいする債務さいむの弁済べんさいのためにする供託きょうたくの特例とくれいに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ25年ねん政令せいれい第だい22号ごう）
  • 閉鎖へいさ機関きかんの引当ひきあて財産ざいさんの管理かんりに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ25年ねん政令せいれい第だい369号ごう） ※存続そんぞく措置そち当時とうじの題名だいめいは「特定とくてい在外ざいがい活動かつどう閉鎖へいさ機関きかん等とうの引当ひきあて財産ざいさんの管理かんりに関かんする政令せいれい」
  • 特別とくべつ調達ちょうたつ資金しきん設置せっち令れい（昭和しょうわ26年ねん政令せいれい第だい205号ごう）
  • 外貨がいか債さい処理しょり法ほう等とうノ廃止はいし及外国がいこく為替かわせ管理かんり法ほう等とう中ちゅう改正かいせいノ件けん（昭和しょうわ20年ねん大蔵省おおくらしょう令れい第だい101号ごう）附則ふそく第だい2項こう及および第だい4項こう
• ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく運輸省うんゆしょう関係かんけい諸しょ命令めいれいの措置そちに関かんする法律ほうりつ（昭和しょうわ27年ねん法律ほうりつ第だい72号ごう）によるもの
  • 航海こうかいノ制限せいげん等とうニ関せきスル件けん（昭和しょうわ20年ねん運輸省うんゆしょう令れい第だい40号ごう）
• ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく文部省もんぶしょう関係かんけい諸しょ命令めいれいの措置そちに関かんする法律ほうりつ（昭和しょうわ27年ねん法律ほうりつ第だい86号ごう）によるもの
  • 学校がっこう施設しせつの確保かくほに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ24年ねん政令せいれい第だい34号ごう）
• ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく経済けいざい安定あんてい本部ほんぶ関係かんけい諸しょ命令めいれいの措置そちに関かんする法律ほうりつ(昭和しょうわ27年ねん法律ほうりつ第だい88号ごう)によるもの
  • 物価ぶっか統制とうせい令れい（昭和しょうわ21年ねん勅みことのり令れい第だい118号ごう）
  • 外国がいこく政府せいふの不動産ふどうさんに関かんする権利けんりの取得しゅとくに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ24年ねん政令せいれい第だい311号ごう）
• ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく連合れんごう国こく財産ざいさん及およびドイツ財産ざいさん関係かんけい諸しょ命令めいれいの措置そちに関かんする法律ほうりつ(昭和しょうわ27年ねん法律ほうりつ第だい95号ごう)によるもの
  • 連合れんごう国こく財産ざいさん上じょうの家屋かおく等とうの譲渡じょうと等とうに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ23年ねん政令せいれい第だい298号ごう）
  • 連合れんごう国こく財産ざいさんである株式かぶしきの回復かいふくに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ24年ねん政令せいれい第だい310号ごう）
  • ドイツ財産ざいさん管理かんり令れい（昭和しょうわ25年ねん政令せいれい第だい252号ごう）
  • 連合れんごう国こく財産ざいさんの返還へんかん等とうに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ26年ねん政令せいれい第だい6号ごう）

• ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく厚生省こうせいしょう関係かんけい諸しょ命令めいれいの措置そちに関かんする法律ほうりつ（昭和しょうわ27年ねん法律ほうりつ第だい120号ごう）によるもの
  • 陸軍りくぐん刑法けいほうを廃止はいしする等ひとしの政令せいれい（昭和しょうわ22年ねん政令せいれい第だい52号ごう）
  • 死産しざんの届出とどけでに関かんする規程きてい（昭和しょうわ21年ねん厚生省こうせいしょう令れい第だい42号ごう）

• ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく外務省がいむしょう関係かんけい諸しょ命令めいれいの措置そちに関かんする法律ほうりつ（昭和しょうわ27年ねん法律ほうりつ第だい126号ごう）によるもの
  • 出入国しゅつにゅうこく管理かんり及および難民なんみん認定にんてい法ほう（昭和しょうわ26年ねん政令せいれい第だい319号ごう） ※存続そんぞく措置そち当時とうじの題名だいめいは「出入国しゅつにゅうこく管理かんり令れい」

• ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんに基もとづく法務ほうむ府ふ関係かんけい諸しょ命令めいれいの措置そちに関かんする法律ほうりつ（昭和しょうわ27年ねん法律ほうりつ第だい137号ごう）によるもの
  • 政治せいじ犯人はんにん等とうノ資格しかく回復かいふくニ関せきスル件けん（昭和しょうわ20年ねん勅みことのり令れい第だい730号ごう）
  • 沖縄おきなわ関係かんけい事務じむ整理せいりに伴ともなう戸籍こせき、恩給おんきゅう等とうの特別とくべつ措置そちに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ23年ねん政令せいれい第だい306号ごう）
  • 会社かいしゃ等とう臨時りんじ措置そち法ほう等とうを廃止はいしする政令せいれい（昭和しょうわ23年ねん政令せいれい第だい402号ごう）附則ふそく第だい5条じょう、第だい7条じょう及および第だい9条じょう

廃止はいし又または存続そんぞくに関かんする措置そちがされず失効しっこうした命令めいれい

ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんの廃止はいしに関かんする法律ほうりつにより別べつに法律ほうりつで廃止はいし又または存続そんぞくに関かんする措置そちがされない場合ばあい、平和へいわ条約じょうやく発効はっこうから180日間にちかん、法律ほうりつとしての効力こうりょくを有ゆうし180日にちを経過けいかした日ひを以もって効力こうりょくを失うしなうものとされたが、この規定きていにより失効しっこうしたポツダム命令めいれいは以下いかの17件けんである。

• 退職たいしょく手当てあて金きん、年金ねんきん其他此等に準なずらえすべき利益りえきの給付きゅうふの制限せいげんに関かんする件けん（昭和しょうわ21年ねん勅みことのり令れい第だい116号ごう）
• 町内ちょうない会かい、部落ぶらく会かい又またはその連合れんごう会かい等とうに関かんする解散かいさん、就職しゅうしょく禁止きんしその他たの行為こういの制限せいげんに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ22年ねん政令せいれい第だい15号ごう）
• 特殊とくしゅ用途ようと機械きかいの破壊はかいに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ22年ねん政令せいれい第だい244号ごう）
• 賠償ばいしょう充当じゅうとう設備せつび等とう撤去てっきょ令れい（昭和しょうわ22年ねん政令せいれい第だい318号ごう）
• 昭和しょうわ二に十じゅう三さん年ねん七なな月がつ二に十じゅう二日附内閣総理大臣宛連合国最高司令官書簡に基もとづく臨時りんじ措置そちに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ23年ねん政令せいれい第だい201号ごう）
• 電話でんわ加入かにゅう権けんの取扱とりあつかい及および電話でんわの譲渡じょうと禁止きんし等とうに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ24年ねん政令せいれい第だい48号ごう）
• 船舶せんぱく運航うんこう令れい（昭和しょうわ25年ねん政令せいれい第だい48号ごう）
• 電気でんき事業じぎょう再さい編成へんせい令れい（昭和しょうわ25年ねん政令せいれい第だい342号ごう）
• 公益こうえき事業じぎょう令れい（昭和しょうわ25年ねん政令せいれい第だい343号ごう）
• 鹿児島かごしま県けん大島おおしま郡ぐん十島としま村むらの区域くいきに適用てきようされるべき法令ほうれいの暫定ざんてい措置そちに関かんする政令せいれい（昭和しょうわ26年ねん政令せいれい第だい360号ごう）
• 兵器へいき、航空機こうくうき等とうノ生産せいさん制限せいげんニ関せきスル件けん（昭和しょうわ20年ねん商工しょうこう省しょう文部省もんぶしょう農林省のうりんしょう運輸省うんゆしょう令れい第だい1号ごう）
• 財団ざいだん法人ほうじん大だい日本にっぽん武徳ぶとく会かいの解散かいさん等とうに関かんする件けん（昭和しょうわ21年ねん内務省ないむしょう令れい第だい45号ごう）
• 財団ざいだん法人ほうじん武蔵むさし住宅じゅうたく協会きょうかい等とうの解散かいさんに関かんする件けん（昭和しょうわ21年ねん内務省ないむしょう令れい第だい52号ごう）
• 工場こうじょう、事業じぎょう場じょう等とうの管理かんりに関かんする件けん（昭和しょうわ21年ねん商工しょうこう省しょう文部省もんぶしょう令れい第だい1号ごう）
• 造船ぞうせん関係かんけいの工場こうじょう、事業じぎょう場じょう等とうの管理かんりに関かんする件けん（昭和しょうわ21年ねん運輸省うんゆしょう令れい第だい32号ごう）
• 指定してい施設しせつ等とうの使用しよう制限せいげんに関かんする件けん（昭和しょうわ22年ねん商工しょうこう省しょう文部省もんぶしょう農林省のうりんしょう運輸省うんゆしょう厚生省こうせいしょう令れい第だい1号ごう）
• 財団ざいだん法人ほうじん協きょう助すけ会かいの解散かいさん等とうに関かんする件けん（昭和しょうわ23年ねん総理府そうりふ厚生省こうせいしょう令れい第だい1号ごう）

関係かんけい法文ほうぶん

「ポツダム」宣言せんげんノ受諾じゅだくニ伴ともヒ発はつスル命令めいれいニ関せきスル件けん

「s:「ポツダム」宣言せんげんノ受諾じゅだくニ伴ともヒ發はつスル命令めいれいニ關せきスル件けん」を参照さんしょう

昭和しょうわ二に十じゅう年ねん勅みことのり令れい第だい五ご百ひゃく四よん十じゅう二に号ごう施行しこうニ関せきスル件けん

「s:昭和しょうわ二に十じゅう年ねん勅みことのり令れい第だい五ご百ひゃく四よん十じゅう二に號ごう（「ポツダム」宣言せんげんノ受諾じゅだくニ伴ともヒ發はつスル命令めいれいニ關せきスル件けん）施行しこうニ關せきスル件けん」を参照さんしょう

日本国にっぽんこく憲法けんぽう施行しこうの際さい現げんに効力こうりょくを有ゆうする命令めいれいの規定きていの効力こうりょく等とうに関かんする法律ほうりつ（抄しょう）

「日本國にっぽんこく憲法けんぽう施行しこうの際さい現げんに効力こうりょくを有ゆうする命令めいれいの規定きていの効力こうりょく等とうに関かんする法律ほうりつ1条じょうおよび1条じょうの2」を参照さんしょう

ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんの廃止はいしに関かんする法律ほうりつ

「s:ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けんの廃止はいしに関かんする法律ほうりつ」を参照さんしょう

ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けん施行しこうに関かんする件けんを廃止はいしする政令せいれい

（昭和しょうわ27年ねん4月がつ27日にち 政令せいれい第だい120号ごう）

• 内閣ないかくは、ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けん（昭和しょうわ二に十じゅう年ねん勅みことのり令れい第だい五ご百ひゃく四よん十じゅう二に号ごう）の廃止はいしに伴ともない、この政令せいれいを制定せいていする。
• ポツダム宣言せんげんの受諾じゅだくに伴ともない発はっする命令めいれいに関かんする件けん施行しこうに関かんする件けん（昭和しょうわ二に十じゅう年ねん勅みことのり令れい第だい五ご百ひゃく四よん十じゅう三さん号ごう）は、廃止はいしする。
• 附ふ 則そく

この政令せいれいは、公布こうふの日ひから施行しこうする。

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• 法令ほうれい普及ふきゅう会かい 編へん『旬刊じゅんかん時じの法令ほうれい解説かいせつ』79号ごう、大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく、1952年ねん11月。doi:10.11501/1403151。 
• 司法しほう法制ほうせい課か「ポツダム命令めいれいについて」『J & R : 法務大臣ほうむだいじん官房かんぼう司法しほう法制ほうせい調査ちょうさ部ぶ季き報ほう』第だい80号ごう、法務大臣ほうむだいじん官房かんぼう司法しほう法制ほうせい調査ちょうさ部ぶ、1995年ねん、5-60頁ぺーじ。 
• 佐藤さとう達夫たつお「ポツダム命令めいれいについての私わたし録ろく」『自治じち研究けんきゅう』第だい28巻かん、良書りょうしょ刊行かんこう会かい、1953年ねん。 

関連かんれん項目こうもく

• 大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう
• 連合れんごう国軍こくぐん最高さいこう司令しれい官かん総そう司令しれい部ぶ（GHQ/SCAP）
• SCAPIN
• ポツダム宣言せんげん
  • 玉音ぎょくおん放送ほうそう
  • 日本にっぽんの降伏ごうぶく
• 法令ほうれい - 法律ほうりつ、命令めいれい
• 政令せいれい201号ごう事件じけん - ポツダム命令めいれいの有効ゆうこう性せいが争あらそわれた。