巣す穴あな

巣す穴あな（すあな、そうけつ）は動物どうぶつが居住きょじゅうに適てきした空間くうかんや一時いちじ的てきな避難ひなん所しょとするため、あるいは移動いどうの副産物ふくさんぶつとして地中ちちゅうに作つくる穴あなもしくはトンネルである。巣す穴あなは捕食ほしょくや風雨ふううからの避難ひなん場所ばしょとなるため、成果せいかの中なかで穴あなを掘ほる動物どうぶつは非常ひじょうに多おおい。また一般いっぱん的てきにある種しゅの生なま痕あと化石かせきとして保存ほぞんされる。

巣す穴あなから現あらわれたオグロプレーリードッグの親子おやこ

イスラエル南部なんぶにあるジュラ紀じゅらきの石灰岩せっかいがんに残のこされた甲殻こうかく類るいの巣す穴あな

ロシア、クストヴォ近郊きんこうのヴォルガ川がわの岸辺きしべに作つくられた鳥とりの巣す穴あな

同おなじ巣す穴あなに住すむ同居どうきょする動物どうぶつを住すみ込こみ共生きょうせい生物せいぶつという。

例れい

巣す穴あなを作つくる動物どうぶつの例れいとしては多数たすうの哺乳類ほにゅうるい、両生類りょうせいるい、魚類ぎょるい（ネズッポ科か、肺魚はいぎょ）、爬虫類はちゅうるい、鳥類ちょうるい（小型こがたの恐竜きょうりゅうを含ふくむ）などの他ほか昆虫こんちゅう、クモ、ウニ、甲殻こうかく類るい、二枚貝にまいがい、蠕虫など多数たすうの無む脊椎動物せきついどうぶつも含ふくまれる。

各かく動物どうぶつが構築こうちく、使用しようする巣す穴あなの基もと材ざいは非常ひじょうに多様たようである。この中なかで哺乳類ほにゅうるいはおそらく最もっともよく知しられ、特とくに食しょく虫むし目めのモグラ、ホリネズミやウッドチャックといったげっ歯は類るいが特とくに有名ゆうめいである。ウサギ科かの種たねはよく知しられた掘ほ穴あな動物どうぶつである。1個いっこ体からだのウッドチャックの巣す穴あなを形成けいせいするのに20 kgの泥どろが排出はいしゅつされるとの推定すいていがある。ミーアキャットのような食肉しょくにく類るいや有ゆう袋ぶくろ類るいも巣す穴あなを作つくる。おそらく最大さいだいの掘ほ穴あな動物どうぶつはホッキョクグマであり、雪ゆきもしくは地面じめんに産室さんしつ巣す穴あなを作つくる。

鳥類ちょうるいの巣す穴あなは軟やわらかい土壌どじょうに作つくられることが多おおい。ある種しゅのペンギンや他たの漂泳性せいの海鳥うみどりでこういった巣す穴あながよく見みられる。マゼランペンギンはこのような巣す穴あなをつくる鳥とりの一いち例れいであり、チリからアルゼンチンにかけてのパタゴニア地域ちいきで海岸かいがん沿ぞいに巣す穴あなを作つくる 。他たの掘ほ穴あな性せい鳥類ちょうるいとしてはツノドリ類るい、カワセミ類るい、ハチクイ類るいがいる。

巣す穴あなは多種たしゅ多様たような基もと材ざいで作つくられる。カンガルーマウスは細こまかい砂すなに巣す穴あなを作つくる。疥癬かいせんの原因げんいんとなるヒゼンダニは感染かんせんした動物どうぶつや人間にんげんの皮膚ひふに巣す穴あなを作つくる。シロアリは樹木じゅもくに巣す穴あなを作つくる。ある種しゅのウニや二枚貝にまいがいは岩石がんせきの中なかに巣す穴あなを作つくることが出来できる。数かずセンチメートルの単純たんじゅんな筒つつ状じょうから、ウサギのもののように内部ないぶで相互そうごに連絡れんらくした複雑ふくざつなトンネルや房ぼうを持もち全体ぜんたいで長ながさ数すう百ひゃくから数すう千せんメートルにおよぶものまで存在そんざいする。