坂東ばんどう眞砂子まさこ

坂東ばんどう 眞砂子まさこ（ばんどう まさこ、1958年ねん3月30日にち - 2014年ねん1月がつ27日にち）は、日本にっぽんの小説しょうせつ家か。ジャンクロード・ミッシェルとの共同きょうどう執筆しっぴつによる筆名ひつめいに梟ふくろう森もり 南みなみ溟（ふくもり なんめい）がある。

坂東ばんどう 眞砂子まさこ （ばんどう まさこ）
誕生たんじょう	1958年ねん3月30日にち 高知こうち県けん高岡たかおか郡ぐん斗賀とが野村のむら（現げん・佐川さがわ町まち）
死没しぼつ	(2014-01-27) 2014年ねん1月がつ27日にち（55歳さい没ぼつ）
職業しょくぎょう	小説しょうせつ家か
言語げんご	日本語にほんご
国籍こくせき	日本にっぽん
最終さいしゅう学歴がくれき	奈良女子大学ならじょしだいがく家政学部かせいがくぶ住居じゅうきょ学科がっか卒業そつぎょう
ジャンル	ホラー
主おもな受賞じゅしょう歴れき	直木なおき三十五さんじゅうご賞しょう（1996年ねん）

来歴らいれき

高知こうち県けん高岡たかおか郡ぐん佐川さがわ町まち生うまれ。土佐とさ高等こうとう学校がっこう、奈良女子大学ならじょしだいがく家政学部かせいがくぶ住居じゅうきょ学科がっか卒業そつぎょう。イタリアに留学りゅうがくし、ミラノ工科こうか大学だいがくやブレラ美術びじゅつ学院がくいんでインテリアデザインを学まなぶ。帰国きこく後ごは、フリーライターを経へて、寺村てらむら輝夫てるおの主催しゅさいする童話どうわ作家さっか育成いくせい雑誌ざっし「のん」で認みとめられ、児童じどう向むけファンタジー小説しょうせつで作家さっかとしてデビューする。後のちに一般いっぱん小説しょうせつに転向てんこうする。ホラー小説しょうせつと呼よばれるジャンルの作品さくひんも多おおいが、「死し」と「性せい」を主題しゅだいとした作品さくひんが特徴とくちょうである。

タヒチ（仏ふつ領りょうポリネシア）に在住ざいじゅうし、家庭かてい菜園さいえんで自足じそく自給じきゅうする生活せいかつを送おくっていたが、イタリアのリド島とう（リード・ディ・ヴェネツィア）に在住ざいじゅう後ご、故郷こきょうの高知こうちに戻もどり、2009年ねん6月がつにイタリアンカフェをオープンさせた。

「20世紀せいき末すえから21世紀せいき初頭しょとうの日本人にっぽんじんの前向まえむきな実感じっかんは食欲しょくよくと性欲せいよくしかないのではないか」と指摘してき。著書ちょしょ『愛あいを笑わらいとばす女おんなたち』の中なかで、「『すべての男おとこは、私わたしだけに夢中むちゅうになってほしい』どんな女おんなも、心しんの中なかにはこんな願望がんぼうを抱かかえている」「つつましい女おんなは『すべての』とはいわないで、『せめて一人ひとりの』とい換いかえるだろうが大差たいさはない」と語かたる。

2013年ねんに舌した癌がんが見みつかり、治療ちりょうを受うけていたが、2014年ねん1月がつ27日にち午前ごぜん11時じ13分ふん、高知こうち県けん高知こうち市しの病院びょういんで死去しきょした。55歳さい没ぼつ。

「子猫こねこ殺ごろし」

2006年ねん8月がつ11日にち、坂東ばんどう眞砂子まさこが「日本経済新聞にほんけいざいしんぶん」のコラムにて「天あまの邪鬼じゃくタマ」という題名だいめいで、飼かい犬いぬが産うんだ子犬こいぬを自分じぶんが「始末しまつした」という内容ないようのエッセイを掲載けいさいした。同月どうげつ18日にち、同どうコラムにて「子猫こねこ殺ごろし」という題名だいめいで、飼かい猫ねこが産うんだ子猫こねこを崖がけ下かに放ひり投なげ殺ころしているという内容ないようのエッセイを発表はっぴょうした。交尾こうびし子こを産うむのが雌めすという性せいを持もつ猫ねこにとっての幸しあわせであり、その幸しあわせを奪うばわないことと引ひき替かえに、坂東ばんどう自身じしんが育そだてられないとして子猫こねこをすぐに母はは猫ねこから引ひき離はなし、崖がけ下かへ放ひり投なげ殺ころすと述のべた。

同月どうげつ25日にち、これについて動物どうぶつ愛護あいご法ほうの主管しゅかん官庁かんちょうである環境省かんきょうしょうの小池こいけ百合子ゆりこ大臣だいじんは、「動物どうぶつ愛護あいごの面めんで残念ざんねん」と公式こうしき会見かいけんで述のべた。

同月どうげつ、日本にっぽん動物どうぶつ愛護あいご協会きょうかいは、上記じょうきエッセイが事実じじつであるのか、倫理りんり審査しんさ機関きかんがないのかについて日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃへ確認かくにんを求もとめる。日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃは、事実じじつに基もとづいたものであり、社内しゃない審査しんさ機関きかんを通過つうかしたものであると回答かいとうした。

同年どうねん9月がつ22日にち、「タヒチを領有りょうゆうするポリネシア政府せいふが動物どうぶつ虐待ぎゃくたいの疑うたがいで告発こくはつの動うごき」と報道ほうどうされた。また、坂東ばんどうは同日どうじつ付づけの「毎日新聞まいにちしんぶん」東京とうきょう夕刊ゆうかんで、同性愛どうせいあい・ハンセン病はんせんびょう患者かんじゃの例れいを示しめして反論はんろんすると共ともに、「充分じゅうぶんな調査ちょうさのない告発こくはつであれば言論げんろん弾圧だんあつだ」と述のべた。

坂東ばんどうの没後ぼつご掲載けいさいされた東野とうの圭吾けいごのコラムには、本件ほんけんについて坂東ばんどうが「二にメートル程度ていどの段差だんさ」の上うえから「子猫こねこを裏うらの草くさむらに捨すてた」が事実じじつであると主張しゅちょうしていたことが記しるされている。

受賞じゅしょう歴れき

• 第だい1回かいノンノ・ノンフィクション賞しょう
• 1982年ねん 第だい7回かい毎日まいにち童話どうわ新人しんじん賞しょう優秀ゆうしゅう賞しょう - 『ミルクでおよいだミルクひめ』
• 1994年ねん 第だい1回かい日本にっぽんホラー小説しょうせつ大賞たいしょう佳作かさく - 『蟲むし』
• 1996年ねん 第だい3回かい島しま清きよし恋愛れんあい文学ぶんがく賞しょう - 『桜さくら雨う』
• 1996年ねん 第だい116回かい直木賞なおきしょう - 『山やま妣』
• 2002年ねん 第だい15回かい柴田しばた錬三郎れんざぶろう賞しょう - 『曼荼羅まんだら道どう』

著書ちょしょ

1980年代ねんだい

• 『ミラノの風ふうとシニョリーナ イタリア紀行きこう』（あかね書房しょぼう 1986年ねん のち中ちゅう公文こうぶん庫こ）
• 『クリーニング屋やのお月つきさま』（理論りろん社しゃのようねんどうわ) 1987年ねん）
• 『はじまりの卵たまごの物語ものがたり』（理論りろん社しゃ 1989年ねん）

1990年代ねんだい

• 『メトロ・ゴーラウンド』（偕成社かいせいしゃ 1992年ねん）
• 『死し国こく』（マガジンハウス 1993年ねん のち角川かどかわ文庫ぶんこ） - 1999年ねんに東宝とうほう配給はいきゅうで映画えいが化か
• 『狗神いぬがみ』（角川書店かどかわしょてん 1993年ねん のち文庫ぶんこ） - 2001年ねんに東宝とうほう配給はいきゅうで映画えいが化か
• 『桃色ももいろ浄土じょうど』（講談社こうだんしゃ 1994年ねん のち新潮しんちょう文庫ぶんこ、角川かどかわ文庫ぶんこ）
• 『蛇へび鏡きょう』（マガジンハウス 1994年ねん のち文春ぶんしゅん文庫ぶんこ）
• 『蟲むし』（角川かどかわホラー文庫ぶんこ 1994年ねん）
• 『桜さくら雨う』（集英社しゅうえいしゃ 1995年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『屍かばねの声こえ』（集英社しゅうえいしゃ 1996年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『山やま妣』（新潮社しんちょうしゃ 1996年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『身辺しんぺん怪かい記き』（朝日新聞社あさひしんぶんしゃ 1997年ねん のち角川かどかわ文庫ぶんこ）
• 『満月まんげつの夜よる古池ふるいけで』（偕成社かいせいしゃ 1997年ねん のち角川かどかわ文庫ぶんこ）
• 『旅たび涯ての地ち』（角川書店かどかわしょてん 1998年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『ラ・ヴィタ・イタリアーナ』（集英社しゅうえいしゃ 1999年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『葛かずら橋きょう』（角川書店かどかわしょてん 1999年ねん のち文庫ぶんこ）

2000年代ねんだい

• 『神祭しんさい』（岩波書店いわなみしょてん 2000年ねん のち角川かどかわ文庫ぶんこ）
• 『愛あいを笑わらいとばす女おんなたち』（新潮社しんちょうしゃ 2000年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『13のエロチカ』（角川書店かどかわしょてん 2000年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『イタリア・奇蹟きせきと神秘しんぴの旅たび』（角川書店かどかわしょてん 2000年ねん 「聖ひじりアントニオの舌した」文庫ぶんこ）
• 『道祖土さいど家かの猿さる嫁よめ』（講談社こうだんしゃ 2000年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『愛あいと心しんの迷宮めいきゅう イタリアと日本にっぽん』（岩波書店いわなみしょてん 2001年ねん）
• 『曼荼羅まんだら道どう』（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう 2001年ねん のち集英社しゅうえいしゃ文庫ぶんこ）
• 『夢ゆめの封印ふういん』（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう 2002年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『わたし』（角川書店かどかわしょてん 2002年ねん）-自伝じでん小説しょうせつ
• 『善ぜん魂たましい宿やど』（新潮社しんちょうしゃ 2002年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『快楽かいらくの封筒ふうとう』（集英社しゅうえいしゃ 2003年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『岐かれ路ろ 春はる話ばなし二に十じゅう六ろく夜や』（新潮社しんちょうしゃ 2004年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『月つき待まちの恋こい 春はる話ばなし二に十じゅう六ろく夜や』（新潮社しんちょうしゃ 2004年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『梟首きょうしゅの島しま』（講談社こうだんしゃ 2005年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『血ちと聖きよし』（角川書店かどかわしょてん 2006年ねん）
• 『異国いこくの迷路めいろ』（JTBパブリッシング 2006年ねん のち新潮しんちょう文庫ぶんこ）
• 『天てん唄うた歌うたい』（朝日新聞社あさひしんぶんしゃ 2006年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『南洋なんようの島しま語かたり タヒチからの手紙てがみ』（毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ 2006年ねん）
• 『鬼おにに喰くわれた女おんな 今昔こんじゃく千せん年ねん物語ものがたり』（集英社しゅうえいしゃ 2006年ねん のち文庫ぶんこ）
• 『パライゾの寺てら 天国てんごく』（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう 2007年ねん）
• 『花はなの埋葬まいそう 24の夢想むそう曲きょく』（集英社しゅうえいしゃ文庫ぶんこ 2007年ねん）
• 『傀儡かいらい』（集英社しゅうえいしゃ 2008年ねん）のち文庫ぶんこ　
• 『鬼神きじんの狂乱きょうらん』（幻冬舎げんとうしゃ 2008年ねん）
• 『見知みしらぬ町まち』（岩波書店いわなみしょてん、2008年ねん）
• 『「子猫こねこ殺ごろし」を語かたる 生いき物ものの生なまと死しを幻想げんそうから現実げんじつへ』双そう風ふう舎しゃ 2009

2010年代ねんだい

• 『ブギウギ』（角川書店かどかわしょてん 2010年ねん）のち文庫ぶんこ　
• 『独立どくりつ・土佐とさ黒潮くろしお共和きょうわ国こく やっちゃれ、やっちゃれ!（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう 2010年ねん）
• 『天狗てんぐ小僧こぞう魔境まきょう異聞いぶん』（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう 2011年ねん 「貌孕み」文庫ぶんこ）
• 『くちぬい』（集英社しゅうえいしゃ 2011年ねん）のち文庫ぶんこ
• 『逢はなくもあやし』（集英社しゅうえいしゃ文庫ぶんこ・書かき下おろし 2011年ねん）
• 『朱鳥あすかの陵りょう』（集英社しゅうえいしゃ 2012年ねん）のち文庫ぶんこ
• 『隠かくされた刻こく(とき)』新潮社しんちょうしゃ 2013
• 『眠ねむる魚さかな』集英社しゅうえいしゃ 2014
• 『瓜ふり子こ姫ひめの艶つや文ぶん』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ 2014

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