上田 秋成
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生涯
ほぼ
本 居 宣長 との論争
後世 の評価
全集
第 1巻 (国学 篇 )1990/11/1 ISBN 4124029411 978-4124029413第 2巻 (万葉集 研究 篇 1)1991/2/1 ISBN 412402942X、978-4124029420第 3巻 (万葉集 研究 篇 2)1991/5/1 ISBN 4124029438 978-4124029437第 4巻 (万葉集 研究 篇 3)1993/2/1 ISBN 4124029446 978-4124029444第 5巻 (王朝 文学 研究 篇 )1992/5/1 ISBN 4124029454 978-4124029451第 6巻 (国語 篇 )1991/8/1 ISBN 4124029462 978-4124029468第 7巻 (小説 篇 1)1990/8/1 ISBN 4124029470 978-4124029475第 8巻 (小説 篇 2)1993/8/1 ISBN 4124029489 978-4124029482第 9巻 (随筆 篇 )1992/10/1 ISBN 4124029497 978-4124029499第 10巻 (歌 文 篇 1)1991/11/1 ISBN 4124029500 978-4124029505第 11巻 (歌 文 篇 2)1994/2/1 ISBN 4124029519 978-4124029512第 12巻 (歌 文 篇 3)1995/9/1 ISBN 4124029527 978-4124029529
主 な著作
小説
明和 3年 (1766年 )、『諸道 聴耳世間 猿 』(しょどうきゝみゝせけんざる) - 「武士 に憧 れ、侍 の恰好 で江戸 見物 に来 た上方 の町人 」「男勝 りの武芸 達人 の尼 」などが繰 り広 げる15の悲喜劇 。明和 4年 (1767年 )、『世間 妾 形 気 』(せけんてかけかたぎ) - 「おとこ妾 」、「玉手箱 で老婆 になった妾 」など「変 わった妾 」の物語 集 。滑稽 なものとシリアスなものがある。安永 5年 (1776年 )、『雨月物語 』(うげつものがたり) -怪異 小説 9篇 から成 る。「菊花 の約 」(きつかのちぎり)は特 に有名 で、国語 教科書 への採用 もある。天明 7年 (1787年 )、『書 初 機嫌 海 』(かきぞめきげんかい) -上中 下 三 巻 に分 け、「京 ・江戸 ・大阪 」の新春 風俗 を描 いたもの。年 の瀬 を主題 にした井原 西鶴 『世間 胸算用 』の逆 。登場 人物 の多 くにはモデルがあるとされ、秋成 の論敵 だった本 居 宣長 を思 わせる国学 者 を出 して、揶揄 する描写 もある[8]。文化 3年 (1806年 )、『ますらを物語 』(ますらをものがたり)[注 4] -京都 の郷士 が恋愛 のもつれから妹 を斬殺 した実話 を題材 にしている。先 に書 かれた同 じ出典 の建部 綾足 作 「西山 物語 」が、史実 と異 なる点 に反発 し本書 を描 いたと述 べる。また「元禄 赤穂 事件 」の浪士 の討 ち入 りも、国学 者 としての立場 から批判 する箇所 がある[注 5]文化 5年 (1808年 )、『春雨 物語 』(はるさめものがたり) - 「血 かたびら」「天津 処女 」「海賊 」「二 世 の縁 」「目 ひとつの神 」「死 首 の咲 顔 」「捨石 丸 」「宮木 が塚 」「歌 のほまれ」「樊噲」の十 篇 。当初 は他 にあと五 篇 あったが削除 された。文政 5年 (1822年 )、『癇癖 談 』(くせものがたり)[注 6]-没後 刊行 。『伊勢物語 』のパロディの体 をとって書 かれ、24の小話 からなる。当時 の俳諧 師 ・高僧 ・名医 ・儒学 者 ・歌人 らを連想 させる人物 を登場 させ、痛烈 な批判 と皮肉 が描 かれる。秋成 の家 にいるコマドリが、訪 れたウソに「この家 の主 (秋成 )には驕 りがあり、国学 者 としてまだまだ修行 が足 りない」と語 る、自 らを風刺 し戒 めた物語 で締 める[注 7]。
国学
安永 8年 (1779年 )、『ぬば玉 の巻 』(ぬばたまのまき) - 『源氏物語 』の注釈 書 。寛政 4年 (1792年 )、『安 々言 』(やすみごと) -日本 の外交 史論 。本 居 宣長 との論争 を含 む。寛政 5年 (1793年 )、『よしやあしや』 - 『伊勢物語 』論 。寛政 6年 (1794年 )、『霊 語 通 』(れいごつう) -日本 の古代 からの仮名遣 いの研究 書 。享 和 元年 (1801年 )、『冠 辞 続貂 』(かんじぞくちょう、かむりごとつぎお) -賀茂真淵 の「冠 辞 考 」の続編 で、枕詞 329例 を五十音 順 に分類 。享 和 2年 (1802年 )、『遠 駝延五 登 』(おだえごと) -古代 史論 。文化 2年 (1805年 )、『神代 かたり』(かみよかたり) - 「日本書紀 」神代 (神話 時代 )を解説 したもの。
随筆
寛政 11年 (1799年 )、『御嶽 さうじ』(みたけそうじ) -霊山 大峰 詣 の紀行 文 。朝廷 ・幕府 双方 の国家 護持 の祈祷 が行 なわれる「小笹 の行場 」など。文化 5年 (1808年 )、『自 像 筥記』(じしょうきょき) -幼少 期 からの自伝 。文化 6年 (1809年 )、『胆 大小 心 録 』(たんだいしょうしんろく) - 「子供 が白 い蛇 を傷 つけたら祟 りがあった」「あの世 から亡 くなった妻 からの手紙 がきた」などの奇談 や掌編 、「黒 ガラスで太陽 を観測 し、望遠鏡 で月 を観 た」などの随筆 、「巷 に間違 った国学 が横行 しているのは、天皇陛下 に対 し奉 り国学 者 として申 し分 けない」と憤 る国学 上 の考証 、さらに未完 の小説 の断片 や構想 を含 む全 3巻 。異本 数 種 がある。
和歌
享 和 元年 (1801年 )、『献 神 和歌 帖 』(けんしんわかちょう) - お告 げの68歳 に達 し、68首 を編 んで加島 稲荷 に奉納 した歌集 。文化 2年 (1805年 )、『藤 簍冊子 』(つづらぶみ) -自撰 の短歌 集 。七 百 首 余 りが収 められる。「宵 のまにはかなの月 は入 にけり妬 める雲 を恋 しながらに」(桐 壺 )など、源氏物語 の各巻 を講釈 した歌 を含 む。文化 3年 (1806年 )、『鶉 告 和 哥集』(しゅんこくわかしゅう) -自撰 の長歌 集 。「詩経 」の内容 を和歌 で表 わした「天保 歌 」など。
狂歌
文化 3年 (1806年 )、『万 匂 集 』(まにおうしゅう) - 「万葉集 」のもじりだが、狂歌 というより和歌 に近 い風雅 な作品 が多 い。ほかに漢詩 や故事 成語 、薬 売 りによる客寄 せ「口上 」などを、そのまま歌 の形式 に翻訳 した趣向 の作品 がある。文化 8年 (1811年 )、『街道 狂 歌合 』(かいどうきょうかあわせ) -没後 刊行 。
俳諧
天明 7年 (1787年 )、『也哉鈔』(やかなしょう) -俳文 集 。俳句 の「切 れ字 」を論 じる。文化 6年 (1809年 )、『俳調義 論 』(はいちょうぎろん) -自選 句集 。「夜 をひとよおしだまりたり雪 の松 」など晩年 の句 が多 い。途中 で、松尾 芭蕉 の句 を批判 ・推敲 している箇所 がある。
茶道
寛政 6年 (1794年 )、『清風 瑣言』(せいふうさげん) -匙 茶 の指導 書 。茶 の歴史 から、種類 、作法 、道具 など。特 に「煎茶 」の茶道 に特 化 した教本 。文化 4年 (1807年 )、『茶 瘕酔言 』(ちゃかすいげん、さかすいげん) - 『清風 瑣言』の続篇 。
書簡
文化 6年 (1809年 )、『文 反故 』(ふみほうぐ) -書簡 文集 。
絵画
寛政 6年 (1794年 )、『茶筅 自画 賛 』(ちゃせんじがさん) -茶道具 を描 いた日本 画 。画 号 は俳句 と同 じ「無 腸 」。享 和 3年 (1803年 )、『海老 自画 賛 』(えびじがさん) -古希 を祝 い自画 自賛 の日本 画 。
脚注
注釈
- ^
蟹 のこと。「内 は柔 らかいが外 は固 い」「世 を横 に歩 く」など、おのれの頑固 ・狷介 をこの別 号 に諷 した。 - ^
万全 でない指 への拘 わりと解 される。 - ^ 「
父 ナシ、ソノ故 ヲ知 ラズ。四 歳 、母 マタ捨ツ」[3] - ^ 「ますらを」は
賀茂真淵 ら国学 者 の間 で理想 とされた「男 らしい堂々 とした様子 」で、万葉集 の歌 風 を述 べる際 にも用 いる。[要 出典 ] - ^
秋成 は事件 の当事 者 である渡辺 源 太 とも面談 しており、「西山 物語 」が芝居 じみて史実 と乖離 している点 (自己 中心 的 な人物 たちが、道徳 を無視 し享楽 にふける結末 。事件 と無関係 な楠木 正成 の幽霊 が登場 するなど)を批判 。ただし、建部 綾足 は山鹿 素行 の曾孫 であり、元禄 赤穂 事件 を「山鹿 流 とは対極 にある愚挙 」(津軽 家 の思想 )と非難 している点 では秋成 と同 じ側 に属 す。[独自 研究 ?] - ^ 「
癇癖 (かんぺき)」と書 いて「くせ」と読 ませる。仮名 草子 『仁 勢 物語 』(にせものかたり)のもじり。[要 出典 ] - ^ 『
癇癖 談 』第 二 十 四 段 (最終 話 )。「秋成 が書見 をしている姿 を、駒鳥 と鷽 (うそ)が庭 で見 ながら批評 している。鶯 (うぐいす)も居 て二 羽 の話 を聴 いている」挿絵 が付 けられている(国会図書館 所蔵 )。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z
岡本 勝 ,雲 英 末雄 編 『新版 近世 文学 研究 事典 』おうふう、2006年 1月 、120-1231頁 。 - ^
長島 弘明 「渋谷 和 邦 氏 蔵 上田 秋成 資料 」『東京大学 国文学 論集 』第 13巻 、2018年 、99-113頁 、doi:10.15083/00074397。 - ^
自 像 筥記、1808年 [要 文献 特定 詳細 情報 ] - ^
佐藤 春夫 「上田 秋成 」『文藝春秋 』第 16巻 第 1号 、1938年 、458頁 、doi:10.11501/3197699。 - ^ 『
上田 秋成 全集 』第 一 巻 (国学 篇 )[要 ページ番号 ] - ^
飛鳥井 雅道 「テキストとしての神話 :本 居 宣長 ・上田 秋成 論 争 とその周辺 」『人文 學 報 』第 75巻 、1995年 、34-46頁 、doi:10.14989/48440。 - ^
小林 「本 居 宣長 」下巻 ・395頁 - ^ 「
上田 秋成 の文学 (放送大学 教材 )」長島 弘明 (2016年 )
参考 文献
高田 衛 :『上田 秋成 年譜 考 説 』、明善 堂 (1964)佐藤 春夫 :『上田 秋成 』、桃源 社 (1964)高田 衛 :『上田 秋成 研究 序説 』、寧楽 書房 (1968)浅野 三平 『秋成 全 歌集 とその研究 』、桜 楓 社 (1969)重友 毅 :『秋成 の研究 』、文理 書院 (1971)岩橋 小弥太 :『上田 秋成 』、有精 堂 選書 (1975)- 「
大輪 靖宏 訳注 :現代 語 訳 対照 雨 月 物語 、旺文社 文庫 (1978)」巻末 の、『上田 秋成 年譜 』 大谷 晃一 :『上田 秋成 』、トレヴィル(1987)長島 弘明 編 :『上田 秋成 』、新潮社 新潮 古典 文学 アルバム(1991)ISBN 4106207206- 「
新編 日本 古典 文学 全集 78、小学 館 (1995)ISBN 4096580783」巻末 の、高田 衛 編 :『作者 対照 略 年譜 』 木越 治 :『秋成 論 』、ぺりかん社 (1995)長島 弘明 :『秋成 研究 』、東京 大学 出版 会 (2000)ISBN 9784130800624小林 秀雄 『本 居 宣長 』(新潮 文庫 ) ISBN 978-4-10-100707-6