業
インド
インド哲学
— 『
善 をなすものは善生 をうけ、悪 をなすものは悪 生 をうくべし。浄 行 によって浄 たるべく。汚 れたる行 によって、汚 れをうくべし
善人 は天国 に至 って妙 楽 をうくれども、悪人 は奈落 に到 って諸 の苦患 をうく。死後 、霊魂 は秤 にかけられ、善悪 の業 をはかられ、それに応 じて賞罰 せられる百 道 梵書』 (Śatapathā-brāhmana)
あたかも
— 『ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッド』金 細工 人 が一 つの黄金 の小 部分 を資料 とし、さらに新 しくかつ美 しい他 の形像 を造 るように、この我 も身体 と無明 とを脱 して、新 しく美 しい他 の形像 を造 る。それは、あるいは祖先 であり、あるいは乾 闥婆(けんだつば)であり、あるいは諸 神 であり、生生 であり、梵天 であり、もしくは他 の有情 である。……人 は言動 するによって、いろいろの地位 をうる。そのように言動 によって未来 の生 をうる。まことに善 業 の人 は善 となり、悪業 の人 は悪 となり、福 業 によって福 人 となり、罪業 によって罪人 となる。故 に、世 の人 はいう。人 は欲 よりなる。欲 にしたがって意志 を形成 し、意志 の向 かうところにしたがって業 を実現 する。その業 にしたがって、その相応 する結果 がある
インド
異端 派 と沙門 たち
この
それが
ある
なお
仏教
パーリ | kamma |
---|---|
サンスクリット |
karma (Dev: कर्मन्) |
チベット |
ལས། (Wylie: las; THL: lé;) |
| |
karma |
自分 のもの(sakkā)-死 によって失 われるものではなく、来世 についてくる所有 物 [13]。相続 する(dāyādā)-身 ・口 ・意 の三業 から引 き継 がれる[13]。生 まれる(yoni)-生命 を生 み出 すのは、自 ら行 った行為 からで、すべて業 より生 まれる[13]。切 り離 せない(bandhu)-生命 は業 との繋 がりを切 ることはできない[13]。- よりどころとする(paṭisaraṇā)-
生命 のよりどころである[13]。 優劣 をつける(satte vibhajati yadidaṃ hīnappaṇītatāyāti) -生命 に優劣 をつける要素 の一 つである[13]。
分類
三業
身 業 (しんごう, 梵: kāya-karman[15]、カーヤ・カルマン) -身体 に関 わる行為 [16]。身体 的 行為 [15]。口 業 (くごう, 梵: vāk-karman[15]、ヴァーク・カルマン) -言語 に関 わる行為 [16]。言語 表現 [15]。語 業 (ごごう, 梵: vāk-karman[20]、ヴァーク・カルマン)ともいう[21]。意 業 (いごう, 梵: manas-karman[15]、マナス・カルマン) -意志 に関 わる行為 [16]。心意 作用 [15]。
思 業 と思 已 業
なお、
表 業 と無 表 業
引業と満 業
共 業 と不 共 業
三 性 業
三 時 業
順 現業 (順 現 法 受業 、じゅんげんぽうじゅごう[要 出典 ]、dṛṣṭadharma-vedanīya-karman[39]) - この世 で造 った業 の報 いを、この世 で受 ける[2]。順 生業 (順次 生 受業 、じゅんじしょうじゅごう[要 出典 ]、upapadya-vedanīya-karman[40]) - この世 で造 った業 の報 いを、次 に生 まれかわった世 で受 ける[2]。順 後 業 (順 後 次 受業 、じゅんごじじゅごう[要 出典 ]、aparaparyāya-vedanīya-karman[41]) - この世 で造 った業 の報 いを、次 の来世 より先 の世 で受 ける[2]。
業 因 と業 果 との関係
業 道
業 識、業 障
仏典 や宗派 ごとの扱 い
パーリ経典
阿 毘達磨
『
浄土 教
密教
ジャイナ教
西洋
心霊 主義
フランス
エドガー・ケイシー(
神 智学
19
ブラヴァツキーはインドの
ニューエイジ
ニューエイジの「カルマの
脚注
注釈
- ^
原語 の karman は、サンスクリットの動詞 語根 「クリ」(√kṛ)、為 す) より派生 した[1]。羯磨(かつま)と音 写 する[2]。 - ^
原始 仏典 である阿 含経典 (二 カーヤ)において、ウパニシャッドは言及 すらされておらず、まったく存在 していなかったと考 えるからである[要 出典 ]。登場 するヴェーダも三 つまでである[要 出典 ]。 - ^ ただし、
業 因 には、煩悩 などの「業 を起 こさせる原因 」という意味 もあり、因業 には「因 と業 」すなわち「主 因 と助 縁 」という意味 もある[2]。 - ^
業 とその苦 である報 いのことを業苦 という場合 もある[2]。 - ^
非 善 非 悪 の無 記 業 は業 果 を引 く力 がない[2]。 - ^
経 量 部 や大乗 仏教 では、身 ・語 を動 初 (どうほつ)する思 (意志 )の種子 (しゅうじ)のことを指 して業 道 という場合 もある[2]。
出典
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