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足白癬 - Wikipedia

あし白癬はくせん(あしはくせん)は、感染かんせんしょう一種いっしゅで、白癬はくせんきん(はくせんきん)があしゆびあしうらなど皮膚ひふ角質かくしつやそのした皮下ひか組織そしき侵食しんしょくすることで、かゆみや炎症えんしょうなどがきる。日本にっぽんでは一般いっぱんてき通称つうしょう水虫みずむし(みずむし)、英語えいごけんではathlete's foot(運動うんどう選手せんしゅあし中華ちゅうかけんでは香港ほんこんあしともう。あし白癬はくせんには2種類しゅるいあり、あしうら角質かくしつ肥厚ひこうしてかたくなるかくがた白癬はくせん(かくかがたはくせん)と、水疱すいほう皮膚ひふ剥離はくりうすかわける)が発生はっせいし、発赤はっせき痛痒つうようかんなどをともなあせ疱状白癬はくせん(かんぽうじょうはくせん)が存在そんざいする。

あし白癬はくせん
あし白癬はくせん画像がぞう
概要がいよう
診療しんりょう 皮膚ひふ
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
ICD-10 B35.3
ICD-9-CM 110.4
DiseasesDB 13122
MedlinePlus 000875
eMedicine derm/470
MeSH D014008
KEGG 疾患しっかん H01316

治療ちりょうにはこうきんやく使つかわれ、外用がいようやく場合ばあい1986ねんには1にち1かい薬剤やくざい登場とうじょうした。

感染かんせん

編集へんしゅう
 
培養ばいようされた白癬はくせんきん
 
あし白癬はくせん顕微鏡けんびきょう画像がぞう

白癬はくせんきん角質かくしつ内部ないぶ侵食しんしょく定住ていじゅうする。この領域りょういきでは白血球はっけっきゅうによる駆逐くちく不可能ふかのうである。また皮膚ひふ新陳代謝しんちんたいしゃ以上いじょうのスピードで侵食しんしょくするため、自然しぜん治癒ちゆ出来できない。

あし白癬はくせんは、ながらく通気つうきわる革靴かわぐつ長時間ちょうじかんいたままになりやすいサラリーマン男性だんせいおおかったため、社会しゃかいてきには『成人せいじん男性だんせい病気びょうき』と理解りかいされているめんがあるが、性別せいべつまった関係かんけいなく、女性じょせいでもブーツなど通気つうきせいわるくつくと感染かんせんしやすくなる。白癬はくせんきん自体じたいは、自然しぜんかいおお存在そんざいするきん(カビ)である。至近しきん対策たいさくおこなっていない感染かんせんしゃがいれば、感染かんせんしうる機会きかいおおくなるが、感染かんせんしやすさはあくまでも、湿度しつどあし環境かんきょうおおきく影響えいきょうされる。

予防よぼうは、水虫みずむしすんで感染かんせんしゃとのとくあしまわりの直接ちょくせつ間接かんせつ接触せっしょくけ、感染かんせんしうる機会きかいらし、あし清潔せいけつたも長時間ちょうじかんだか湿度しつどにならないようにすればよい。靴下くつしたをよくえ、通気つうきせいくつにするなども、あし湿度しつどげることに効果こうかがある。ほんゆび靴下くつしたがあるので、それをくことも予防よぼうつながる[よう出典しゅってん]

あし清潔せいけつたもつことは、白癬はくせんきん定住ていじゅうしているあか長時間ちょうじかん付着ふちゃくすることをふせぐことになる。すんで感染かんせんしゃあしきマットの共用きょうようける、あし清潔せいけつたもあか落下らっかふせぐなど、他者たしゃ接触せっしょくさせないようにするとともに、しっかりとした治療ちりょうおこなうことが、他者たしゃへの感染かんせん防止ぼうしする。

化学かがく繊維せんい靴下くつしたは、吸湿きゅうしつせいわるあしあせ吸収きゅうしゅうされず、白癬はくせんきん増殖ぞうしょくうながす。木綿もめんきぬのような吸湿きゅうしつせいのよい生地きじ靴下くつしたは、あし白癬はくせん予防よぼう効果こうかがある。くつのもたらす温度おんど湿気しっけが、白癬はくせんきん増殖ぞうしょくさせていることは確実かくじつであり、草履ぞうり雪駄せったのような、あし温度おんど湿気しっけげるものをくと、予防よぼう効果こうかがある[よう出典しゅってん][1][信頼しんらいせいよう検証けんしょう]

類似るいじ感染かんせんしょう

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顕微鏡けんびきょう確認かくにんし、2-3かい確認かくにんしてもつからない場合ばあい疾患しっかん考慮こうりょする[2]あせ疱状湿疹しっしん紅色こうしょくかげ癬、疥癬かいせん、かきこわし、外用がいようやくよるかぶれを考慮こうりょする[2]水虫みずむしうったえて受診じゅしんしたものの13-33%があし白癬はくせんではなく、そのだい部分ぶぶん湿疹しっしん皮膚ひふえんだったというデータがある[3]

あし白癬はくせん水虫みずむし)のような症状しょうじょうこす、おな白癬はくせんきん感染かんせんによって感染かんせんしょう以下いかがあり、部位ぶいによって呼称こしょうことなる。

  • 田虫たむし(たむし) - 皮膚ひふてのひらあしあたま太股ふともも内側うちがわ陰部いんぶのぞく)。
  • 陰金いんきん(いんきん) - 太股ふともも内側うちがわ陰部いんぶ
  • 白雲しらくも(しらくも) - 頭部とうぶとく子供こどもこりやすい。
  • からだ白癬はくせん(たいぶはくせん)は、上記じょうき以外いがい場所ばしょ感染かんせんした場合ばあい

治療ちりょう

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病院びょういんでは顕微鏡けんびきょうきん確認かくにんできない場合ばあいステロイド外用がいようやく使つかい、あし白癬はくせんではない皮膚ひふえん場合ばあいなおり、あし白癬はくせんではきんえているので、1-2週間しゅうかん顕微鏡けんびきょうでのさい検査けんさ[3]きん確認かくにんされれば以下いかのようになる。

「疱型あし」や「趾間がた」ではこうきんやく軟膏なんこう使つかわれる[4]糜爛びらんがある場合ばあいには、これがなくなるまで酸化さんか亜鉛あえん軟膏なんこう内服ないふくこうきんやく併用へいようし、なくなったらこうきんやく液剤えきざいえる[4]細菌さいきん感染かんせんしょうがある場合ばあい内服ないふく抗菌こうきんやくいたみがあれば内服ないふくこうきんやく使用しよう[4]外用がいようこうきんやくは、あしそこ全体ぜんたいり1かげつつづける[4]

角質かくしつ増殖ぞうしょくがた」では1-2かげつ内服ないふくこうきんやくもちいる[4]

2012ねんシステマティックレビューで、外用がいようやくこうきんやくでいずれかが優越ゆうえつしているということはなく、調査ちょうさふくまれた薬剤やくざいケトコナゾールテルビナフィンブテナフィンビホナゾール、 クロトリマゾール、ミコナゾール、エコナゾール英語えいごばんオキシコナゾールセルタコナゾール英語えいごばんチオコナゾール英語えいごばんナフチフィン英語えいごばんシクロピロックス[5]

処方しょほうやく

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日本にっぽんでは1986ねんより、1にち1かい塗布とふ外用がいようこうきんやく登場とうじょうした[6]当初とうしょ抗菌こうきんスペクトル(殺菌さっきん対象たいしょう)を拡大かくだいし、つぎ使つかいやすい1にち1となり、その皮膚ひふのこりやすい成分せいぶん開発かいはつへとうつった[7]外用がいようやく使つかったことによる症状しょうじょう緩和かんわによって中止ちゅうしすると、角質かくしつないきん生存せいぞんしたままとなり再発さいはつする[7]

外用がいようこうきんやく(1にち1かい使用しようのタイプ。カッコない商品しょうひんめい

市販しはんやく

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以下いかでは、薬局やっきょくドラッグストア購入こうにゅう可能かのうあし白癬はくせん水虫みずむし)を効能こうのうとして認可にんかされている一般いっぱんよう医薬品いやくひんを、いくつか列挙れっきょする。

こうきんやく(1にち1かい使用しようのタイプ)

抗菌こうきんざい

殺菌さっきんざい

硫黄いおう製剤せいざい

ねつ療法りょうほう

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40以上いじょうえられる温度おんどで2時間じかんあたためるが、低温ていおんやけど危険きけんせいもあるため補助ほじょもちいる[10]

ストーブ火気かき患部かんぶちかづける、おをかけるなどの民間みんかん療法りょうほう存在そんざいする。作家さっか安部あべ譲二じょうじ刑務所けいむしょ服役ふくえきちゅう重症じゅうしょう水虫みずむしくるしめられたが、服役ふくえき仲間なかまおしえられて1にち2かいあつろう患部かんぶらし、10日とおかほどでかんなおした体験たいけん記録きろくしている[11]

民間みんかん療法りょうほう

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民間みんかん療法りょうほうかんしては、統計とうけいてき調査ちょうさ検証けんしょうおこなわれたものがほとんつからず、効果こうかがどのくらいなのかや、副作用ふくさようにどのようなものがあるのか、不明ふめいなものがおおい。

出典しゅってん

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  1. ^ こんくら あきら 『くつひと不健康ふけんこうにする』 株式会社かぶしきがいしゃ希望きぼう 2019ねん ISBN 9784909001030
  2. ^ a b 日本にっぽん皮膚ひふ学会がっかい雑誌ざっし 2009, p. 853.
  3. ^ a b 日本にっぽん皮膚ひふ学会がっかい雑誌ざっし 2009, p. 854.
  4. ^ a b c d e 日本にっぽん皮膚ひふ学会がっかい雑誌ざっし 2009, p. 858.
  5. ^ Rotta I, Sanchez A, Gonçalves PR, Otuki MF, Correr CJ (May 2012). “Efficacy and safety of topical antifungals in the treatment of dermatomycosis: a systematic review”. Br. J. Dermatol. (5): 927–33. doi:10.1111/j.1365-2133.2012.10815.x. PMID 22233283. 
  6. ^ 日本にっぽん皮膚ひふ学会がっかい雑誌ざっし 2009, p. 855.
  7. ^ a b 比留間ひるま政太郎まさたろう新規しんき外用がいようこうきんやくルリコナゾールクリーム1%・えき1%の臨床りんしょう試験しけん成績せいせき中心ちゅうしんとして」『日本にっぽんきん学会がっかい総会そうかいプログラム・抄録しょうろくしゅうだい49かんだい0ごう、2005ねん、36-36ぺーじdoi:10.11534/jsmm.49.0.36.0NAID 130006949982 
  8. ^ はな陀膏|イスクラ産業さんぎょう
  9. ^ はな陀雪はなあきら|イスクラ産業さんぎょう
  10. ^ 日本にっぽん皮膚ひふ学会がっかい雑誌ざっし 2009, pp. 855–856.
  11. ^ へいなか水虫みずむし博士はかせ」『へいなかりない面々めんめん3』より

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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  • アホエン - ニンニクにふくまれる化合かごうぶつで、あし白癬はくせんとう医療いりょう用途ようと治療ちりょう適用てきようできるとかんがえられている。

外部がいぶリンク

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