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語幹 - Wikipedia

語幹ごかん

語形ごけい変化へんか基礎きそになる部分ぶぶん

語幹ごかん(ごかん)とは、語形ごけい変化へんか基礎きそになる部分ぶぶんのこと。

日本語にほんごでは用言ようげん活用かつようしない部分ぶぶんのことをうが、形容詞けいようし形容動詞けいようどうしでは独立どくりつせいつよい。また、語幹ごかんたいして、末尾まつび活用かつようする部分ぶぶんのことを活用かつよう語尾ごびということがある。

日本語にほんご膠着こうちゃくであるため、語幹ごかん活用かつよう語尾ごび区別くべつ比較的ひかくてきしやすい。

しかし印欧語いんおうご屈折くっせつ性格せいかくつよいため、語幹ごかん活用かつよう語尾ごび区別くべつ曖昧あいまいで、語幹ごかん母音ぼいん交替こうたいウムラウトあるいはアプラウト)をともなうことがある。印欧語いんおうごでは動詞どうしだけでなく名詞めいし形容詞けいようしについてもかくせい数等すうとう変化へんか語尾ごびのぞいた部分ぶぶん語幹ごかんという。

日本語にほんごにおいての語幹ごかん

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語幹ごかんかんするかんがかた言語げんごがく学校がっこう文法ぶんぽうとではおおきくことなっている。学校がっこう文法ぶんぽうにおいては仮名かめい単位たんい分析ぶんせきされているため、語幹ごかんがある・ないといわれるが、マ字まじ単位たんいつまり音素おんそによって分析ぶんせきすれば、語幹ごかんはかならず存在そんざいする。たとえば、文語ぶんごの「けい(ふ)」は仮名かめい表記ひょうきすると「はひひふへ」と活用かつようするため「語幹ごかんない」とわれるが、マ字まじ単位たんいではhあるいはf語幹ごかんとなる。

日本語にほんご動詞どうしだい多数たすうのものには、原則げんそくてきに「活用かつようによって変化へんかしない音素おんそならび」としての語幹ごかん存在そんざいする。ただしだん活用かつよう動詞どうし語幹ごかん末尾まつびおん消失しょうしつする場合ばあいがあるため、「活用かつようによって変化へんかしない音素おんそならび」として語幹ごかん定義ていぎ厳密げんみつしたがおうとすると現実げんじつてきには(とく日本語にほんご処理しょり分野ぶんやでは)不自由ふじゆうである。

しかし学校がっこう文法ぶんぽうでは、うえいちだん活用かつようの「る」の「mi」や、したいちだん活用かつようの「る」の「de」を語幹ごかんとしてはてず、活用かつようがた一部いちぶとしておしえることがおおい。 ただしぎょう変格活用へんかくかつようの「る」、ぎょう変格活用へんかくかつようの「する」は「語幹ごかん+活用かつよう語尾ごび=活用かつようがた」という発想はっそうがなじまないため、語幹ごかんてず活用かつようがた総体そうたいとしてかんがえても不自然ふしぜんではない。 慣習かんしゅうてきには動詞どうし語幹ごかん漢字かんじあらわし、活用かつよう語尾ごびをひらがなでくが、例外れいがいもある。たとえば「おこなった」という表記ひょうきは「いった」とも「おこなった」ともめるので、まぎれのないように「おこなった」とすることもある。 形態けいたいろんまとには動詞どうし音素おんそレベルまで分解ぶんかいしてかんがえられ、動詞どうし一部いちぶ変格活用へんかくかつよう動詞どうしなどをのぞくと母音ぼいん末尾まつび語幹ごかん動詞どうしうえいちだん活用かつよう動詞どうししたいちだん活用かつよう動詞どうし)および子音しいん末尾まつび語幹ごかん動詞どうしとにけられる(ただし、だんくだり母音ぼいん a・o・u まつであることが計量けいりょう言語げんごがくによってあきらかになっている)。したがって、活用かつようかたち説明せつめいするさい一部いちぶマ字まじ表記ひょうき併用へいようすることもある。子音しいん語幹ごかん動詞どうしはいわゆるだん活用かつようであり、変化へんかしない語幹ごかん部分ぶぶん子音しいんまでととらえるが。語幹ごかん末尾まつびおんである子音しいん音便おんびんによって消失しょうしつすることもあるので、「た」「だ」「て」「で」が附属ふぞくする場合ばあい例外れいがい発生はっせいすることがある。具体ぐたいてきには「いた(kak)」「った(kat)」「んだ(tob)」「んだ(kam)」「った(kar)」などがそのれいである。

なお学校がっこう文法ぶんぽうでいう -a, -i, -u をともなった語幹ごかんかたりもとばれる。これらは子音しいん連続れんぞくけるために緩衝かんしょうとして母音ぼいん挿入そうにゅうされたものである。母音ぼいん語幹ごかん動詞どうしはいわゆるうえいちだん活用かつようしたいちだん活用かつよううえだん活用かつようしただん活用かつようであり、語幹ごかんが /i/ か /e/ でわるものとして分析ぶんせきされる。学校がっこう文法ぶんぽうでは動詞どうし終止しゅうしがたをそれぞれ別個べっこ活用かつようがたかんがえるが、-ru という語尾ごびがあり、母音ぼいん語幹ごかん動詞どうしにはそのまま接続せつぞくするが、子音しいん語幹ごかん動詞どうし接続せつぞくする場合ばあい子音しいん連続れんぞくけるため r が削除さくじょされたものとかんがえられる。なおぎょう変格活用へんかくかつようぎょう変格活用へんかくかつよう不規則ふきそく動詞どうし一部いちぶふくまれ、語幹ごかんは s や k のみとかんがえられる。なお語尾ごびのうちさらに語尾ごび接続せつぞく要求ようきゅうするものを学校がっこう文法ぶんぽうでは助動詞じょどうしとして品詞ひんし分類ぶんるいしているが、そのようなかんがかたられず、動詞どうしあらたな語幹ごかんができるとかんがえる。たとえば「く」の本体ほんたいは kak であり語幹ごかんは k であるが、これに使役しえきあらわ語尾ごび -(s)ase- をけて kakase とすると語幹ごかんは e となり、母音ぼいん語幹ごかん動詞どうしとなる。これに -(r)u をつけてぶんわることもできるが、さらに丁寧ていねいあらわす -(i)mas- をつけて kakasemasu とすることができる。(接尾せつび参照さんしょうのこと)

形容詞けいようし

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すべて語幹ごかん存在そんざいする。

  • aおと末尾まつび(「あかい」)
  • o・uおと末尾まつび(「あおい」「ひくい」)
  • iおと末尾まつび(「みみっちい」など。ごく少数しょうすう
  • おん末尾まつび(「うつくしい」「しい」)
  • eおと末尾まつび(「もうき」「むくつけき」「かそけき」など。口語こうごではほとんど使つかわれず、かずすくない)

aおと末尾まつび形容詞けいようしは「ありがとうございます」のように aおと が oおと交替こうたいすることがある。

形容詞けいようし語幹ごかん語幹ごかん用法ようほうとして使つかわれることがある。基本きほんてきには形容詞けいようし動詞どうし同様どうよう語幹ごかん漢字かんじくが、語尾ごびが「しい」でわっている形容詞けいようしは「し」までが語幹ごかんだが、「しい」をひらがなでかく。

わかい  →わかい
うつくしい→うつくしい

形容動詞けいようどうし

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すべて語幹ごかん存在そんざいする。語幹ごかん用法ようほうがある。

助動詞じょどうし

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国文法こくぶんぽうでいう助動詞じょどうしには、語幹ごかんのあるものと、ないものがある。

  • 語幹ごかんがあるもの
    られる(受身うけみ尊敬そんけい自発じはつ可能かのう)、させる(使役しえき尊敬そんけい)、ない(けし)、そうだ(様態ようたい)、そうだ(伝聞でんぶん)、たい(希望きぼう)、たがる(希望きぼう)、ます(丁寧ていねい)、らしい(推定すいてい)、ようだ(比況ひきょう例示れいじ不確ふたしかな断定だんてい)、です(丁寧ていねい断定だんてい
  • 語幹ごかんがないもの
    れる(受身うけみ尊敬そんけい自発じはつ可能かのう)、せる(使役しえき尊敬そんけい)、ぬ(けし)、た(過去かこ完了かんりょう存続そんぞく)、だ(断定だんてい

ただし、普通ふつうは、助動詞じょどうし語幹ごかん活用かつよう語尾ごび区別くべつすることはほとんどない。助動詞じょどうし活用かつようひょうても、語幹ごかん活用かつよう語尾ごび一緒いっしょいてある。

関連かんれん項目こうもく

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