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地震計 - Wikipedia

地震じしんけい

地震じしんさいれを計測けいそくする機器きき

地震じしんけい(じしんけい)は、地震じしんさいれを計測けいそくする機器ききである。

機械きかいしき地震じしんけい
気象庁きしょうちょう59しき光学こうがく電磁でんじ地震じしんけい、1990年代ねんだいなかばまで気象庁きしょうちょう主力しゅりょくとして使用しようされた

概要がいよう

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地震じしんけい地震じしんにより発生はっせいした地震動じしんどう地面じめんうごき)を計測けいそくし、記録きろくする機器ききである。震度しんどけい正確せいかくには「計測けいそく震度しんどけい」)は、地震じしんけい一種いっしゅであるが、計測けいそくされた地震動じしんどうから計測けいそく震度しんど算出さんしゅつする機能きのうをもつため、とく震度しんどけい別称べっしょうされている。

地震じしんけいは、地震動じしんどう計測けいそくするセンサーおよびそれらを記録きろくする計測けいそくシステムによって構成こうせいされる。

地震じしんけいは3次元じげん空間くうかんのXYZの3成分せいぶんのセンサーをそなえ、それらを直交ちょっこうする南北なんぼく東西とうざい上下じょうげかく方向ほうこうにそろえて設置せっちすることで、地面じめんさん次元じげんてきうごきを把握はあくできるように設置せっちすることが一般いっぱんてきである。しかしながら、観測かんそく目的もくてきによっては1つまたは2つの成分せいぶんのみ計測けいそくすることや、南北なんぼく東西とうざいとはことなる方位ほうい(たとえば、建築けんちく構造こうぞうぶつ平行へいこうきなど)にセンサーを配置はいちすることもある。

地震じしんけい目的もくてきおうじて多様たよう種類しゅるいがあり、ふるくは始皇帝しこうてい時代じだいすで存在そんざいした地震じしんれによりりゅうくわえたてつだま落下らっかする簡単かんたん仕組しくみのもの[ちゅう 1]から、地球ちきゅう裏側うらがわ発生はっせいした地震じしん人間にんげんにはかんじないようなわずかなれを検知けんちできるもの、震度しんど階級かいきゅう最大さいだい激震げきしんしょうじても記録きろくできるものまで様々さまざまである。

気象庁きしょうちょうでは各地かくち設置せっちされた地震じしんけい情報じょうほう集積しゅうせきし、はつふるえ時刻じこく震源しんげん決定けっていし、マグニチュード算出さんしゅつする。これにわせて、津波つなみ発生はっせい予測よそくおこなう。また、震度しんどけい情報じょうほうもリアルタイムで収集しゅうしゅう震度しんど情報じょうほうとして発表はっぴょうする。

初期しょき地震じしんけい

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一般いっぱん世界せかいはつ地震じしんけいとして紹介しょうかいされるのは中国ちゅうごくこうかん時代じだいちょうによる地震じしんけいである[1]。これはりゅうかたどったくち球体きゅうたい不安定ふあんていかれており、一定いっていおおきさのれがあるとしたにあるかえるかたどったくちちるというものである[1]

その地震じしんけい歴史れきしはかなりあいだがあき、18世紀せいき初頭しょとうのフランスでかんがされた地震じしんけいにまでくだ[1]。これはみぞけたさら水銀すいぎんたして、れによってあふ水銀すいぎんりょう地震じしん有無うむおおきさを推定すいていしようとするものである[1]

初期しょき地震じしんけい地震じしんれを時々刻々じじこくこく記録きろくするものではなく、たん一定いってい規模きぼ以上いじょうれが発生はっせいしたかどうかをるための道具どうぐであった[1]

実用じつようてき地震じしんけい

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近代きんだいてき地震じしんけい日本にっぽん発明はつめいされた[1]東京大学とうきょうだいがく理学部りがくぶ招聘しょうへいされたジェームズ・アルフレッド・ユーイング(James Alfred Ewing, 1855–1935)は、ジョン・ミルンらとともに1880ねん水平すいへいもちいた水平すいへいどう2成分せいぶん円盤えんばん記録きろくしき地震じしんけい製作せいさく実用じつようてき地震じしんけい完成かんせいさせた[2]。1893ねん日本にっぽん地震じしんけいシカゴ万国博覧会ばんこくはくらんかい (1893ねん)出品しゅっぴんされ、その先進せんしんせいたか評価ひょうかされた。地震じしん器械きかい発明はつめいはユーイングとミルン、地震じしん雛形ひながた発明はつめい関谷せきやきよしけい良工りょうこう製造せいぞう)は屋井やいみがくによるものだった[3]屋井やい(1919ねんぼつ)は浅草あさくさの「教育きょういくひん製造せいぞう合資ごうし会社かいしゃ社員しゃいん[4][5]電源でんげんには屋井やいさきぞう考案こうあん乾電池かんでんち使用しようされた[6]

地震じしんけい原理げんり

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地震じしんけい基本きほんてき動作どうさ原理げんり地震じしんけいなかはいっているおもり(おもり)を不動点ふどうてん仮定かていし、地表ちひょうめんれを相対そうたい変位へんいとして測定そくていする。これを極論きょくろんすると地球ちきゅう自転じてんわせて移動いどうするちゅういた状態じょうたいおもりがあり、おもり位置いちたいして地上ちじょう事物じぶつがどのくらいズレたかを測定そくていすることを意味いみする。

地震じしんけい構造こうぞうたんによって説明せつめいされる。ただしながさがすうセンチ程度ていど単純たんじゅんたん周期しゅうきみじかく、ごくたん周期しゅうき地震動じしんどうしかとらえることが出来できない。そこで様々さまざま方法ほうほう周期しゅうきばしがおこなわれている。単純たんじゅん方法ほうほうとしては、水平すいへいちかづけるというものがある[7]

また地震動じしんどう検知けんちしたあとはすみやかにれを減衰げんすいさせる必要ひつようがある。そのため、適切てきせつ減衰げんすい定数ていすうとなるように設計せっけいされる[8]。また微小びしょう地震動じしんどう検知けんちするために、倍率ばいりつげる工夫くふうもなされている[9]

水平すいへい方向ほうこうれにたいしてはおな仕組しくみの地震じしんけい南北なんぼく東西とうざい方向ほうこう配置はいちして検知けんちする。上下動じょうげどうれはおもりばねり、ばねのちぢみを利用りようして検知けんちする。

地震じしんけい種類しゅるい

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臨時りんじ地震じしん観測かんそくもちいられるオフラインがた地震じしんけいいちれい
 
気象庁きしょうちょう松代まつだい地震じしん観測かんそくしょだい坑道こうどう設置せっちされている地震じしんけい(STS-1,STS-2,etc)

地震じしんれは振幅しんぷくがマイクロメートルレベルのものからちょう周期しゅうきだい振幅しんぷくによるものまで様々さまざまである。たとえば人間にんげん気付きづかない微小びしょう地震じしんでは振幅しんぷくすうnm(ナノメートル)で振動しんどうすうすうじゅうHzであり、地割じわれがきるようなきょだい地震じしんでは振幅しんぷくかずm、周期しゅうきすうじゅうびょうから300びょうえる程度ていどにもになる。

地震じしんけい目的もくてき用途ようとおうじてつぎ種類しゅるい存在そんざいする。たとえば、地震じしん発生はっせい直後ちょくごおこなわれる臨時りんじ地震じしん観測かんそくでは機動きどうせいんだオフラインがたのデータロガーきの地震じしんけい併用へいよう緻密ちみつ観測かんそくもう短期間たんきかん構築こうちくすうヶ月かげつ余震よしん観測かんそくおこなわれる[10][11]

感度かんど測定そくてい周波数しゅうはすう帯域たいいきによる分類ぶんるい

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こう感度かんど地震じしんけい

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こう感度かんど地震じしんけい微小びしょう地震じしんによる振幅しんぷく検出けんしゅつおこなう。かん地震じしんとう微小びしょう地震じしん世界せかい各地かくち数多かずおおきておりこれらの情報じょうほう蓄積ちくせきすることで地殻ちかく構造こうぞう解析かいせきもちいられる。微小びしょう地震じしん活動かつどう研究けんきゅうは、地震じしん中長期ちゅうちょうきてき予測よそくにも貢献こうけんしている。

広帯域こうたいいき地震じしんけい

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測定そくてい周波数しゅうはすう範囲はんいひろく、だい地震じしん検知けんちとおはなれた震源しんげんから伝播でんぱするゆっくりしたれまで検知けんちし、おも地球ちきゅう深部しんぶ構造こうぞうである地殻ちかく研究けんきゅう震源しんげんメカニズムの解析かいせきもちいられる。このたね地震じしんけいではSTS-1またはSTS-2地震じしんけい主力しゅりょくである。温度おんど変化へんか気圧きあつ変化へんか敏感びんかんであるため地下ちかよこあなおく設置せっちされることがおおい。

  • IRISという国際こくさい機関きかんぜん世界せかいてき広帯域こうたいいき地震じしんけい観測かんそくネットワークを運用うんようしている。
  • 日本にっぽんでは、防災ぼうさい科学かがく技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょが F-net を運用うんようしている。

強震きょうしんけい震度しんどけい

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固有こゆう振動しんどうすうひくおもりもちい、つよれを記録きろくする。

震度しんどけい強震きょうしんけい一種いっしゅである。日本にっぽん地震じしん震度しんど観測かんそく発表はっぴょうは、気象庁きしょうちょう明治めいじ17ねん1884ねん以来いらい100ねん以上いじょうにわたってすべて職員しょくいん体感たいかんおこなわれていた。震度しんどけいは、気象庁きしょうちょう平成へいせい3ねん1991ねん)に世界せかいはじめて開発かいはつし、平成へいせい8ねん1996ねん)4がつからすべ震度しんどけいによる観測かんそくえ、体感たいかん観測かんそく廃止はいしした。[12]

日本にっぽんでは、くに機関きかん気象庁きしょうちょう防災ぼうさい科学かがく技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ国土こくど交通省こうつうしょう)や自治体じちたい大学だいがく民間みんかん企業きぎょう高速こうそく道路どうろ会社かいしゃ鉄道てつどう事業じぎょうしゃNTTガス会社かいしゃ電力でんりょく会社かいしゃ建設けんせつ会社かいしゃ)が独自どくじ地震じしん観測かんそくおこなっている。現在げんざい、これらかく機関きかん強震きょうしんけい設置せっち台数だいすう総合そうごうすると全国ぜんこくで10000だいえるといわれている。

震度しんど情報じょうほう国民こくみん生活せいかつへの影響えいきょうおおきいこともあり、地震じしん計測けいそくする地震じしんけい強震きょうしんけい)も改良かいりょうおこなわれている。これまでは身近みぢか構造こうぞうぶつ被害ひがいをもたらす固有こゆう周期しゅうきが0.5びょう-2びょうの「ややたん周期しゅうき」の地震じしん感度かんどのピークを設定せっていすることがおおかった。しかし近年きんねんはより長大ちょうだい構造こうぞうぶつ増加ぞうかし、固有こゆう周期しゅうきが2びょう-20びょうの「ややちょう周期しゅうき」にまで感度かんどのピークをひろげて設計せっけいしている。だい規模きぼ災害さいがいつながる断層だんそう地震じしんではさらに20びょう-200びょうちょう周期しゅうきあらわれることがられており、これを観測かんそくする強震きょうしんけい設計せっけいされている[13]

測定そくてい原理げんりによる分類ぶんるい

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サイズモけいサイズモけい分類ぶんるいされ、いずれももちいるセンサに機械きかいしき電気でんきしきがある。「サイズモ」とは英語えいごSeismometer地震じしんけい)、 Seismograph地震じしんけい)、Seismogram地震じしんぞう)などにある地震じしん意味いみする seism や地震じしん震動しんどう接頭せっとうの seism-、もしくは「地震じしんの」を意味いみする連結れんけつの seismo- を起源きげんとするかたりである。代表だいひょうてきなものを以下いかしめす:

  • サイズモけい地震じしんけい
    • 機械きかいしきセンサ
      • ウィーヘルトしき地震じしんけい
      • 石本いしもと-萩原はぎはらしき加速度かそくどけい
      • 機械きかいしきSMACがた強震きょうしんけい
    • 電気でんきしきセンサ
      • しるべでんがた
      • あつでんがた
      • 帰還きかんがた(サーボがた
        • 帰還きかんしき(フィードバックしき
        • ちから平衡へいこうしき(フォースバランスしき
      • ゆがけいかた
      • 容量ようりょうがた
      • どうトランスがた
  • サイズモけい地震じしんけい
    • 機械きかいしきセンサ
      • 落球らっきゅうしきかんふるえ
      • 転倒てんとうぼうしきかんふるえ
      • 摩擦まさつしきかんふるえ
    • 電気でんきしきセンサ
      • 光学こうがくしき振動しんどうセンサ
      • 電流でんりゅうしきセンサ
      • 容量ようりょうがたセンサ

測定そくてい対象たいしょうによる分類ぶんるい

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地震じしんれを速度そくど加速度かそくど変位へんい情報じょうほうとして記録きろくするために加速度かそくどけい(Accelerometer)・変位へんいけい速度そくどけい分類ぶんるいける。原理げんりてきには、非常ひじょうなが使つかうと変位へんいけいに、みじか使つかうと加速度かそくどけいに、振動しんどう粘性ねんせい流体りゅうたいちゅうにおくと速度そくどけいとなる。

一般いっぱんてきに、変位へんいもとめたい場合ばあいには加速度かそくどけい記録きろくを2かい積分せきぶんするか、速度そくどけい記録きろくを1かい積分せきぶんする。変位へんいけい記録きろくならば処理しょり必要ひつようがないが、変位へんいけい場合ばあいによってはながさをすうメートル、振動しんどう質量しつりょうすうひゃくキログラムにする必要ひつようがあるため、そのいがむずかしい。

現在げんざいれのおおきさについて、加速度かそくどけい記録きろくをそのままもちい、加速度かそくど単位たんいであるガルあらわすこともおおい。変位へんいりょうメートルあらわすこともある。

海底かいてい地震じしんけい

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海洋かいようそこでの地震じしん測定そくていする目的もくてき開発かいはつされ、設置せっちされる。海底かいていケーブルを使用しようしてデータを伝送でんそうする形式けいしきちょう音波おんぱでデータを水上すいじょう船舶せんぱくにむけて送信そうしんする機種きしゅ半導体はんどうたい記録きろく装置そうちそなえていて浮上ふじょう観測かんそく機材きざいともにデータを回収かいしゅうする機種きしゅがある。海底かいていケーブルを使用しようしてデータを伝送でんそうする機種きしゅはリアルタイムでデータを伝送でんそうできるので通常つうじょう観測かんそく並行へいこうして津波つなみ警報けいほう発令はつれいとう目的もくてき使用しようされる。

日本にっぽん使用しようされているおも地震じしんけい

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ミルン水平すいへい振子ふりこ地震じしんけい重要じゅうよう文化財ぶんかざい国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん展示てんじ
大森おおもりしき地震じしんけい松代まつだい地震じしん観測かんそくしょ資料しりょうしつ展示てんじひん
ガリッチンしき地震じしんけい国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん展示てんじ
今村いまむらしき三成分簡単地動計(今村いまむらしき2ばい強震きょうしんけい)。 測定そくてい感度かんどを2ばいおさえていたため関東かんとうだい地震じしんでも岐阜ぎふ観測かんそくしょでははりれずにデータを記録きろくした[14]
浮上ふじょうしき海底かいてい地震じしんけい
自己じこ浮上ふじょうしき海底かいてい地震じしんけい(OBS)
国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん展示てんじひん

すでに現役げんえき引退いんたいしたものもふくむ。

ミルン(Milne)しき地震じしんけい
機械きかいしき地震じしんけい。1894ねんごろジョン・ミルン日本にっぽん開発かいはつ記録きろく方式ほうしき光学こうがくしきせいうつわっていない。
大森おおもりしき地震じしんけい
機械きかいしき地震じしんけい変位へんいけい。1898ねんごろ大森おおもり房吉ふさきち東京大学とうきょうだいがく)が開発かいはつ固有こゆう周期しゅうきは10びょう程度ていど倍率ばいりつは20ばい程度ていど記録きろく方式ほうしきすす書式しょしき東京とうきょう設置せっちされ、当時とうじ日本にっぽん国内こくないおよび日本にっぽん国外こくがいひろ使用しようされていた。国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかんりゅうたかし天文台てんもんだい水沢みずさわVLBI観測かんそくしょ気象庁きしょうちょう松代まつだい地震じしん観測かんそくしょなどに現存げんそんする。
田中館たなかだてしき地震じしんけい
1900ねんごろ田中館たなかだて愛橘あいきつ開発かいはつてい倍率ばいりつとうばい)。蒸気じょうき機関きかんジェームズ・ワットによる平行へいこう運動うんどう装置そうちもちいた振子ふりこ水平すいへいどう2成分せいぶん計測けいそく使つかい、ぜんまいばねもちいた振子ふりこ上下動じょうげどう計測けいそく使つか風変ふうがわりな地震じしんけい明治めいじ後期こうきから大正たいしょうにかけて試験しけんてき強震きょうしんけいとして、東京とうきょう中央ちゅうおう気象台きしょうだい使用しようされた[15][16]
ウィーヘルト(Wiechert)しき地震じしんけい
機械きかいしき地震じしんけい変位へんいけい。1904ねんエミル・ウィーヘルト(ドイツ)が開発かいはつおもり質量しつりょうが1 t大型おおがたのものと200 kg水平すいへいどうよう)、80 kg(上下動じょうげどうよう)の小型こがたのものがある。記録きろく方式ほうしきすす書式しょしき。1 tのおもりのものは1つだけ現存げんそんし、長年ながねん京都きょうと大学だいがく所有しょゆうしていたが現在げんざい名古屋大学なごやだいがくにある。小型こがたのものは中央ちゅうおう気象台きしょうだいげん気象庁きしょうちょう)が輸入ゆにゅうし、全国ぜんこく気象台きしょうだい測候所そっこうじょ配備はいびした。
ガリッチン(Galitzin)しき地震じしんけい
世界せかいはつ電磁でんじしき地震じしんけい速度そくどけい。1907ねんボリス・ガリツィン英語えいごばん(ロシア)が開発かいはつ水平すいへいどうようはツェルナーがた水平すいへい振子ふりこ上下動じょうげどうようはユーイングがた上下じょうげ振子ふりこ使用しよう倍率ばいりつは1000ばい以上いじょう記録きろく方式ほうしき光学こうがくしき
大森おおもりしき強震きょうしんけい
機械きかいしき地震じしんけい大森おおもり房吉ふさきち開発かいはつ
今村いまむらしき強震きょうしんけい
機械きかいしき地震じしんけい今村いまむら明恒あきつね東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく)が開発かいはつ固有こゆう周期しゅうきは10びょう水平すいへいどうよう)、5びょう上下動じょうげどうよう)。倍率ばいりつてい感度かんど(2ばい)。記録きろく方式ほうしきすす書式しょしき関東かんとう地震じしん東京とうきょうれなどを記録きろく
佐々ささしき大震たいしんけい
機械きかいしき地震じしんけい変位へんいけい。1934ねん佐々ささ憲三けんぞう京都大学きょうとだいがく)が開発かいはつ記録きろく方式ほうしきすす書式しょしき京都きょうと大学だいがく阿武山あぶさん地震じしん観測かんそくしょ所蔵しょぞう
石本いしもとしき加速度かそくどけい
機械きかいしき地震じしんけい加速度かそくどけい。1931ねん水平すいへいどうよう)と1933ねん上下動じょうげどうよう)に石本いしもと巳四雄みしお開発かいはつ固有こゆう周期しゅうき0.1びょうたん周期しゅうき地震じしんけい
簡単かんたん微動びどうけい
気象台きしょうだい測候所そっこうじょ配備はいびされた。
プレスユーイングしき地震じしんけい
気象庁きしょうちょう50がた強震きょうしんけい
機械きかいしき強震きょうしんけい変位へんいけい。1950ねん開発かいはつ。51がたや52がたもある。固有こゆう周期しゅうきは6びょう水平すいへいどうよう)、5びょう上下動じょうげどうよう)。倍率ばいりつは1ばい記録きろく方式ほうしきすす書式しょしきまたはペンしき。1990年代ねんだいなかばまで気象庁きしょうちょう地震じしん観測かんそく主力しゅりょくであった。気象庁きしょうちょう87がた強震きょうしんけい配備はいび運用うんよう廃止はいしになったものがおおい。
気象庁きしょうちょう59がた地震じしんけい
光学こうがく電磁でんじしき地震じしんけい。1959ねん開発かいはつ倍率ばいりつは100ばい記録きろく方式ほうしきはペンしきまたはすす書式しょしき。1990年代ねんだいなかばまで気象庁きしょうちょうにおける地震じしん観測かんそく主力しゅりょくであった。
気象庁きしょうちょう61がた地震じしんけい
電磁でんじしき地震じしんけい。1961ねん開発かいはつ倍率ばいりつは200ばい記録きろく方式ほうしきはペンしき。1990年代ねんだいなかばまで気象庁きしょうちょうにおける遠地おんち地震じしん観測かんそく主力しゅりょくで、一部いちぶ気象きしょう官署かんしょ装備そうびされた。
気象庁きしょうちょう67がた地震じしんけい
電磁でんじしき地震じしんけい加速度かそくどけい。1961ねん開発かいはつ記録きろく方式ほうしき光学こうがくしき微少びしょう地震じしん観測かんそく使つかわれた。1990年代ねんだいなかばまで一部いちぶ気象きしょう官署かんしょ装備そうびされた。
SMACがた強震きょうしんけい
機械きかいしき強震きょうしんけい加速度かそくどけい。1953ねん強震きょうしん測定そくてい委員いいんかい開発かいはつ記録きろく方式ほうしきはペンしき最大さいだい1 G程度ていどまで計測けいそく可能かのう
DCがた強震きょうしんけい
きゅう建設省けんせつしょう開発かいはつ
気象庁きしょうちょう87がた強震きょうしんけい
電磁でんじしき強震きょうしんけい加速度かそくどけい測定そくてい範囲はんいは0.1〜10 Hzへるつ記録きろく方式ほうしきフロッピーディスク最大さいだい1 Gまで計測けいそく可能かのう気象庁きしょうちょう95がた震度しんどけい運用うんよう開始かいしにより運用うんよう廃止はいし
気象庁きしょうちょう95がた震度しんどけい
加速度かそくどけい震度しんど計器けいき測定そくていするために気象庁きしょうちょう開発かいはつ測定そくてい範囲はんいはDC〜41 Hzへるつ記録きろく方式ほうしきはICメモリーカード。最大さいだい2048 galまで計測けいそく可能かのう。1996ねんより運用うんよう開始かいし計測けいそく震度しんど計算けいさんする機能きのうがある。
K-NET95がた強震きょうしんけい
強震きょうしんけい加速度かそくどけいきゅう科学技術庁かがくぎじゅつちょう開発かいはつ記録きろく方式ほうしき内蔵ないぞうメモリー。18 bit、108 dB以上いじょうこうダイナミックレンジをち、最大さいだい2000 galまで計測けいそく可能かのう。1996ねん10がつより運用うんよう開始かいし全国ぜんこくに1000だい設置せっち
K-NET02がた強震きょうしんけい
ちから平衡へいこうしき強震きょうしんけい加速度かそくどけい。K-NET95がた強震きょうしんけい次世代じせだいばん記録きろく方式ほうしき内蔵ないぞうメモリ。K-NET95がたの10ばい分解能ぶんかいのうゆうし、最大さいだい4000 galまで計測けいそく可能かのう。2004ねん6がつより運用うんよう開始かいし
K-NET11がた強震きょうしんけい
K-NET02がた強震きょうしんけい後継こうけいとして開発かいはつ最大さいだいやく7800 galまで計測けいそく可能かのう
KiK-net11がた強震きょうしんけい
KiK-net02がた強震きょうしんけい後継こうけいとして開発かいはつ地表ちひょう設置せっちタイプでは最大さいだいやく7800 galまで計測けいそく可能かのう
STS-1がた地震じしんけい
帰還きかんしき広帯域こうたいいき地震じしんけい速度そくどけい。1982ねんにストレッカイセン(Streckeisen)らが開発かいはつ水平すいへいどうようはガーデンゲートがた水平すいへい振子ふりこ上下動じょうげどうよう半円はんえんがたいたばねのラコステがた上下じょうげ振子ふりこ使用しようしている。固有こゆう周期しゅうきは360びょう減衰げんすい定数ていすうは0.707である。
STS-2がた地震じしんけい
帰還きかんしき広帯域こうたいいき地震じしんけい速度そくどけい固有こゆう周期しゅうきは120びょうである。測定そくてい範囲はんいは0.008〜10 Hzへるつ最大さいだい0.014 m/sまで計測けいそく可能かのう
自己じこ浮上ふじょうしき海底かいてい地震じしんけい
OBS(Ocean Bottom Seismograph)、海面かいめんから自由じゆう落下らっかさせ、水深すいしん6,000 m程度ていどまで設置せっちすること出来できる。

設置せっち環境かんきょうによる影響えいきょう

編集へんしゅう

地震じしんけい設置せっち環境かんきょうによっては、本来ほんらい地盤じばん応答おうとう正確せいかく記録きろくできないことがある。日本にっぽん国内こくない発生はっせいした地震じしんにおいても、震度しんどけい周辺しゅうへんのものにくらべて際立きわだってたか結果けっかすことがある。その理由りゆうとして、地震じしんけい設置せっちされた地盤じばん路盤ろばんによるもの(がけ周辺しゅうへんどろへの設置せっちなど)と、地震じしんけいそのものの設置せっちじょうきょうによるもの(地震じしんけい土台どだいあいだ隙間すきまがあいている、地震じしんけいかたむいているなど)がある。

  • 1995ねん1がつ17にち - 兵庫ひょうごけん南部なんぶ地震じしん : 兵庫ひょうごけん神戸こうべなどで最大さいだい震度しんど7を観測かんそく大阪おおさか大阪おおさか中央ちゅうおうにある震度しんどけい震度しんど4をしめしたが、震源しんげんからとお京都きょうと京都きょうと震度しんどけい震度しんど5をしめした。それは気象庁きしょうちょう設置せっちした震度しんどけい地盤じばん強固きょうこ上町うえまち台地だいちにあり、実際じっさいよりも震度しんどひくた。日本道路公団にほんどうろこうだん阪神はんしん高速こうそく11ごう池田いけだせん設置せっちした震度しんどけいは、震度しんど7をしめした。
  • 2008ねん5月8にち - 茨城いばらきけんおき震源しんげんとする地震じしん : 茨城いばらきけん水戸みと栃木とちぎけん茂木もぎまち最大さいだい震度しんど5じゃく観測かんそく茂木もぎまち震度しんどけいでは、1キロ程度ていどはなれた位置いちのものが震度しんど3をしめしたことや、周辺しゅうへん住民じゅうみんから体感たいかん震度しんどちがうなどといったこえがあり調査ちょうさ結果けっか斜面しゃめんちかくに設置せっちされていたことから1〜2段階だんかいたか震度しんど表示ひょうじすることがわかった。2009ねんべつ場所ばしょ移設いせつ
  • 2008ねん6月14にち - 岩手いわて宮城みやぎ内陸ないりく地震じしん : こう感度かんど地震じしん観測かんそくもういち関西かんさい観測かんそくてん岩手いわてけん一関いちのせき)では、最大さいだい加速度かそくど4022ガルを観測かんそくしたが、観測かんそく施設しせつ設計せっけいじょう問題もんだいによりロッキング振動しんどうしょうじ、自由じゆう地盤じばん地表ちひょうそのまま)の加速度かそくど記録きろくしていなかった[17]。2013ねん現在げんざい観測かんそく施設しせつ休止きゅうしちゅう
  • 2008ねん7がつ24にち - 岩手いわてけん沿岸えんがん北部ほくぶ地震じしん : 岩手いわてけんようまち最大さいだい震度しんど6きょう観測かんそく。そのすうひゃくメートルはなれた位置いち仮設かせつ震度しんどけい設置せっちしたところ、既設きせつのものが1段階だんかい程度ていどたか観測かんそくをすることが判明はんめい確認かくにん震度しんど観測かんそくをやめたほか、気象庁きしょうちょうでの使用しよう中止ちゅうしした。
  • 2011ねん3月11にち東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい余震よしんでは、茨城いばらきけん鉾田ほこたにある震度しんどけい1箇所かしょつちうえ設置せっちされており、近隣きんりん震度しんどけいよりもたか結果けっかることがおおかった。4月21にちにこの震度しんどけい使用しよう中止ちゅうしされた。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ やや時代じだいがるが、132ねんにはちょうが、酒樽さかだるのようなかたちつぼのまわりに8つのりゅうをあしらった地震じしんけいどうつくっている。地震動じしんどう検知けんちするとりゅうくちからたまち、したかれたかえるがた容器ようきちておと仕組しくみであった。ちょう衡は138ねん3月1にちにはかん地震じしん検知けんちしている。地震じしん学会がっかい(1979)

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f 増田ますだとおる. “地震じしんわたしたち(5)”. 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん東北とうほく地質ちしつ調査ちょうさぎょう協会きょうかい. 2019ねん11月26にち閲覧えつらん
  2. ^ 大迫おおさこ正弘まさひろ. “ユーイングの円盤えんばん記録きろくしき地震じしんけいについて”. 国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん. 2019ねん11月29にち閲覧えつらん
  3. ^ 震災しんさい復興ふっこうめぐいち考察こうさつ藤尾ふじお直史なおふみ土木どぼく研究けんきゅう講演こうえんしゅう25ごう、2005ねん
  4. ^ 教育きょういくひん製造せいぞう合資ごうし会社かいしゃ東京とうきょう案内あんない. 下巻げかん東京とうきょう編纂へんさんがかり へん (はなぼう, 1907)
  5. ^ 幻燈げんとう使用しようほう 屋井やいみがくへん教育きょういくひん製造せいぞう会社かいしゃあかり22.12
  6. ^ 屋井やい乾電池かんでんち少年しょうねん日本にっぽん科学かがく. 進歩しんぽまき神田かんだたけさん ちょ (畝傍うねび書房しょぼう, 1942)
  7. ^ 宇津うつ(2001)、pp.15-18。
  8. ^ 宇津うつ(2001)、pp.19-20
  9. ^ 宇津うつ(2001)、pp.20-23
  10. ^ 新潟にいがたけん中越なかこし地震じしん震源しんげん隣接りんせついきにおける微小びしょう地震じしんかん さん総研そうけん 地質ちしつニュース607ごう,34―38ぺーじ,2005ねん3
  11. ^ 平成へいせい16ねん(2004ねん新潟にいがたけん中越なかこし地震じしん -臨時りんじ観測かんそくてん設置せっち震源しんげん分布ぶんぷ- 京都きょうと大学だいがく防災ぼうさいけん 地震じしん予知よち研究けんきゅうセンター
  12. ^ 気象庁きしょうちょう 1.震度しんどけい震度しんど観測かんそく体制たいせい (1)震度しんど観測かんそくについて
  13. ^ 防災ぼうさい科学かがく研究所けんきゅうじょ きょう振動しんどう基礎きそ 1.3.1 地震動じしんどう周期しゅうき区分くぶん
  14. ^ 10.今村いまむらしきばい強震きょうしんけい” (PDF). 岐阜ぎふけん博物館はくぶつかん (2011ねん9がつ). 2015ねん9がつ25にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2014ねん10がつ6にち閲覧えつらん
  15. ^ 田中館たなかだて地震じしんけい”. 理工りこうがく研究けんきゅう 電子でんし資料しりょうかん. 国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん. 2004ねん8がつ13にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2018ねん8がつ22にち閲覧えつらん
  16. ^ 濱田はまだ信生のぶお地震じしんけい写真しゃしん気象庁きしょうちょう地震じしん観測かんそく歴史れきし」(PDF)『けんふるえ時報じほうだい63かん3・4ごう気象庁きしょうちょう、2000ねん3がつ、97ぺーじISSN 134256842018ねん8がつ22にち閲覧えつらん 
  17. ^ 2008ねん岩手いわて宮城みやぎ内陸ないりく地震じしんのKiK-net いち関西かんさいにおけるだい加速度かそくど記録きろく成因せいいん推定すいてい 日本にっぽん地震じしんこう学会がっかいろん文集ぶんしゅう Vol.11 (2011) No.1 P 1_32-1_47

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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  • 早期そうき地震じしん検知けんち警報けいほうシステム
  • ユレダス沿線えんせん30 kmごと地震じしんけい設置せっちされ、情報じょうほう収集しゅうしゅうしている。
  • そらふるえけい火山かざんなどの噴火ふんかによる空気くうきれを検知けんち計測けいそくする機器きき
  • つきふるえけいつき地震じしんつきふるえ)を記録きろくする機器きき
  • GPSだい地震じしんではGPSでも地震じしんがとらえられている。
  • 傾斜けいしゃけいきわめて周期しゅうきなが地震動じしんどうをとらえる。
  • かく実験じっけんかく実験じっけん探知たんち目的もくてきから、おもにアメリカぐん導入どうにゅうにより世界中せかいじゅう地震じしんけい普及ふきゅうした。

外部がいぶリンク

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