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佐分利信 - Wikipedia
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佐分利さぶり信しん

日本にっぽんの俳優はいゆう、映画えいが監督かんとく (1909-1982)

佐分利さぶり 信しん（さぶり しん、1909年ねん2月がつ12日にち - 1982年ねん9月22日にち）は、日本にっぽんの俳優はいゆう、映画えいが監督かんとく。本名ほんみょうは石崎いしざき 由雄よしお（いしざき よしお）。旧きゅう芸名げいめいに島津しまつ 元はじめ。

さぶり しん
佐分利さぶり 信しん
佐分利 信
『風雪ふうせつ二に十じゅう年ねん』の撮影さつえい中ちゅう（右みぎ）
本名ほんみょう 石崎いしざき 由雄よしお（いしざき よしお）
別べつ名義めいぎ 島津しまつ 元はじめ
生年月日せいねんがっぴ (1909-02-12) 1909年ねん2月がつ12日にち
没ぼつ年月日ねんがっぴ (1982-09-22) 1982年ねん9月22日にち（73歳さい没ぼつ）
出生しゅっしょう地ち 日本の旗 日本にっぽん・北海道ほっかいどう空知そらち郡ぐん歌志内うたしない村むら（現在げんざいの歌志内うたしない市し）
死没しぼつ地ち 日本の旗 日本にっぽん・東京とうきょう都と板橋いたばし区く
職業しょくぎょう 俳優はいゆう
映画えいが監督かんとく
ジャンル 演劇えんげき
劇映画げきえいが
テレビ映画えいが
活動かつどう期間きかん 1931年ねん - 1982年ねん
配偶はいぐう者しゃ 黒木くろきしのぶ
著名ちょめいな家族かぞく 石崎いしざき二郎じろう（息子むすこ）
主おもな作品さくひん
テレビドラマ
『阿修羅あしゅらのごとく』
映画えいが
『家族かぞく会議かいぎ』
『兄あにとその妹いもうと』
『暖流だんりゅう』
『戸田とだ家かの兄妹きょうだい』
『執行しっこう猶予ゆうよ』
『帰郷ききょう』
『風雪ふうせつ二に十じゅう年ねん』
『彼岸花ひがんばな』
『秋日和あきびより』
『華麗かれいなる一族いちぞく』
『化石かせき』
『日本にっぽんの黒幕くろまく』
受賞じゅしょう
ブルーリボン賞しょう
  • 新人しんじん賞しょう
  • 1950年ねん『女性じょせい対たい男性だんせい』
その他たの賞しょう
毎日まいにち映画えいがコンクール
男優だんゆう演技えんぎ賞しょう / 男優だんゆう主演しゅえん賞しょう
1950年ねん『執行しっこう猶予ゆうよ』『帰郷ききょう』
1952年ねん『慟哭どうこく』『お茶ちゃ漬づけの味あじ』『波なみ』
1975年ねん『化石かせき』
キネマ旬報きねまじゅんぽうベスト・テン
主演しゅえん男優だんゆう賞しょう
1975年ねん『化石かせき』
紫綬褒章しじゅほうしょう（1975年ねん）
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渋しぶみのある演技えんぎで活躍かつやくした昭和しょうわ期きの二枚目にまいめ俳優はいゆうのひとりで、愛称あいしょうは「サブリどん」。日活にっかつを経へて松竹しょうちくに入社にゅうしゃし、上原うえはら謙けん・佐野さの周二しゅうじと「松竹しょうちく三羽烏さんばがらす」を結成けっせいして、戦前せんぜん松竹しょうちくの看板かんばんスターとして活躍かつやくした。戦後せんごは監督かんとく業ぎょうにも進出しんしゅつし、『執行しっこう猶予ゆうよ』『風雪ふうせつ二に十じゅう年ねん』『慟哭どうこく』などの社会しゃかい派は作品さくひんを発表はっぴょうした。1960年代ねんだいはテレビドラマに活躍かつやくの場ばを移うつし、晩年ばんねんは映画えいが界かいに戻もどって貫禄かんろくのある演技えんぎを見みせた。主おもな作品さくひんに『兄あにとその妹いもうと』『暖流だんりゅう』『戸田とだ家かの兄妹きょうだい』『彼岸花ひがんばな』『華麗かれいなる一族いちぞく』『化石かせき』など。女優じょゆうの黒木くろきしのぶは妻つま、俳優はいゆうの石崎いしざき二郎じろうは長男ちょうなん、ジャズ・アルトサックス奏者そうしゃの石崎いしざき忍しのぶは孫まごに当あたる。

来歴らいれき・人物じんぶつ

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映画えいが界かいへ

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1909年ねん（明治めいじ42年ねん）2月がつ12日にち（金曜日きんようび）、北海道ほっかいどう空知そらち郡ぐん歌志内うたしない村むら（現在げんざいの歌志内うたしない市し）に生うまれる。父ちちは明治めいじ中頃なかごろに北陸ほくりくから移住いじゅうし、夕張ゆうばり炭田たんでんの歌志内うたしない鉱こうに働はたらく炭すみ鉱夫こうふだった[1][2]。

1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）、歌志内うたしない尋常じんじょう小学校しょうがっこうを卒業そつぎょうすると中学ちゅうがく教師きょうしになるため上京じょうきょう、神田かんだ三崎みさき町まちの苦学くがく生せいの溜たまり場ばに入はいって、水道すいどう工事こうじや道路どうろ工事こうじなどの肉体にくたい労働ろうどうで学費がくひと生活せいかつ費ひを稼かせぎながら正則せいそく英語えいご学校がっこうや夜間やかん学校がっこうに通かようが、結局けっきょく卒業そつぎょうすることなく郷里きょうりに戻もどって、小学校しょうがっこうの代用だいよう教員きょういんになる[1]。半年はんとし後ごには神戸こうべに行いき、友人ゆうじんと婦人ふじん新聞しんぶんの発行はっこうを計画けいかくして失敗しっぱい、再ふたたび上京じょうきょうして職しょく探さがしに奔走ほんそうする[1]。東京とうきょうの兄あにの家いえに居候いそうろうしながら映画えいがを観みたりするうち、映画えいが関係かんけいの職しょくを志こころざす。

1929年ねん（昭和しょうわ4年ねん）、日本にっぽん映画えいが俳優はいゆう学校がっこうに入学にゅうがくする[1][3]。1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）、俳優はいゆう学校がっこうの先輩せんぱいである小杉こすぎ勇いさむ・八木やぎ保太郎やすたろうを頼たよって京都きょうとに赴おもむき、2人ふたりの伝手つてで日活にっかつに入社にゅうしゃ、監督かんとく部ぶ入いりを望のぞんだが、俳優はいゆうになるよう勧すすめられて現代げんだい劇げき技芸ぎげい部ぶ（俳優はいゆう部ぶ）に入はいる[1]。翌よく1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）、島津しまつ元はじめを芸名げいめいに、内田吐夢うちだとむ監督かんとく『日本にっぽん嬢じょう』に左翼さよくの闘士とうし役やくで映画えいがデビューする[1]。続つづく『動員どういん令れい』（熊谷くまがい久ひさ虎とら監督かんとく）で主役しゅやくに抜擢ばってきされ、それまでの俳優はいゆうにない朴訥ぼくとつ（ぼくとつ）な演技えんぎで注目ちゅうもくされる[3]。『キネマ旬報きねまじゅんぽう』誌上しじょうで北川きたがわ冬ふゆ彦は「俳優はいゆうでは、島津しまつ元はじめの素朴そぼくな芸げいは、いままでの俳優はいゆうが持もっていない意思いし的てきなところを示しめしているのは特とくに眼めを引ひいた」と評ひょうしているが[1]、本人ほんにんは後年こうねんに「僕ぼくは芝居しばいに乗のらない気持きもちで出でてるだけ。それが自然しぜんな演技えんぎが要求ようきゅうされる映画えいがだから、それなりに行いけた」とそのときを語かたっている。1932年ねん（昭和しょうわ7年ねん）、『さらば東京とうきょう』で共演きょうえんした黒木くろきしのぶと同棲どうせいののち結婚けっこんする。仕事しごとする日ひは必かならず玄関げんかんで握手あくしゅしてから出でかけるなど大変たいへんな愛妻あいさい家かだった。

松竹まつたけ時代ときよ

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1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）、『女性じょせい陣じん』を最後さいごに日活にっかつを退社たいしゃする。大阪おおさか劇団げきだんを経へて1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）に松竹しょうちく蒲田かまた撮影さつえい所しょに入社にゅうしゃする。松竹しょうちく入いりの労ろうをとったのは藤本ふじもと真澄ますみで、彼かれが五ご所しょ平之ひらの助すけらによる新人しんじん養成ようせいグループのメンバーだったことから佐分利さぶりを五ご所しょに紹介しょうかいし、五ご所しょは若手わかてスターのいなかった松竹しょうちく蒲田かまたに入いれ、若手わかて二に枚まい目めとして売うり出だすことになった[4]。芸名げいめいは、蒲田かまたに島津しまつ保次郎やすじろう監督かんとくがいたため同おなじ苗字みょうじではまずいということで、駐ちゅう華はな公使こうしで怪死かいしした佐分利さぶり貞男さだおと画家がかの佐さ分ぶん真しんにちなんで佐分利さぶり信しんと改名かいめいした[4][3]。松竹しょうちく入社にゅうしゃ第だい1作さくは五ご所しょ監督かんとくの『あこがれ』で、高杉たかすぎ早苗さなえの相手あいて役やくを演えんじた。

 
『男おとこへの条件じょうけん』（1941年ねん）のスチル写真しゃしん。右みぎは北見きたみ禮子あやこ。

1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）、島津しまつ監督かんとくの『家族かぞく会議かいぎ』に主演しゅえん。東京とうきょうと大阪おおさかの株かぶ屋やの商戦しょうせんを背景はいけいにしたメロドラマで、佐分利さぶりは東京とうきょうの株かぶ屋やの若わか主人しゅじんを演えんじ、素朴そぼくかつ意志いし的てきな彼かれの性格せいかくそのままに、落おちついた率直そっちょくな演技えんぎでこれを適役てきやくとした[4]。これで注目ちゅうもくされた佐分利さぶりは、島津しまつ監督かんとくの『男性だんせい対たい女性じょせい』、野村のむら浩ひろし将しょう監督かんとくの『人妻ひとづま椿つばき』などで人気にんきを伸のばし、五ご所しょ監督かんとくの『新道しんどう 前後ぜんこう篇へん』で上原うえはら謙けん、佐野さの周二しゅうじと共演きょうえんしてからはこの二人ふたりと松竹しょうちく三羽烏さんばがらすを結成けっせいする。翌よく1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）1月がつに徳大寺とくだいじ伸しん、笠智りゅうち衆しゅうらとともに幹部かんぶ待遇たいぐうに昇格しょうかく[5]。同年どうねんの島津しまつ監督かんとくの恋愛れんあいドラマ『婚約こんやく三羽烏さんばがらす』では、佐分利さぶりは地方ちほう出身しゅっしん、上原うえはらは山手やまて出身しゅっしん、佐野さのは下町したまち出身しゅっしんの若者わかものを演えんじ、三さん人にんを目当めあてに女性じょせいファンが殺到さっとうしたという。

1938年ねん（昭和しょうわ13年ねん）には徳大寺とくだいじ、佐野さのらとともに幹部かんぶに昇格しょうかくする[6]。大船おおぶね調ちょうメロドラマの看板かんばん俳優はいゆうとして活躍かつやくする一方いっぽう、1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）の島津しまつ監督かんとくの『兄あにとその妹いもうと』では、妻つまと妹いもうとを持もつ一家いっかの家長かちょうとして誠実せいじつに生いきながら会社かいしゃの同僚どうりょうの策動さくどうに怒いかりを爆発ばくはつさせて職しょくを退しりぞく、やさしさと男おとこっぽさをもった男おとこを好演こうえんし、演技えんぎ者しゃとしてすぐれた資質ししつを見みせる[4]。戦時せんじ中ちゅうは理想りそう主義しゅぎ的てきな誠実せいじつさを持もつ知的ちてきな青年せいねんを持もち役やくとし、吉村よしむら公こう三郎さぶろう監督かんとくの『暖流だんりゅう』では、敏腕びんわんで男おとこらしく正義せいぎ感かんにあふれる青年せいねん実業じつぎょう家か、小津おつ安あん二郎じろう監督かんとくの『戸田とだ家かの兄妹きょうだい』では、母ははと末すえ妹いもうとを厄介やっかい者しゃ扱あつかいする兄あにや姉あねに怒いかりをぶちまけ2人にんを引ひき取とる末弟ばっていを演えんじる[4]。

監督かんとくへ進出しんしゅつ

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『風雪ふうせつ二に十じゅう年ねん』（1951年ねん）の撮影さつえい風景ふうけい。左ひだりから青山あおやま杉作すぎさく、千田せんだ是也これや、薄田うすだ研二けんじ、佐分利さぶり。

戦後せんごは引ひき続つづき松竹しょうちくに所属しょぞくしてメロドラマに主演しゅえんするが、キャラクターに合あった役やくに恵めぐまれず低迷ていめいする。1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）、熊谷くまがい久ひさ虎とらが代表だいひょうの芸げい研けんプロダクションの取締役とりしまりやくに星野ほしの和平わへいらとともに就任しゅうにんする[7][注釈ちゅうしゃく 1]。やがて俳優はいゆうの傍かたわら監督かんとく業ぎょうに進出しんしゅつし、1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）に石川いしかわ達三たつぞう原作げんさくの『女性じょせい対たい男性だんせい』を監督かんとく第だい1作さくとして発表はっぴょう、続つづけて『執行しっこう猶予ゆうよ』『あゝ青春せいしゅん』『風雪ふうせつ二に十じゅう年ねん』『慟哭どうこく』を監督かんとくする。いずれも社会しゃかい性せいを持もち、リアリズムの色濃いろこい芸術げいじゅつ的てき水準すいじゅんの高たかい作品さくひんで、この4作さくはキネマ旬報きねまじゅんぽうベスト・テンにランクインされた。その後ごも『人生じんせい劇場げきじょう』『広場ひろばの孤独こどく』『叛乱はんらん』『心しんに花はなの咲さく日ひまで』『愛情あいじょうの決算けっさん』と立たて続つづけに監督かんとく作さくを発表はっぴょうしていく。

1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）11月8日にち、『叛乱はんらん』の撮影さつえい中ちゅうに膵臓すいぞう壊疽えそで倒たおれて中野なかの組合くみあい病院びょういんに入院にゅういんする。11月13日にちには輸血ゆけつを受うけるが重体じゅうたいが続つづき、一時いちじは危篤きとくと報ほうじるマスコミもあった[8]。2回かいの手術しゅじゅつを受うけて一命いちめいをとりとめるが、『叛乱はんらん』の監督かんとくは降板こうばんし、残のこりの場面ばめんは阿部あべ豊ゆたかが代理だいりで監督かんとくして完成かんせいさせた。西田にしだ税みつぐ役やくで出演しゅつえんも兼かねており、これも降板こうばんして佐々木ささき孝丸たかまるが代役だいやくを務つとめた。回復かいふくして松竹しょうちくの『真実しんじつ一路いちろ』への出演しゅつえんが決きまるが、黄疸おうだんを併発へいはつして再ふたたび療養りょうようし、文学ぶんがく座ざと提携ていけいした監督かんとく作さく『心しんに花はなの咲さく日ひまで』で再起さいきする[9]。次つぎに、吉岡よしおか達夫たつおの小説しょうせつ『オレンジ運河うんが』の映画えいが化かを日本にっぽん初はつの白黒しろくろシネマスコープとして製作せいさくする予定よていでロケハンまで行おこなうが、当時とうじの河野こうの一郎いちろう農相のうしょうの左翼さよく的てき偏見へんけんなる批判ひはんなどもあり挫折ざせつし[9]、日ひ映うつで製作せいさくした『悪徳あくとく』を経へて、松竹しょうちくで製作せいさくした『乙女おとめの祈いのり』が最後さいごの監督かんとく作さくとなった。

監督かんとくとしても活動かつどうしている間あいだ、俳優はいゆうとしては大庭おおば秀雄ひでお監督かんとくのメロドラマ『帰郷ききょう』、小津おつ監督かんとくの『お茶ちゃ漬づけの味あじ』『彼岸花ひがんばな』、五ご所しょ監督かんとくの『わが愛あい』、増村ますむら保たもつ造づくり監督かんとくの『氾濫はんらん』などに出演しゅつえんし、朴訥ぼくとつながら重厚じゅうこうな中なか年男としおとこ・初老しょろう男おとこを演えんじて演技えんぎに円熟味えんじゅくみを加くわえた。

1960年代ねんだい以後いご

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1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）以降いこうはスクリーンから遠とおざかってテレビドラマに活躍かつやくの場ばを移うつした。連続れんぞくテレビ小説しょうせつの『あかつき』、NETの『判決はんけつ』などに主演しゅえんし、同年どうねんにはTBSと演出えんしゅつ家か契約けいやくを結むすんで数すう本ほんの作品さくひんで演出えんしゅつを手掛てがける。

1973年ねん（昭和しょうわ48年ねん）、熊井くまい啓あきら監督かんとくの『朝あさやけの詩し』で12年ねんぶりに映画えいがに復帰ふっきする。山崎やまざき豊子とよこ原作げんさく山本やまもと薩夫監督かんとくの『華麗かれいなる一族いちぞく』の中なかで万まん俵ひょう大介だいすけを演えんじ、傲慢ごうまんな銀行ぎんこう頭取とうどりを重厚じゅうこう感かんたっぷりに表現ひょうげんしたことで、映画えいが俳優はいゆう・佐分利さぶり信しんの存在そんざいを改あらためて重々おもおもしく印象いんしょう付つける[9]。1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）には、その3年ねん前まえに放送ほうそうされたテレビ映画えいがを劇場げきじょう用ように公開こうかいした小林こばやし正樹まさき監督かんとくの『化石かせき』に主演しゅえん、死しに直面ちょくめんした男おとこを力演りきえんする。東映とうえいのヤクザ映画えいが『日本にっぽんの首領しゅりょう』3部ぶ作さくや、市川いちかわ崑こん監督かんとくの『獄門ごくもん島とう』、小林こばやし監督かんとくの『燃もえる秋あき』などでも貫禄かんろくある演技えんぎを見みせ、テレビドラマでは向田むかいだ邦子くにこ脚本きゃくほんの『阿修羅あしゅらのごとく』での父親ちちおや役やくが晩年ばんねんの代表だいひょう作さくとなった。

私生活しせいかつでは1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）に妻つまの黒木くろきを肝臓かんぞう癌がんで亡なくす。1982年ねん（昭和しょうわ57年ねん）9月3日にちに体調たいちょう不良ふりょうを訴うったえ、東京とうきょう都と板橋いたばし区くの日大にちだい板橋いたばし病院びょういんに入院にゅういんする。病名びょうめいは黒木くろきと同おなじ肝臓かんぞう癌がんだったが、すでに手術しゅじゅつ不可能ふかのうの状態じょうたいにあり延命えんめい治療ちりょうとして医師いしから高こうカロリー輸液を勧すすめられるもこれを拒否きょひしたため、同年どうねん9月22日にち午後ごご11時じ55分ふんに死去しきょした。享年きょうねん73歳さい[10]。墓所はかしょは小平こだいら霊園れいえん。

受賞じゅしょう・受章じゅしょう歴れき

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出演しゅつえん作品さくひん

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映画えいが

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『婚約こんやく三羽烏さんばがらす』（1937年ねん）
 
『戸田とだ家かの兄妹きょうだい』（1941年ねん）
 
『お茶ちゃ漬づけの味あじ』（1952年ねん）
 
『秋日和あきびより』（1960年ねん）

テレビドラマ

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監督かんとく・演出えんしゅつ作品さくひん

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映画えいが

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テレビドラマ

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  • 山一やまいち名作めいさく劇場げきじょう / 美うつくしき隣人りんじん（1958年ねん、NTV）※安藤あんどう勇二ゆうじと共同きょうどう演出えんしゅつ
  • ゴールドステージ / 象牙ぞうげの塔とう（1959年ねん、NTV）※主演しゅえん兼けん
  • 百ひゃく万まん人にんの劇場げきじょう 第だい2回かい「警視総監けいしそうかんの笑わらい」（1960年ねん、CX）
  • 東芝とうしば日曜にちよう劇場げきじょう（TBS）
    • 第だい243回かい「露地ろじの奥おく」（1961年ねん）
    • 第だい269回かい「雪折ゆきおれ」（1962年ねん）
  • テレビ芸術げいじゅつ座ざ 第だい6回かい「二人ふたりでお茶ちゃを」（1964年ねん、東京とうきょう12チャンネル）

文献ぶんけん

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脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 芸げい研けんプロは1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）に解散かいさんするが、1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）には星野ほしのが社長しゃちょうの東京とうきょうプロダクションで取締役とりしまりやくに就ついた[7]。監督かんとく作さくの『女性じょせい対たい男性だんせい』『執行しっこう猶予ゆうよ』は芸げい研けんプロ、『慟哭どうこく』は東京とうきょうプロで製作せいさくした作品さくひんである。
  2. ^ 映画えいが遺作いさく。
  3. ^ テレビドラマ遺作いさく。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f g キネマ旬報きねまじゅんぽう1979、p.252
  2. ^ 色川いろかわ武たけし大だい『なつかしい芸人げいにんたち』新潮社しんちょうしゃ、1989年ねん、84頁ぺーじ。ISBN 4-10-331104-5。 
  3. ^ a b c 佐藤さとう2007、p.286
  4. ^ a b c d e キネマ旬報きねまじゅんぽう1979、p.253
  5. ^ 『松竹しょうちく七なな十じゅう年ねん史し』松竹しょうちく、1964年ねん、284頁ぺーじ。 
  6. ^ 『松竹しょうちく九きゅう十じゅう年ねん史し』松竹しょうちく、1984年ねん、250頁ぺーじ。 
  7. ^ a b 木全きまた公彦きみひこ. “『日本にっぽん映画えいがの玉たま（ギョク）』 俳優はいゆうブローカーと呼よばれた男おとこ【その壱いち】”. 映画えいがの國くに. マーメイドフィルム. 2015年ねん9月がつ5日にち閲覧えつらん。
  8. ^ 木全きまた公彦きみひこ. “『日本にっぽん映画えいがの玉たま（ギョク）』 俳優はいゆうブローカーと呼よばれた男おとこ【その四よん】”. 映画えいがの國くに. マーメイドフィルム. 2015年ねん9月がつ5日にち閲覧えつらん。
  9. ^ a b c キネマ旬報きねまじゅんぽう1979、p.254
  10. ^ 読売新聞よみうりしんぶん1982年ねん9月がつ23日にち朝刊ちょうかん23面めんより
  11. ^ 東宝とうほう特撮とくさつ映画えいが全ぜん史し 1983, p. 538, 「主要しゅよう特撮とくさつ作品さくひん配役はいやくリスト」
  12. ^ “テレビドラマ　氷雨ひさめ”. NHK. 2021年ねん7月がつ22日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2021年ねん7月がつ23日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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