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神籬 - Wikipedia

かみませ

神道しんとうにおいて神社じんじゃ神棚かみだな以外いがい臨時りんじかみむかえるためのだいとなるもの

かみませ(ひもろぎ)とは、神道しんとうにおいて神社じんじゃ神棚かみだな以外いがい場所ばしょ祭祀さいしおこな場合ばあい臨時りんじかみむかえるためのだいとなるもの。

てんいのちかみませ六甲山ろっこうざんカンツリーハウスにて)

こりと現在げんざい

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古来こらい日本人にっぽんじん自然しぜんやまいわうみなどにかみ宿やどっているとしんじ、信仰しんこう対象たいしょうとしてきた。そのため、古代こだい神道しんとうでは神社じんじゃてて社殿しゃでんなかかみまつるのではなく、まつりのときはその時々ときどきかみまねいておこなった。そのさいかみまねくための巨木きょぼく周囲しゅうい玉垣たまがきをめぐらして注連縄しめなわかこうことで神聖しんせいたもち、ふるくはその場所ばしょかみませばれた。次第しだい神社じんじゃてられるようになり、まつりも社殿しゃでんおこなわれるようになったが、ふるかたち神社じんじゃは、建物たてものなか玉垣たまがきもうけて常盤木ときわぎててかみ宿やどところとし、まつるものであった。のちにはこの常盤木ときわぎかみませぶようになった。

現在げんざいは、かみませ地鎮祭じちんさいなどでもちいられる。

形式けいしきは、はちきゃくだいというだいうえわくみ、その中央ちゅうおうさかきえだて、かみたれ木綿こわた(ゆう)をけたものである。なお、かみませには、常緑樹じょうりょくじゅ常磐木ときわぎ)がもちいられてきており、さかきのほか、まつなども使用しようされている[1]

「ひもろぎ」(古代こだいには「ひもろき」)の語源ごげんは、「ひ」は神霊しんれい、「もろ」は天下あまくだるのの「あもる」のてん、「き」はとされ、神霊しんれい天下あまくだかみだいとなる意味いみとなる[1]

異説いせつひのき(ひのき)榁(むろのき)まつ(まつのき)などのように、わせの目印めじるしとなる高木たかぎう、むらがるただし、末尾まつびの「き」とはかぶとるいおつるいの「」と音韻おんいんじょうちがい、語源ごげんてきには無関係むかんけいである[2]

漢字かんじの「かみませ」はであり[1]、「ませ」はたけしばつくられた垣根かきね意味いみする[3]。なお、「かき」も垣根かきね意味いみするが、こちらはもともと土塀どべいつくられた垣根かきね)を意味いみしていたのが、ひろ垣根かきね全般ぜんぱんすようになったものである[3]。ちなみに、「かきませ(えんり)」あるいは「籬垣ませがき(りえん)」という熟語じゅくごもまた、たけしば垣根かきね意味いみする[3]

なお、「かみませ」の本来ほんらいかたは「かみがき」「みづがき」であった。

「胙」「膰」「燔」にも「ひもろぎ」の字訓じくんてられているが、これらの元々もともと意味いみ神前しんぜんそなえるにくであり、「かみませ」と表記ひょうきする場合ばあいとはおおきく意味いみことなる[3]

神話しんわにおいて

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日本にっぽん神話しんわ天孫てんそん降臨こうりんにおいて、こう御産おさんしん高木たかぎかみ(たかぎのかみ)ともばれるしん)は、てん屋根やねいのちふとしだまいのち祭祀さいしおこなとされる)に、「天津てんしんしんませ天津てんしんいわさかいこしじゅ(た)てて、つねにわが天孫てんそんのためにとき(いわ)いまつりなさい」とめいじたとされる[1]

伊勢神宮いせじんぐうにおいて

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かみり憑くかみませ (ひもろぎ)として、こころはしら(しんのみはしら)を、伊勢神宮いせじんぐう正殿せいでん床下ゆかした中央ちゅうおう部分ぶぶんてている[4]

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d 神道しんとう行法ぎょうほうほん日本にっぽんれいみつるつらぬかみ祇奉さい秘事ひめごと学研がっけん原著げんちょ2005-2-25)。ISBN 9784056037753 
  2. ^ 時代じだいべつ国語こくごだい辞典じてん上代じょうだいへん(1967ねん、624ぺーじ
  3. ^ a b c d 鎌田かまたただし米山よねやま寅太郎とらたろう新版しんぱん 漢語かんごりん』(ななはん大修館書店たいしゅうかんしょてん原著げんちょ1994-4-1)。ISBN 9784469031072 
  4. ^ 小池こいけ 2015, p. 62.

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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