秋日和あきびより

秋日和あきびより
	Late Autumn
	左ひだりから司つかさ葉子ようこ、岡田おかだ茉莉子まりこ、原はら節子せつこ
監督かんとく	小津おつ安あん二郎じろう
脚本きゃくほん	野田のだ高梧こうご; 小津おつ安あん二郎じろう
製作せいさく	山内やまうち静夫しずお
出演しゅつえん者しゃ	原はら節子せつこ; 司つかさ葉子ようこ; 佐分利さぶり信しん; 岡田おかだ茉莉子まりこ
音楽おんがく	斎藤さいとう高だか順じゅん
撮影さつえい	厚田あつた雄つよし春はる
編集へんしゅう	浜村はまむら義康よしやす
製作せいさく会社かいしゃ	松竹しょうちく大船おおぶね撮影さつえい所しょ
配給はいきゅう	松竹しょうちく
公開こうかい	1960年ねん11月13日にち
上映じょうえい時間じかん	128分ふん
製作せいさく国こく	日本にっぽん
言語げんご	日本語にほんご
配給はいきゅう収入しゅうにゅう	1億おく4500万まん円えん
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『秋日和あきびより』（あきびより）は、小津おつ安あん二郎じろう監督かんとくによる1960年ねん製作せいさくの日本にっぽん映画えいが。

概要がいよう

鎌倉かまくらに暮くらし里見さとみ弴と親したしくしていた小津おつが、里見さとみの原作げんさくをもとにシナリオ化かした作品さくひんで、この趣向しゅこうは『彼岸花ひがんばな』（1958年ねん）に続つづいて2本ほん目め。長年ながねん、多おおくの小津おつ作品さくひんで娘むすめ役やくをつとめてきた原はら節子せつこが初はじめて母親ははおや役やくを演えんじ、端役はやくで登場とうじょうした岩下いわした志麻しまは本ほん作さくで小津おつに見出みいだされて『秋刀魚さんまの味あじ』のヒロインに抜擢ばってきされる。ローポジションでカメラを固定こていして切きり返かえす独特どくとくの画面がめんや風景ふうけいカットの挿入そうにゅうなど全編ぜんぺん小津おつスタイルで撮とられているが、好このんで撮とった「父ちちと娘むすめ」というテーマではなく、「母ははと娘むすめ」の話はなしになっているところが他た作品さくひんとの違ちがいになっている。いわば『晩春ばんしゅん』の父ちち娘むすめを、母はは娘むすめに置おき換かえた設定せっていである。母はは娘むすめが伊香保いかほに旅行りょこうする場面ばめんの旅館りょかんは、大船おおふな松竹しょうちく第だい三さんスタジオにつくられた巨大きょだいなセットである^[2]。伊香保いかほの旅館りょかんの場面ばめんで修学旅行しゅうがくりょこうの生徒せいとたちが歌うたうのは「山小屋やまごやの灯ひ」。

あらすじ

左ひだりから北きた竜二りゅうじ、佐分利さぶり信しん、中村なかむら伸郎のぶお

亡なき友ともの三さん輪りんの七なな回忌かいきに集あつまった間宮まみや（佐分利さぶり信しん）、田口たぐち（中村なかむら伸郎のぶお）、平山ひらやま（北竜ほくりゅう二に）の3人にんは、未亡人みぼうじんの秋子あきこ（原はら節子せつこ）とその娘むすめアヤ子あやこ（司つかさ葉子ようこ）と談笑だんしょうするうち、年頃としごろのアヤ子あやこの結婚けっこんに話はなしが至いたる。間宮まみやは美うつくしいアヤ子あやこを結婚けっこんさせようと会社かいしゃの部下ぶかの後藤ごとう（佐田さた啓二けいじ）を紹介しょうかいする。ふたりは互たがいに好意こういをもつようになるが、アヤ子あやこは母ははを一人ひとり残のこして結婚けっこんすることをためらっている。

男おとこたちは、アヤ子あやこを嫁とつぐ気きにさせるためにはまず母親ははおやを再婚さいこんさせてしまうことが必要ひつようだと考かんがえ、妻つまをなくしていた平山ひらやまと秋子あきこを結むすびつけようとする。しかし、その話はなしを間宮まみやから聞きいたアヤ子あやこは、母親ははおやが再婚さいこんする気きでいるのだと早合点はやがてんして大おおきなショックを受うけ、相談そうだんに行いった親友しんゆうの佐々木ささき百合子ゆりこ（岡田おかだ茉莉子まりこ）とも仲違なかたがいしてしまう。

秋子あきこから話はなしを聞きいて真相しんそうをつきとめた百合子ゆりこは間宮まみやらを一堂いちどうに会かいさせて散々さんざんにやりこめる。彼かれらの説明せつめいを聞きいてようやく百合子ゆりこの誤解ごかいも解とけ、母はは娘むすめの結婚けっこん話ばなしが進すすむことになる。しかし秋子あきこは娘むすめと2人ふたりで出でかけた旅先たびさきで、自分じぶんは一人ひとりで生いきていく決意けついを伝つたえ、娘むすめの背中せなかを押おす。

娘むすめの結婚式けっこんしきを終おえ、アパートに戻もどった秋子あきこは静しずかに微笑びしょうを浮うかべるのだった。

スタッフ

監督かんとく：小津おつ安あん二郎じろう
脚本きゃくほん：野田のだ高梧こうご、小津おつ安あん二郎じろう
原作げんさく：里見さとみ弴
製作せいさく：山内やまうち静夫しずお
撮影さつえい：厚田あつた雄つよし春はる
美術びじゅつ：浜田はまだ辰雄たつお
編集へんしゅう：浜村はまむら義康よしやす
録音ろくおん：妹尾せのお芳三郎よしさぶろう
照明しょうめい：石渡いしわた健蔵けんぞう
色彩しきさい技術ぎじゅつ：老ろう川元かわもと薫かおる
監督かんとく助手じょしゅ：田代たしろ幸三こうぞう
音楽おんがく：斎藤さいとう高だか順じゅん

キャスト

三輪みわ秋子あきこ：原はら節子せつこ - 夫おっとを亡なくして6年ねんの未亡人みぼうじん。
三輪みわアヤ子あやこ：司つかさ葉子ようこ - 秋子あきこの娘むすめ。24歳さい。
間宮まみや宗一そういち：佐分利さぶり信しん - 秋子あきこの亡ほろび夫おっとの親友しんゆう。
佐々木ささき百合子ゆりこ：岡田おかだ茉莉子まりこ - アヤ子あやこの同僚どうりょうで親友しんゆう。
田口たぐち秀三しゅうぞう：中村なかむら伸郎のぶお - 秋子あきこの亡ほろび夫おっとの親友しんゆう。
平山ひらやま精一郎せいいちろう：北きた竜二りゅうじ - 秋子あきこの亡ほろび夫おっとの親友しんゆう。妻つまを亡なくして4年ねんの大学だいがく教授きょうじゅ。
後藤ごとう庄太郎しょうたろう：佐田さた啓二けいじ - 宗むね一いちの部下ぶか。
間宮まみや文子ふみこ：沢村さわむら貞子さだこ - 宗むね一いちの妻つま。
間宮まみや路子みちこ：桑野くわのみゆき - 宗むね一いちの娘むすめ。
間宮まみや忠雄ただお：島津しまつ雅彦まさひこ - 宗むね一いちの息子むすこ。
田口たぐちのぶ子こ：三宅みやけ邦子くにこ - 秀しゅう三さんの妻つま。
田口たぐち洋子ようこ：田代たしろ百合子ゆりこ - 秀しゅう三さんの娘むすめ。既婚きこん。
田口たぐち和男かずお：設楽したら幸嗣こうじ - 秀しゅう三さんの息子むすこ。
平山ひらやま幸一こういち：三上みかみ真一郎しんいちろう - 精一郎せいいちろうの息子むすこ。父ちちの再婚さいこんに賛成さんせい。
三輪みわ周吉しゅうきち：笠智りゅうち衆しゅう - 秋子あきこの亡ほろび夫おっとの兄あに。宿屋やどやの主人しゅじん。
杉山すぎやま常男つねお：渡辺わたなべ文雄ふみお - アヤ子あやこの同僚どうりょうで遊あそび仲間なかま。庄太郎しょうたろうの友人ゆうじん。
服部はっとり進すすむ：長谷部はせべ朋香ともか - アヤ子あやこの同僚どうりょうで遊あそび仲間なかま。
高松たかまつ重子しげこ：千せん之これ赫子 - アヤ子あやこの同僚どうりょうで友人ゆうじん。新婚しんこん。
佐々木ささき芳太郎よしたろう：竹田たけだ法ほう一いち - 百合子ゆりこの父ちち。寿司すし屋やの主人しゅじん。
佐々木ささきひさ：桜さくらむつ子こ - 百合子ゆりこの継母けいぼ。芳太郎よしたろうの後妻ごさい。
桑田くわた種たね吉きち：十朱とあけ久雄ひさお - 秋子あきこが勤つとめる服飾ふくしょく学院がくいんの院長いんちょう。
桑田くわた栄さかえ：南みなみ美江みえ - 種たね吉きちの妻つま。
法事ほうじの男おとこ：須賀すか不二男ふじお - 秋子あきこの亡ほろび夫おっとの元もと部下ぶか。
女将おかみ：高橋たかはしとよ - 宗むね一いちらの馴染なじみの料亭りょうていの女将おかみ。
受付うけつけの女性じょせい社員しゃいん：岩下いわした志麻しま - 宗むね一いちの会社かいしゃの事務じむ員いん。
寿司すし屋やの職人しょくにん：川村かわむら耽ふけ平ひらた - 年長ねんちょうの店員てんいん。
寿司すし屋やの客きゃく：菅原通すがはらどおり済ずみ
平山ひらやま家かの家政かせい婦ふ：山本やまもと多美たみ

作品さくひんデータ

製作せいさく : 松竹しょうちく大船おおぶね撮影さつえい所しょ
フォーマット : カラー　スタンダードサイズ（1.37:1）　モノラル
初回しょかい興行こうぎょう :
同時どうじ上映じょうえい :
受賞じゅしょう :キネマ旬報きねまじゅんぽうベストテン第だい5位い。
配給はいきゅう収入しゅうにゅう :1億おく4500万まん円えん - 1960年ねんの松竹しょうちく映画えいがトップの興行こうぎょう成績せいせき^[1]。

出典しゅってん

^ ^a ^b 「松竹しょうちくヌーベルバーグの頃ころ」『松竹しょうちく九きゅう十じゅう年ねん史し』松竹しょうちく、1985年ねん12月28日にち、270頁ぺーじ。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:87001945。
^ 『小津おつ安あん二郎じろう物語ものがたり』、250頁ぺーじ。
^ 玉木たまき研二けんじ「発信はっしん箱ばこ：赤色あかいろが目めに染しみた日ひ」『毎日新聞まいにちしんぶん』2009年ねん3月がつ10日とおか、東京とうきょう朝刊ちょうかん、3面めん。
^ “鳩山はとやま総務そうむ大臣だいじん閣議かくぎ後ご記者きしゃ会見かいけんの概要がいよう”. 総務そうむ省しょう (2009年ねん3月がつ10日とおか). 2009年ねん3月がつ27日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023年ねん6月がつ10日とおか閲覧えつらん。

外部がいぶリンク

[syochiku90th-1] 「松竹しょうちくヌーベルバーグの頃ころ」『松竹しょうちく九きゅう十じゅう年ねん史し』松竹しょうちく、1985年ねん12月28日にち、270頁ぺーじ。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:87001945。

[2] 『小津おつ安あん二郎じろう物語ものがたり』、250頁ぺーじ。

[3] 玉木たまき研二けんじ「発信はっしん箱ばこ：赤色あかいろが目めに染しみた日ひ」『毎日新聞まいにちしんぶん』2009年ねん3月がつ10日とおか、東京とうきょう朝刊ちょうかん、3面めん。

[4] “鳩山はとやま総務そうむ大臣だいじん閣議かくぎ後ご記者きしゃ会見かいけんの概要がいよう”. 総務そうむ省しょう (2009年ねん3月がつ10日とおか). 2009年ねん3月がつ27日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023年ねん6月がつ10日とおか閲覧えつらん。

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