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全角と半角 - Wikipedia

全角ぜんかく(ぜんかく)と半角はんかく(はんかく)は、文字もじたてよこがそれぞれ1たい1と2たい1(横書よこがきの文字もじたてみにするときは1たい2)であることをす。「半角はんかく」という表現ひょうげんは、もっぱらコンピュータうえでの文字もじについて、全角ぜんかく対比たいひしてもちいられる。

日本語にほんごばんMicrosoft WindowsDOSプロンプトコードページ932)に表示ひょうじされた半角はんかく文字もじ(Halfwidth)と全角ぜんかく文字もじ(Fullwidth)。日本にっぽん文字もじコードJIS X 0213ではギリシア文字もじ漢字かんじひらがなカタカナなどを全角ぜんかくあつかう。

意味いみ用法ようほう

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印刷いんさつ組版くみはん分野ぶんやでは、「全角ぜんかく」はおくりのりょうやくものたかさ(よこみでははば)をあらわす。漢字かんじなどのほぼ正方形せいほうけい文字もじたかさとおなりょう全角ぜんかくび、このおおきさに文字もじやくもの配置はいちすることを全角ぜんかく(ぜんかくどり)、文字もじ前後ぜんごあいだにこのおおきさのきをることを全角ぜんかくアキなどとしょうする。「半角はんかく」という表現ひょうげんもちいない。全角ぜんかく半分はんぶんりょう二分にぶん(にぶ、にぶん)、3ぶんの1のりょうさんふん(さんぶ、さんぶん)、4ぶんの1のりょうよんふん(しぶ、しぶん)などとび、これらについても二分にぶんよんふんアキなどの表現ひょうげんもちいる。また、全角ぜんかくアキの4ぶんの3のりょう二分にぶんよんふんアキ(にぶしぶあき)としょうすることがある[1]

コンピュータうえ文字もじでは、全角ぜんかく文字もじ(ぜんかくもじ)とはバイトかずが2バイトの文字もじマルチバイト文字もじ一部いちぶ)を場合ばあいASCIIおよびJIS X 0201以外いがい文字もじ場合ばあい表示ひょうじじょう字形じけい縦横じゅうおうが1たい1の文字もじ場合ばあいがある。いっぽう、半角はんかく文字もじ(はんかくもじ)とはバイトすうが1バイトの文字もじ、ASCIIおよびJIS X 0201の文字もじ表示ひょうじじょう字形じけいはば全角ぜんかく文字もじ半分はんぶんである文字もじをそれぞれ場合ばあいがある。以下いか解説かいせつ参照さんしょうされたい。

一般いっぱん消費しょうひしゃワードプロセッサなどには、文字もじたてよこはば全角ぜんかく文字もじの2ばいばして表示ひょうじ印字いんじできるものもある。おく方向ほうこうにだけ全角ぜんかくの2ばいばす機能きのう倍角ばいかく(ばいかく)とび、たてきの場合ばあいたて倍角ばいかく(たてばいかく)、横書よこがきの場合ばあいよこ倍角ばいかく(よこばいかく)とよぶこともある。さらに、縦横じゅうおうとも全角ぜんかくの2ばいのサイズにばす機能きのう4倍角ばいかくぶことがある。複数ふくすうのメーカーで実装じっそうがある[2]全角ぜんかくの4ぶんの1のサイズの文字もじのことをよんふんかくという[3]

JIS規格きかくでは、JIS X 4051日本語にほんご文書ぶんしょ組版くみはん方法ほうほう』で、「全角ぜんかく」を「漢字かんじ1文字もじぶんそとわく」、「半角はんかく」を「はばが、全角ぜんかくの1/2である文字もじそとわく」と定義ていぎしている[4]。また一般いっぱん機械きかい分野ぶんや (B) のJIS B 0191日本語にほんごワードプロセッサ用語ようご』で、「全角ぜんかく」を「そとわくたかさとはばおおきさのがほぼ1:1である, 当該とうがい製品せいひん標準ひょうじゅんてき文字もじおおきさ」、「半角はんかく」を「文字もじ方向ほうこうおおきさが全角ぜんかくの50%である文字もじおおきさ」と規定きていしている[5]

欧文おうぶん組版くみはんにおける類似るいじ概念がいねんとしてem(エム)en(エン)がある。これらはそれぞれ文字もじ最大さいだいはばと、その半分はんぶんはばにほぼ相当そうとうし、やはりおくりのりょうやくものはばあらわすのにもちいられる。一説いっせつには、エムはラテン文字もじ大文字おおもじMはばに、エンは Nはば由来ゆらいするとされるが、組版くみはん現場げんばでのエムやエンのおおきさは一般いっぱんにこれとはことなる。

Shift_JISなどの2種類しゅるい以上いじょう文字もじコード規格きかくふくんだ符号ふごう前提ぜんていとして、JIS X 0201ASCII対応たいおうする文字もじ半角はんかく文字もじJIS X 0208文字もじ対応たいおうするを全角ぜんかく文字もじとする使用しようほう存在そんざいする。

ひがしアジア印刷いんさつものは、はじめせいばん印刷いんさつ木版もくはん印刷いんさつ)によって製作せいさくされた。これはもともと、手書てが原稿げんこう版木はんぎ再現さいげんして複製ふくせいつくるための技術ぎじゅつであったが、中国ちゅうごく明代あきよはじめころに、ひとつひとつの文字もじ漢字かんじ)をおなおおきさの正方形せいほうけいおさまるものとみなして、長方形ちょうほうけいページ縦横じゅうおう整然せいぜんはいするという様式ようしき発達はったつした。印刷物いんさつぶつ需要じゅよう増大ぞうだいともなって、はんこく分業ぶんぎょう必要ひつようとなったため、文字もじめるおおきさを画一かくいつしたのである[6]。このような組版くみはん様式ようしきはこまたはますみとび、現在げんざいでも漢字かんじ文化ぶんかけんおおくの印刷物いんさつぶつ、とりわけたて印刷物いんさつぶつもちいられる。西洋せいようから活版かっぱん印刷いんさつじゅつ導入どうにゅうされたさいも、活字かつじ字面じめんはばたかさがおなじになるように製作せいさくされた。現代げんだいでも、くだりちゅうおくりのりょう文字もじおおきさを基準きじゅんとし、文字もじたかさ(よこみでははば)とおなりょう全角ぜんかく半分はんぶんりょう二分にぶん(にぶまたはにぶん)、4ぶんの1のりょうよんふん(しぶまたはしぶん)などとぶ。

活版かっぱん印刷いんさつやそれをいだ写真しゃしん植字しょくじでは、やくものなどはかならずしも全角ぜんかくおおきさをめるわけではなく、和文わぶん欧文おうぶんとのこんうえでは欧字おうじ活字かつじはば一定いっていしない。そのため、あいだめたりけたりして体裁ていさいととのえる(仮名かめい活字かつじ字面じめんちいさめのものをもちいる「仮名かめいめ」もよくおこなわれた)。

一方いっぽう、コンピュータで文字もじ情報じょうほうあつかえるようになった当初とうしょは、処理しょり能力のうりょく制約せいやくから、すべての文字もじおなはば文字もじとして表示ひょうじ印字いんじした。テキストデータのひとつひとつのバイト文字もじあらわしていた。ひがしアジアの文字もじは、1文字もじあらわすのに2バイト以上いじょうもちいるマルチバイト文字もじ集合しゅうごう成立せいりつによって利用りよう可能かのうとなったが、当初とうしょは2バイトであらわされる文字もじを1バイトであらわされる文字もじの2ばいはば表示ひょうじ印字いんじした(現在げんざいではこのようなフォントを「とうはばフォント」などとんでいる)。これは、漢字かんじなどの字面じめん(じづら)〔ボディ〕をほぼ正方形せいほうけいとし、欧字おうじなどをそれよりせまはばとするという伝統でんとう合致がっちしている。また文字もじあらわすバイトすう文字もじ表示ひょうじじょう桁数けたすう一致いっちするために、内部ないぶ処理しょり簡素かんそできるという利点りてんもあった。1バイト文字もじ全角ぜんかく半分はんぶんはばとなることから、半角はんかく文字もじばれるようになった。

コンピュータの処理しょり能力のうりょく向上こうじょうしたことで、とうはばフォントのほかにプロポーショナルフォント利用りようできる環境かんきょう普及ふきゅうし、画面がめんサイズや処理しょり速度そくど拡張かくちょうされたため、全角ぜんかくえいすう半角はんかくカタカナもちいる利点りてんっていった一方いっぽう表示ひょうじ能力のうりょく制約せいやくのある機器ききや、文字もじはば一定いっていのものとしてあつか端末たんまつ装置そうちれいPDAフィーチャーフォンテレタイプ端末たんまつ)などで半角はんかくカタカナは使用しようされつづけた。

半角はんかく全角ぜんかく区別くべつして表示ひょうじする場合ばあい

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とうはばフォントもちいるコンピュータ環境かんきょうでは、JIS X 0201規定きていされる文字もじ半角はんかくがたJIS X 0208のそれはぜん角形かくがた表示ひょうじ印字いんじされることがおおい。一般いっぱん消費しょうひしゃワードプロセッサ電光でんこう掲示板けいじばんなどでは、文字もじけた位置いちわせたり文字もじ強調きょうちょうしたりするために文字もじはばちがいを利用りようするといった用法ようほうられる。また、日本にっぽん新聞しんぶんしゃ通信つうしんしゃ記事きじ電子でんし媒体ばいたい配信はいしんする場合ばあい字数じすう計算けいさん容易よういにするため英数字えいすうじにもぜん角形かくがたもちいることがおおい。JIS X 0201に規定きていする文字もじ以外いがいにも半角はんかくがた漢字かんじ記号きごう実装じっそうしているコンピュータシステムもある。「TSP100」や「PC-POS」などのレシートようプリンタが使用しよう可能かのうキャッシュレジスターには、半角はんかくがたえんなどの文字もじ半角はんかく漢字かんじとして実装じっそうしているものがある。

印刷いんさつ校正こうせい記号きごうさだめたJIS Z 8208では、校正こうせい文字もじ印字いんじさいはば区別くべつ指摘してき修正しゅうせいするための記号きごう規定きていされており、それぞれ「半角はんかく」、「全角ぜんかく」、「欧文おうぶん」で指示しじするように規定きていされている。JIS Z 8208:2007の付属ふぞくしょB(参考さんこう)では、プロポーショナル文字もじ表記ひょうきされた日本語にほんごちゅう括弧かっこおよびカンマ全角ぜんかくで、アラビア数字すうじ半角はんかくで、英語えいごをプロポーショナル文字もじ変更へんこうする指示しじ校正こうせいれい掲載けいさいされている[7]

公文書こうぶんしょでも、JIS X 0201とJIS X 0208の区分くわけを意図いとして「全角ぜんかく文字もじ」「半角はんかく文字もじ」のかたり使用しようされることがある。総務そうむしょう告示こくじ電波でんぱ利用りようじょうきょう調査ちょうさとうかんする省令しょうれいだい9じょう規定きていによる電磁でんじてき方法ほうほうにより記録きろくおよ提出ていしゅつすることができる書類しょるいならびにその記録きろくおよ提出ていしゅつ方法ほうほう[8]においては別表べっぴょうだい1ごう半角はんかく文字もじ定義ていぎ」にある文字もじ (JIS X 0201からオーバーラインチルダえた文字もじコードの文字もじ)を半角はんかく文字もじ別表べっぴょうだい2ごう全角ぜんかく文字もじ定義ていぎ」にJIS X 0208付属ふぞくしょ3ひょう1「図形ずけい文字もじ符号ふごうひょう」の文字もじ全角ぜんかく文字もじ定義ていぎしている。

字形じけいちがいがある文字もじ

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ひとつの符号ふごうけいはばことなる2つの文字もじがある場合ばあい通常つうじょうはどちらで表記ひょうきした場合ばあいでも字形じけいおおきなちがいがない。一部いちぶ文字もじでは文字もじはばによってことなる字形じけいしめされる場合ばあいもある。

文字もじ 半角はんかく 全角ぜんかく
日本語にほんごチルダ ~
日本語にほんごコンマ ,
日本語にほんごピリオド .

日本語にほんごけのフォントでは、チルダ字形じけい曲線きょくせん字面じめん上部じょうぶ実装じっそうおおいのにたいして、ぜん角形かくがた場合ばあい中央ちゅうおう配置はいちすることがおおい。そのため、ときになみダッシュ混同こんどうされる(チルダ参照さんしょう)。また、コンマピリオド字形じけいてん字面じめんしたがわ配置はいちする実装じっそうおおいのにたいして、ぜん角形かくがた場合ばあい字面じめん左下ひだりした配置はいちすることがおおい。JIS X 0201およびJIS X 0208の例示れいじ字形じけいではそのようにあらわされている。

問題もんだいてん

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印刷物いんさつぶつ組版くみはんでは、文字もじ実際じっさいりは全角ぜんかく半角はんかく区分くぶんできるものではない。やくものりは前後ぜんご文脈ぶんみゃくによってわりうるし、欧文おうぶん文字もじはば不定ふていである。ある文字もじがどれだけのはばめるかは組版くみはん規則きそくによってまる。そのため、印刷所いんさつしょへの電子でんしにゅう稿こうDTPソフトウェアへの入力にゅうりょくなどのさいには、原稿げんこうデータちゅうおな文字もじおな符号ふごうあらわされているほうが都合つごうがよい。ところが2つの符号ふごうあらわしうる文字もじがあり、両者りょうしゃ混在こんざいするために、正規せいきぜん処理しょり必要ひつようになるといった問題もんだいきている[注釈ちゅうしゃく 1]

携帯けいたい電話でんわ

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日本にっぽん携帯けいたい電話でんわ端末たんまつのうち、おおくのフィーチャーフォン画面がめんにおける文字もじ表示ひょうじは、ほとんどとうはばで、「全角ぜんかく=正方形せいほうけいはば」か「半角はんかく=正方形せいほうけい半分はんぶんったはば」での表示ひょうじとなる。記号きごう一部いちぶのぞく)、カタカナラテン文字もじアラビア数字すうじ全角ぜんかく半角はんかく両方りょうほう表示ひょうじ可能かのうである。ギリシャ文字もじキリル文字もじ全角ぜんかくしかなく、ウェブブラウザうえでもこれらの文字もじはすべて全角ぜんかく(2バイト文字もじ)で表示ひょうじされる。

文字もじコード規格きかくにおける全角ぜんかく半角はんかく

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JISの代替だいたい名称めいしょう

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1 JIS X 0201とJIS X 0213に規定きていされる文字もじ代替だいたい名称めいしょう文字もじとの関係かんけい

1978ねんひがしアジアの文字もじ集合しゅうごうかんするはつ公的こうてき規格きかくとして、JIS C 6226(のちJIS X 0208改称かいしょう)が制定せいていされた。これは1文字もじを2バイトであらわマルチバイト文字もじ集合しゅうごうで、現代げんだい日本語にほんご文書ぶんしょもちいられる漢字かんじ仮名かめい記号きごうるいなどを収録しゅうろくしたものである。これに先立さきだち、ISO/IEC 646日本にっぽんでの国内こくない使用しようのための規格きかくとしてJIS C 6220(のちJIS X 0201改称かいしょう)も制定せいていされていた。

JIS C 6226の制定せいてい作業さぎょう当初とうしょは、JIS C 6220に規定きていするラテン文字もじ集合しゅうごうISO/IEC 646日本にっぽんばん)と仮名かめい文字もじ集合しゅうごう片仮名かたかな)を符号ふごうひょうはじめにき、前者ぜんしゃ後者こうしゃ拡張かくちょう規格きかくとすることが想定そうていされていたが、このあん制定せいてい過程かてい見送みおくられた[注釈ちゅうしゃく 2]。JIS C 6220の記号きごうるいおおくが1に、ラテン文字もじ数字すうじは3に、片仮名かたかなは5に、あらためて収録しゅうろくされた(ただし、濁点だくてんはん濁点だくてんのある文字もじが、ない文字もじとはべつ符号ふごう位置いちあたえられた)。この結果けっかおな文字もじが2つのJIS規格きかく規定きていされることになった。

かくベンダはJIS X 0208にじゅんじた文字もじコード体系たいけい採用さいようし、それに対応たいおうしたフォント製造せいぞうされるようになったが、JIS X 0208に規定きていされる文字もじグリフはしばしば漢字かんじなどとおなはばに、JIS X 0201のそれはその半分はんぶんはばつくられた。JIS X 0208を応用おうようしたベンダ標準ひょうじゅんなかには、EUC-JPのように文字もじはば定義ていぎしたものもある[10]。このため、「JIS X 0208は全角ぜんかく、JIS X 0201は半角はんかく」との理解りかいひろまることになり、さらに、両方りょうほう文字もじ集合しゅうごう収録しゅうろくされた文字もじ重複じゅうふくして符号ふごうされ、「全角ぜんかく」と「半角はんかく」のふたつの字形じけいつとみなされることになった。実際じっさいには、JIS X 0208では個々ここ文字もじはば規定きていしてはいない。

JIS C 6226のだい4規格きかくであるJIS X 0208:1997では、JIS X 0201とJIS X 0208で規定きていするすべての文字もじUnicode文字もじ対応たいおうづけ、JIS X 0208で規定きていされる文字もじのうちASCIIISO/IEC 646国際こくさい基準きじゅんばん)またはJIS X 0201のラテン文字もじ集合しゅうごう規定きていされる文字もじおなじものはもちいないとすることで、重複じゅうふく符号ふごうはいした。ただし、ぜん角形かくがたのラテン文字もじるいおよび半角はんかくがた片仮名かたかなるいについては附属ふぞくしょ5(規定きてい)で「文字もじ代替だいたい名称めいしょう」をさだめ、「これまでの慣用かんようてき利用りようとの互換ごかん目的もくてきとしてだけ〔…〕ことなった図形ずけい文字もじとしてもちいてもよい」として、「一時いちじてき重複じゅうふく符号ふごう容認ようにんする」という方針ほうしんをとった[11]。この規定きていはJIS X 0208ののちけたJIS X 0213にもがれることになった。#1に、JISの2つの文字もじ集合しゅうごう規格きかく文字もじ代替だいたい名称めいしょう関係かんけいしめす。

ARIB文字もじコード

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日本にっぽんデータ放送ほうそう文字もじ放送ほうそうなどでもちいられるARIB文字もじコード規格きかくにおいては厳密げんみつ全角ぜんかく文字もじ半角はんかく文字もじとプロポーショナル文字もじのコードが規定きていされている規格きかくがある(JIS X 0201の文字もじ集合しゅうごう半角はんかくとして、JIS X 0208の文字もじ集合しゅうごう全角ぜんかくとしてめられている)。これにより、文字もじにより画面がめんじょうのレイアウトを表現ひょうげんすることが可能かのうにしているほか、モザイクなどの表現ひょうげん可能かのうとなる。したがって、ARIBに対応たいおうしたフォントは厳密げんみつ全角ぜんかく半角はんかく実装じっそうする必要ひつようがある[12]。(ARIB外字がいじ参照さんしょう

そのひがしアジアの文字もじ集合しゅうごう規格きかく

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JIS C 6226 (JIS X 0208) 制定せいていのち中国ちゅうごくGB 2312台湾たいわんCNS 11643韓国かんこくのKS C 5601-1987(のちKS X 1001改称かいしょう)といったひがしアジアの漢字かんじ集合しゅうごう規格きかくが、相次あいついで制定せいていされた。これらはいずれもJIS X 0208とおな構造こうぞうっている。つまり、マルチバイト文字もじ集合しゅうごうであり、シングルバイト文字もじ集合しゅうごうISO/IEC 646かく地域ちいきばんまたはASCII)と併用へいようすることができるが、自身じしんにもシングルバイト文字もじ集合しゅうごう同一どういつ字形じけい文字もじ収録しゅうろくしている。そのため、やはり重複じゅうふく符号ふごう問題もんだいがつきまとう。

たとえば1981ねん施行しこうされたGB 2312-80では、GB 1988-80(ISO/IEC 646中国ちゅうごくばん)の文字もじ集合しゅうごうおな字形じけい文字もじを、符号ふごう配列はいれつじゅんえずに3収録しゅうろくしている。

UnicodeのEast_Asian_Width特性とくせい

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Unicode標準ひょうじゅんでは、文字もじのひとつひとつにさまざまな特性とくせい定義ていぎして文字もじ区別くべつしやすくすることで、テキストデータの処理しょり役立やくだてようとしている。附属ふぞくしょ11 (UAX#11) では参考さんこう (informative) 特性とくせいとして、ひがしアジアの文字もじ集合しゅうごう文脈ぶんみゃくでの文字もじはばあらわすEast_Asian_Width特性とくせい定義ていぎしている[13]

その文字もじ集合しゅうごう規格きかく

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アドビさだめているAdobe-Japan1文字もじコレクションでは、全角ぜんかく文字もじ半角はんかく文字もじ、プロポーショナル文字もじにそれぞれべつのコードをあたえている。また、ちょう漢字かんじなどで使用しようされるTRONコードでは、文字もじはば区別くべつはしない。

文字もじコード規格きかく以外いがいにおける全角ぜんかく半角はんかく

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日本語にほんごのキーボードは、半角はんかく/全角ぜんかくキー存在そんざいする種類しゅるい一般いっぱんてきである。このキーは、JIS X 4064仮名漢字かなかんじ変換へんかんシステムの基本きほん機能きのう」の付属ふぞくしょ2ではAltキー同時どうじ押下おうかすることで仮名漢字かなかんじ変換へんかん機能きのう起動きどう終了しゅうりょうおこな漢字かんじキーになるとされている。仮名漢字かなかんじ変換へんかんシステムの種類しゅるいにより半角はんかく/全角ぜんかくキーの動作どうさことなるが、Microsoft Windowsではおおくの場合ばあい半角はんかく/全角ぜんかくキーのみで漢字かんじキーの機能きのうおこなえる。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ このような状況じょうきょうがうかがえる主張しゅちょうとしてたとえばつぎしょうぶん参照さんしょう[9]
  2. ^ JIS X 0208:1997『7ビットおよび8ビットの2バイト情報じょうほう交換こうかんよう符号ふごう漢字かんじ集合しゅうごう日本にっぽん規格きかく協会きょうかい、1997ねん解説かいせつ2.2.3(p.378)ぺーじ。"符号ふごう文字もじ集合しゅうごう規格きかくとしては, ISO 646との整合せいごうせいたもつため, ISO 646で規定きていする図形ずけい文字もじについては, 符号ふごう位置いち変更へんこうしてはならなかったはずである。〔中略ちゅうりゃく〕このてんでは, この規格きかく規定きていする符号ふごう文字もじ集合しゅうごう漢字かんじ部分ぶぶんは, だい1規格きかく〔JIS C 6226-1978〕以来いらい, 本来ほんらい意図いととはことなっており, 国際こくさい規格きかく整合せいごうてきではない。"。 句読点くとうてん原文げんぶんのまま)

出典しゅってん

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  1. ^ 藤森ふじもりよしみつぎ編集へんしゅう出版しゅっぱん技術ぎじゅつ上巻じょうかん 出版しゅっぱん総論そうろん編集へんしゅう製作せいさく校正こうせい装幀そうていへんだい2はん)、日本にっぽんエディタースクール出版しゅっぱん、1978ねん、pp.192ffぺーじISBN 978-4-88888-000-8 
  2. ^ たとえばつぎ参照さんしょう
  3. ^ JIS Z 8208印刷いんさつ校正こうせい記号きごう日本にっぽん規格きかく協会きょうかい、2007ねん、4.3 修正しゅうせい指示しじおよ組版くみはん指定していもちいる記号きごう ひょう2ぺーじ 
  4. ^ JIS X 4051:2004『日本語にほんご文書ぶんしょ組版くみはん方法ほうほう日本にっぽん規格きかく協会きょうかい、2004ねん、3. 定義ていぎ (b) この規格きかく定義ていぎする用語ようご (pp.6, 8)ぺーじ なおこの定義ていぎだい1規格きかくのJIS X 4051-1995『日本語にほんご文書ぶんしょくだり組版くみはん方法ほうほう』でも同様どうよう
  5. ^ JIS X 0191-1986『日本語にほんごワードプロセッサ用語ようご日本にっぽん規格きかく協会きょうかい、1986ねん、3. 意味いみ (1) 一般いっぱん (p.2)ぺーじ 
  6. ^ 竹村たけむら真一しんいち明朝体みんちょうたい歴史れきし思文閣出版しぶんかくしゅっぱん、1986ねん7がつ、p.77ぺーじISBN 4-7842-0447-4 
  7. ^ JIS Z 8208印刷いんさつ校正こうせい記号きごう日本にっぽん規格きかく協会きょうかい、2007ねん付属ふぞくしょB(参考さんこうよこぐみ校正こうせいすりへの校正こうせい記号きごう記入きにゅうれいぺーじ 
  8. ^ 平成へいせい14ねん総務そうむしょう告示こくじだい605ごう総務そうむしょう電波でんぱ利用りようホームページ 総務そうむしょう電波でんぱ関係かんけい法令ほうれいしゅう
  9. ^ 長久ながひさ雅行まさゆき本文ほんぶん組版くみはんだれがするのか?(「Part 1 明解めいかい日本語にほんご文字もじ組版くみはんちゅうのコラム)」『明解めいかい クリエイターのための印刷いんさつガイドブック DTP実践じっせんへん鈴木すずきいち前田まえだ年昭としあき向井むかい裕一ひろいち玄光社げんこうしゃ〈コマーシャル・フォト・シリーズ〉、1999ねん9がつ、p.19ぺーじISBN 4-7683-0104-5 
  10. ^ UI-OSF-USLP共同きょうどう技術ぎじゅつ資料しりょう日本語にほんごEUCの定義ていぎ解説かいせつ』(Unapproved Draft 1.7)、1991ねん12がつ10日とおか、2. 日本語にほんごEUCの定義ていぎ(p.1)。
  11. ^ JIS X 0208:1997『7ビットおよび8ビットの2バイト情報じょうほう交換こうかんよう符号ふごう漢字かんじ集合しゅうごう日本にっぽん規格きかく協会きょうかい、1997ねん本体ほんたい7.2および7.3(pp.23, 24)、および解説かいせつ3.8.2 (p.392)ぺーじ 
  12. ^ 社団しゃだん法人ほうじん電波でんぱ産業さんぎょうかい (2009ねん3がつ14にち). “デジタル放送ほうそうにおけるデータ放送ほうそう符号ふごう方式ほうしき伝送でんそう方式ほうしき標準ひょうじゅん規格きかくARIB STD-B24 5.1はんだいいち分冊ぶんさつ” (PDF). 2009ねん7がつ25にち閲覧えつらん
  13. ^ Asmus Freytag (2006ねん9がつ15にち). “Unicode Standard Annex #11: East Asian Width (5.0.0)”. 2008ねん1がつ1にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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