白石しらいし元治郎もとじろう

白石しらいし 元治郎もとじろう（しらいし もとじろう、1867年ねん8月がつ20日はつか〈慶応けいおう3年ねん7月がつ21日にち〉- 1945年ねん〈昭和しょうわ20年ねん〉12月24日にち）は、日本にっぽんの実業じつぎょう家か。日本鋼管にほんこうかんの初代しょだい社長しゃちょう。白石しらいし同族どうぞく代表だいひょう社員しゃいん。浅野あさの財閥ざいばつ創始そうし者しゃ浅野あさの総一郎そういちろうの娘むすめ婿むこにあたる。

白石しらいし元治郎もとじろう

経歴けいれき

日本にっぽん鋼管こうかんの広告こうこく

高田たかだ藩はん（榊原さかきばら家か）の下級かきゅう武士ぶし、前山まえやま孫九郎まごくろうの子ことして、白河しらかわに生うまれた。16歳さいの時とき、白石しらいし武たけ兵衛ひょうえの養子ようしとなる。貧まずしい為ために、大学だいがくでは、教員きょういんの高橋たかはし是清これきよや鈴木すずき校長こうちょうや掛川かけがわ銀行ぎんこう頭取とうどりの永富ながとみ謙けん八はちに借金しゃっきんをしたり、大学だいがくの助手じょしゅとして働はたらきながら学まなんだ。在学ざいがく中ちゅうは、ボート部ぶに所属しょぞくして体からだを鍛きたえた。1892年ねんに帝国ていこく大学だいがく法科ほうか大学だいがくを卒業そつぎょうすると、恩師おんし穂積ほづみ陳重のぶしげの紹介しょうかいで浅野あさの商店しょうてん（浅野あさの財閥ざいばつ）に入社にゅうしゃしたが、浅野あさの総一郎そういちろうの秘書ひしょとして日曜にちよう祭日さいじつも休やすまずに働はたらかされた。明治めいじ28年ねん（1895年ねん）に、浅野あさの総一郎そういちろうの次女じじょと結婚けっこんした。

白石しらいし元治郎もとじろうは、大学だいがく時代じだいの友人ゆうじんで官僚かんりょうの内田うちだ嘉吉よしきちから、航海こうかい・造船ぞうせん奨励しょうれい法ほうにより政府せいふが奨励しょうれい金きんを給付きゅうふするとの情報じょうほうを得えた。浅野あさの総一郎そういちろうはこれをチャンスとして捉とらえて、1896年ねん（明治めいじ29年ねん）に東洋とうよう汽船きせんを設立せつりつした。白石しろいしも東洋とうよう汽船きせんの経営けいえいに参画さんかくするようになり、13,000トン級きゅうの船ふねを３隻せき（天てん洋よう丸まる・地ち洋よう丸まる・春洋はるみ丸まる）（天てん洋よう丸まる級きゅう貨客船かきゃくせん）という当時とうじは不可能ふかのうと思おもわれていた規模きぼの船舶せんぱく建造けんぞうを推おし進すすめて成功せいこうした。後のちに海運かいうん不ふ況きょうになり、収拾しゅうしゅうの為ために白石しろいしと浅野あさのが一緒いっしょに世界中せかいじゅうを廻まわっていた時ときに、「君きみがこんなことを云うんひはじめたものだから、えらい目めに遭あって了りょうった。」と浅野あさの総一郎そういちろうに言いわれた。

その後ご、全すべて輸入ゆにゅうに頼たよっていた民需みんじゅ用よう鋼管こうかんを国産こくさん化かすることを模索もさくしていた、帝みかど大時代おおじだいの学友がくゆうでボート仲間なかまの、八幡やはた製鉄せいてつ所しょ出身しゅっしんの技術ぎじゅつ者しゃ今泉いまいずみ嘉一郎かいちろうに協力きょうりょくし、1912年ねん日本鋼管にほんこうかん株式会社かぶしきがいしゃを設立せつりつした。いつもは新あたらしい事業じぎょうに積極せっきょく的てきだった浅野あさの総一郎そういちろうは、製鉄せいてつ事業じぎょうは赤字あかじに成なると考かんがえて消極しょうきょく的てきだった。それで、白石しらいしが浅野あさのから独立どくりつしたような形かたちで、資金しきん集あつめや製鉄せいてつ機械きかいの購入こうにゅうを行おこない、浅野あさのは側面そくめんから援助えんじょしただけだった。工場こうじょうの建設けんせつは翌年よくねんのことで、場所ばしょは現在地げんざいちと同おなじ川崎かわさきの現げん南渡田みなみわたりだ町まちであった。資本しほん金きんは200万まん円えん、最初さいしょの事務所じむしょは木造もくぞう90坪つぼほどであった。 1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）に、政府せいふ主導しゅどうで、官営かんえい八幡やはた製鉄せいてつ所しょと日本にっぽん中ちゅうの主要しゅような製鉄せいてつ会社かいしゃが合併がっぺいして日本にっぽん製鐵せいてつを結成けっせいした時ときに、白石しらいし元治郎もとじろうは反対はんたいを唱となえて、浅野あさの財閥ざいばつの製鉄せいてつ所しょ（日本鋼管にほんこうかん、浅野あさの小倉おぐら製鋼せいこう所しょ、浅野あさの造船ぞうせん所しょ製鉄せいてつ部ぶ）は参加さんかしなかった。その結果けっか、後々あとあとまで日本鋼管にほんこうかんが存続そんぞくして、今日きょうのJFEホールディングス（JFEスチール）に繋つながった。鶴見つるみ臨港りんこう鉄道てつどうにも関与かんよしたので、JR鶴見線つるみせんの武蔵白石むさししらいし駅えきは、白石しらいし元治郎もとじろうにちなんで命名めいめいされた。武蔵白石むさししらいし駅えき所在地しょざいちの白石しらいし町まちも、彼かれの姓せいから付つけられた地名ちめいである。

1945年ねん12月に病やまいを得え、同どう24日にちに麻布まふ飯倉いいくら町まちの和田わだ二郎じろう宅たくで死去しきょ。享年きょうねん79。

人物じんぶつ

浅野あさの総一郎そういちろうの死後しごは、浅野あさの財閥ざいばつで一族いちぞくの長老ちょうろうとして重おもきをなした。

博多はかた随一ずいいちの富豪ふごう四よん代だい太田おおた清蔵せいぞうとは兄弟きょうだいのような交際こうさいをしていた。趣味しゅみは読書どくしょ。宗教しゅうきょうは仏教ぶっきょう。

家族かぞく・親族しんぞく

白石しらいし家か

東京とうきょう芝しば三田みた功いさお運うん町まち

• 養父ようふ・武たけ兵衛ひょうえ
• 二男じなん・琢二たくじ

1897年ねん -

• 長女ちょうじょ

1901年ねん -

参考さんこう文献ぶんけん

• 白面しらふ人じん『働はたらき盛ざかりの男おとこ』やまと新聞しんぶん出版しゅっぱん部ぶ、1925年ねん。
• 井東いとう憲けん『鋼管こうかん王おう白石しらいし元治郎もとじろう』共きょう盟めい閣かく、1938年ねん。
• 人事じんじ興信所こうしんじょ編へん『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい13版はん 上じょう』人事じんじ興信所こうしんじょ、1941年ねん。