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日本の児童虐待 - Wikipedia

日本にっぽん児童じどう虐待ぎゃくたい

日本にっぽんにおける児童じどう虐待ぎゃくたい児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしとうかんする法律ほうりつ禁止きんしされており、厚生こうせい労働省ろうどうしょう所管しょかんしている[1]かく都道府県とどうふけんには児童じどう福祉ふくしほう根拠こんきょに、児童じどう相談そうだんしょ設置せっちされており、一時いちじ保護ほご施設しせつ(シェルター)[2]そなえている。虐待ぎゃくたい児童じどう福祉ふくしほうもとづくよう保護ほご児童じどう対象たいしょうである。

児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしほう通報つうほう義務ぎむさだめており(6じょう)、虐待ぎゃくたいうたがわれるケースや虐待ぎゃくたいけている可能かのうせいのある児童じどう見聞みききした場合ばあいは、 すみやかに福祉ふくし事務所じむしょもしくは児童じどう相談そうだんしょ通告つうこくしなければならない。児童じどう相談そうだんしょは、児童じどう相談そうだんしょ全国ぜんこく共通きょうつうダイヤルとして189(いちはやく)[3])をさだめており、2019ねん12月3にちより189は通話つうわりょう無料むりょうされた[4]

日本にっぽんでの定義ていぎ

編集へんしゅう

日本にっぽん児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしとうかんする法律ほうりつだい2じょうでは、「児童じどう虐待ぎゃくたい」を、「保護ほごしゃ親権しんけんおこなもの未成年みせいねん後見人こうけんにんそのもので、児童じどうげん監護かんごするものをいう)がその監護かんごする児童じどう(18さいたないもの)にたいし、つぎかかげる行為こういをすること」としている。

  • いち 児童じどう身体しんたい外傷がいしょうしょうじ、またしょうじるおそれのある暴行ぼうこうくわえること。
  • 児童じどうにわいせつな行為こういをすることまた児童じどうをしてわいせつな行為こういをさせること。
  • さん 児童じどう心身しんしん正常せいじょう発達はったつさまたげるようないちじるしい減食げんしょくまた長時間ちょうじかん放置ほうち保護ほごしゃ以外いがい同居どうきょじんによるまえごうまた次号じごうかかげる行為こうい同様どうよう行為こうい放置ほうちその保護ほごしゃとしての監護かんごいちじるしくおこたること。
  • よん 児童じどうたいするいちじるしい暴言ぼうげんまたいちじるしく拒絶きょぜつてき対応たいおう児童じどう同居どうきょする家庭かていにおける配偶はいぐうしゃたいする暴力ぼうりょく配偶はいぐうしゃ婚姻こんいん届出とどけでをしていないが、事実じじつじょう婚姻こんいん関係かんけい同様どうよう事情じじょうにあるものふくむ。)の身体しんたいたいする不法ふほう攻撃こうげきであって生命せいめいまた身体しんたい危害きがいおよぼすものおよびこれにじゅんずる心身しんしん有害ゆうがい影響えいきょうおよぼす言動げんどうをいう。)その児童じどういちじるしい心理しんりてき外傷がいしょうあたえる言動げんどうおこなうこと。

日本にっぽんでは1933ねん昭和しょうわ8ねん3月24にち、14さい未満みまん児童じどう虐待ぎゃくたい禁止きんしすることを目的もくてきとした児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしほう衆議院しゅうぎいんにおける修正しゅうせい貴族きぞくいん成立せいりつ同年どうねん10がつ1にちから施行しこうされた[5]児童じどう虐待ぎゃくたい具体ぐたいてきな6行為こういについては、内務省ないむしょうれいつぎとお規定きていされた[6]

  • 不具ふぐ畸形児童じどう観覧かんらんきょうする行為こうい
  • 乞食こじき
  • 軽業かるわざ曲馬きょくばその危険きけんなる業務ぎょうむにして娯楽ごらくようきょうするもの
  • 々につき、または道路どうろにおいて物品ぶっぴん販売はんばいする業務ぎょうむおも辻占つじうらはな新聞しんぶんりなどを想定そうていしたもの)
  • 々につき、または道路どうろにおいて歌舞かぶ遊芸ゆうげいそのしょげいえんずる業務ぎょうむ獅子ししまい漫才まんざい、その門付かどづけなどを想定そうてい
  • 芸妓げいぎ酌婦しゃくふそのしゅあいだ斡旋あっせんをなす業務ぎょうむ

出生しゅっしょうりつ減少げんしょう少子化しょうしか)の影響えいきょう1980年代ねんだいなかばには措置そち児童じどう減少げんしょうし、補助ほじょきん削減さくげんされ、公立こうりつ施設しせつにおいてはその予算よさん福祉ふくし施設しせつにまわすため閉鎖へいさされるなどの状況じょうきょう存続そんぞく危機ききにさらされていた児童じどう養護ようご施設しせつが、国連こくれん日本にっぽん弁護士べんごしかいから国連こくれんどもの権利けんり条約じょうやく批准ひじゅん要請ようせいされるという衝撃しょうげきおよびマスコミによる家庭かていない児童じどう虐待ぎゃくたいの「発見はっけん」、民間みんかんのホットライン開設かいせつによる児童じどう虐待ぎゃくたい注目ちゅうもくにより、90年代ねんだいにはあらたな社会しゃかいてき役割やくわり期待きたい直面ちょくめんした。この結果けっか夜間やかんあずかりの実施じっしなど施設しせつ大改革だいかいかくむかえざるをえず、だい大戦たいせんもっとおおがかりな変容へんようげてきた[7]。このながれにたいし、「児童じどう虐待ぎゃくたい問題もんだい」は少子しょうしする日本にっぽんにおいて児童じどう福祉ふくしをマーケットを活性かっせいする重要じゅうよう役割やくわりっており、国内こくない児童じどう養護ようご施設しせつ民間みんかん経営けいえいであることから、既得きとくけん保持ほじのため、措置そち児童じどうすう一定いっていすう必要ひつようとしているとの見解けんかいもある[8]

日本にっぽんでは、小児科しょうにか小林こばやし美智子みちこらが、ケンプの影響えいきょうけ、1994ねん平成へいせい6ねん)に、「日本にっぽんども虐待ぎゃくたい防止ぼうし学会がっかい」が設立せつりつされた。1994ねん平成へいせい6ねん)9がつには、この学会がっかい設立せつりつ契機けいきとなった国際こくさいシンポジウム「児童じどう虐待ぎゃくたいへの挑戦ちょうせん」が、日本にっぽんはじめて児童じどう虐待ぎゃくたい先進せんしんこくから専門せんもんまねいて開催かいさいされた。この「専門せんもん」とは、児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうし国際こくさい学会がっかいとして1977ねん昭和しょうわ52ねん)に設立せつりつされていた国際こくさいども虐待ぎゃくたい防止ぼうし学会がっかい英語えいごばん (ISPCAN)にあつまっていた人々ひとびとである[9]。600にんあつまったこのシンポジウムの講演こうえんにおいて、ISPCANの会長かいちょうつとめた米国べいこくコロラド大学だいがくクルーグマン教授きょうじゅは、「どもをおやからはなすだけではなに解決かいけつしない」、「今後こんご日本にっぽんつく制度せいどは、法律ほうりつ主導しゅどうのアメリカモデルよりも、専門せんもんしょく主導しゅどうのヨーロッパ大陸たいりくモデルをすすめる」 と、日本にっぽん児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうし政策せいさくすすむべきみち提言ていげんした[10][11]。これを契機けいき日本にっぽんでは、民間みんかん児童じどう虐待ぎゃくたいあつかうごきが急速きゅうそくたかまった。たとえば、1999ねん平成へいせい11ねん)に長谷川はせがわ博一ひろかずは、世代せだい連鎖れんさつことを理念りねんとして、おや治療ちりょうグループ「親子おやこ連鎖れんさかい」を設立せつりつした[12]

1999ねん平成へいせい11ねん)、当時とうじ宮下みやした創平そうへい厚生こうせい大臣だいじん小渕おぶちだい1改造かいぞうないかく)は、児童じどう虐待ぎゃくたい殺人さつじんざいとの境界きょうかい領域りょういきにある事象じしょうであると[13]国会こっかいうったえて、「児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしとうかんする法律ほうりつ児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしほう)」の国会こっかい通過つうかはかった。児童じどう虐待ぎゃくたい事件じけん多発たはつ背景はいけいに、超党派ちょうとうは議員ぎいん立法りっぽうによって2000ねん平成へいせい12ねん成立せいりつした。のち、2004ねん平成へいせい16ねん)にはどうほう改正かいせいし、「関係かんけい省庁しょうちょう相互そうごあいだその関係かんけい機関きかんおよび民間みんかん団体だんたいあいだ連携れんけい強化きょうか民間みんかん団体だんたい支援しえんその」をおこない、児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしとうのために必要ひつよう体制たいせい整備せいびつとめなければならないむね明文化めいぶんかした[14]どうほうにおいて、虐待ぎゃくたい病院びょういん受診じゅしんし、虐待ぎゃくたいけたとおもわれた場合ばあいには担当たんとうでなくともすみやかに警察けいさつ通報つうほうする義務ぎむがあり(だい6じょう)、通告つうこく義務ぎむほうさだめる守秘しゅひ義務ぎむより優先ゆうせんされる(どうじょう2こう)、ともさだめられた(だい6じょう2こう)。 日本にっぽんでは、ほかにも以下いかのような状況じょうきょうあるいは特徴とくちょうられる。

  • 児童じどう虐待ぎゃくたい担当たんとうする職員しょくいんすくない[15]
  • 死因しいん調査ちょうさ充分じゅうぶんにはおこなわれていない
  • 離婚りこんのち片親かたおやは、どもにほとんど関与かんよできなくなる(共同きょうどう養育よういく支援しえんほう 全国ぜんこく連絡れんらくかい虐待ぎゃくたいくるしむどもたち」) [16]
  • 共働ともばたら家庭かていほど虐待ぎゃくたいすくない[17]

2022ねん3月の警察庁けいさつちょう発表はっぴょうによれば、2020ねん警察けいさつ児童じどう相談そうだんしょ通告つうこくした18さい未満みまんどもは10まん8,059にんで、前年ぜんねんより1.0%え、このうち「心理しんりてき虐待ぎゃくたい」が8まん304にんやく7わりめ、「身体しんたいてき虐待ぎゃくたい」は1まん9,188にん、「育児いくじ放棄ほうき(ネグレクト)」は8,271にん、「性的せいてき虐待ぎゃくたい」は296にんであった[18]

2021ねん8がつ27にち厚生こうせい労働省ろうどうしょう発表はっぴょうでは、全国ぜんこく児童じどう相談そうだんしょが2020年度ねんど対応たいおうした児童じどう虐待ぎゃくたい件数けんすう過去かこ最多さいた20まん5,044けん速報そくほう)で、たい前年度ぜんねんど1まん2,216けんぞう調査ちょうさ開始かいしの1990年度ねんどから29ねん連続れんぞくぞう内容ないようは、「心理しんりてき虐待ぎゃくたい」が12まん1,334けん(59.2%)で最多さいた、「身体しんたいてき虐待ぎゃくたい」が5まん35けん(25.4%)、「ネグレクト」(育児いくじ放棄ほうき)が3まん1,430けん(15.3%)、「性的せいてき虐待ぎゃくたい」が2,245けん(1.1%)。情報じょうほう相談そうだんせられた経路けいろは、やく50.5%が「警察けいさつとう」からで、「近隣きんりん知人ちじん」がやく13.5%でつづいた[19]

2023ねん2がつ2にち発表はっぴょうによれば、警察庁けいさつちょうの2022ねん児童じどう虐待ぎゃくたいうたがいがあるとして警察けいさつ児童じどう相談そうだんしょ通告つうこくした18さい未満みまんどもは11まん5730にん暫定ざんてい前年ぜんねん7.1%ぞう)で、過去かこ最多さいた更新こうしんした。内訳うちわけ心理しんりてき虐待ぎゃくたいが8まん4951にん前年ぜんねん5.8%ぞう)、つづいて身体しんたいてき虐待ぎゃくたいが2まん656にん前年ぜんねん7.7%ぞう)、育児いくじ放棄ほうき(ネグレクト)が9801にん前年ぜんねん18.5%ぞう)、性的せいてき虐待ぎゃくたいが322にん前年ぜんねん8.8%ぞう[20]

2023ねん3がつ2にち警察庁けいさつちょう発表はっぴょうによれば、2022ねん全国ぜんこく警察けいさつ摘発てきはつした児童じどう虐待ぎゃくたい事件じけんは2181けん前年ぜんねん7けんぞう)で、過去かこ最多さいた更新こうしんした。内訳うちわけ身体しんたいてき虐待ぎゃくたい1718けん(78.8%)、性的せいてき虐待ぎゃくたい365けん(16.7%)、心理しんりてき虐待ぎゃくたい69けん(3.2%)、育児いくじ放棄ほうき(ネグレクト)29けん(1.3%)。死亡しぼうしたどもは37にん前年ぜんねん17にんげん)、うち無理心中むりしんじゅう17にん出産しゅっさん直後ちょくご死亡しぼう7にん身体しんたいてき虐待ぎゃくたい10にん、ネグレクト3にん虐待ぎゃくたいうたがいがあるとして警察けいさつ児童じどう相談そうだんしょ通告つうこくしたどもは11まん5762にん前年ぜんねん7.1%ぞう)で過去かこ最多さいた、うち面前めんぜんDVは4まん7332にん[21]

2024ねん2がつ8にち警察庁けいさつちょう発表はっぴょうによれば、警察けいさつ児童じどう相談そうだんしょ児童じどう虐待ぎゃくたいうたがいがあると通告つうこくした18さい未満みまんどもの人数にんずうは、2023ねんで12まん2806にん暫定ざんていたい前年ぜんねん6.1%ぞう)で過去かこ最多さいた更新こうしんした。統計とうけいのこる2004ねんから19ねん連続れんぞくえている。通告つうこく内訳うちわけ心理しんりてき虐待ぎゃくたい最多さいたで9まん761にんたい前年ぜんねん6.8%ぞう)で全体ぜんたいの7わりきょうめ、以下いか身体しんたいてき虐待ぎゃくたい 2まん1520にんどう4.2%ぞう)、怠慢たいまん拒否きょひ(ネグレクト) 1まん205にんどう4.1%ぞう)、性的せいてき虐待ぎゃくたい 320にんどう0.6%げん)だった。摘発てきはつされた件数けんすうは2013ねんから連続れんぞくして増加ぞうかし2023ねんは2385けんどう9.4%ぞう)で、2013ねんやく5ばい内訳うちわけ身体しんたいてき虐待ぎゃくたい最多さいたの1903けんどう10.8%ぞう)で、ついで、性的せいてき虐待ぎゃくたい 372けんどう1.9%ぞう)だった[22]

民法みんぽうじょう懲戒ちょうかいけん児童じどう虐待ぎゃくたいとの区別くべつ

編集へんしゅう

日本にっぽん民法みんぽうだい822じょうは、親権しんけんしゃに「懲戒ちょうかいけん」をみとめている。

だい820じょう監護かんごおよ教育きょういく権利けんり義務ぎむ
親権しんけんおこなものは、利益りえきのために監護かんごおよ教育きょういくをする権利けんりゆうし、義務ぎむう。

だい822じょう懲戒ちょうかい
親権しんけんおこなものは、だい820じょう規定きていによる監護かんごおよ教育きょういく必要ひつよう範囲はんいないでその懲戒ちょうかいすることができる。

つまり日本にっぽんでは、民法みんぽうによって、親権しんけんしゃには監護かんご監督かんとくおよび保護ほご)する権利けんりさだめられ、しかもこれは権利けんりであるが同時どうじ義務ぎむだとされており、また親権しんけんしゃ義務ぎむとされている監護かんごおよび教育きょういくにともなうものとして、懲戒ちょうかいけんみとめている。

2000ねん平成へいせい12ねん)に「児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしとうかんする法律ほうりつ児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしほう)」が制定せいていされた結果けっか民法みんぽう親権しんけんしゃみとめる懲戒ちょうかい行為こういと、「児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしとうかんする法律ほうりつ」でいう「児童じどう虐待ぎゃくたい」の線引せんひきが問題もんだいとなった。2016ねん平成へいせい28ねん5月だい190国会こっかいにおいて鈴木すずき貴子たかこ代議士だいぎし新党しんとう大地だいち)は、「「児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうし政策せいさくにおける政府せいふ見解けんかいおよ認識にんしきとうかんする質問しつもん」(だい275ごう)をおこない、これにたい内閣ないかく総理そうり大臣だいじん安倍晋三あべしんぞう以下いかのように答弁とうべんした。

たずねの「しいたげほうだいじょう民法みんぽうだいはちひゃくじゅうじょうとの関係かんけい」の意味いみするところがかならずしもあきらかでないが、とことわりをまくら言葉ことばにし、「児童じどう虐待ぎゃくたいは、利益りえきのため監護かんごおよ教育きょういく必要ひつよう範囲はんいないおこなわれる行為こういではないため、民法みんぽう明治めいじじゅうきゅうねん法律ほうりつだいはちじゅうきゅうごうだいはちひゃくじゅうじょう規定きていによる懲戒ちょうかいにはふくまれない。」[23]ななについて)

すなわち、児童じどう虐待ぎゃくたいとは、利益りえきはか親権しんけんしゃ監護かんご教育きょういく目的もくてきもってなされる以外いがいたいする行為こういをいうのであり、利益りえきはか監護かんご教育きょういく目的もくてきって親権しんけんしゃおこなう範囲はんいないたいする懲戒ちょうかい行為こうい体罰たいばつふくむ)については、たいする愛情あいじょうからおこなわれたしつけであったとしても、社会しゃかい常識じょうしきらして相当そうとうなものであるときには、正当せいとう懲戒ちょうかいけん行使こうしとはえず、虐待ぎゃくたいたると判例はんれい[注釈ちゅうしゃく 1]においても否定ひていされている。

しかしながら「しつけ」を名目めいもくとした児童じどう虐待ぎゃくたいこうたないことから、児童じどう虐待ぎゃくたいほうにおいても、平成へいせい28年度ねんど改正かいせいによりだい14じょう児童じどう親権しんけんおこなものは、児童じどうのしつけにさいして、民法みんぽう明治めいじ29ねん法律ほうりつだい89ごうだい820じょう規定きていによる監護かんごおよ教育きょういく必要ひつよう範囲はんいえて当該とうがい児童じどう懲戒ちょうかいしてはならず、当該とうがい児童じどう親権しんけん適切てきせつ行使こうし配慮はいりょしなければならないと規定きていされ、なお、だい2こうにおいて、児童じどう親権しんけんおこなものは、児童じどう虐待ぎゃくたいかか暴行ぼうこうざい傷害しょうがいざいその犯罪はんざいについて、当該とうがい児童じどう親権しんけんおこなものであることを理由りゆうとして、そのめをまぬかれることはないと明記めいきされている[24]

そもそも歴史れきしてきに、きゅう刑法けいほう (1880〔明治めいじ13〕ねん公布こうふ)まで、明治めいじ以降いこう最初さいしょ刑法けいほうである「しんりつ綱領こうりょう」(1870〔明治めいじ3〕ねん)では、祖父母そふぼ両親りょうしんおしえにしたがわないあやまってころしてもつみにはわれなかった経緯けいいがある。そのきゅう民法みんぽうだい152じょうで、「行状ぎょうじょう」に「重大じゅうだいナル不満ふまん事由じゆう」がある場合ばあい裁判所さいばんしょ申請しんせいして、を「感化かんかじょう」または「懲戒ちょうかいじょう」にれることができるという出願しゅつがん懲治の制度せいどさだめた。ふるくは成人せいじん全般ぜんぱんまたはおやから独立どくりつしていない成人せいじん対象たいしょうとなっていた[25]。2011ねん民法みんぽう改正かいせいでは、かつてあった「矯正きょうせいいん」といった懲戒ちょうかいじょう該当がいとうするものがくなっていた実態じったいもあり、822じょう規定きてい改正かいせいされた。これらのことから、懲戒ちょうかいけん規定きていもうけた意義いぎ矯正きょうせいいんのなくなった1948ねん当時とうじにはすでうしなわれていた[26]との意見いけんもある。

日本にっぽん政府せいふは、平成へいせい25ねん国連こくれん人権じんけん理事りじかい普遍ふへんてき定期ていきてき審査しんさ)において、民法みんぽうだい822じょうゆるされる「懲戒ちょうかい」は「体罰たいばつ」とはことなる概念がいねんである(「This provision does not allow for corporal punishment.」)と報告ほうこくし、学校がっこうおよ家庭かていない体罰たいばつ禁止きんしされていると発表はっぴょうしており、すべての状況じょうきょうにおける体罰たいばつ明示めいじてき禁止きんしすることという勧告かんこくをフォローアップすることに同意どういしている[27]。また、2006ねん国連こくれん事務じむ総長そうちょうどもにたいする暴力ぼうりょくかんする報告ほうこくしょにおいてパウロ・ピネイロは条約じょうやくこく優先ゆうせん勧告かんこくとして、あらゆるかたち暴力ぼうりょく早急そうきゅうきんじ、あらゆる体罰たいばつがこの範疇はんちゅうふくまれることを明示めいじした。日本にっぽん政府せいふは2008ねんと2012ねん人権じんけん理事りじかい普遍ふへんてき定期ていき審査しんさ(UPR)の調査ちょうさで、体罰たいばつきんじる勧告かんこくれている。国連こくれんうごきをけ、2013ねん8がつには「ども虐待ぎゃくたい手引てびき」が改正かいせいされ、「たたく」行為こうい身体しんたいてき虐待ぎゃくたい追加ついかされている[28]東京とうきょうでは都道府県とどうふけんとしてはつとなる「東京とうきょう子供こどもへの虐待ぎゃくたい防止ぼうしとうかんする条例じょうれい」におけるおや体罰たいばつ禁止きんし規定きていもうけ2019ねん4がつ1にちから施行しこうしている[29][30]。2019ねん3がつ現在げんざいでは、野田のだ虐待ぎゃくたいをきっかけにした厚生こうせい労働省ろうどうしょうしめした児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしほうなどの改正かいせいあん概要がいようでは、どものしつけにあたっておや体罰たいばつ禁止きんしし、おやいましめる民法みんぽうの「懲戒ちょうかいけん」の見直みなおしを改正かいせいほう施行しこう5ねんをめどに検討けんとうするとしている[31]れい元年がんねん改正かいせいほう検討けんとう過程かていにおいては、懲戒ちょうかいけんかんする規定きていかたさい検討けんとうつよもとめる指摘してきがされ,その附則ふそくにおいて,「政府せいふは,この法律ほうりつ施行しこう2ねん目途もくととして,民法みんぽうだい822じょう規定きていかたについて検討けんとうくわえ,必要ひつようがあるとみとめるときは,その結果けっかもとづいて必要ひつよう措置そちこうずるものとする」 との検討けんとう条項じょうこうもうけられた[32]れい元年がんねん6がつ成立せいりつした児童じどう福祉ふくしほうとう改正かいせいほうにおいて、体罰たいばつゆるされないものであることが法定ほうていされ、れい2ねん4がつ1にちから施行しこうした。

厚生こうせい労働省ろうどうしょうの「ども虐待ぎゃくたい対応たいおう手引てびき」には、虐待ぎゃくたい定義ていぎはあくまでどもがわ定義ていぎであり、おや意図いととは無関係むかんけいで、おやはいくら一生懸命いっしょうけんめいであっても、どもがわにとって有害ゆうがい行為こういであれば虐待ぎゃくたいであり、その行為こういおや意図いと判断はんだんするのではなく、どもにとって有害ゆうがいかどうかで判断はんだんするように視点してんえなくてはならないとの趣旨しゅしの、どものにじ虐待ぎゃくたいセンター所長しょちょうであった小林こばやし美智子みちこ言葉ことば掲載けいさいされている[33]

統計とうけい

編集へんしゅう

相談そうだん件数けんすう

編集へんしゅう
日本にっぽん全国ぜんこく児童じどう相談そうだんしょにおける児童じどう虐待ぎゃくたい相談そうだん対応たいおう件数けんすう[19]
年度ねんど 相談そうだん件数けんすう
1990ねん平成へいせい02ねん 01,101
1995ねん平成へいせい07ねん 02,722
2000ねん平成へいせい12ねん 17,725
2005ねん平成へいせい17ねん 34,472
2010ねん平成へいせい22ねん 56,384
2015ねん平成へいせい27ねん 103,286
2020ねんれい02ねん 205,044

日本にっぽん児童じどう虐待ぎゃくたい相談そうだん件数けんすう統計とうけい開始かいしの1990年度ねんど平成へいせい2年度ねんど)の1,101けんから毎年まいとし増加ぞうかし、2020年度ねんどれい2年度ねんど)には205,044けんになった[34][19]。「相談そうだん件数けんすう」の増加ぞうか実際じっさい虐待ぎゃくたい近年きんねん急増きゅうぞうしているととらえるべきか、実際じっさい虐待ぎゃくたいすうはもっとおおくて発覚はっかくする件数けんすうえているととらえるべきなのかについて、九州きゅうしゅう保健ほけん福祉ふくし大学だいがく大堂うふどう庄三しょうぞうも、「急増きゅうぞうろん根拠こんきょがない」と指摘してきしている[35]

2016ねん4がつからは、警察庁けいさつちょうから日本にっぽん警察けいさつたい積極せっきょくてき通告つうこくおこなうよう指示しじがなされ、同年どうねん警察けいさつによる児童じどう虐待ぎゃくたい通告つうこくは5まん4227にん当時とうじとして過去かこ最大さいだいとなり、その増加ぞうかし、2021ねんには10まん8,059にんとなり、過去かこ最大さいだい記録きろく更新こうしんしている。警察庁けいさつちょう背景はいけいとして、児童じどう虐待ぎゃくたいたいする意識いしきたかまりから、学校がっこう近隣きんりんによる通報つうほう増加ぞうかしたことがあるとした。通告つうこく内容ないようとしては、2021ねん心理しんりてき虐待ぎゃくたいもっとおおく、全体ぜんたいの74.3%め、なかでも面前めんぜんDVが4まん5,972人ふたり最多さいたであった[36][37][18]平成へいせい16ねん(2004ねん)の「児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしとうかんする法律ほうりつ」の改正かいせいにより、どもの目前もくぜんでのDVも児童じどう虐待ぎゃくたい心理しんりてき虐待ぎゃくたい)にたることが明確めいかく[38]されたことが、通告つうこく件数けんすうげている。

相談そうだん通報つうほう)された案件あんけん内訳うちわけ

編集へんしゅう

「2020年度ねんどれい2年度ねんど)に全国ぜんこく児童じどう相談そうだんしょ対応たいおうした児童じどう虐待ぎゃくたい相談そうだん対応たいおう件数けんすうは、205,044けん[19]であった。

れい2年度ねんど(2020ねん4がつ - 2021ねん3がつ)に相談そうだん通報つうほう)されたけんについて、虐待ぎゃくたい内容ないようによる分類ぶんるいは「心理しんりてき虐待ぎゃくたいが121,334けん(59.2%)とおおく、いで身体しんたいてき虐待ぎゃくたいが50,035けん(25.4%)、ネグレクトが31,430けん(15.3%)」と集計しゅうけいされた。児童じどう相談そうだんしょせられた虐待ぎゃくたい経路けいろは、警察けいさつが103,625けん半分はんぶんめており、いで近隣きんりん知人ちじんが27,641けん(13.5%)であった[19]虐待ぎゃくたいされていた児童じどう年齢ねんれいは0~2さいが19.3%(39,658にん)、3~6さいが25.7%(52,601にん)、7~12さいが34.2%(70, 111にん)、13~15さいが13.7%(28,071にん)、16~18さいが7.1%(14,603にん)。相談そうだんされたけんでは、虐待ぎゃくたいをするものは、47.4%が実母じつぼ、41.3%が実父じっぷ義父ぎふ義母ぎぼわせて5.7%である[39]

平成へいせい18年度ねんどかんしては、性別せいべつでは男児だんじ52.3%、女児じょじ47.7%で男児だんじ若干じゃっかんおお[40]。ただし性的せいてき虐待ぎゃくたいかんしては、97.1%が女児じょじ中高校生ちゅうこうこうせいが65.0%[41]と、傾向けいこうことなるとされた。

1999ねん平成へいせい11ねん)の集計しゅうけいによれば、虐待ぎゃくたいをしているのは58.0%が実母じつぼ、25.0%が実父じっぷであり、義父ぎふ義母ぎぼわせて9.3%である(のこりはその[41]はは職業しょくぎょうは3ぶんの2が主婦しゅふ無職むしょくで、在宅ざいたくがたおお[41]虐待ぎゃくたいしゃ学歴がくれきは1993ねん平成へいせい5ねん) - 1995ねん平成へいせい7ねん)の統計とうけいにおいて、中卒ちゅうそつが34.3%、高卒こうそつが12.2%、高校こうこう中退ちゅうたいが6.7%、大卒だいそつでは2.4%であった(ただし、どう統計とうけいにおいて「その不明ふめい」が44.4%となっていて、その割合わりあいおおきいことに留意りゅうい)。性的せいてき虐待ぎゃくたいでは、虐待ぎゃくたいしゃの9わりちかくが中卒ちゅうそつであるとの統計とうけいもある[41]経済けいざい状況じょうきょうかんしては、(調査ちょうさしゃ主観しゅかんてき判断はんだんしたところでは)1993 - 1995ねん統計とうけいにおいて、「貧困ひんこん」52.5%、「普通ふつう」31.5%、「裕福ゆうふく」2.6%、だそうである[41]

みずからも虐待ぎゃくたいけたもの割合わりあいについては、2007ねん平成へいせい19ねん)の統計とうけいでは、9.1% - 39.6%とされた[42][43]

全国ぜんこく児童じどう相談そうだん所長しょちょうかい一時いちじ保護ほごおや同意どういしなかった614にん児童じどう平均へいきん年齢ねんれい8.5さい)にたいして調査ちょうさした結果けっか集計しゅうけいでは、「「生命せいめい危機ききがある」38にん (6.2%)、継続けいぞくてき治療ちりょう必要ひつよう外傷がいしょうがあるなど「重度じゅうど虐待ぎゃくたい」158にん (25.7%)、慢性まんせいてき暴力ぼうりょくけるなど「ちゅう程度ていど虐待ぎゃくたい」254にん (41.4%)」である[44]どう調査ちょうさによると、虐待ぎゃくたい開始かいしされてから児童じどう相談そうだんしょ一時いちじ保護ほごするまでの期間きかんは、3ねん以上いじょう(146にん、23.8%)、1ねん以上いじょう3ねん未満みまん(124にん、20.2%)、6かげつ以上いじょう1ねん未満みまん(82にん、13.4%)、1かげつ以上いじょう6かげつ未満みまん(108にん、17.6%)、1かげつ未満みまん(104にん、16.9%)、回答かいとう(50にん、8.1%)である[44]

児童じどう相談そうだんしょ児童じどう虐待ぎゃくたいをした保護ほごしゃ改善かいぜん指導しどうしている途中とちゅう保護ほごしゃ転居てんきょにより行方ゆくえからなくなってしまった児童じどうかずが2009ねんだけでも39にんいる[45]

大阪おおさか総合医療そうごういりょうセンター小児科しょうにか報告ほうこくによれば、2000ねん平成へいせい12ねん)から2010ねん平成へいせい22ねん)までの10年間ねんかんどうセンターに入院にゅういんした被虐ひぎゃく215れい検討けんとうしたところ、しゅたる虐待ぎゃくたいしゃは、実母じつぼが55%、実父じっぷが18%であった。また入院にゅういんまえより児童じどう相談そうだんしょ通告つうこくされていたのは、全体ぜんたいの26%であった[46]

保護ほごしゃ以外いがい主体しゅたいによる児童じどう虐待ぎゃくたい

編集へんしゅう

児童じどうにとって、虐待ぎゃくたいだれがこれをおこなったかにかかわりなく、上記じょうきのような悪影響あくえいきょうおよぼす。保護ほごしゃ以外いがい主体しゅたいによる児童じどう虐待ぎゃくたいには、つぎのようなものがある:

学校がっこう体罰たいばつ

編集へんしゅう

日本にっぽん学校がっこう教育きょういくほうだい11じょうは、「校長こうちょうおよび教員きょういんが、教育きょういくじょう必要ひつようがあるとみとめるときは、文部もんぶ科学かがく大臣だいじんさだめるところにより、学生がくせい生徒せいとおよび児童じどう懲戒ちょうかいくわえることができる」とさだめている。ただし、どうほう場合ばあいは、同時どうじ体罰たいばつくわえることはできないとして、学校がっこう体罰たいばつ明確めいかく禁止きんししている。体育たいいく授業じゅぎょうちゅうなどでみとめられる懲戒ちょうかいとしては、通常つうじょうおこなわれているような、運動うんどうじょううちマラソンうさぎ正座せいざなどであって、社会しゃかい通念つうねんじょう懲戒ちょうかいとして)相当そうとうにして、かつ危険きけんをともなわないことをようする、とする判例はんれいはある[47]どうほう教師きょうしみとめられた懲戒ちょうかい、から逸脱いつだつししている体罰たいばつは「なぐる」「る」や「用便ようべん(トイレにゆくこと)をみとめない」などだと解釈かいしゃくされている[47]

関係かんけい機関きかん

編集へんしゅう

日本にっぽんにおいて、虐待ぎゃくたいされた子供こども救済きゅうさい保護ほご担当たんとうするのは、児童じどう相談そうだんしょである。児童じどう虐待ぎゃくたいまたは児童じどう虐待ぎゃくたいうたがいを発見はっけんした場合ばあい通告つうこく相談そうだんさきも、児童じどう相談そうだんしょである(ただし緊急きんきゅう場合ばあい警察けいさつ連絡れんらく[48]

児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうし貢献こうけんしている機関きかんとして、つぎのものがある。

保健ほけん機関きかん

編集へんしゅう

保健ほけん機関きかん児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうし貢献こうけんしている。保健ほけん機関きかんとは市町村しちょうそん保健ほけんセンターと保健所ほけんじょす。母子ぼし保健ほけん事業じぎょうは、保健所ほけんじょでは未熟みじゅく障害しょうがいなどにたいする事業じぎょう市町村しちょうそん保健ほけんセンターは乳幼児にゅうようじ健診けんしん育児いくじ教室きょうしつといった一般いっぱん市民しみん利用りようできる事業じぎょう実施じっししている。虐待ぎゃくたいかん保健ほけん機関きかんおこなっていることは、おやそだてることにつきる。妊娠にんしんちゅうから若年じゃくねん妊娠にんしん母子ぼし家庭かていてい出生しゅっしょう体重たいじゅうといった虐待ぎゃくたいハイリスクにたいし、相手あいて土俵どひょうである家庭かていへの訪問ほうもんかえす。そして、一緒いっしょ育児いくじをしながら親子おやこ関係かんけいそだて、訪問ほうもんしゃとの信頼しんらい関係かんけいきずき、仲間なかまづくりを促進そくしんして孤立こりつふせぐといった支援しえんおこなっている[49]以上いじょうのような保健ほけん機関きかん活動かつどう虐待ぎゃくたい予防よぼう貢献こうけんしている。実際じっさい日本にっぽん児童じどう虐待ぎゃくたいの12.5 %は保健ほけん機関きかん発見はっけんされているという統計とうけいがある[50]

また、虐待ぎゃくたいは、おやしん問題もんだいかかえていることがリスク因子いんしひとつであり(このことは全国ぜんこく主要しゅよう病院びょういん小児科しょうにか虐待ぎゃくたい調査ちょうさでもあきらかにされた[51])、そのようなおやたいし、保健所ほけんじょでは精神せいしん保健ほけん事業じぎょうおこなっている。そのため、保健ほけん機関きかん母子ぼし保健ほけんだけでなく、精神せいしん保健ほけんめんからも虐待ぎゃくたい予防よぼう貢献こうけんしているということができる[49]

医療いりょう機関きかん

編集へんしゅう

子供こども診療しんりょうする機会きかいがある医療いりょう機関きかんにおいては、虐待ぎゃくたい診療しんりょうする機会きかいもある。実態じったい調査ちょうさからは、1年間ねんかん全国ぜんこく小児しょうに医療いりょう機関きかんやく1/4で虐待ぎゃくたい診療しんりょうされており、累積るいせきてきには80 %の医療いりょう機関きかん診療しんりょうおこなわれていることが推測すいそくされている。このような虐待ぎゃくたい診療しんりょうとおして、医療いりょう機関きかん虐待ぎゃくたい発見はっけんされることがある。

しかし、医療いりょう現場げんばにおける虐待ぎゃくたい予防よぼうにも課題かだいがある。渡部わたなべ誠一せいいちらによる2005ねん平成へいせい17ねん)の調査ちょうさによれば、日本にっぽんにおいて全体ぜんたいではやく90%の医師いしども虐待ぎゃくたい関心かんしんっていたという。しかし、実際じっさい通告つうこくすることについては、60%前後ぜんご医師いし抵抗ていこうがあると回答かいとうしていた。通告つうこくども虐待ぎゃくたいかかわることの抵抗ていこう躊躇ちゅうちょ背景はいけいとして、虐待ぎゃくたい診断しんだん自信じしんがない、診療しんりょう時間じかんがい仕事しごとになり時間じかんがとれない、家族かぞくとのトラブルが心配しんぱい、の3てんおおきなものとして医師いしはあげていたという。ども虐待ぎゃくたいたいする一般いっぱん医師いしかかわりを支援しえんするためには、これら3てん対応たいおう検討けんとうする必要ひつようがある、という指摘してきがある[52]一方いっぽうで、どもの患者かんじゃたいする医療いりょう過誤かご細菌さいきん汚染おせん)を、虚偽きょぎ虐待ぎゃくたい通告つうこくにより被害ひがい児童じどうしょう送致そうち隠蔽いんぺいされたとの保護ほごしゃ主張しゅちょうもある[53]

学校がっこう

編集へんしゅう

学校がっこう児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしたす役割やくわりおおきい。児童じどう虐待ぎゃくたいへの対応たいおうにおいて、学校がっこう以下いかよう特徴とくちょうをあげることができる[54]

  • 児童じどう福祉ふくし施設しせつ保健ほけん医療いりょう機関きかんまたは警察けいさつ関係かんけい機関きかんなどとくらべても、その量的りょうてき規模きぼ圧倒的あっとうてきおおきい。
  • 教員きょういん免許めんきょち、様々さまざま研修けんしゅう教員きょういんがおり、その人的じんてき規模きぼ圧倒的あっとうてきおおきい。
  • 子供こどもいちにち大半たいはんごす場所ばしょであり、教職員きょうしょくいん日常にちじょうてき子供こどもたちと長時間ちょうじかんせっしていることで、その変化へんかづきやすい立場たちばにいる。
  • 養護ようご教諭きょうゆ生徒せいと指導しどう主任しゅにん学年がくねん主任しゅにん教頭きょうとう校長こうちょうスクールカウンセラーなどのことなる知識ちしき経験けいけん能力のうりょくった職員しょくいん集団しゅうだんがいる。そのため、複数ふくすうでチームとなって課題かだい解決かいけつたることができる。
  • 家庭かてい保護ほごしゃたいしてはたらきかけをすることができる。

これらのことから、学校がっこう児童じどう生徒せいとたいして網羅もうらてき目配めくばりができ、日常にちじょうてき変化へんか敏感びんかん反応はんのうして対応たいおうできる。実際じっさいに、小学校しょうがっこう学級がっきゅう担任たんにん子供こども様子ようすから虐待ぎゃくたいうたがい、児童じどう相談そうだんしょ通告つうこくし、児童じどう保護ほごされた事例じれいもある。学校がっこうぜん児童じどう虐待ぎゃくたいの13.5 %の発見はっけんかかわっている[50]

なお、高校こうこうなどでは、ちか将来しょうらいおやになる生徒せいとに、児童じどう虐待ぎゃくたいについて授業じゅぎょうおこない、児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうししようとするこころみもある[54]

そのしょ問題もんだい

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凶悪きょうあく虐待ぎゃくたい事案じあん見逃みのが

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日本にっぽんにおいて児童じどう虐待ぎゃくたいによりども死亡しぼうした件数けんすう厚生こうせい労働省ろうどうしょう[55]
期間きかん 虐待ぎゃくたいひと 心中しんちゅうのひと けいひと
2004(H16).01.01 - 2004(H16).12.31 50 08 58
2005(H17).01.01 - 2005(H17).12.31 56 30 86
2006(H18).01.01 - 2006(H18).12.31 61 65 126
2007(H19).01.01 - 2008(H20).03.31 78 64 142
2008(H20).04.01 - 2009(H21).03.31 67 61 128
2009(H21).04.01 - 2010(H22).03.31 49 39 88
2010(H22).04.01 - 2011(H23).03.31 51 47 98
2011(H23).04.01 - 2012(H24).03.31 58 41 99
2012(H24).04.01 - 2013(H25).03.31 51 39 90
2013(H25).04.01 - 2014(H26).03.31 36 33 69
2014(H26).04.01 - 2015(H27).03.31 44 27 71
2015(H27).04.01 - 2016(H28).03.31 52 32 84
2016(H28).04.01 - 2017(H29).03.31 49 28 77
2017(H29).04.01 - 2018(H30).03.31 52 13 65
2018(H30).04.01 - 2019(H31).03.31 54 19 73

厚生こうせい労働省ろうどうしょうれいもと年度ねんど(2019年度ねんど)の統計とうけいによると、1年間ねんかんで51れい54にん児童じどう幼児ようじ)が虐待ぎゃくたいしている[55]死亡しぼうした児童じどう年齢ねんれいは0歳児さいじが40.7%でもっとおおく、1歳児さいじは11.1%で、死亡しぼうした児童じどうの68.5%が0 - 5さい同年どうねん統計とうけい最年長さいねんちょう不明ふめいのぞき10さい[55]

嬰児えいじころせ1940年代ねんだい後半こうはんには400けんちかくあったものが、2018ねんには12けん(うち既遂きすい9けん)となっている[56][57]

通常つうじょう虐待ぎゃくたい事例じれいおなじく、加害かがいしゃとしては実母じつぼもっとおおく46.3%で、実父じっぷは16.7%、じつ父母ちちはは両方りょうほうは、13.0%である[55]。そして、3さい未満みまんと3さい以上いじょうのどちらの場合ばあい実母じつぼおおい。またのぞまない妊娠にんしん計画けいかくしていない妊娠にんしんが24.1%あり、10代の妊娠にんしんが26.9%である[55]とくに、10代妊娠にんしんは、くににおいてぜん出生しゅっしょうすうのうち母親ははおや年齢ねんれいが10代の割合わりあいやく1.3%前後ぜんごぎないにもかかわらず、心中しんちゅうの以外いがい虐待ぎゃくたい事例じれいにおける「10代妊娠にんしん」の平均へいきん割合わりあいは17.5%であり、その割合わりあいたかさは顕著けんちょである。

養育よういくしゃについてはじつ父母ちちははが58.8%、一人ひとりおや未婚みこん)が13.7%、一人ひとりおや離婚りこん)が18.0%であった(判明はんめいしたもののみ集計しゅうけい[55]加害かがい動機どうきについては、「しつけのつもり」(5.6%)、「きやまないことにいらだったため」(3.7%)などがある(動機どうき判明はんめいしているもののみを集計しゅうけい[55]特殊とくしゅなものとしては「保護ほごおこたったことによる死亡しぼう」が14.8%、代理だいりミュンヒハウゼン症候群しょうこうぐんとアルコールまた薬物やくぶつ依存いぞん起因きいんした精神せいしん症状しょうじょうともに0.0%である[55]。またさぶられ症候群しょうこうぐんによる頭蓋とうがいない出血しゅっけつによる死亡しぼう平成へいせい29ねん4がつから平成へいせい31ねん3がつまでのあいだうたがいをふくめて9けんであった[55]

なお、平成へいせい30年度ねんど(2018年度ねんど)の統計とうけいでは「どもの暴力ぼうりょくなどからまもる」、「慢性まんせい疾患しっかん障害しょうがいくるしみからどもをすくおうという主観しゅかんてき意図いと」などの子供こどもがわ要因よういんによる殺人さつじんは1けんもなく、平成へいせい16年度ねんど(2004年度ねんど)までさかのぼっても、前者ぜんしゃで0けん後者こうしゃでは5けんである[55]

日本にっぽん法医学ほういがくかいの「虐待ぎゃくたいほう解剖かいぼうれいかんする調査ちょうさ 平成へいせい19(2007)ねん平成へいせい26(2014)ねん」によれば、平成へいせい19ねん(2007ねん)~平成へいせい26ねん(2014ねん)の8ねんあいだで、無理心中むりしんじゅう嬰児えいじころせふくめて、395れいあった。被虐ひぎゃく身体しんたいてき虐待ぎゃくたい死亡しぼうした場合ばあい加害かがいしゃは、死亡しぼうれい133れいちゅう実母じつぼ42%、実父じっぷ34%、継父けいふはは内縁ないえんおっと)13%、継母けいぼちち内縁ないえんつま)2%であった。さらに、ネグレストで死亡しぼうした場合ばあいは、死亡しぼうれい33にんちゅう加害かがいしゃは、実母じつぼ65%、実父じっぷ30%、継父けいふはは内縁ないえんおっと)5%であった[58]

1にん2人ふたり義理ぎりおやんでいるこどもどもは、おやとのみらしているどもの、およそ70ばい~100ばいもの致死ちしてき虐待ぎゃくたいける危険きけんせいがある[59]

児童じどう虐待ぎゃくたいのうち、事前じぜん児童じどう相談そうだんしょ通報つうほうかったものは79.5%[60]であり、児童じどう相談そうだんしょ把握はあくしているのは実際じっさい虐待ぎゃくたい一部分いちぶぶんだけである。

厚生こうせい労働省ろうどうしょうれい2年度ねんど予算よさんどもの死因しいん究明きゅうめい(Child Death Review)について、制度せいどけ、モデル事業じぎょうとして関係かんけい機関きかんによる連絡れんらく調整ちょうせいど もの死因しいん究明きゅうめいかかるデータ収集しゅうしゅうおよ整理せいりとうおこなうための予算よさん計上けいじょうした[61]

心中しんちゅうの

編集へんしゅう

厚生こうせい労働省ろうどうしょう平成へいせい30年度ねんど(2018年度ねんど)の統計とうけいによると、1年間ねんかん心中しんちゅうのさいしてころされた児童じどうは13れい19にんであった[55][62]心中しんちゅうの未遂みすいどもはころされたが加害かがいしゃ死亡しぼうしなかった事例じれいふくむ)。ころされた児童じどう年齢ねんれいについては、0さいが31.6%、1さいが5.3%、2さいが0%、3さいが0%で、3さい以下いかが36.8%をめている[55]同年どうねん統計とうけい最年長さいねんちょうは14さいしゅたる加害かがいしゃほとんどは実母じつぼじつ父母ちちははによってこされたものであり、7わりちかくが実母じつぼによるものである[55]

2016ねん平成へいせい28ねん)1がつ埼玉さいたまけん狭山さやまマンションで、3さい女児じょじ死亡しぼうしているのがつかり、母親ははおやとその内縁ないえんおっと女児じょじ火傷かしょう放置ほうちしたとして保護ほご責任せきにんしゃ遺棄いき容疑ようぎ逮捕たいほされ、女児じょじからだから暴行ぼうこうこんつかった事件じけん発生はっせいした。山梨やまなし県立けんりつ大学だいがく教授きょうじゅ西澤にしざわあきらは、母親ははおやが10代で出産しゅっさんしたシングルマザーでべつのパートナーがおり、女児じょじ乳幼児にゅうようじ健診けんしんけていなかったことをげ、「虐待ぎゃくたい典型てんけい」と指摘してきした[63][64]

行政ぎょうせい怠慢たいまん

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2017ねん平成へいせい29ねん)5がつ兵庫ひょうごけん姫路ひめじで、次男じなん暴行ぼうこうくわ重傷じゅうしょうわせたとして夫婦ふうふ傷害しょうがいざい起訴きそされる事件じけんがあったが、このさい虐待ぎゃくたい事実じじつ把握はあくしていながら、虐待ぎゃくたいのリスクを「緊急きんきゅうせいひくい」などと過小かしょう評価ひょうかして、一時いちじ保護ほごなどの対応たいおうらなかったことが判明はんめいしている[65]

犯罪はんざい

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2014ねん3がつ埼玉さいたまけん川口かわぐちで17さい少年しょうねん金銭きんせん目的もくてき祖父母そふぼ殺害さつがいして強盗ごうとう殺人さつじん容疑ようぎ逮捕たいほされ、裁判さいばん懲役ちょうえき15ねん判決はんけつくだった[66]証言しょうげんから、少年しょうねん実母じつぼ養父ようふから身体しんたいてき性的せいてき虐待ぎゃくたいけてきてこと、小学しょうがく5年生ねんせいから学校がっこうかよわせてもらえず野宿のじゅくなどをしながら各地かくち転々てんてんとし、義父ぎふわかれたのちもはたらかない母親ははおや命令めいれいで、少年しょうねん被害ひがいしゃである祖父母そふぼ親戚しんせき借金しゃっきんかえし、ぬすみや就労しゅうろう生活せいかつ工面くめんをし、異父いふいもうと面倒めんどうていたことなどがわかった[66]裁判さいばんでは、長期ちょうきにわたる虐待ぎゃくたいにより学習がくしゅうせい無力むりょくしょうとなり、虐待ぎゃくたいによくられる「見捨みすてられ不安ふあん」を利用りようした母親ははおや心理しんりてき操作そうさ影響えいきょうけた結果けっか犯行はんこうであることが指摘してきされ、少年しょうねん極悪ごくあく環境かんきょうにいることをかんじながら周囲しゅうい大人おとな社会しゃかいすくえなかったこと、一度いちど接触せっしょくのあった児童じどう相談そうだんしょ虐待ぎゃくたい見逃みのがしたことなども問題もんだいされた[66]

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 平成へいせい13ねん3がつ30にち大阪おおさか地裁ちさい判決はんけつ平成へいせい25ねん8がつ29にち東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ判決はんけつ 平成へいせい21ねん(ワ)だい25349ごう

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 児童じどう虐待ぎゃくたい防止ぼうしとうかんする法律ほうりつ平成へいせいじゅうねん法律ほうりつだいはちじゅうごう
  2. ^ 児童じどう福祉ふくしほう12じょうの4
  3. ^ 児童じどう相談そうだんしょ虐待ぎゃくたい対応たいおうダイヤル「189」について”. 厚生こうせい労働ろうどうしょう. 2020ねん11月24にち閲覧えつらん
  4. ^ 児童じどう相談そうだんしょ全国ぜんこく共通きょうつうダイヤルについて”. 厚生こうせい労働省ろうどうしょう. 2019ねん12月4にち閲覧えつらん
  5. ^ 衆議院しゅうぎいん修正しゅうせいどお貴族きぞくいん成立せいりつ大阪毎日新聞おおさかまいにちしんぶん昭和しょうわ8ねん3がつ25にち(『昭和しょうわニュース事典じてんだい4かん 昭和しょうわ8ねん-昭和しょうわ9ねん本編ほんぺんp279 昭和しょうわニュース事典じてん編纂へんさん委員いいんかい 毎日まいにちコミュニケーションズかん 1994ねん
  6. ^ 児童じどう虐待ぎゃくたいろく行為こうい内務省ないむしょうれい指定してい中外ちゅうがい商業しょうぎょう新報しんぽう昭和しょうわ8ねん5がつ12にち(『昭和しょうわニュース事典じてんだい4かん 昭和しょうわ8ねん-昭和しょうわ9ねん本編ほんぺんp279 昭和しょうわニュース事典じてん編纂へんさん委員いいんかい 毎日まいにちコミュニケーションズかん 1994ねん
  7. ^ Roger Goodman やく 津崎つざき哲雄てつお日本にっぽん児童じどう養護ようご児童じどう養護ようごがくへの招待しょうたい」、明石書店あかししょてん 
  8. ^ 上野うえの加代子かよこ 野村のむら知二ともじ児童じどう虐待ぎゃくたい構築こうちく-捕獲ほかくされる家族かぞく」、世界せかい思想しそうしゃ、2003ねん10がつ 
  9. ^ 徳永とくなが雅子まさこ(1995)「ISPCAN国際こくさいシンポジウム&セミナー『児童じどう虐待ぎゃくたいへの挑戦ちょうせん』に参加さんかして」『保健ほけん雑誌ざっし』51かん3ごう
  10. ^ 小林こばやし美智子みちこ過去かこからまなび、未来みらいけて行動こうどうしよう: 日本にっぽんの20ねん経験けいけんと、虐待ぎゃくたいされたどもとおやをケアする社会しゃかいけて」 (「ども虐待ぎゃくたい防止ぼうし世界せかい会議かいぎ名古屋なごや、2014ねん9がつ16にち における基調きちょう講演こうえん)
  11. ^ 小林こばやし美智子みちこ過去かこからまなび、未来みらいけて行動こうどうしよう: 日本にっぽんの20ねん経験けいけんと、虐待ぎゃくたいされたどもとおやをケアする社会しゃかいけて」『どもの虐待ぎゃくたいとネグレクト』だい17かんだい2ごう岩崎いわさき学術がくじゅつ出版しゅっぱん、2015ねん10がつ、142-143ぺーじ 
  12. ^ 『たすけて! わたしどもを虐待ぎゃくたいしたくない-世代せだい連鎖れんさ支援しえん-』径書房けいしょぼう、2003ねん
  13. ^ だい145かい国会こっかい 青少年せいしょうねん問題もんだいかんする特別とくべつ委員いいんかい だい7ごう平成へいせい11ねん7がつ29にち木曜日もくようび
  14. ^ [『どもの虐待ぎゃくたい防止ぼうしとNGO-国際こくさい比較ひかく調査ちょうさ研究けんきゅう桐野きりの由美子ゆみこ明石書店あかししょてん、2005ねん]
  15. ^ 児童じどう虐待ぎゃくたい 岩波いわなみ新書しんしょ p180 ISBN 978-4-00-431030-3
  16. ^ なお、日本にっぽん欧米おうべいしょ外国がいこくとを比較ひかくすると、日本にっぽんでは、父親ちちおや子育こそだ関与かんよする時間じかんみじかい(家庭かてい教育きょういくかんする国際こくさい比較ひかく調査ちょうさ 国立こくりつ女性じょせい教育きょういく会館かいかん
  17. ^ 共働ともばたら家庭かていほど虐待ぎゃくたいすくない 通説つうせつぎゃく結果けっかた」日経にっけいデュアル、2014ねん5がつ9にち
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