北欧 ほくおう 神話 しんわ (ほくおうしんわ、アイスランド語 ご :Norræn goðafræði 、ノルウェー語 ご :Norrøn mytologi 、スウェーデン語 ご :Nordisk mytologi 、デンマーク語 ご :Nordisk mytologi )は、キリスト教化 きょうか される前 まえ のノルド人 じん (ノース人 じん ) の信仰 しんこう に基 もと づく神話 しんわ 。スカンディナビア神話 しんわ とも呼 よ ばれている。ゲルマン神話 しんわ の一種 いっしゅ で、ノルウェー 、スウェーデン 、デンマーク 、アイスランド およびフェロー諸島 しょとう に伝 つた わっていたものの総称 そうしょう 。普通 ふつう 、フィンランド神話 しんわ とは別 べつ 系統 けいとう のものとされる[ 注 ちゅう 1] 。
北欧 ほくおう 神話 しんわ の神 かみ 々は不死 ふし ではないため、最終 さいしゅう 戦争 せんそう であるラグナロク まで老 お いることのないよう、イズン の黄金 おうごん の林檎 りんご を食 た べなければならない。1890年 ねん 、J・ペンローズ作 さく
北欧 ほくおう 神話 しんわ はキリスト教化 きょうか 以前 いぜん にスカンディナヴィア 人 ひと が有 ゆう していた土着 どちゃく の宗教 しゅうきょう ・信仰 しんこう ・伝説 でんせつ から成 な っている。これにはアイスランド に入植 にゅうしょく ・定住 ていじゅう した人々 ひとびと のそれが含 ふく まれており、北欧 ほくおう 神話 しんわ の文書 ぶんしょ 化 か された典拠 てんきょ の大 だい 部分 ぶぶん はそこで収集 しゅうしゅう されたものである。北欧 ほくおう 以外 いがい のゲルマン人 じん は、早 はや くからキリスト教化 きょうか されたため、民族 みんぞく 独自 どくじ の神話 しんわ や思想 しそう を示 しめ す書物 しょもつ がほとんど残 のこ っていない。そのため北欧 ほくおう 神話 しんわ は、古 ふる いゲルマン共通 きょうつう の異教 いきょう がもっとも良 よ い状態 じょうたい で保存 ほぞん されており、ゲルマン人 じん の古来 こらい の習俗 しゅうぞく や精神 せいしん を理解 りかい する上 じょう で貴重 きちょう な資料 しりょう となっている。このゲルマンの異教 いきょう は、アングロ・サクソン 神話 しんわ と密接 みっせつ に関連 かんれん した内容 ないよう を含 ふく んでいる。なお、ゲルマン神話 しんわ は初期 しょき のインド・ヨーロッパ神話 しんわ から発展 はってん したものである。
北欧 ほくおう 神話 しんわ は北 きた ゲルマン民族 みんぞく によって共有 きょうゆう されていた信仰 しんこう や物語 ものがたり が集約 しゅうやく されたもので、神話 しんわ は詩 し の形 かたち で口承 こうしょう により伝 つた えられ、現存 げんそん する神話 しんわ についての知識 ちしき は主 おも にスノッリ・ストゥルルソン により書 か かれた『エッダ 』や、キリスト教化 きょうか 中 ちゅう またはその後 ご に書 か き下 お ろされた、中世 ちゅうせい における他 た の版本 はんぽん に基 もと づいている。北欧 ほくおう 神話 しんわ は基本 きほん 的 てき に古 こ ノルド語 ご (古 こ アイスランド語 ご )で著 しる わされているが、『デンマーク人 じん の事績 じせき 』などラテン語 らてんご で書 か かれたものもある。
北欧 ほくおう 神話 しんわ の中 なか にはスカンディナヴィアの伝承 でんしょう の一部 いちぶ となり、現在 げんざい まで生 い き残 のこ ったものもある。その他 た は近年 きんねん 、ゲルマン・ネオペイガニズム として再 さい 考案 こうあん ・構築 こうちく されている。ステージでの上演 じょうえん 劇 げき や映画 えいが 同様 どうよう 、神話 しんわ は現在 げんざい も様々 さまざま な文学 ぶんがく の着想 ちゃくそう として残 のこ されている。
写本 しゃほん の一 いち 例 れい (『AM 156 fol』)
北欧 ほくおう 神話 しんわ について現存 げんそん する記録 きろく の大 だい 多数 たすう は13世紀 せいき にまで遡 さかのぼ ることができ、少 すく なくとも正式 せいしき にキリスト教 きりすときょう 社会 しゃかい となった世界 せかい に、2世紀 せいき 以上 いじょう も口承 こうしょう の形 かたち で保存 ほぞん されていた。13世紀 せいき に学者 がくしゃ たちはこの口伝 くちづた えに残 のこ る神話 しんわ の記録 きろく を始 はじ め、特 とく にキリスト教 きりすときょう 以前 いぜん の神 かみ 々が実際 じっさい の歴史 れきし 上 じょう の人物 じんぶつ にまで辿 たど ることができると信 しん じていた学者 がくしゃ 、スノッリ・ストゥルルソン により、『エッダ (散文 さんぶん のエッダ、新 しん エッダ)』や『ヘイムスクリングラ 』が書 か き起 お こされた。このほかにもサクソ・グラマティクス による『デンマーク人 じん の事績 じせき 』があり、ここでは北欧 ほくおう の神 かみ 々はよりいっそうエウヘメリズム 化 か (神 かみ 々は人間 にんげん が神格 しんかく 化 か されたものであるという解釈 かいしゃく )されている。
『エッダ』を13世紀 せいき 初期 しょき に書 か いたスノッリ・ストゥルルソンという人物 じんぶつ は、卓越 たくえつ した詩人 しじん ・指導 しどう 者 しゃ でアイスランドの外交 がいこう 官 かん でもあった。この『エッダ』は本来 ほんらい 、その技法 ぎほう の学習 がくしゅう を熱望 ねつぼう する詩人 しじん へ向 む け、入門 にゅうもん 書 しょ として作 つく られたとされる。この作品 さくひん には伝統 でんとう 的 てき なケニング (代 だい 称 しょう 法 ほう )や、詩 し に詰 つ め込 こ まれた暗喩 あんゆ 表現 ひょうげん を散文 さんぶん 体 たい で解説 かいせつ した内容 ないよう が含 ふく まれている。こうした散文 さんぶん 体 たい での語 かた りが、北欧 ほくおう の神 かみ 々についての様々 さまざま な物語 ものがたり を体系 たいけい 的 てき かつ首尾 しゅび 一貫 いっかん したものにしたのである。
『詩 し のエッダ 』は29ないし31編 へん の、年代 ねんだい も様式 ようしき もさまざまな詩 し から構成 こうせい されている。このうち最初 さいしょ に配列 はいれつ されている11の詩 し すなわち「神話 しんわ 詩 し 」はゲルマンの神 かみ 々を扱 あつか ったもので、残 のこ りの「英雄 えいゆう 詩 し 」は『ヴォルスンガ・サガ 』のシグルズ (中世 ちゅうせい ドイツ の叙事詩 じょじし 『ニーベルンゲンの歌 うた 』の主人公 しゅじんこう ジーフリト にあたる)のような伝説 でんせつ 的 てき 英雄 えいゆう について書 か かれたものである。『詩 し のエッダ』を伝 つた える最 さい 重要 じゅうよう の写本 しゃほん である「王 おう の写本 しゃほん 」は『散文 さんぶん のエッダ』よりおよそ50年 ねん 後 ご に書 か き写 うつ されたと考 かんが えられているが、実際 じっさい には『詩 し のエッダ』に含 ふく まれるいくつもの詩 し が『散文 さんぶん のエッダ』に引用 いんよう され資料 しりょう として利用 りよう されているため、より古 ふる いと考 かんが えられ『古 こ エッダ』の別名 べつめい がある[ 1] 。その物語 ものがたり に見 み られる言語 げんご と詩 し の形態 けいたい からも、いくつかの詩 し の成立 せいりつ は「王 おう の写本 しゃほん 」の筆写 ひっしゃ された時代 じだい より何 なん 世紀 せいき も昔 むかし に遡 さかのぼ るようである。
こうした原典 げんてん のほか、9世紀 せいき から14世紀 せいき にかけて北欧 ほくおう で編纂 へんさん されたサガ やサットル 、スカルド詩 し などにも北欧 ほくおう の信仰 しんこう は反映 はんえい されており、これらから窺 うかが い知 し ることができる神話 しんわ も存在 そんざい する。またその他 た スカンディナヴィアの伝承 でんしょう などにも残存 ざんそん するい伝 いつた えがあり、その中 なか の一部 いちぶ は、古 こ 英語 えいご で書 か かれた『フィンネスブルグ争乱 そうらん 断章 だんしょう 』に関連 かんれん する物語 ものがたり や、『デーオルの嘆 なげ き 』中 ちゅう に登場 とうじょう する神話 しんわ 的 てき な物語 ものがたり への言及 げんきゅう など、時代 じだい の古 ふる いゲルマン文学 ぶんがく に現 あらわ れる伝説 でんせつ に裏 うら づけられている。数々 かずかず の部分 ぶぶん 的 てき な文献 ぶんけん やい伝 いつた えが残 のこ っている時 とき 、学者 がくしゃ たちは詩 し の背後 はいご にある意味合 いみあ いや表現 ひょうげん を推論 すいろん することができるのである。加 くわ えてスカンディナヴィアには、神 かみ 々にちなんでつけられた地名 ちめい が数多 かずおお く存在 そんざい する。
ルーン文字 もじ 石碑 せきひ の一 ひと つ、レーク石碑 せきひ
レーク石碑 せきひ (Rök Runestone)やクヴィネビ・アミュレット(Kvinneby amulet)のように、表面 ひょうめん に刻 きざ まれているごく少数 しょうすう のルーン文字 もじ の碑文 ひぶん にも、神話 しんわ への言及 げんきゅう がなされている。トール の魚釣 さかなつ りの旅 たび や『ヴォルスンガ・サガ 』からの場面 ばめん 、オーディン とスレイプニル やフェンリル に飲 の み込 こ まれるオーディンなど、北欧 ほくおう 神話 しんわ からの場面 ばめん を描 えが いたルーン文字 もじ 石碑 せきひ や絵画 かいが 石碑 せきひ もある。現存 げんそん するフンネシュタット石碑 せきひ (Hunnestad Monument)の1つには、狼 おおかみ に跨 またが ってバルドル の葬式 そうしき へ行 い くヒュロッキン が描 えが かれている[ 2] 。
デンマーク では巻 ま いた口髭 くちひげ が生 は え、口 くち を縫 ぬ い止 と められているロキ [ 注 ちゅう 2] の絵 え が描 えが かれた石 いし があるほか、複雑 ふくざつ に入 い り組 く んだ絵 え が描 えが かれたイギリス のゴスフォース十字架 じゅうじか 石碑 せきひ もある。さらに隻眼 せきがん のオーディンやハンマーを持 も つトール、直立 ちょくりつ した男根 だんこん のフレイ など神 かみ 々を描 えが いた小 しょう 立像 りつぞう も存在 そんざい する。
司教 しきょう などもゲルマン人 じん の信仰 しんこう に関 かん する記述 きじゅつ を残 のこ している。サクソ・グラマティクス は『デンマーク人 じん の事績 じせき 』の中 なか でスカンディナヴィアの神 かみ 々について触 ふ れ、ブレーメンのアダム は『ハンブルク教会 きょうかい 史 し 』を著 あらわ した。またこれら北欧 ほくおう で著 あらわ されたものの他 ほか に、1世紀 せいき ごろのローマ の歴史 れきし 家 か タキトゥス が著 あらわ した『ゲルマーニア 』や、イブン・ファドラーン の『ヴォルガ・ブルガール旅行 りょこう 記 き 』などにも、ゲルマン人 じん の信仰 しんこう に関 かん する記述 きじゅつ が残 のこ されていた。
世界 せかい 樹 じゅ ユグドラシル
北欧 ほくおう ゲルマンの世界 せかい 観 かん では、この世 よ は九 ここの つの世界 せかい から成 な るといわれることがあるが、原典 げんてん 資料 しりょう に「九 ここの つの世界 せかい とはこれこれである」といった説明 せつめい があるわけではなく、その内訳 うちわけ は一定 いってい しない。
アースガルズ - アース神 かみ 族 ぞく の世界 せかい 。オーディンの居城 きょじょう ヴァルハラ が位置 いち するグラズヘイムも、この世界 せかい に含 ふく まれる。ヴァルハラは偉大 いだい な戦士 せんし たちの魂 たましい である、エインヘリャル が集 つど う場所 ばしょ でもあった。こうした戦士 せんし たちはオーディンに仕 つか える女性 じょせい の使 つか い、ヴァルキュリャ によって導 みちび かれる。エインヘリャルはラグナロク で神 かみ 々の援軍 えんぐん として戦 たたか う。ラグナロクとは神 かみ 々と混沌 こんとん による大 おお いなる戦 たたか いで、命 いのち あるすべての存在 そんざい が死 し に絶 た えるとされた、北欧 ほくおう 神話 しんわ における最終 さいしゅう 戦争 せんそう である。
ヴァナヘイム - ヴァン神 かみ 族 ぞく の世界 せかい 。
ミズガルズ - 死 し を免 まぬか れない人間 にんげん の世界 せかい 。大海 たいかい にはヨルムンガンド が住 す んでいるとされる。
ムスペルヘイム - 燃 も え盛 さか る炎 ほのお の世界 せかい 。スルト が国境 こっきょう を守 まも っている。
ニヴルヘイム - 氷 こおり に覆 おお われた世界 せかい 。ロキがアングルボザ との間 あいだ にもうけた半 はん 巨 きょ 人 じん の娘 むすめ ヘル が支配 しはい している(したがって後 こう 掲のヘルと同 どう 一 いち 視 し もされる)。
アールヴヘイム - アールヴ (エルフ)の世界 せかい 。
スヴァルトアールヴァヘイム - 黒 くろ アールヴ(スヴァルトアールヴ )の住 す む世界 せかい 。黒 くろ アールヴはドヴェルグと同一 どういつ の存在 そんざい と考 かんが えられ、したがってこの世界 せかい は次 つぎ のニザヴェッリルと同一 どういつ かもしれない。
ニザヴェッリル - 卓越 たくえつ した鉱夫 こうふ や腕 うで の立 た つ鍛冶 たんや 屋 や であった、ドヴェルグ (ドワーフ)の世界 せかい 。彼 かれ らはトールのハンマー やフレイの黄金 おうごん 製 せい のイノシシなど、神 かみ 々のために魔法 まほう の力 ちから による道具 どうぐ をたびたび作 つく り上 あ げた。
ヨトゥンヘイム - 霜 しも の巨人 きょじん ヨトゥン を含 ふく む巨人 きょじん の世界 せかい 。
ヘル またはニヴルヘル - 病気 びょうき や寿命 じゅみょう で死 し んだ者 もの が送 おく られる死者 ししゃ の世界 せかい で、同名 どうめい の女神 めがみ ヘルが治 おさ めている。ミズガルズから見 み て北方 ほっぽう の地下 ちか にあるとされる。
こうした世界 せかい は世界 せかい 樹 じゅ ユグドラシル により繋 つな がれており、アースガルズがその最上 さいじょう に位置 いち する[ 注 ちゅう 3] 。その最下 さいか 層 そう に位置 いち するニヴルヘイムで根 ね を齧 かじ るのは、獰猛 どうもう な蛇 へび (または竜 りゅう )のニーズヘッグ である。アースガルズにはヘイムダル によって守 まも られている魔法 まほう の虹 にじ の橋 はし 、ビフレスト がかかっている。このヘイムダルとは、何 なん 千 せん マイルも離 はな れた場所 ばしょ が見 み え、その音 おと を聞 き くことが可能 かのう な、寝 ね ずの番 ばん をする神 かみ である。
北欧 ほくおう 神話 しんわ の宇宙 うちゅう 観 かん は、強 つよ い二元 にげん 的 てき 要素 ようそ を含 ふく んでいる。たとえば昼 ひる と夜 よる は、昼 ひる の神 かみ ダグ とその馬 うま スキンファクシ 、夜 よる の神 かみ ノート とその馬 うま フリームファクシ が神話 しんわ 学 がく 上 じょう 、相応 そうおう するものである。このほか、太陽 たいよう の女神 めがみ ソール を追 お う狼 おおかみ スコル と、月 つき の神 かみ マーニ を追 お う狼 おおかみ のハティ が挙 あ げられ、世界 せかい の起源 きげん となるニヴルヘイムとムスペルヘイムがすべてにおいて相反 あいはん している点 てん も関連 かんれん している。これらは、世界 せかい 創造 そうぞう の対立 たいりつ における深 ふか い形而上学 けいじじょうがく 的 てき 信仰 しんこう を反映 はんえい したものであったのかもしれない。
神 かみ 々にはアース神 かみ 族 ぞく ・ヴァン神 かみ 族 ぞく ・ヨトゥンの3つの氏族 しぞく がある。当初 とうしょ 互 たが いに争 あらそ っていたアース神 しん 族 ぞく とヴァン神 かみ 族 ぞく は、最終 さいしゅう 的 てき にアース神 しん 族 ぞく が勝利 しょうり した長 なが きにわたる戦争 せんそう の後 のち 、和解 わかい し人質 ひとじち を交換 こうかん 、異 こと 族 ぞく 間 あいだ 結婚 けっこん や共同 きょうどう 統治 とうち を行 おこな っていたと言 い われており、両者 りょうしゃ は相互 そうご に関係 かんけい していた。一部 いちぶ の神 かみ 々は両方 りょうほう の氏族 しぞく に属 ぞく してもいた。この物語 ものがたり は、太古 たいこ から住 す んでいた土着 どちゃく の人々 ひとびと の信仰 しんこう していた自然 しぜん の神 かみ 々が、侵略 しんりゃく してきたインド=ヨーロッパ系 けい 民族 みんぞく の神 かみ 々に取 と って代 か わられた事実 じじつ を象徴 しょうちょう したものではないかと推測 すいそく する研究 けんきゅう 者 しゃ もいるが、これは単 たん なる憶測 おくそく に過 す ぎないと強 つよ く指摘 してき されている。他 た の権威 けんい (ミルチャ・エリアーデ やJ・P・マロリー 等 ひとし )は、こうしたアース神 しん 族 ぞく ・ヴァン神 かみ 族 ぞく の区分 くぶん は、インド=ヨーロッパ系 けい 民族 みんぞく による神 かみ 々の区分 くぶん が北欧 ほくおう において表現 ひょうげん されたものだったとし、これらがギリシア神話 しんわ におけるオリュンポス十 じゅう 二 に 神 かみ とティーターン の区分 くぶん や、『マハーバーラタ 』の一部 いちぶ に相当 そうとう するものであると考察 こうさつ した。
トール は幾度 いくど も巨人 きょじん たちと戦 たたか う
アース神 かみ 族 ぞく とヴァン神 かみ 族 ぞく は、全体 ぜんたい 的 てき にヨトゥンと対立 たいりつ する。ヨトゥンはギリシア神話 しんわ でいうティーターンやギガース と同様 どうよう の存在 そんざい であり、一般 いっぱん 的 てき に「giants(巨人 きょじん )」と訳 やく されるが、「trolls(こちらも巨 きょ 人 じん の意 い )」や「demons(悪魔 あくま )」といった訳 わけ の方 ほう がより適 てき しているのではないかという指摘 してき もある。しかし、アース神 かみ 族 ぞく はこのヨトゥンの子孫 しそん であり、アース神 かみ 族 ぞく とヴァン神 かみ 族 ぞく の中 なか にはヨトゥンと異 こと 族 ぞく 間 あいだ 結婚 けっこん をした者 もの もいる。たとえば、ロキは2人 ふたり の巨 きょ 人 じん の子 こ であり、そのロキと女 おんな 巨人 きょじん アングルボザの娘 むすめ であるヘルも血筋 ちすじ からいえば巨 きょ 人 じん である。また最初 さいしょ の神 かみ 々オーディン 、ヴィリ、ヴェー も母親 ははおや は女 おんな 巨人 きょじん ベストラ である。
エッダにおいては一部 いちぶ の巨人 きょじん が言及 げんきゅう され、自然 しぜん 力 りょく の表現 ひょうげん であるようにも見 み える。巨 きょ 人 じん には通常 つうじょう 、スルス(Thurs)と普通 ふつう の横暴 おうぼう な巨人 きょじん の2つのタイプがあるが、他 ほか にも岩 がん の巨人 きょじん や火 ひ の巨人 きょじん がいる。アールヴ やドヴェルグ といった存在 そんざい もおり、彼 かれ らの役割 やくわり は曖昧 あいまい な点 てん もあるが概 がい して神 かみ 々の側 がわ についていたと考 かんが えられている。
加 くわ えて、他 ほか にも超自然 ちょうしぜん 的 てき な存在 そんざい が数多 かずおお くいる。巨大 きょだい な狼 おおかみ であるフェンリルや、ミズガルズを取 と り巻 ま く大蛇 おろち ヨルムンガンドという幻 まぼろし 獣 じゅう がいる。この幻 まぼろし 獣 じゅう たちは悪戯 いたずら 好 す きの神 かみ ロキと、女 おんな 巨人 きょじん アングルボザの子 こ として描 えが かれている。他 た にはオーディンの飼 か っている2羽 わ のワタリガラス、フギンとムニン (それぞれ「思考 しこう 」と「記憶 きおく 」を意味 いみ する)がいる。オーディンはその水 みず を飲 の めばあらゆる知識 ちしき が手 て に入 はい るというミーミルの泉 いずみ で、自身 じしん の片目 かため と引 ひ き換 か えに水 みず を飲 の んだ。そのため、この2匹 ひき のカラスたちはオーディンに、地上 ちじょう で何 なに が起 お こっているかを知 し らせる。その他 た 、ロキの子 こ で8本 ほん 足 あし の馬 うま スレイプニル はオーディンの所有 しょゆう する愛馬 あいば で、ラタトスク は世界 せかい 樹 じゅ ユグドラシル の枝 えだ で走 はし り回 まわ るリス である。
北欧 ほくおう 神話 しんわ は、他 た の多 おお くの多神教 たしんきょう 的 てき 宗教 しゅうきょう にも見 み られるが、中東 ちゅうとう の伝承 でんしょう にあるような「善悪 ぜんあく 」としての二元 にげん 性 せい をやや欠 か いている。そのため、ロキは物語 ものがたり 中 ちゅう にたびたび主人公 しゅじんこう の一人 ひとり であるトールの宿敵 しゅくてき として描 えが かれているにもかかわらず、最初 さいしょ は神 かみ 々の敵 てき ではない。巨人 きょじん たちは粗雑 そざつ で乱暴 らんぼう ・野蛮 やばん な存在 そんざい として描 えが かれているが、全 まった くの根本 こんぽん 的 てき な悪 あく として描 えが かれてはいない。つまり、北欧 ほくおう 神話 しんわ の中 なか で存在 そんざい する二元 にげん 性 せい とは厳密 げんみつ に言 い えば「神 かみ vs 悪 あく 」ではなく、「秩序 ちつじょ vs 混沌 こんとん 」なのである。神 かみ 々は自然 しぜん ・世 よ の中 なか の道理 どうり や構造 こうぞう を表 あらわ す一方 いっぽう で、巨人 きょじん たちは混沌 こんとん や無秩序 むちつじょ を象徴 しょうちょう している。
大地 だいち を持 も ち上 あ げるオーディン、ヴィリ、ヴェー。『巫女 ふじょ の予言 よげん 』におけるミズガルズ の創造 そうぞう
世界 せかい の起源 きげん と終局 しゅうきょく は、『詩 し のエッダ』のうち冒頭 ぼうとう に置 お かれた最 さい 重要 じゅうよう の一 いち 編 へん 「巫女 ふじょ の予言 よげん 」に大枠 おおわく が描 えが かれている。これらの詩 し 節 ぶし には全 ぜん 宗教 しゅうきょう 史 し のうちでももっとも鮮明 せんめい な創造 そうぞう の記述 きじゅつ と、詳述 しょうじゅつ されている最終 さいしゅう 的 てき な世界 せかい の滅亡 めつぼう の描写 びょうしゃ が含 ふく まれている。
北欧 ほくおう 神話 しんわ においては、生命 せいめい の始 はじ まりは火 ひ と氷 こおり で、ムスペルヘイム とニヴルヘイム の2つの世界 せかい しか存在 そんざい しなかったという。ムスペルヘイムの熱 あつ い空気 くうき がニヴルヘイムの冷 つめ たい氷 こおり に触 ふ れたとき、巨人 きょじん ユミル と雌牛 めうし アウズンブラ が創 つく り出 だ された。ユミルの足 あし は息子 むすこ を産 う み、脇 わき の下 した から男 おとこ と女 おんな が1人 にん ずつ現 あらわ れた。こうしてユミルは彼 かれ らから産 う まれたヨトゥン および巨人 きょじん たちの親 おや となる。
眠 ねむ っていたユミルは後 のち に目 め を覚 さ まし、アウズンブラの乳 ちち を飲 の んだ。彼 かれ が飲 の んでいる間 あいだ 、牛 うし のアウズンブラは塩 しお の岩 いわ を嘗 な めた。このあと1日 にち めに人間 にんげん の髪 かみ がその岩 いわ から出 で てきて、続 つづ いて2日 にち めに頭 あたま が、3日 にち めに人間 にんげん の全身 ぜんしん が岩 いわ から現 あらわ れた。彼 かれ の名 な はブーリ といい、名 な のない巨人 きょじん と交 まじ わりボル を産 う むと、ボルはベストラ を娶 めと ってこの夫婦 ふうふ からオーディン 、ヴィリ 、ヴェー の3人 にん の神 かみ が生 う まれた。
3人 にん の神 かみ 々は自分 じぶん たちが十分 じゅうぶん に強大 きょうだい な力 ちから を持 も っていると感 かん じ、ユミルを殺害 さつがい する。ユミルの血 ち は世界 せかい に溢 あふ れ、すべての霜 しも の巨人 きょじん を溺死 できし させた。巨人 きょじん ベルゲルミルとその妻 つま だけが例外 れいがい で、この2人 ふたり からまた巨 きょ 人 じん は再 ふたた び数 すう を増 ふ やした。その後 ご 神 かみ 々は死 し んだユミルの屍体 したい で大地 だいち を創 つく り、彼 かれ の血液 けつえき で海 うみ ・川 かわ ・湖 みずうみ を、骨 ほね や歯 は から岩 いわ や石 いし を、脳 のう で雲 くも を、そして頭蓋骨 ずがいこつ で天空 てんくう をそれぞれ創 つく りだした。さらにムスペルヘイムの火花 ひばな は、舞 ま い上 あ がり星 ほし となった。
アスクとエンブラの創造 そうぞう が描 えが かれたフェロー諸島 しょとう の切手 きって
ある日 ひ 3人 にん の神 かみ 々は歩 ある いていると、2つの木 き の幹 みき を見 み つけ、木 き を人間 にんげん の形 かたち へ変形 へんけい させた。オーディンはこれらに生命 せいめい を、ヴィリは精神 せいしん を、そしてヴェーは視覚 しかく と聞 き く能力 のうりょく ・話 はな す能力 のうりょく を与 あた えた[ 注 ちゅう 4] 。神 かみ 々はこれらをアスクとエンブラ と名 な づけ、彼 かれ らのために地上 ちじょう の中心 ちゅうしん に王国 おうこく を創 つく り、そこを囲 かこ むユミルのまつ毛 げ で造 つく られた巨大 きょだい な塀 へい で、巨人 きょじん を神 かみ 々の住 す む場所 ばしょ から遠 とお ざけた。
世界 せかい 樹 じゅ ユグドラシルの下 した で運命 うんめい の糸 いと を紡 つむ ぐノルン
巫女 ふじょ はユグドラシルや3柱 はしら のノルン (運命 うんめい の女神 めがみ [ 注 ちゅう 5] )の説明 せつめい に進 すす む。巫女 ふじょ はその後 ご アース神 しん 族 ぞく とヴァン神 かみ 族 ぞく の戦争 せんそう と、オーディンの息子 むすこ でロキ以外 いがい の万 まん 人 にん に愛 あい されたというバルドル の殺害 さつがい [ 注 ちゅう 6] について特徴 とくちょう を述 の べる。この後 のち 、巫女 ふじょ は未来 みらい への言及 げんきゅう に注意 ちゅうい を向 む ける。
バルドル の死 し から世界 せかい の終末 しゅうまつ が始 はじ まる
古 ふる き北欧 ほくおう における未来 みらい の展望 てんぼう は、冷 つめ たく荒涼 こうりょう としたものであった。同 おな じく北欧 ほくおう 神話 しんわ においても、世界 せかい の終末 しゅうまつ 像 ぞう は不毛 ふもう かつ悲観 ひかん 的 てき である。それは、北欧 ほくおう の神 かみ 々がユグドラシルの他 ほか の枝 えだ に住 す む者 もの に打 う ち負 ま かされる可能 かのう 性 せい があるということだけでなく、実際 じっさい には彼 かれ らは敗北 はいぼく する運命 うんめい にあり、このことを知 し りながら常 つね に生 い きていたという点 てん にも表 あらわ れている。
信 しん じられているところでは、最後 さいご に神 かみ 々の敵 てき 側 がわ の軍 ぐん が、神 かみ 々と人間 にんげん たちの兵士 へいし よりも数 かず で上回 うわまわ り、また制覇 せいは してしまう。ロキと彼 かれ の巨大 きょだい な子孫 しそん たちはその結束 けっそく を打 う ち破 やぶ る結果 けっか となり、ニヴルヘイムからやってくる死者 ししゃ が生 い きている者 もの たちを襲撃 しゅうげき する。見張 みは りの神 かみ であるヘイムダルが角笛 つのぶえ ギャラルホルン を吹 ふ くと共 とも に神 かみ 々が召喚 しょうかん される。こうして秩序 ちつじょ の神 かみ 族 ぞく と混沌 こんとん の巨人 きょじん 族 ぞく の最終 さいしゅう 戦争 せんそう ラグナロクが起 お こり、神 かみ 々はその宿命 しゅくめい としてこの戦争 せんそう に敗北 はいぼく する。
これについて既 すで に気 き づいている神 かみ 々は、来 き たる日 ひ に向 む けて戦死 せんし 者 しゃ の魂 たましい エインヘリャル を集 あつ めるが、巨人 きょじん 族 ぞく 側 がわ に負 ま け、神 かみ 々と世界 せかい は破滅 はめつ する。このように悲観 ひかん 的 てき な中 なか でも2つの希望 きぼう があった。ラグナロクでは神 かみ 々や世界 せかい の他 ほか に巨人 きょじん 族 ぞく もまたすべて滅 ほろ びるが、廃墟 はいきょ からより良 よ き新 あたら しい世界 せかい が出現 しゅつげん するのである。オーディンはフェンリルに飲 の み込 こ まれ、剣 けん を失 うしな っていたフレイ はスルトに敗 やぶ れ、トールとヨルムンガンド、テュール とガルム 、ロキとヘイムダルがそれぞれ相討 あいう ちになる。スルトによって炎 ほのお が放 はな たれ、全 ぜん 世界 せかい は海中 かいちゅう へと沈 しず む。このように神 かみ 々はラグナロクで敗北 はいぼく し殺 ころ されるが、ヴィーザル のようにごく一部 いちぶ の神 かみ は生 い き残 のこ り、またラグナロク後 ご の新 しん 世界 せかい ではバルドルとヘズのように蘇 よみがえ る者 もの もいる。
ただし、ラグナロク後 ご の展開 てんかい は解釈 かいしゃく や資料 しりょう によって異 こと なり、異 こと 版 ばん では新 あら たな世界 せかい が生 う まれることなく世界 せかい が滅亡 めつぼう するというものもある[ 3] 。
ラムスンド彫刻 ちょうこく 画 が に描 えが かれている『ヴォルスンガ・サガ』の一節 いっせつ
この神話 しんわ 文学 ぶんがく には超 ちょう 自然 しぜん 的 てき な生 い き物 もの たちもさることながら、英雄 えいゆう や王 おう たちの伝説 でんせつ にも関連 かんれん している。物語 ものがたり に登場 とうじょう する氏族 しぞく や王国 おうこく を設立 せつりつ した人物 じんぶつ たちは、実際 じっさい に起 お こったある特定 とくてい の出来事 できごと や国 くに の起源 きげん などの例証 れいしょう として、非常 ひじょう に重要 じゅうよう であるという。この英雄 えいゆう を扱 あつか った文学 ぶんがく は他 た のヨーロッパ文学 ぶんがく に見 み られる、叙事詩 じょじし と同様 どうよう の機能 きのう を果 は たし、民族 みんぞく の固有 こゆう 性 せい とも密接 みっせつ に関連 かんれん していたのではないかと考 かんが えられている。伝説 でんせつ 上 じょう の人物 じんぶつ はおそらく実在 じつざい したモデルがあったとされ、スカンディナヴィアの学者 がくしゃ たちは何 なん 代 だい にもわたって、サガ における神話 しんわ 的 てき 人物 じんぶつ から実際 じっさい の歴史 れきし を抽出 ちゅうしゅつ しようと試 こころ みているのである。
ウェーランド・スミス(鍛冶 たんや 師 し のヴィーラント)とヴォルンドル 、シグルズ とジークフリート 、スキールニル とスヴィプダグ 、盲目 もうもく の神 かみ ヘズ と英雄 えいゆう ホテルス 、そしておそらくはベオウルフ とボズヴァル・ビャルキ (英語 えいご 版 ばん )など、時折 ときおり ゲルマンのどの世界 せかい で叙事詩 じょじし が残存 ざんそん していたかにより、英雄 えいゆう も様々 さまざま な表現 ひょうげん 形式 けいしき で新 あら たに脚色 きゃくしょく される。他 ほか にも、著名 ちょめい な英雄 えいゆう にはハグバルズ、スタルカズ、ラグナル・ロズブローク (粗毛 ほぼけ ズボンのラグナル)、シグルズ金環 きんかん 王 おう 、イーヴァル広範 こうはん 王 おう (イーヴァル・ヴィーズファズミ)、ハラルド戦 せん 舌 した 王 おう (ハーラル・ヒルデタンド)などがいる。戦士 せんし に選 えら ばれた女性 じょせい 、盾 たて 持 も つ処女 しょじょ も著名 ちょめい である。女性 じょせい の役割 やくわり はヒロインとして、そして英雄 えいゆう の旅 たび に支障 ししょう をきたすものとして表現 ひょうげん されている。
ガムラ・ウプサラ 。11世紀 せいき 後期 こうき に破壊 はかい されるまで、スウェーデン における信仰 しんこう の中心 ちゅうしん 地 ち だった
ゲルマンの民族 みんぞく が現代 げんだい のような神殿 しんでん を築 きず くようなことは、まったくなかったかもしくは極 きわ めて稀 まれ なことであった。古代 こだい のゲルマンおよびスカンディナヴィアの人々 ひとびと により行 おこな われた礼拝 れいはい の慣例 かんれい ブロート(供 きょう 儀 ぎ )は、聖 せい なる森 もり で行 おこな われたとされるケルト人 じん やバルト人 じん のものと似通 にかよ っている。礼拝 れいはい は家 いえ の他 ほか にも、石 いし を積 つ み上 あ げて作 つく る簡素 かんそ な祭壇 さいだん ホルグで行 おこな われた。しかし、カウパング(シーリングサルとも)やライヤ(レイレとも)、ガムラ・ウプサラ のように、より中心 ちゅうしん 的 てき な礼拝 れいはい の地 ち が少 すく ないながら存在 そんざい していたように見 み える。ブレーメンのアダム は、ウプサラ にはトール・オーディン・フレイの3柱 はしら を模 も った木像 もくぞう (神像 しんぞう )が置 お かれる、神殿 しんでん があったと主張 しゅちょう している。真 ま ん中 なか には主神 しゅしん トールが鎮座 ちんざ していた。
聖職 せいしょく のようなものは存在 そんざい していたと思 おも われる一方 いっぽう で、ケルト社会 しゃかい における司祭 しさい ドルイド の位 い ほど、職業 しょくぎょう 的 てき で世襲 せしゅう によるものではなかった。これは、女性 じょせい 預言 よげん 者 しゃ 及 およ び巫女 ふじょ たちが、シャーマニズム 的 てき 伝統 でんとう を維持 いじ していたためである。ゲルマンの王権 おうけん は、聖職 せいしょく 者 しゃ の地位 ちい から発展 はってん したのだともよく言 い われている。この王 おう の聖職 せいしょく 的 てき な役割 やくわり は、王族 おうぞく の長 ちょう であり生贄 いけにえ の儀式 ぎしき を執 と り行 おこな っていた、ゴジ の全般 ぜんぱん 的 てき な役割 やくわり と同列 どうれつ である。シャーマニズム的 てき 考 かんが え方 かた を持 も っていた巫女 ふじょ たちも存在 そんざい してはいたが、宗教 しゅうきょう そのものはシャーマニズムの形態 けいたい をとっていない。
ガムラ・ウプサラ でのドーマルディ 王 おう の生贄 いけにえ 。カール・ラーション 『冬至 とうじ の生贄 いけにえ 』、1915年 ねん 。
ゲルマンの人間 にんげん の生贄 いけにえ を見 み た唯一 ゆいいつ の目撃 もくげき 者 しゃ の記述 きじゅつ は、奴隷 どれい の少女 しょうじょ が埋葬 まいそう される君主 くんしゅ と共 とも に自 みずか ら命 いのち を差 さ し出 だ したという、ルス人 じん の船 ふね 葬 そう について書 か かれたイブン・ファドラーン の記録 きろく の中 なか に残 のこ っている。他 ほか にも遠 とお まわしではあるが、タキトゥス やサクソ・グラマティクス 、そしてブレーメンのアダム の記述 きじゅつ に残 のこ っている。
しかし、イブン・ファドラーンの記述 きじゅつ は実際 じっさい には埋葬 まいそう の儀式 ぎしき である。現在 げんざい 理解 りかい されている北欧 ほくおう 神話 しんわ では、奴隷 どれい の少女 しょうじょ には「生贄 いけにえ 」という隠 かく された目的 もくてき があったのではという理解 りかい がなされた。北欧 ほくおう 神話 しんわ において、死体 したい 焼却 しょうきゃく 用 よう の薪 たきぎ の上 うえ に置 お かれた男性 だんせい の遺体 いたい に女性 じょせい が加 くわ わって共 とも に焼 や かれれば、来世 らいせ でその男性 だんせい の妻 つま になれるであろうという考 かんが え方 かた があったとも信 しん じられている。奴隷 どれい の少女 しょうじょ にとって、たとえ来世 らいせ であっても君主 くんしゅ の妻 つま になるということは、明 あき らかな地位 ちい の上昇 じょうしょう であった。
ヘイムスクリングラ では、スウェーデンの王 おう アウン が登場 とうじょう する。彼 かれ は息子 むすこ エーギル を殺 ころ すことを家来 けらい に止 と められるまで、自分 じぶん の寿命 じゅみょう を延 の ばすために自分 じぶん の9人 にん の息子 むすこ を生贄 いけにえ に捧 ささ げたと言 い われる人物 じんぶつ である。ブレーメンのアダムによれば、スウェーデン王 おう はウプサラの神殿 しんでん でユール の期間 きかん 中 ちゅう 、9年 ねん 毎 ごと に男性 だんせい の奴隷 どれい を生贄 いけにえ としてささげていた。当時 とうじ スウェーデン人 じん たちは国王 こくおう を選 えら ぶだけでなく王 おう の位 くらい から退 しりぞ けさせる権利 けんり をも持 も っていたために、飢饉 ききん の年 とし の後 のち に会議 かいぎ を開 ひら いて王 おう がこの飢饉 ききん の原因 げんいん であると結論 けつろん 付 づ け、ドーマルディ 王 おう と〈木 き 樵 こ り〉(トレーテルギャ)のオーラヴ 王 おう の両者 りょうしゃ が生贄 いけにえ にされたと言 い われている。
知識 ちしき を得 え るためユグドラシルの樹 き で首 くび を吊 つ ったという逸話 いつわ からか、オーディンは首吊 くびつ りによる死 し と結 むす びつけて考 かんが えられていた。こうしてオーディンさながら首吊 くびつ りで神 かみ に捧 ささ げられたと思 おも われる古代 こだい の犠牲 ぎせい 者 しゃ は窒息 ちっそく 死 し した後 のち に遺棄 いき されたが、ユトランド半島 はんとう のボグ では酸性 さんせい の水 みず と堆積 たいせき 物 ぶつ により完全 かんぜん な状態 じょうたい で保存 ほぞん された。近代 きんだい になって見 み つかったこれらの遺体 いたい が人間 にんげん が生贄 いけにえ とされた事実 じじつ の考古学 こうこがく 的 てき な裏付 うらづ けとなっており、この一 いち 例 れい がトーロン人 じん である。しかし、これらの絞首 こうしゅ が行 おこ なわれた理由 りゆう を明確 めいかく に説明 せつめい した記録 きろく は存在 そんざい しない。
829年 ねん 、ハウギのビョルン 王 おう によりスウェーデンに招 まね かれるキリスト教 きりすときょう の宣教師 せんきょうし 、アンスガル の1830年 ねん の描写 びょうしゃ
北欧 ほくおう 神話 しんわ を解釈 かいしゃく する上 じょう で重要 じゅうよう なのは、キリスト教徒 きりすときょうと の手 て により「キリスト教 きょう と接触 せっしょく していない」時代 じだい について書 か かれた記述 きじゅつ が含 ふく まれているという点 てん である。『散文 さんぶん のエッダ 』や『ヘイムスクリングラ』は、アイスランドがキリスト教化 きょうか されてから200年 ねん 以上 いじょう たった13世紀 せいき に、スノッリ・ストゥルルソンによって書 か かれている。これにより、スノッリの作品 さくひん に多 おお くのエウヘメリズム 思想 しそう が含 ふく まれる結果 けっか となった。
事実 じじつ 上 じょう 、すべてのサガ文学 ぶんがく は比較的 ひかくてき 小 ちい さく遠 とお い島々 しまじま のアイスランドから来 き たものであり、宗教 しゅうきょう 的 てき に寛容 かんよう な風土 ふうど ではあったものの、スノッリの思想 しそう は基本 きほん 的 てき にキリスト教 きりすときょう の観点 かんてん によって導 みちび かれている。ヘイムスクリングラはこの論点 ろんてん に興味深 きょうみぶか い見識 けんしき を備 そな える作品 さくひん である。スノッリはオーディンを、魔法 まほう の力 ちから を得 え 、スウェーデンに住 す む、不死 ふし ではないアジア大陸 たいりく の指導 しどう 者 しゃ とし、死 し んで半 はん 神 かみ となる人物 じんぶつ として登場 とうじょう させた。オーディンの神性 しんせい を弱 よわ めて描 えが いたスノッリはその後 ご 、スウェーデン王 おう のアウンが自身 じしん の寿命 じゅみょう を延 の ばすために、オーディンと協定 きょうてい を結 むす ぶ話 はなし を創 つく る。後 のち にヘイムスクリングラにおいてスノッリは、作品 さくひん 中 ちゅう のオーラヴ2世 せい がスカンディナヴィアの人々 ひとびと を容赦 ようしゃ なくキリスト教 きりすときょう へ改宗 かいしゅう させたように、どのようにしてキリスト教 きょう へ改宗 かいしゅう するかについて詳述 しょうじゅつ した。
偶像 ぐうぞう 崇拝 すうはい を禁 きん するユダヤ・キリスト教 きょう とはしばしば対立 たいりつ することもあった。
キリスト教化 きょうか されたノルウェーで行 おこな われていた、恐 おそ ろしい形式 けいしき の死刑 しけい 執行 しっこう 。オーラブ・トリグヴァソン 王 おう は男性 だんせい の魔法使 まほうつか い(セイズメン)を縛 しば り、引 ひ き潮 しお 時 じ にスケリー(skerry、岩 いわ の小島 こじま )へ置 お き去 ざ りにした
アイスランドでは内戦 ないせん を避 さ けるため全 ぜん 島民 とうみん がキリスト教 きりすときょう に改宗 かいしゅう した。キリスト教 きょう から見 み ての異教 いきょう 崇拝 すうはい は自宅 じたく での隠遁 いんとん の信仰 しんこう で耐 た え忍 しの んだが、数 すう 年 ねん 後 ご にその信仰 しんこう は失 うしな われた(「アイスランドのキリスト教化 きょうか 」を参照 さんしょう )。一方 いっぽう スウェーデンは、11世紀 せいき に一連 いちれん の内戦 ないせん が勃発 ぼっぱつ し、ウプサラの神殿 しんでん の炎上 えんじょう で終結 しゅうけつ する。イギリスでは、キリスト教化 きょうか がより早 はや く散発 さんぱつ 的 てき に行 おこな われ、稀 まれ に軍隊 ぐんたい も用 もち いられた。弾圧 だんあつ による改宗 かいしゅう は、北欧 ほくおう の神 かみ 々が崇拝 すうはい されていた地域 ちいき 全体 ぜんたい でばらばらに起 お こっている。しかし、改宗 かいしゅう は急 きゅう に起 お こりはしなかった。キリスト教 きょう の聖職 せいしょく 者 しゃ たちは、北欧 ほくおう の神 かみ 々が悪魔 あくま であると全力 ぜんりょく を挙 あ げて大衆 たいしゅう に教 おし え込 こ んだのだが、その成功 せいこう は限 かぎ られたものとなり、ほとんどのスカンディナヴィアにおける国民 こくみん 精神 せいしん の中 なか では、そうした神 かみ 々が悪魔 あくま に変 か わることは決 けっ してなかった。
キリスト教化 きょうか が行 おこな われた期間 きかん は、例 れい としてローヴェン島 とう やベルゲン を中心 ちゅうしん に描 えが かれている。スウェーデンの島 しま 、ローヴェン島 とう における墓 はか の考古学 こうこがく 的 てき 研究 けんきゅう では、キリスト教化 きょうか が150から200年 ねん かかったとされ、場所 ばしょ も王侯 おうこう 貴族 きぞく が住 す んでいた所 ところ に近 ちか かった。同様 どうよう に騒々 そうぞう しく貿易 ぼうえき が行 おこな われた町 まち ベルゲンでは、ブリッゲン碑文 ひぶん の中 なか に、13世紀 せいき のものと思 おも われるルーン文字 もじ の碑文 ひぶん が見 み つかっている。その中 なか にはトールに受 う け入 い れられますように、オーディンに認 みと められますように等 ひとし と書 か かれたものがあり、キリスト教化 きょうか が進 すす んでいる世界 せかい で、古 こ ノルド語 ご の魔術 まじゅつ ガルドル(セイズ (Seið) とも)も描 えが かれている。記述 きじゅつ の中 なか にはヴァルキュリャのスケグル に関 かん するものもあった。
14世紀 せいき から18世紀 せいき にかけての記述 きじゅつ はほとんどないものの、オラウス・マグヌス (1555年 ねん )のような聖職 せいしょく 者 しゃ は、古 ふる くから根 ね づく信仰 しんこう を絶滅 ぜつめつ させることの難 むずか しさを書 か いた。この物語 ものがたり はハグバルドとシグニュー の恋愛 れんあい 物語 ものがたり のように、快活 かいかつ に描 えが かれた『スリュムの歌 うた 』にも関連 かんれん しており、どちらも17世紀 せいき と19世紀 せいき 終 お わりごろに記録 きろく されたと考 かんが えられている。19世紀 せいき と20世紀 せいき に、スウェーデンの民族 みんぞく 学者 がくしゃ たちは一般 いっぱん の人々 ひとびと が信 しん じ、北欧 ほくおう 神話 しんわ における神 かみ 々の残存 ざんそん する伝承 でんしょう を記録 きろく したが、その当時 とうじ 伝承 でんしょう は結集 けっしゅう されたスノッリによる記述 きじゅつ の体系 たいけい からはかけ離 はな れたものであったという。トールは数々 かずかず の伝説 でんせつ に登場 とうじょう し、フレイヤは何 なん 度 ど か言及 げんきゅう されたが、バルドルは地名 ちめい に関 かん する伝承 でんしょう しか残 のこ っていなかったそうである。
特 とく にスカンディナヴィアの伝承 でんしょう における超 ちょう 自然 しぜん 的 てき な存在 そんざい のように、認知 にんち されてはいないが北欧 ほくおう 神話 しんわ の別 べつ の要素 ようそ も残 のこ されている。その上 うえ 、北欧 ほくおう の運命 うんめい の考 かんが え方 かた は現代 げんだい まで不変 ふへん のものであった。クリスマス に豚 ぶた を殺 ころ すスウェーデンのしきたり(クリスマス・ハム )など、ユール伝承 でんしょう の原理 げんり も多 おお くが信 しん じ続 つづ けられた。これはもともとフレイへの生贄 いけにえ の一部 いちぶ であった。
ゲルマンの神 かみ 々は現代 げんだい において、ゲルマン語 ご 派 は が話 はな されている多 おお くの国々 くにぐに における生活 せいかつ や語彙 ごい に数々 かずかず の足跡 あしあと を残 のこ している。一 いち 例 れい として、曜日 ようび の名称 めいしょう が挙 あ げられる。ラテン語 らてんご における曜日 ようび の名称 めいしょう (Sun, Moon, Mars, Mercury, Jupiter, Venus, Saturn)を基 もと にして作 つく られた火曜日 かようび から金曜日 きんようび までの名称 めいしょう は、それぞれのローマ神話 しんわ の神 かみ 々に相等 そうとう する北欧 ほくおう の神 かみ 々に取 と って代 か わった。英語 えいご の土曜日 どようび (Saturday)はサターン が起源 きげん とローマの神 かみ に由来 ゆらい するが、ドイツ語 ご では土曜日 どようび のザムスターク(Samstag)は Sabbath から付 つ けられたもので、スカンディナヴィア地方 ちほう では「洗濯 せんたく 日 び 」と呼 よ ばれている。
最近 さいきん ではヨーロッパとアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく の2つの地域 ちいき において、「ゲルマン・ネオペイガニズム 」(ゲルマン復興 ふっこう 異教 いきょう 主義 しゅぎ )として古 ふる きゲルマン宗教 しゅうきょう を復興 ふっこう しようとする試 こころ みが行 おこな われている。これらはアサトル 、オーディニズム、ヴォータニズム、フォーン・セド(Forn Sed)またはヒーゼンリィという名 な の元 もと に存在 そんざい している。アイスランドでは、アサトルが1973年 ねん に国家 こっか 公認 こうにん による宗教 しゅうきょう として認 みと められ、結婚 けっこん や子供 こども の名 な づけ方 かた 、その他 た の儀式 ぎしき においてこの宗教 しゅうきょう の介入 かいにゅう が合法 ごうほう 化 か された。アサトルはかなり新 あたら しい宗教 しゅうきょう ではあるものの、北欧 ほくおう 諸国 しょこく で公認 こうにん または合法 ごうほう の宗教 しゅうきょう として認知 にんち されている。
北欧 ほくおう 神話 しんわ はリヒャルト・ワーグナー の作品 さくひん 『ニーベルングの指 ゆび 環 たまき 』を構成 こうせい する4つのオペラ の題名 だいめい に使用 しよう され、同 おな じく北欧 ほくおう 神話 しんわ をモチーフにした他 ほか の作品 さくひん への基盤 きばん となった。
その後 ご に製作 せいさく された、J・R・R・トールキン の『指輪 ゆびわ 物語 ものがたり 』も、キリスト教化 きょうか 以前 いぜん の北方 ほっぽう ヨーロッパにおける固有 こゆう の信仰 しんこう に、非常 ひじょう に影響 えいきょう を受 う けた作品 さくひん と言 い える。この作品 さくひん が人気 にんき を呼 よ ぶにつれ、そのファンタジー要素 ようそ は人々 ひとびと の感性 かんせい や他 た のファンタジーのジャンルを、絶 た えず揺 ゆ り動 うご かしている。近代 きんだい 的 てき なファンタジー小説 しょうせつ にはエルフやドワーフ、氷 こおり の巨 きょ 人 じん など、北欧 ほくおう の怪物 かいぶつ たちが多 おお く登場 とうじょう する。のちの時代 じだい になって北欧 ほくおう 神話 しんわ は、大衆 たいしゅう 文化 ぶんか や文学 ぶんがく ・フィクションにおいて、多 おお くの影響 えいきょう を残 のこ しているのである。
#原典 げんてん 節 ふし のリンク先 さき の各 かく 記事 きじ も参照 さんしょう 。
入手 にゅうしゅ しやすいのは以下 いか 。
他 た に以下 いか がある。
^ フィンランド人 じん はゲルマンとは全 まった く系統 けいとう の違 ちが う民族 みんぞく である。
^ スノリのエッダ「詩語 しご 法 ほう 」に伝 つた えられる、ドヴェルグの兄弟 きょうだい ブロックとエイトリ との賭 か けに負 ま けたときのロキの姿 すがた 。
^ ただし「ギュルヴィたぶらかし」17章 しょう においては、さらに上 うえ に第 だい 二 に の天 てん アンドラング と第 だい 三 さん の天 てん ヴィーズブラーイン があるとされる。
^ 「ギュルヴィたぶらかし」9章 しょう の記述 きじゅつ による。「巫女 ふじょ の予言 よげん 」18節 せつ によればオーディン、ヘーニル 、ローズル の三 さん 神 かみ 。
^ それぞれウルズ (ウルド)、ヴェルザンディ (ヴェルダンディ)、スクルド という名 な で、各々 おのおの は過去 かこ 、現在 げんざい 、未来 みらい を司 つかさど る。
^ まだ若 わか かったヤドリギ 以外 いがい 、この世 よ に存在 そんざい するすべてのものは、バルドルを傷 きず つけられないと約束 やくそく されていた。しかし、ロキはこの唯一 ゆいいつ の弱 よわ みを利用 りよう し、ヤドリギ の矢 や を造 つく ってオーディンの息子 むすこ でありバルドルの兄弟 きょうだい でもある盲目 もうもく のヘズ を騙 だま して、矢 や を使 つか わせバルドルを殺 ころ すことに成功 せいこう する。ヘルは全 ぜん 世界 せかい の人々 ひとびと が嘆 なげ き悲 かな しむのであれば、彼 かれ を蘇 よみがえ らせようと言 い った、という内容 ないよう の物語 ものがたり 。
^ 底本 ていほん はG.ネッケル (英語 えいご 版 ばん ) ・H.クーン (英語 えいご 版 ばん ) 編 へん 『Edda』(Heidelberg 1962 第 だい 3版 はん )およびA.ホルツマルク ・J.ヘルガソン 編 へん 『Snorri Sturluson, Edda』(Stockholm 1950 第 だい 2版 はん )。奥付 おくづけ の編者 へんしゃ について、第 だい 1刷 さつ では「V.G.ネッケル , H.クーン, A.ホルツマルク, J.ヘルガソン」表記 ひょうき になっており、例 たと えば国立 こくりつ 国会図書館 こっかいとしょかん の書誌 しょし 情報 じょうほう (国立 こくりつ 国会図書館 こっかいとしょかん サーチ :R100000002-I000001274352 )もその表記 ひょうき となっているが、正 まさ しくは「G.ネッケル , H.クーン, A.ホルツマルク, J.ヘルガソン」。近年 きんねん の刷 すり では修正 しゅうせい されている(2021年 ねん 3月 がつ 25日 にち 第 だい 24刷 さつ で確認 かくにん )。
^ しかし時代 じだい 差 さ を含意 がんい する『古 こ エッダ』『新 しん エッダ』という名称 めいしょう は語弊 ごへい があるとして近年 きんねん では避 さ けられる傾向 けいこう にある。ピーター・オートン、伊藤 いとう 盡 つき 訳 やく 「異教 いきょう 神話 しんわ と宗教 しゅうきょう 」151頁 ぺーじ を参照 さんしょう 。
^ DR 284 Archived 2006年 ねん 5月 がつ 4日 にち , at the Wayback Machine .
^ 『世界 せかい の神話 しんわ 百科 ひゃっか ギリシア・ローマ/ケルト/北欧 ほくおう 』原 はら 書房 しょぼう 492頁 ぺーじ
以下 いか は、翻訳 ほんやく 元 もと の英語 えいご 版 ばん (Norse mythology )における出典 しゅってん である。
Modern retellings of ancient mythology are often inventive
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