民みん国こく連立れんりつ政権せいけん

民みん国こく連立れんりつ政権せいけん（みんこくれんりつせいけん）は、2010年ねん5月から2012年ねん12月までの民主党みんしゅとうと国民こくみん新党しんとうによる連立れんりつ政権せいけん。非ひ自民じみん・非ひ共産きょうさん連立れんりつ政権せいけん。

2010年ねん6月がつ8日にち、菅かん直人なおと内閣ないかく発足ほっそく時じに内閣ないかく総理そうり大臣だいじん官邸かんていにて、左ひだりから国民こくみん新党しんとう幹事かんじ長ちょうの自じ見み庄三郎しょうざぶろう、同どう党とう代表だいひょうの亀井かめい静香しずか、民主党みんしゅとう代表だいひょう（内閣ないかく総理そうり大臣だいじん）の菅かん直人なおと、同どう党とう幹事かんじ長ちょうの枝野えだの幸男ゆきお、内閣ないかく官房かんぼう長官ちょうかんの仙谷せんごく由人よしとと（いずれも役職やくしょくは当時とうじ）

経緯けいい

鳩山はとやま由紀夫ゆきお政権せいけん

→「民社みんしゃ国こく連立れんりつ政権せいけん」を参照さんしょう

民主党みんしゅとうと国民こくみん新党しんとう、社民党しゃみんとうとの連立れんりつ時代じだい、普天間ふてんま基地きち移設いせつ問題もんだいで当時とうじの内閣ないかく総理そうり大臣だいじん鳩山はとやま由紀夫ゆきおが第だい45回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょでの公約こうやくとしていた県けん外国がいこく外がい移設いせつを断念だんねんし、沖縄おきなわ県けん名護なご市し辺野古へのこ沖おきを移設いせつ先さきと決定けっていし、鳩山はとやまは閣僚かくりょうに賛成さんせいする署名しょめいを要求ようきゅう。

これに反発はんぱつした社民党しゃみんとう党首とうしゅで内閣ないかく府ふ特命とくめい担当たんとう大臣だいじんだった福島ふくしま瑞穂みずほは署名しょめいを拒否きょひし、2010年ねん5月28日にちに鳩山はとやまより罷免ひめんされた。

そして福島ふくしまは、5月30日にちの社民党しゃみんとう全国ぜんこく県連けんれん幹事かんじ長ちょう会議かいぎにて連立れんりつ政権せいけん離脱りだつの賛否さんぴを問とい、47都道府県とどうふけん中ちゅう37都道とどう府県連ふけんれん幹事かんじ長ちょうが離脱りだつに賛成さんせいし同日どうじつ中ちゅうに正式せいしきに離脱りだつした。今後こんごは、政権せいけんに是々非々ぜぜひひの立場たちばで対応たいおうしていく方針ほうしんを表明ひょうめいした。

菅かん政権せいけん

同年どうねん6月8日にち、鳩山はとやま由紀夫ゆきお内閣ないかくが総そう辞職じしょくし、菅かん直人なおと内閣ないかくが発足ほっそく。初はつ閣議かくぎで連立れんりつの継続けいぞくを確認かくにんした。

ところが6月11日にち、政府せいふ・与党よとうが今夏こんか参院さんいん選せんに集中しゅうちゅうする名目めいもくで郵政ゆうせい改革かいかく法案ほうあんの成立せいりつを参院さんいん選せん後ごの臨時りんじ国会こっかいに先送さきおくりする方針ほうしんを決きめたことを受うけ、郵政ゆうせい金融きんゆう担当たんとう大臣だいじんで国民こくみん新党しんとう代表だいひょうの亀井かめい静香しずかは菅かん直人なおと首相しゅしょう（当時とうじ）に電話でんわで「（閣かく内ないに）残のこることはできない」と辞任じにんの意向いこうを伝つたえ、同日どうじつ中ちゅうに亀井かめいは辞任じにんした。後任こうにんには、亀井かめいと同おなじ国民こくみん新党しんとうの幹事かんじ長ちょう・自じ見み庄三郎しょうざぶろうを充あて、連立れんりつ自体じたいは継続けいぞくした。

7月がつ11日にち投開票とうかいひょうの第だい22回かい参議院さんぎいん議員ぎいん通常つうじょう選挙せんきょでは、民主党みんしゅとうは44議席ぎせき、国民こくみん新党しんとうにいたっては議席ぎせきを失うしない、与党よとうは過半数かはんすうに達たっさなかった。対たいする野党やとう自民党じみんとうは51議席ぎせき獲得かくとくで改選かいせん前ぜん議席ぎせきとあわせて84議席ぎせきと躍進やくしん。参院さんいん選せんの結果けっかを受うけて、民主党みんしゅとう内ないの一部いちぶ議員ぎいんとみんなの党とうの渡辺わたなべ喜美きみ代表だいひょうは、菅かんら民主党みんしゅとう執行しっこう部ぶの引責いんせき辞任じにんを求もとめたが、菅かんと執行しっこう部ぶは続投ぞくとうを表明ひょうめいした。

内閣ないかく支持しじ率りつと求心力きゅうしんりょくの低下ていかに対たいし菅かんは、2011年ねん1月がつ14日にちに内閣ないかく改造かいぞうを決行けっこう、菅かん再さい改造かいぞう内ない閣かくが発足ほっそくした。支持しじ率りつ低下ていかの一因いちいんとも報道ほうどうされる仙谷せんごく由人よしと官房かんぼう長官ちょうかんと馬淵まぶち澄夫すみお国土こくど交通こうつう大臣だいじんをポストから降おろし、後任こうにんにそれぞれ枝野えだの幸男ゆきおと大畠おおはた章宏あきひろを横滑よこすべりさせた。官房かんぼう長官ちょうかんに小沢おざわ一郎いちろうと遠とおい人物じんぶつを置おくことで、小沢おざわの影響えいきょう力りょくを低下ていかさせる狙ねらいがあった。

2011年ねん3月11日にちには東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいよう沖おき地震じしんによる東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい・福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょ事故じこが発はつ災わざわい。政権せいけんは震災しんさい復興ふっこうと原発げんぱつ事故じこの対策たいさくに追おわれることとなった。6月2日にちには、菅かんの災害さいがい対応たいおうが不十分ふじゅうぶんであるとして野党やとうの自民じみん・公明こうめい両りょう党とうにより内閣ないかく不信任ふしんにん決議けつぎ案あんが衆議院しゅうぎいん本ほん会議かいぎに提出ていしゅつされるが可決かけつされず、菅かんは退陣たいじんを匂におわすも続投ぞくとう。この頃ころより民主みんしゅ党内とうないでは、自民党じみんとうと公明党こうめいとうとの「挙国一致きょこくいっち」大だい連立れんりつ構想こうそうが浮上ふじょうするも自民党じみんとうからは事実じじつ上じょう断ことわられる格好かっこうとなった。その後ご、菅かんは再生さいせい可能かのうエネルギー法案ほうあんの成立せいりつに意欲いよくを見みせ、この法案ほうあんと関連かんれん法案ほうあんの成立せいりつこそが「震災しんさい復興ふっこうの一定いっていのめど」とした。

8月がつ26日にち、菅かんが「震災しんさい復興ふっこうへの一定いっていのめど」としていた再生さいせい可能かのうエネルギー法案ほうあんとその関連かんれん法案ほうあんが成立せいりつし、菅かんは正式せいしきに辞任じにんを発表はっぴょうした。菅かんの退陣たいじん表明ひょうめいにより、2011年ねん民主党みんしゅとう代表だいひょう選挙せんきょが公示こうじされ、野田のだ佳彦よしひこ財務ざいむ大臣だいじん、海江田かいえだ万里ばんり経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじん、前原まえはら前外相ぜんがいしょう、鹿野かの道彦みちひこ農林のうりん水産すいさん大臣だいじん、馬淵まぶち前ぜん国交こっこう相しょうの5人にんが立候補りっこうほ。8月がつ29日にちに投開票とうかいひょうされ、野田のだと海江田かいえだの決選けっせん投票とうひょうの結果けっか、野田のだが民主党みんしゅとう代表だいひょうに決定けっていした。8月がつ30日にちの閣議かくぎで菅内すがうち閣かくは総そう辞職じしょくした。

野田のだ政権せいけん

9月2日にち、野田のだ内閣ないかくが発足ほっそく。連立れんりつの継続けいぞくを確認かくにんし、郵政ゆうせい改革かいかく担当たんとう相しょうには国民こくみん新党しんとうの自じ見み庄三郎しょうざぶろうが再任さいにんされた。

野田のだは代表だいひょう選せん前まえから表明ひょうめいしていた、「2014年ねん4月がつに8％、2015年ねん10月がつに10％」の二に段階だんかい引ひき上あげを明記めいきした消費しょうひ増税ぞうぜい法案ほうあん（社会しゃかい保障ほしょうの安定あんてい財源ざいげんの確保かくほ等とうを図はかる税制ぜいせいの抜本ばっぽん的てきな改革かいかくを行おこなうための消費しょうひ税法ぜいほうの一部いちぶを改正かいせいする等ひとしの法律ほうりつ）の成立せいりつを推進すいしん。自民党じみんとうおよび公明党こうめいとうと三さん党とう合意ごういを成立せいりつさせ、2012年ねん3月30日にちに法案ほうあんは閣議かくぎ決定けっていされた。

これに対たいして国民こくみん新党しんとうの代表だいひょう亀井かめい静香しずかは「国民こくみんとの約束やくそくを破やぶるわけにはいかない」と反発はんぱつし、連立れんりつ政権せいけんからの離脱りだつを表明ひょうめいした。野田のだは亀井かめいと総理そうり大臣だいじん公邸こうていで会談かいだんし、慰留いりゅうしたが、亀井かめいは応おうじなかった。国民こくみん新党しんとうから入閣にゅうかくしている自じ見み郵政ゆうせい改革かいかく担当たんとう相しょうらは法案ほうあんの閣議かくぎ決定けっていに署名しょめいし、連立れんりつからの離脱りだつに反対はんたい。国民こくみん新党しんとう分裂ぶんれつとなる状況じょうきょうの下もとで、亀井かめい静香しずかは自じ見みらを無所属むしょぞくとして閣かく内ないに残留ざんりゅうさせて国民こくみん新党しんとうは連立れんりつを離脱りだつする案あんを出だしたが、野田のだは事実じじつ上じょう拒否きょひ。その後ご、国民こくみん新党しんとう内ないで代表だいひょうの亀井かめいと政調せいちょう会長かいちょうの亀井かめい亜紀子あきこへの解任かいにんが両院りょういん議員ぎいん総会そうかいで決議けつぎされ、自じ見みを代表だいひょうに推挙すいきょした。その後ご、亀井かめい静香しずかと亀井かめい亜紀子あきこが離党りとうし、名実めいじつともに自じ見みが代表だいひょうに就任しゅうにんした。

2012年ねん6月4日にち、内閣ないかく改造かいぞうの前まえに行おこなわれた与党よとう党首とうしゅ会談かいだんにおいて、郵政ゆうせい民営みんえい化か・金融きんゆう担当たんとう大臣だいじんを務つとめていた国民こくみん新党しんとう代表だいひょうの自じ見み庄三郎しょうざぶろうが退任たいにんを申もうし出でた。これを受うけ、野田のだは野田のだ第だい2次じ改造かいぞう内ない閣かくにおいて、自じ見みを退任たいにんさせた上うえで、国民こくみん新党しんとう副ふく代表だいひょうで内閣ないかく府ふ副ふく大臣だいじんの松下まつした忠洋ただひろを後任こうにんの郵政ゆうせい民営みんえい化か・金融きんゆう担当たんとう大臣だいじんに任命にんめいした。しかし9月がつ10日とおか、松下まつしたは江東こうとう区くの自宅じたくマンションで自殺じさつした。これに伴ともない、国民こくみん新党しんとう出身しゅっしんの閣僚かくりょうが内閣ないかくから一いち時じ不在ふざいとなったが、同どう党とう幹事かんじ長ちょう下地しもじ幹郎みきおが閣僚かくりょうを引ひき継ついだ。

11月16日にちに野田のだは衆議院しゅうぎいんを解散かいさん（近ちかいうち解散かいさん）した。第だい46回かい衆院しゅういん選せんが12月4日にちに公示こうじされ、12月16日にちに投開票とうかいひょうが行おこなわれた。結果けっかは、民主党みんしゅとうが選挙せんきょ前まえの230議席ぎせきの4分ぶんの1となる57議席ぎせき、国民こくみん新党しんとうが3議席ぎせきから1議席ぎせきに激減げきげんし与党よとうは惨敗ざんぱいした。現職げんしょく閣僚かくりょうでは、民主党みんしゅとうの藤村ふじむら修おさむ官房かんぼう長官ちょうかん、田中たなか眞紀子まきこ文科ぶんか相しょう、城島じょうしま光ひかり力りょく財務ざいむ相しょう、樽床たるとこ伸二しんじ総務そうむ相しょう、三井みつい辨べん雄ゆう厚労相こうろうしょう、小平こだいら忠正ただまさ国家こっか公安こうあん委員いいん長ちょう、中塚なかつか一宏かずひろ金融きんゆう担当たんとう相しょう、国民こくみん新党しんとうの下地しもじ幹郎みきお郵政ゆうせい民営みんえい化か・防災ぼうさい担当たんとう相しょうの8閣僚かくりょうが落選らくせんした。現職げんしょくの閣僚かくりょう8人にん落選らくせんは、日本国にっぽんこく憲法けんぽう下したで最多さいたとなった（これまでの過去かこ最多さいたは第だい34回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょと第だい37回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょの3閣僚かくりょう）。

12月26日にち午前ごぜん、臨時りんじ閣議かくぎを開ひらき閣僚かくりょうの辞表じひょうを取とりまとめ野田のだ内閣ないかくは総そう辞職じしょくした。午後ごごの第だい182回かい国会こっかいの内閣ないかく総理そうり大臣だいじん指名しめい選挙せんきょにおいて安倍晋三あべしんぞうが第だい96代だい内閣ないかく総理そうり大臣だいじんに指名しめいされたことにより、民主党みんしゅとうを中心ちゅうしんとした連立れんりつ政権せいけんは1198日にちで終焉しゅうえんした。

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