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眼球振盪 - Wikipedia

眼球がんきゅう振盪しんとう

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眼球がんきゅう振盪しんとう(がんきゅうしんとう、えい: nystagmusどく: Nystagmus)は、自分じぶん意思いしとは関係かんけいなく眼球がんきゅううご現象げんしょう病的びょうてきなものと生理せいりてきなものがある。一般いっぱんてきには(がんしん)とりゃくしてぶことがおおい。

眼球がんきゅう振盪しんとう
概要がいよう
診療しんりょう 神経しんけいがく, 聴能がく[*]
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
ICD-10 H55
ICD-9-CM 379.50, 794.14
DiseasesDB 23470
Patient UK 眼球がんきゅう振盪しんとう
MeSH D009759
水平すいへいせい

概要がいよう

編集へんしゅう

眼球がんきゅう随意ずいいてき往復おうふく運動うんどうで、様々さまざま基準きじゅん分類ぶんるいされる。

眼球がんきゅう往復おうふく運動うんどう様式ようしき基準きじゅんにする場合ばあいには、

  • 振子ふりこさま一定いってい速度そくど振子ふりこのような往復おうふく運動うんどうをする)
  • 衝動しょうどうせい一方いっぽうゆるやかにうごき、他方たほうへははやうごく)

けられる。衝動しょうどうせいゆるやかなそう緩徐かんじょしょうばれ、比較的ひかくてきとう速度そくど通常つうじょう病巣びょうそうがわ偏倚へんいする。はやそう急速きゅうそくしょうばれ、脳幹のうかんあみさまたいはじめ中枢ちゅうすう運動うんどうけい機能きのうにより中央ちゅうおうかうとうそく運動うんどうしめし、振幅しんぷくおおきくなれば最大さいだい速度そくどがる。正常せいじょう場合ばあいは30振幅しんぷくたいし400/びょうから500/びょう前後ぜんこうだが、意識いしき状態じょうたいによりがある。この急速きゅうそくしょう方向ほうこう衝動しょうどうせいにおける方向ほうこうとされ、りょうそうつねともあらわれる。

方向ほうこう基準きじゅんとすると、

  • 水平すいへいせい右向みぎむ水平すいへいせい左向ひだりむ水平すいへいせい
  • 垂直すいちょくせいうえ眼瞼がんけん垂直すいちょくせいしも眼瞼がんけん垂直すいちょくせい
  • 回旋かいせんせいけんしゃからのきで時計とけいまわり、はん時計とけいまわりの回旋かいせんせいけられる)
    • 水平すいへい回旋かいせん混合こんごうせい水平すいへいせい回旋かいせんせい混合こんごう
    • 垂直すいちょく回旋かいせん混合こんごうせい垂直すいちょくせい回旋かいせんせい混合こんごう
    • はすぎょう混合こんごう

けることができる。水平すいへいせい自発じはつせいのもの以外いがいに、温度おんど検査けんさ運動うんどうせい検査けんさなどでも誘発ゆうはつできる。垂直すいちょくせいにおいて比較的ひかくてき頻度ひんどたかした眼瞼がんけん病巣びょうそう局在きょくざい診断しんだん下部かぶ脳幹のうかんとされ、アーノルド・キアリ奇形きけい脊髄せきずい小脳しょうのう変性へんせいしょうなどでみとめられる。回旋かいせんせい下部かぶ脳幹のうかんとく前庭ぜんてい神経しんけいかく障害しょうがいによるとされる。

自発じはつせい基準きじゅんとすると、

  • 自発じはつ正面しょうめん注視ちゅうし自発じはつてき発症はっしょうする病的びょうてき
  • 誘発ゆうはつ刺激しげきあたえられることでこる)
    • 注視ちゅうし注視ちゅうしさせたとき誘発ゆうはつされる)
    • 温度おんど外耳がいじどう冷水れいすいもしくは温水おんすい注入ちゅうにゅうしたとき温度おんど刺激しげきにより誘発ゆうはつされる)
    • あたま頭部とうぶ位置いち変化へんかさせたとき誘発ゆうはつされる)
    • 体位たいい変換へんかん体位たいい変化へんかさせたとき誘発ゆうはつされる)

けられる。自発じはつ末梢まっしょう中枢ちゅうすういずれかの前庭ぜんていけい障害しょうがいされた場合ばあいこるが、末梢まっしょう前庭ぜんていけい障害しょうがいによるものでは多少たしょうめまいかんともなう。注視ちゅうし正面しょうめん注視ちゅうし左右さゆうがわかた注視ちゅうし上方かみがた注視ちゅうし下方かほう注視ちゅうしのいずれでもみとめられる。注視ちゅうしにおいて比較的ひかくてき頻度ひんどたか左右さゆうがわかた注視ちゅうしは、みぎかた注視ちゅうしにはみぎかたへ、ひだりかた注視ちゅうしにはひだりかたへの急速きゅうそくしょうをもち、末梢まっしょう前庭ぜんていけい障害しょうがいではられず、小脳しょうのう脳幹のうかんをはじめ中枢ちゅうすう神経しんけいけい病態びょうたいあらわれる。また左右さゆうがわかた注視ちゅうし検査けんさでは、正面しょうめんから30がわかた注視ちゅうしみとめられるかかを基準きじゅんとする。30以上いじょうがわかた注視ちゅうしではきょく一過いっかせいあらわれるが、この場合ばあい病的びょうてき意義いぎづけがない。

以下いか項目こうもくでは病的びょうてき生理せいりてきかを基準きじゅん病的びょうてき生理せいりてきけており、さらに発生はっせい時期じき基準きじゅんにした場合ばあいには次節じせつ先天せんてんせい後天こうてんせいのようにけられる。

病的びょうてき

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のう神経しんけい系統けいとう病気びょうき原因げんいんとなって眼球がんきゅううごく。他人たにんからは黒目くろめ部分ぶぶんふるえるようにうごいたり、回転かいてんしているようにえる。一般いっぱんてき先天せんてんせい場合ばあいおおい。

  • 先天せんてんせいおも特徴とくちょう
    • 一般いっぱん動揺どうようものれてえること)がない。
    • 弱視じゃくし斜視しゃしともなうのが一般いっぱんであるが、その程度ていどひとそれぞれでばらつきがおおきい。
    • なな方向ほうこう緩和かんわされる静止せいしがあることがおおい。
    • すくなくなる角度かくどると、よく視力しりょくられるため、その方向ほうこうあたまかたむけてもの場合ばあいがある。
  • 後天こうてんせい (しばしば眩暈げんうんともなう)
    • 部位ぶいによる分類ぶんるい
      • 内耳ないじせい末梢まっしょうせい
      • 中枢ちゅうすうせい

先天せんてんせい生来せいらい、もしくは生後せいごあいだもなくからあらわれる自発じはつ一種いっしゅで、家族かぞくてき発症はっしょうすることがあり、水平すいへいせいのものがおおい。臨床りんしょうまとにはめまいや平衡へいこう機能きのう障害しょうがい、その神経症しんけいしょうじょうともなうことはまれである。緩徐かんじょしょう急速きゅうそくしょう速度そくど比較的ひかくてきちいさい振子ふりこさまであることがおおい。注視ちゅうしによってつよまり、閉眼により抑制よくせいされることを特徴とくちょうとし、運動うんどう検査けんさ倒錯とうさく現象げんしょう inversion をともなう。

後天こうてんせいのうち、末梢まっしょうせい内耳ないじ障害しょうがい視力しりょく障害しょうがいによるものである。一方いっぽう中枢ちゅうすうせい中枢ちゅうすう神経しんけいけい小脳しょうのう脳幹のうかん前庭ぜんていけい関与かんよする部分ぶぶん)の病変びょうへんによるもので、前庭ぜんてい神経しんけいかくうちたばたてたばね脳幹のうかんもうさまたいなど、また小脳しょうのうとくせい中部ちゅうぶ障害しょうがいがあるときみとめられる。

治療ちりょう

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治療ちりょうは、はら疾患しっかん存在そんざい明確めいかくである場合ばあいにはその治療ちりょうおこなう。先天せんてんせい衝動しょうどうせいにおいて、消失しょうしつもしくは軽快けいかいする静止せいしをもつためにあたま異常いじょうともな場合ばあいには静止せいし正面しょうめん修正しゅうせいする手術しゅじゅつほどこす。一時いちじてき軽減けいげんさせておくにはプリズムもちいられる。

生理せいりてき

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いわゆる「およいでいる」状態じょうたいで、極度きょくど緊張きんちょう状態じょうたいのときに発生はっせいする。緊張きんちょう状態じょうたいけることによりおさまる。

  • 運動うんどうせい

たとえば電車でんしゃっているさいまどそとている状態じょうたいにおいてしょうじる。この場合ばあい鉄道てつどうといい、電車でんしゃ進行しんこうどう方向ほうこう急速きゅうそくしょう反対はんたい方向ほうこう緩徐かんじょしょうをもつ。おなじように運動うんどうせい刺激しげきによりあらわれる運動うんどうせいといい、水平すいへい運動うんどうせいでははし脳幹のうかんが、垂直すいちょく運動うんどうせいではちゅうのうが、その発現はつげん関係かんけいしている。したがって、脳幹のうかん小脳しょうのう機能きのう低下ていかしているさいにはこの反応はんのうにぶくなる。

関連かんれん項目こうもく

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