小宮山こみやま量平りょうへい

小宮山こみやま 量平りょうへい（こみやま りょうへい、1916年ねん5月12日にち - 2012年ねん4月がつ13日にち）は、日本にっぽんの編集へんしゅう者しゃ、元もと理論りろん社しゃ社長しゃちょう。

来歴らいれき・人物じんぶつ

長野ながの県けん上田うえだ市しの酒屋さかやに生うまれる。2歳さいで母はは、10歳さいで父ちちと死別しべつ。父ちちの死後しごまもなく酒屋さかやは破産はさんし、一家いっか離散りさんとなる。小学校しょうがっこう5年生ねんせいのとき、親戚しんせき（叔母おば）を頼たより東京とうきょうに転校てんこう。小学校しょうがっこう卒業そつぎょう後ごは、第だい一いち銀行ぎんこうで渋沢しぶさわ敬三けいぞうの給仕きゅうじをして働はたらきながら大倉おおくら商業しょうぎょう学校がっこう（東京経済大学とうきょうけいざいだいがくの前身ぜんしん）の夜よる間あいだ部ぶに通かよう。在学ざいがく中ちゅう、左翼さよく運動うんどうサークルを結成けっせい。しかし、特別とくべつ高等こうとう警察けいさつに勾留こうりゅうされ拷問ごうもんを受うけて転向てんこう。釈放しゃくほう後ご、特高とっこう警官けいかん（給仕きゅうじ時代じだいの先輩せんぱいの父親ちちおや）から支援しえんを受うけ、旧制きゅうせい中学校ちゅうがっこうへの編入へんにゅうと卒業そつぎょう資格しかくを得えて、東京とうきょう商科しょうか大学だいがく（現げん一橋大学ひとつばしだいがく）専せん門部かとべに進学しんがく。在学ざいがく中ちゅうから雑誌ざっし「統制とうせいと経済けいざい」の編集へんしゅうを手掛てがける。1939年ねんに大学だいがく専門せんもん部ぶを修了しゅうりょうし、旭硝子あさひがらすに入社にゅうしゃ。1940年ねん旭川あさひかわで大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん第だい7師団しだんに入営にゅうえい。陸軍りくぐん少尉しょういとして、アッツ島とうの戦たたかいで日本にっぽん軍ぐんが玉砕ぎょくさいしたことを受うけたキスカ島とう撤退てったい作戦さくせんで、幌ほろ筵むしろ島とうから小樽おたる港こうまで兵力へいりょく撤収てっしゅうの輸送ゆそうを先頭せんとう砕氷さいひょう船せんで指揮しきした。

戦後せんご、1947年ねん理論りろん社しゃを創業そうぎょう、編集へんしゅう者しゃ、社長しゃちょう、会長かいちょうとして活動かつどうし、恩師おんしである杉本すぎもと栄一えいいちの『近代きんだい経済けいざい学がくの解明かいめい』を問答もんどう形式けいしきに再さい編集へんしゅうして出版しゅっぱんするなど、知識ちしき人じんや学生がくせい層そうに多数たすうの読者どくしゃを得えた。また今こん江こう祥智よしとも、灰はい谷たに健次郎けんじろうなど多おおくの児童じどう文学ぶんがく作家さっかを世よに出だした。

1990年代ねんだいに東京とうきょうから故郷こきょう上田うえだ市しに拠点きょてんを移うつす。1998年ねん「千曲川ちくまがわ」第だい一部いちぶで路傍ろぼうの石いし文学ぶんがく賞しょう特別とくべつ賞しょう受賞じゅしょう。編集へんしゅう者しゃとしての功績こうせきにより2001年ねん信しんじ毎ごと賞しょう（信濃しなの毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ主催しゅさい）受賞じゅしょう。晩年ばんねんは小説しょうせつ「希望きぼう－エスポワール」を執筆しっぴつ。

2008年ねん4月がつに設立せつりつした「子こどもの本ほん・九きゅう条じょうの会かい」発起人ほっきにん（全ぜん12名めい）だった。

2012年ねん2月がつに転倒てんとうして骨折こっせつ。同年どうねん4月がつ13日にちに老衰ろうすいで死去しきょ。自宅じたくで、長女ちょうじょに「ありがとう、ありがとう。おもしろかったね」と語かたりかけたのが最後さいごの言葉ことばだった。葬儀そうぎ・告別こくべつ式しきは本人ほんにんの希望きぼうで行おこなわれなかった。95歳さい没ぼつ。

著書ちょしょ

• チャップリン 笑わらいと涙なみだの芸術げいじゅつ家か 滝平たきだいら二郎にろう絵え 岩崎いわさき書店しょてん、1964
• 編集へんしゅう者しゃとは何なにか 危機ききの時代じだいの創造そうぞう 日本にっぽんエディタースクール出版しゅっぱん部ぶ 1983.5
• 子こどもの本ほんをつくる 創作そうさく児童じどう文学ぶんがくの時代じだい 日本にっぽんエディタースクール出版しゅっぱん部ぶ 1984.5
• 出版しゅっぱんの正せい像ぞうを求もとめて 戦後せんご出版しゅっぱん史しの覚書おぼえがき 日本にっぽんエディタースクール出版しゅっぱん部ぶ 1985.6
• 昭和しょうわ時代じだい落穂おちぼ拾ひろい “回帰かいきの時代じだい"によせて 週刊しゅうかん上田うえだ新聞しんぶん社しゃ 1994.2
• 千曲川ちくまがわ そして、明日あしたの海うみへ 理論りろん社しゃ 1997.6
• やさしさの行いくえ“受容じゅようの時代じだい"によせて（昭和しょうわ時代じだい落穂おちぼ拾ひろい2）週刊しゅうかん上田うえだ新聞しんぶん社しゃ 1997.12
• 千曲川ちくまがわ 第だい2部ぶ 青春せいしゅん彷徨ほうこう 理論りろん社しゃ 1997.6
• 千曲川ちくまがわ 第だい3部ぶ 青春せいしゅん回帰かいき 理論りろん社しゃ 2000.10
• 20世紀せいき人じんのこころ “漸進ぜんしんの時代じだい"によせて 昭和しょうわ時代じだい落穂おちぼ拾ひろい 3 週刊しゅうかん上田うえだ新聞しんぶん社しゃ 2001.2
• 千曲川ちくまがわ 第だい4部ぶ 青春せいしゅん新生しんせい 理論りろん社しゃ 2002.4
• 悠ゆう吾われよ! 明日あしたのふるさと人じんへ こぶし書房しょぼう 2006.3
• 地ちには豊ゆたかな種子しゅしを 自然しぜんと人間にんげん社しゃ企画きかく・監修かんしゅう Editor's Museum小宮山こみやま量平りょうへいの編集へんしゅう室しつ 2006.8
• 自立じりつ的てき精神せいしんを求もとめて 季刊きかん『理論りろん』の時代じだい こぶし書房しょぼう 2008.12

編著へんちょ

• 出版しゅっぱん企画きかく 企画きかく革命かくめいの時代じだい 出版しゅっぱん開発かいはつ社しゃ 1978.12
• 99の人生じんせいとの出会であい 理論りろん社しゃ 1981.11
• 日本にっぽん出版しゅっぱんクラブ三さん十じゅう年ねん史し 戦後せんご出版しゅっぱん史しへの一いち証言しょうげん 日本にっぽん出版しゅっぱんクラブ 1987.2

翻訳ほんやく

• 動物どうぶつ社会しゃかいの歴史れきし 文明ぶんめいと文化ぶんかにおよぼすその影響えいきょう リヒアルト・レヴィンゾーン 加茂かも儀一ぎいち共とも訳やく 理論りろん社しゃ 1957

出典しゅってん

• 「郷土きょうど歴史れきし人物じんぶつ事典じてん 長野ながの」第だい一いち法規ほうき 1978年ねん

外部がいぶリンク

• 小宮山こみやま量平りょうへいの編集へんしゅう室しつ[1]