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分子量 - Wikipedia

分子ぶんしりょう(ぶんしりょう、英語えいご: molecular weight)または相対そうたい分子ぶんし質量しつりょう(そうたいぶんししつりょう、英語えいご: relative molecular mass)とは、物質ぶっしつ1分子ぶんし質量しつりょう統一とういつ原子げんし質量しつりょう単位たんい静止せいしして基底きてい状態じょうたいにある自由じゆう炭素たんそ12 (12C) 原子げんし質量しつりょうの1/12)にたいするであり[1]分子ぶんしちゅうふくまれる原子げんしりょう総和そうわひとしい。

本来ほんらい核種かくしゅ組成そせいによって変化へんかする名数めいすうである。しかし、とくことわらないかぎり、天然てんねん核種かくしゅ組成そせいつと了解りょうかいされ、その場合ばあいには、構成こうせい元素げんそ天然てんねん核種かくしゅ組成そせいもとづいた相対そうたい原子げんし質量しつりょう原子げんしりょう)をもちいて算出さんしゅつされる。

化学かがくしきりょうとの関係かんけい

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共有きょうゆう結合けつごうせい固体こたい金属きんぞく結合けつごうせい固体こたいイオン結合けつごうせい固体こたいのように分子ぶんし存在そんざいしない化合かごうぶつでは、適当てきとう定義ていぎした組成そせいしきしめされる原子げんし集団しゅうだん相対そうたい質量しつりょうである化学かがくしきりょう分子ぶんしりょうわりにもちいて、化学かがく反応はんのうとうにおける物質ぶっしつりょう関与かんよする計算けいさんおこなう。したがって、「物質ぶっしつりょう定義ていぎにおけるよう素粒子そりゅうし質量しつりょう」という意味いみにおいては、分子ぶんしりょうよう素粒子そりゅうしとして分子ぶんし指定していした場合ばあい化学かがくしきりょうであるともえる。

分子ぶんしりょうふく化学かがくしきりょうは、分子ぶんししき組成そせいしき構成こうせい原子げんし原子げんしりょうとから計算けいさんされる。対象たいしょう試料しりょう原子げんしりょうは、その同位どういたい存在そんざいかく同位どういたい相対そうたい原子げんし質量しつりょうとから計算けいさんされるりょうであり、両者りょうしゃとも測定そくてい可能かのうだが、通常つうじょう試料しりょう、つまり天然てんねん存在そんざいであることがあきらかな試料しりょうについては、IUPACが発表はっぴょうしている標準ひょうじゅん原子げんしりょう使用しようすることができる。

分子ぶんしりょう物性ぶっせい

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分子ぶんし存在そんざいする場合ばあい分子ぶんしりょうは、じゅん物質ぶっしつ沸点ふってん粘性ねんせい希薄きはく溶液ようえき沸点ふってん上昇じょうしょう凝固ぎょうこてん降下こうかなど様々さまざま物性ぶっせい影響えいきょうあたえ、ぎゃくにそれを利用りようして分子ぶんしりょう測定そくていすることもできる。

1個いっこ分子ぶんし多数たすうかえしユニットから高分子こうぶんし分子ぶんしりょうは、一般いっぱんにはかえ回数かいすう単一たんいつではなく、個々ここ分子ぶんしによりことなっているので、単一たんいつとしては分子ぶんし集団しゅうだん統計とうけいである平均へいきん分子ぶんしりょうしかられない。平均へいきん分子ぶんしりょうは、平均へいきんかたちがいにより、かず平均へいきん分子ぶんしりょう重量じゅうりょう平均へいきん分子ぶんしりょうなどことなる種類しゅるいがあるので、いかなる種類しゅるい平均へいきん分子ぶんしりょうかを明確めいかくにしないといけない。さらに、平均へいきん分子ぶんしりょうひとしい試料しりょうでも、分子ぶんしりょう分布ぶんぷかたちちがえばその物性ぶっせいちがってくる。このような高分子こうぶんし反応はんのう合成ごうせい定量ていりょうてきあつかうときは、かえしユニットを要素ようそとする化学かがくしきりょう使つかうのが適切てきせつである。いいかえると、高分子こうぶんし物質ぶっしつりょうかえしユニットをよう素粒子そりゅうしとして指定していするのが適切てきせつである。

上記じょうきのようなマクロ試料しりょう場合ばあいことなり、質量しつりょう分析ぶんせき実験じっけん分子ぶんしせん実験じっけんでは、文字通もじどお1個いっこ分子ぶんし質量しつりょう分析ぶんせきでは実際じっさいはイオン)の質量しつりょうという意味いみでの分子ぶんしりょう測定そくてい影響えいきょうする。

分子ぶんしりょう影響えいきょうする物性ぶっせいれい

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  • 沸点ふってん上昇じょうしょう凝固ぎょうこてん降下こうかモル濃度のうど溶液ようえき単位たんい体積たいせきたりの分子ぶんしすうまたは物質ぶっしつりょう)に比例ひれいし、比例ひれい定数ていすう分子ぶんししゅによらないので、おな質量しつりょう濃度のうど溶液ようえき単位たんい体積たいせきたりの質量しつりょう)では分子ぶんしりょう反比例はんぴれいする。このような性質せいしつたばいちてき性質せいしつばれる。
  • 類似るいじ構造こうぞう化合かごうぶつ同士どうしたとえばちょくくさりアルカン同士どうしちょくくさりアルコール同士どうしでは、分子ぶんしりょうおおきいほど沸点ふってんたかい。
  • どうあつしどうあつ気体きたいちゅう音速おんそくは、密度みつどの-1/2じょう比例ひれいする。つまり、理想りそう気体きたいでは、分子ぶんしりょうの-1/2じょう比例ひれいする。

測定そくてい方法ほうほう

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分子ぶんしりょう測定そくていは、つぎしめ方法ほうほう実験じっけんてき決定けってい可能かのうである。

また、高分子こうぶんしなどで、組成そせい一定いっていであるが特定とくてい分子ぶんしおおきさにまらない物質ぶっしつ場合ばあいは、その総体そうたい平均へいきん分子ぶんしりょうとして、つぎしめ方法ほうほう測定そくていされる場合ばあいもある。

いずれの方法ほうほうにおいても、測定そくてい対象たいしょう単体たんたい分子ぶんしであるか、会合かいごうたいクラスター全体ぜんたい物性ぶっせいであるかを吟味ぎんみする必要ひつようがあり、後者こうしゃ場合ばあい測定そくていりょう補正ほせいして分子ぶんしりょうとする。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ IUPAC. “IUPAC GOLD BOOK - relative molecular mass, M r”. 2014ねん1がつ24にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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