(Translated by https://www.hiragana.jp/)
久里洋二 - Wikipedia
Wikipedia

久里くり洋二ようじ

久里くり 洋二ようじ（くり ようじ、1928年ねん4月がつ9日にち[1] - ）は、日本にっぽんのアニメーション作家さっか、イラストレーター、絵本えほん作家さっか、洋画ようが家か。一いちコマ漫画まんが家かとしても活動かつどうしている。本名ほんみょう：栗原くりはら 英夫ひでお（くりはら ひでお）[1]。

2016年ねん以降いこう、クリ ヨウジ、または姓名せいめいの間あいだに中黒なかぐろを入いれたクリ・ヨウジの名義めいぎを併用へいようして活動かつどうしている[2]。

略歴りゃくれき

編集へんしゅう

福井ふくい県けん今立いまだち郡ぐん鯖江さばえ町まち（のちの鯖江さばえ市し）出身しゅっしん[3]。父ちちは軍人ぐんじん。陸軍りくぐん幼年ようねん学校がっこうの受験じゅけんに失敗しっぱい後ご、旧制きゅうせい福井ふくい県立けんりつ武生たけお中学校ちゅうがっこう（のちの福井ふくい県立けんりつ武生たけお高等こうとう学校がっこう）へ入学にゅうがく。中学ちゅうがく時代じだいに終戦しゅうせんを迎むかえた。1947年ねん、京都きょうと市し美術びじゅつ学校がっこうの入学にゅうがく試験しけんに合格ごうかくするが、父親ちちおやが公職こうしょく追放ついほうとなり、学費がくひの目処めどが立たたなくなったために進学しんがくを断念だんねんし、郷里きょうりで様々さまざまな職業しょくぎょうについて家計かけいを助たすけた[3][4]。この頃ころ、横山よこやま泰三たいぞうの漫画まんがに心酔しんすいし、自身じしんでも雑誌ざっしへの投稿とうこうを重かさねるが、一いち度ども採用さいようされなかった[3][4]。

横山よこやまへの憧あこがれが高こうじ、1950年ねんに横山よこやまの住居じゅうきょ・鎌倉かまくら市しに近ちかい藤沢ふじさわ市しに移住いじゅう[4]。藤沢ふじさわには漫画まんが家かの利根とね義雄よしおがおり、偶然ぐうぜん知己ちきを得えた久里くりは、利根りこんの紹介しょうかいで横山よこやまや、演出えんしゅつ家かの丸尾まるお長ちょう顕あらわと知しり合あう[4]。横須賀よこすか税務署ぜいむしょへの勤務きんむ[5]を経へて、1952年ねんには利根りこんの斡旋あっせんで共同通信社きょうどうつうしんしゃの画が信しん室しつに転職てんしょくし、写真しゃしんや漫画まんがなどの画像がぞう素材そざいを地方ちほう紙しに販売はんばいする業務ぎょうむに従事じゅうじした[4]。1954年ねん、絵えの勉強べんきょうのために文化ぶんか学院がくいん美術びじゅつ科かと学校がっこう法人ほうじんアテネ・フランセに入学にゅうがく[3]し、3年ねん通学つうがく。この間あいだに小島こじま功いさお率ひきいる独立どくりつ漫画まんが派はに入会にゅうかいし、雑誌ざっしの寄稿きこうで学費がくひを稼かせいだ[4]ほか、二科展にかてんへの出品しゅっぴんを開始かいしした[3]。

1958年ねん、読売新聞よみうりしんぶん社会しゃかい部ぶの嘱託しょくたくとしてカット製作せいさくに従事じゅうじ[3]するかたわら、自身じしんのアトリエ「久里くり実験じっけん漫画まんが工房こうぼう」を設立せつりつし、『久里くり洋二ようじ漫画まんが集しゅう』を自費じひ出版しゅっぱん[3]。久里くりは用紙ようしや製本せいほん素材そざい選えらび、印刷いんさつ業者ぎょうしゃ・製本せいほん業者ぎょうしゃへの搬入はんにゅう、配本はいほんをすべてひとりで行おこなった[4]。久里くりは同どう作さくで第だい4回かい文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう漫画まんが賞しょうを受賞じゅしょうした。

1960年ねん、「久里くり実験じっけん漫画まんが工房こうぼう映画えいが部ぶ」を設立せつりつし、アニメーションの自主じしゅ制作せいさくを開始かいし[3]。映画えいが祭さいへの出品しゅっぴんや、テレビ番組ばんぐみ・テレビCMなどへの提供ていきょうを数多かずおおく行おこない、多数たすうの賞しょうを受賞じゅしょうした（後述こうじゅつ）。1971年ねんには日本にっぽんアニメーション協会きょうかいの設立せつりつメンバーとなる[6]。

2010年ねん、郷里きょうり・鯖江さばえ市しの郷土きょうど博物館はくぶつかん「まなべの館かん」の名誉めいよ館長かんちょうに就任しゅうにんした[6]。久里くりは同館どうかんにアニメーション作品さくひんの映像えいぞう資料しりょうおよび油彩ゆさい画が・アクリル画がを寄贈きぞうしている[7]。

受賞じゅしょう歴れき

編集へんしゅう

主おもな作品さくひん

編集へんしゅう

デザイン

編集へんしゅう
 
ほほえみ号ごう
 
ファンタジア号ごう
出版しゅっぱん物ぶつ
  • 1970年代ねんだいから2003年ねん6月がつまで 日本にっぽんアップジョンの広報こうほう誌し『SCOPE』表紙ひょうしイラストレーション提供ていきょう。36年間ねんかん約やく436点てんを描えがいた[10]。うち61点てんが作品さくひん集しゅうとなっている[11]。
  • 1980年ねん 日本人にっぽんじんで初はじめてスイスの美術びじゅつ雑誌ざっし『GRAPHIS』の表紙ひょうしデザインを製作せいさく。
公共こうきょう交通こうつう
テレビ番組ばんぐみビジュアル

アニメーション

編集へんしゅう

下記かきのいくつかはDVD「久里くり洋二ようじ作品さくひん集しゅう」（ジェネオン・エンタテインメント 2002年ねん）のほか、鯖江さばえ市し「まなべの館かん」の常設じょうせつ展示てんじ[13]で見みることができる。

映画えいが祭さい出品しゅっぴん作品さくひんなど

編集へんしゅう
  • 二に匹ひきのサンマ（白黒しろくろ版ばん：1960年ねん カラー版ばん：1968年ねん）
  • ファッション（1960年ねん）
  • 切手きっての幻想げんそう（1960年ねん）
  • 人間にんげん動物どうぶつ園えん（1962年ねん）
  • LOVE（1963年ねん）
  • ゼロの発見はっけん（1963年ねん）
  • あっちはこっち（1963年ねん）
  • 軌跡きせき（1963年ねん）
  • ザ・ボタン（1963年ねん）
  • 椅子いす（1964年ねん）
  • AOS（1964年ねん）
  • 男おとこと女おんなと犬いぬ（1964年ねん）
  • 隣となりの野郎やろう（1965年ねん）
  • 窓まど（1965年ねん）
  • 殺人さつじん狂きょう時代じだい（オリジナル版ばん：1965年ねん 海外かいがい版ばん：1967年ねん）
  • さむらい（1966年ねん）
  • 部屋へや（1967年ねん）
  • 花はな（1967年ねん）
  • あなたはなにを考かんがえているの（1967年ねん）
  • ケメ子このLOVE（1968年ねん）
  • 馬鹿ばか馬鹿ばか馬鹿ばかな世界せかい（1968年ねん）
  • G線上せんじょうの悲劇ひげき（1969年ねん）
  • 世界せかいはわがもの（1969年ねん）
  • 寄生虫きせいちゅうの一夜いちや（1972年ねん）
  • ザ・バスルーム（1972年ねん）
  • IMUS（1973年ねん）
  • POP（1974年ねん）
  • 木きの上うえの生活せいかつ（1974年ねん）
  • フロイトの木き（1974年ねん）
  • 人口じんこう爆発ばくはつ（1976年ねん）
  • 進化しんか（1976年ねん）
  • MANGA（1977年ねん）

『みんなのうた』への映像えいぞう提供ていきょう

編集へんしゅう

久里くりは日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい（NHK）のテレビ番組ばんぐみ『みんなのうた』の楽曲がっきょく映像えいぞうを、放送ほうそう開始かいし当初とうしょから1970年代ねんだい前半ぜんはんまで多おおく手掛てがけた。

無印むじるしは映像えいぞうがNHKに現存げんそんする曲きょく。▲は映像えいぞう現存げんそんが確認かくにんされていない曲きょく。△は映像えいぞう資料しりょうが現存げんそんしないが、水星すいせい社しゃ編集へんしゅうの『みんなのうた』楽譜がくふ集しゅう（音楽之友社おんがくのともしゃ）等とうに映像えいぞうの一部いちぶが掲載けいさいされている曲きょく。

久里くりが制作せいさくした同どう番組ばんぐみ映像えいぞうの大半たいはんは現存げんそんが確認かくにんされていない。2011年ねんから始はじまった「みんなのうた発掘はっくつプロジェクト」によって、『クラリネットこわしちゃった』と『はさみとぎ』のカラー版ばんの映像えいぞうと、『鬼おにのねがい』と『カッパのクィクォクァ』の映像えいぞうが発見はっけんされ、『クラリネットこわしちゃった』は2014年ねん1月がつにお楽たのしみ枠わく、『はさみとぎ』のカラー版ばんは2015年ねん4月～5月がつ、『カッパのクィクォクァ」は2016年ねん1月がつにお楽たのしみ枠わくで再さい放送ほうそうされた。

2014年ねん、『われわれは宇宙うちゅう人じんだ!』で、39年ねんぶりにみんなのうたの映像えいぞうを手掛てがけた。

その他たのアニメーション作品さくひん

編集へんしゅう

作品さくひんが見みられる所ところ

編集へんしゅう

著書ちょしょ

編集へんしゅう
  • ブルンブルンおくつ（岩崎いわさき書店しょてんポニー・ブックス 1963年ねん）
  • 女おんなは便利べんりな動物どうぶつ 久里くり洋二ようじ漫画まんが集しゅう（技術ぎじゅつ出版しゅっぱん 1965年ねん）
  • ヨーロッパ漫画まんが旅行りょこう キャビアとビフテキと（おおば比ひ呂りょ司し共著きょうちょ 大光たいこう社しゃ 1967年ねん）
  • 英語えいごなぞなぞえほん（講談社こうだんしゃ 1969年ねん）
  • 人間にんげん動物どうぶつ園えん（美術びじゅつ出版しゅっぱん社しゃ 1979年ねん）
  • 思索しさくナンセンス選集せんしゅう 4 久里くり洋二ようじのユーモア世界せかい 世紀せいき末まつナンセンス（思索しさく社しゃ 1984年ねん）
  • 食前しょくぜん、キキ一いち発はつ!（新潮社しんちょうしゃ 1984年ねん）
  • 神様かみさまたちのスケジュール 久里くり洋二ようじのミニミニ夢ゆめ劇場げきじょう（評伝ひょうでん社しゃ 1990年ねん）
  • 久里くり洋二ようじ作品さくひん集しゅう（求もとめ竜りゅう堂どう 1991年ねん）
  • どんじり（いんなあとりっぷ社しゃ 1991年ねん）
  • 海うみと島しまのファンタジー 絵え&エッセイ（ユージン伝でん 1992年ねん）
  • 二に世せいファーブル昆虫こんちゅう記き（新潮社しんちょうしゃ 1992年ねん）
  • 久里くり洋二ようじの世界せかい エロスとユーモアの人間にんげん図鑑ずかん（池田いけだ20世紀せいき美術館びじゅつかん 1994年ねん）
  • ゴキブリちゃん（ARTBOXインターナショナル 2004年ねん）
  • ボクのつぶやき自伝じでん @yojikuri（新潮社しんちょうしゃ 2012年ねん）
  • クレージーマンガ（ふゅーじょんぷろだくと、2016年ねん） - 「クリ・ヨウジ」名義めいぎ

上記じょうきのほか、絵本えほんなどへのイラスト提供ていきょう多数たすう。

展覧てんらん会かい・イベント等とう

編集へんしゅう

このほか、「久里くり実験じっけん漫画まんが工房こうぼう映画えいが部ぶ」設立せつりつと同年どうねんの1960年ねん、柳原やなぎはら良平りょうへい、真鍋まなべ博ひろしと「アニメーション三さん人にんの会かい」を結成けっせいし、草月そうげつホールで定期ていき的てきに上映じょうえい会かいを行おこなった。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ a b c 『久里くり洋二ようじ』 - コトバンク
  2. ^ a b c d GEORAMA2017­-18 presents 2018 チャネリング・ウィズ・ミスター・クリヨウジ WWW、2018年ねん6月がつ19日にち
  3. ^ a b c d e f g h Yoji Kuri Biographyクリワールドアート
  4. ^ a b c d e f g h 峯みね島とう正行まさゆき『ナンセンスに賭かける』（青蛙あおがえる房ぼう、1992年ねん）pp.97-103
  5. ^ 遠藤えんどう周作しゅうさく『ぐうたら会話かいわ集しゅう 3』（角川かどかわ文庫ぶんこ、1974年ねん）p.150 - 著者ちょしゃと丸尾まるお長ちょう顕あらわの対談たいだん
  6. ^ a b c まなべの館かん（博物館はくぶつかん）常設じょうせつ展てん クリヨウジ 鯖江さばえ市し
  7. ^ まなべの館かん（博物館はくぶつかん）常設じょうせつ展てん クリヨウジ作品さくひん集しゅう 鯖江さばえ市し
  8. ^ 日本にっぽん漫画まんが家か協会きょうかい賞しょう 第だい46回かい（2017年度ねんど） 日本にっぽん漫画まんが家か協会きょうかい
  9. ^ 日本にっぽんアニメ、世界せかいに広ひろめた先駆せんく者しゃ…久里くり洋二ようじさん 読売新聞よみうりしんぶん、2011年ねん6月がつ18日にち アーカイブ 2011年ねん6月がつ19日にち - ウェイバックマシン
  10. ^ “久里くり洋二ようじ「ガラステーブル」｜現代げんだいアート販売はんばい(通販つうはん)のタグボート”. ec.tagboat.com. 2021年ねん8月がつ25日にち閲覧えつらん。
  11. ^ 久里くり洋二ようじ作品さくひん集しゅう 求もとめ龍りゅう堂どう (1991)の本人ほんにんによるあとがき
  12. ^ [1]
  13. ^ a b まなべの館かん（博物館はくぶつかん）常設じょうせつ展てん 鯖江さばえ市し

外部がいぶリンク

編集へんしゅう
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=久里くり洋二ようじ&oldid=100679687」から取得しゅとく