学校法人は、設立母体としてはほとんどが民間によるものであるが、中には以下のように公的な性格を有するものも存在する。
また、地方自治体が設立した公設民営方式の学校法人も存在する。
なお私立学校法は、学校法人でない者は、その名称中に「学校法人」という文字を用いてはならないと規定する[1]が、会社法などと異なり、学校法人の名称に特定の文字を含めることを義務づける規定を設けていない。そのため、以下のようなものも存在する。
第二次世界大戦前には、私立学校は民法上の財団法人により設置されていたが、戦後の私立学校法により、学校を運営するための財団法人の特殊な形として学校法人が定められた[2]。設立には一定額以上の基本財産の寄付が必要で、法人の基本規則を定めるものは定款ではなく寄附行為となる。一般財団法人は、根拠法が民法から一般社団法人及び一般財団法人に関する法律になった際、基本規則を定めるものが寄附行為から定款に変更されたが、学校法人は寄附行為のままである。
なお、一般的な財団法人と異なる点は、
- 理事長及び設置する学校の長も含め5人以上の理事や2人以上の監事を置くこと(私立学校法第35条)。なお、理事長は、学校法人の役員であり、学校の長である校長と兼務することもあるが、本来は別個の役職である。
- 法人運営に広く学校法人の教職員や卒業生等の意見をとり入れるため理事の2倍を超える数の評議員で組織する評議員会が必置機関であること(私立学校法第41条)
など、学校の設置者としての特則が設けられていることである。
また、一般の事業法人(会社)と異なる点は、
- 合併及び破産手続開始の決定を事由とする場合を除き、解散する時は、残余財産を他の学校法人等に帰属させること(第51条第3項)
- 解散命令など所轄庁の監督権限についても法律上規定したこと
など、公教育を行う主体にふさわしい公共的な性格を高めるための様々な制度的仕組みが設けられていることである。
公益法人である学校法人は税制面で優遇され、その収益について基本的に非課税とされる。
ただし教育事業以外の収益事業における収益については法人税が課税されるが、普通法人の法人税率が25.5パーセントであるのに対して、学校法人は中小企業者や協同組合等と同じく19パーセントとなるほか、消費税などその他の国税及び各種地方税についても様々な減免措置が講じられている。[3][4]
なお収益事業の例としては、学校教育のリソースを活用した一般対象の教養講座や資格取得講座、研究成果に基づくコンサルティング事業、保有不動産の賃貸借事業・資格試験や発表会等の会場貸しが挙げられる。
準学校法人は「専修学校又は各種学校の設置のみを目的とする法人」(私立学校法第64条第4項)であり、いわゆる一条校以外の教育施設のみを運営する法人である。準学校法人は、同条第6項の規定により認可を受けて学校法人となり、また学校法人が、同条第6項の規定により認可を受けて準学校法人となることができる。なお、準学校法人というい方は、法律上のものではない。また準学校法人は、名称中に「学校法人」を使用できる(第65条ただし書)ため、「学校法人」と「準学校法人」の区別は難しい。
学校法人を表す㈻が「全角括弧付き学」としてUnicodeに含まれている。
記号 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
名称
|
㈻ |
U+323B |
- |
㈻
㈻ |
全角括弧付き学 PARENTHESIZED IDEOGRAPH STUDY
|
㊫ |
U+32AB |
- |
㊫
㊫ |
丸学 CIRCLED IDEOGRAPH STUDY
|