選択 せんたく 的 てき スプライシング (せんたくてき-、Alternative Splicing)とは、DNA からの転写 てんしゃ 過程 かてい において特定 とくてい のエクソン をとばしてスプライシング を行 おこな うことである。択一 たくいつ 的 てき スプライシング とも呼 よ ばれる。
選択 せんたく 的 てき スプライシング。エクソンのスキッピングなどにより複数 ふくすう 種 しゅ の成熟 せいじゅく mRNAが生 しょう じる。
遺伝子 いでんし にはアミノ酸 あみのさん 配列 はいれつ に関 かん する情報 じょうほう を含 ふく む核酸 かくさん 塩基 えんき 配列 はいれつ (エクソン )が遺伝 いでん 情報 じょうほう を含 ふく まない配列 はいれつ (イントロン )によっていくつかに分断 ぶんだん されている。通常 つうじょう 、DNAからmRNA への転写 てんしゃ が行 おこな われる際 さい にはこれらのすべてが順 じゅん に転写 てんしゃ されていく。その後 ご 、転写 てんしゃ 生成 せいせい 物 ぶつ (mRNA前駆 ぜんく 体 たい )からイントロン部分 ぶぶん の切 き り捨 す てが行 おこな われてエクソン部分 ぶぶん が連結 れんけつ し成熟 せいじゅく mRNAが出来上 できあ がるが、この不要 ふよう な部分 ぶぶん の切 き り捨 す ての過程 かてい をスプライシングと呼 よ んでいる。
しかし、時 とき にスプライシングを行 おこな う部位 ぶい ・組 く み合 あ わせが変化 へんか し、複数 ふくすう 種 しゅ の成熟 せいじゅく mRNAが生成 せいせい することがある。これを選択 せんたく 的 てき スプライシングと呼 よ び、ひとつの遺伝子 いでんし から多数 たすう の生成 せいせい 物 ぶつ が生 しょう じてくることになる。選択 せんたく 的 てき スプライシングによってスプライスバリアントまたはスプライシングバリアント(splice/splicing variant)と呼 よ ばれる変異 へんい タンパク質 たんぱくしつ が生成 せいせい される。
選択 せんたく 的 てき スプライシングは真 ま 核 かく 生物 せいぶつ における正常 せいじょう な現象 げんしょう であり、ゲノム にコードされるタンパク質 たんぱくしつ の多様 たよう 性 せい を大 おお きく増大 ぞうだい させる[ 1] 。ヒトでは、複数 ふくすう のエクソンからなる遺伝子 いでんし のうち約 やく 95%が選択 せんたく 的 てき スプライシングを受 う ける[ 2] 。選択 せんたく 的 てき スプライシングには多数 たすう の形式 けいしき が観察 かんさつ されているが、最 もっと も一般 いっぱん 的 てき な形式 けいしき はエクソンスキッピング (英語 えいご 版 ばん ) である。この形式 けいしき では、特定 とくてい のエクソンが特定 とくてい の条件下 じょうけんか や組織 そしき ではmRNAに組 く み込 こ まれ、他 た の場合 ばあい にはmRNAから省 はぶ かれることとなる[ 1] 。
選択 せんたく 的 てき スプライシングを受 う けたmRNAの産 さん 生 せい は、一 いち 次 じ 転写 てんしゃ 産物 さんぶつ 自身 じしん に存在 そんざい するシスエレメント (シスに作用 さよう する)、そしてそれらに結合 けつごう するタンパク質 たんぱくしつ (トランス に作用 さよう する)のシステムによって調節 ちょうせつ される。関与 かんよ するタンパク質 たんぱくしつ には、特定 とくてい のスプライス部位 ぶい の利用 りよう を促進 そくしん するスプライシング活性 かっせい 化 か 因子 いんし や、特定 とくてい の部位 ぶい の利用 りよう を低下 ていか させるスプライシング抑制 よくせい 因子 いんし が含 ふく まれる。選択 せんたく 的 てき スプライシングの機構 きこう はきわめて多様 たよう であり、特 とく にハイスループット な技術 ぎじゅつ の利用 りよう によって新 あら たな例 れい が発見 はっけん され続 つづ けている。研究 けんきゅう 者 しゃ らは、スプライシングに関与 かんよ する調節 ちょうせつ システムを完全 かんぜん に解明 かいめい し、ある遺伝子 いでんし から特定 とくてい の状況 じょうきょう 下 か で産 さん 生 む されるスプライシングバリアントが「スプライシング・コード」によって予測 よそく できるようになることを望 のぞ んでいる[ 3] [ 4] 。
異常 いじょう なスプライシングバリアントは疾患 しっかん にも関与 かんよ しており、ヒトの遺伝子 いでんし 疾患 しっかん のかなりの部分 ぶぶん がスプライシングバリアントによるものである[ 3] 。異常 いじょう なスプライシングバリアントはがん の発生 はっせい にも寄与 きよ していると考 かんが えられており[ 5] [ 6] [ 7] [ 8] 、スプライシング因子 いんし の遺伝子 いでんし はさまざまなタイプのがんで頻繁 ひんぱん に変異 へんい が生 しょう じている[ 8] 。
選択 せんたく 的 てき スプライシング最初 さいしょ に観察 かんさつ されたのは1977年 ねん である[ 9] [ 10] 。アデノウイルス はその感染 かんせん サイクルの初期 しょき に、ウイルスDNAの複製 ふくせい に先立 さきだ って5種類 しゅるい の一 いち 次 じ 転写 てんしゃ 産物 さんぶつ を産 さん 生 む し、DNA複製 ふくせい の開始 かいし 後 ご に新 あら たに1種類 しゅるい の産 さん 生 せい を行 おこな う。感染 かんせん の終盤 しゅうばん に産 さん 生 む される新 あら たな一 いち 次 じ 転写 てんしゃ 産物 さんぶつ は巨大 きょだい で、32kb のアデノウイルスゲノムの5/6に由来 ゆらい する。これは感染 かんせん 細胞 さいぼう に存在 そんざい するどのアデノウイルスmRNAよりもかなり大 おお きいものである。研究 けんきゅう 者 しゃ らは、2型 がた アデノウイルスが終盤 しゅうばん に産 さん 生 せい する一 いち 次 じ 転写 てんしゃ 産物 さんぶつ は多 おお くの異 こと なる形 かたち へとスプライシングされ、異 こと なるウイルスタンパク質 たんぱくしつ をコードするmRNAが形成 けいせい されていることを発見 はっけん した。さらに、一 いち 次 じ 転写 てんしゃ 産物 さんぶつ は複数 ふくすう のポリアデニル化 か 部位 ぶい を含 ふく んでおり、プロセシングされたmRNAはさまざまな3'末端 まったん を有 ゆう する[ 11] [ 12] [ 13] 。
1981年 ねん 、正常 せいじょう な内在 ないざい 性 せい 遺伝子 いでんし の転写 てんしゃ 産物 さんぶつ での選択 せんたく 的 てき スプライシングの最初 さいしょ の例 れい が同定 どうてい された[ 11] 。甲状腺 こうじょうせん ホルモン であるカルシトニン をコードする遺伝子 いでんし は、哺乳類 ほにゅうるい 細胞 さいぼう では選択 せんたく 的 てき スプライシングを受 う けることが判明 はんめい した。この遺伝子 いでんし からの一 いち 次 じ 転写 てんしゃ 産物 さんぶつ は6つのエクソンを含 ふく んでおり、カルシトニンのmRNAはエクソン1–4を含 ふく み、エクソン4のポリアデニル化 か 部位 ぶい の後 のち で終 お わる。この一 いち 次 じ 転写 てんしゃ 産物 さんぶつ からは他 た のmRNAも産 さん 生 む され、それはエクソン4をスキップしエクソン1–3、5、6を含 ふく んでいる。このmRNAはカルシトニン遺伝子 いでんし 関連 かんれん ペプチド (CGRP)として知 し られるタンパク質 たんぱくしつ をコードしている[ 14] [ 15] 。哺乳類 ほにゅうるい の免疫 めんえき グロブリン遺伝子 いでんし での選択 せんたく 的 てき スプライシングの例 れい も1980年代 ねんだい の初期 しょき に観察 かんさつ された[ 11] [ 16] 。
その後 ご 、選択 せんたく 的 てき スプライシングは真 ま 核 かく 生物 せいぶつ で普遍 ふへん 的 てき な現象 げんしょう であることが判明 はんめい した[ 1] 。選択 せんたく 的 てき スプライシングの「記録 きろく 保持 ほじ 者 しゃ 」はキイロショウジョウバエ Drosophila melanogaster のDscam (英語 えいご 版 ばん ) と呼 よ ばれる遺伝子 いでんし であり、この遺伝子 いでんし からは38,016種類 しゅるい のスプライスバリアントが生 しょう じる可能 かのう 性 せい がある[ 17] 。
選択 せんたく 的 てき スプライシングの基本 きほん 的 てき タイプの伝統 でんとう 的 てき な分類 ぶんるい 。エクソンは青 あお と黄色 おうしょく の長方形 ちょうほうけい 、イントロンはそれらの間 あいだ の線 せん で表 あらわ されている。
選択 せんたく 的 てき スプライシングのタイプの相対 そうたい 的 てき 頻度 ひんど はヒトとショウジョウバエでは異 こと なる[ 18] 。
選択 せんたく 的 てき スプライシングは5種類 しゅるい の基本 きほん 的 てき な形式 けいしき が一般 いっぱん 的 てき に知 し られている[ 1] [ 2] [ 3] [ 18] 。
エクソンスキッピング (exon skipping)またはカセットエクソン (cassette exon): エクソンは一時 いちじ 転写 てんしゃ 産物 さんぶつ から除去 じょきょ されたり、保持 ほじ されたままだったりする。哺乳類 ほにゅうるい のmRNA前駆 ぜんく 体 たい では最 もっと も一般 いっぱん 的 てき な様式 ようしき である[ 18] 。
相互 そうご 排他 はいた 的 てき エクソン (mutually exclusive exons): 2つのエクソンのうちどちらかがmRNAに保持 ほじ されるが、両方 りょうほう 保持 ほじ されることはない。
選択 せんたく 的 てき 5'供与 きょうよ 部位 ぶい (alternative 5' donor sites): 選択 せんたく 的 てき な5'スプライスジャンクション(供与 きょうよ 部位 ぶい )が利用 りよう され、上流 じょうりゅう のエクソンの3'側 がわ の境界 きょうかい が変化 へんか する。
選択 せんたく 的 てき 3'受容 じゅよう 部位 ぶい (alternative 3' acceptor sites): 選択 せんたく 的 てき な3'スプライスジャンクション(受容 じゅよう 部位 ぶい )が利用 りよう され、下流 かりゅう のエクソンの5'側 がわ の境界 きょうかい が変化 へんか する。
イントロン保持 ほじ (intron retention): ある配列 はいれつ がイントロンとして除去 じょきょ されるか、そのまま保持 ほじ されるかする。保持 ほじ される配列 はいれつ がイントロンと隣接 りんせつ していないという点 てん で、エクソンスキッピングとは区別 くべつ される。保持 ほじ されたイントロンがコーディング領域 りょういき 内 うち であれば、隣接 りんせつ するエクソンと同 おな じ読 よ み枠 わく でアミノ酸 あみのさん をコードしなければならない。終止 しゅうし コドンが存在 そんざい したり読 よ み枠 わく がシフトしたりすれば、タンパク質 たんぱくしつ は機能 きのう を失 うしな う。哺乳類 ほにゅうるい では最 もっと も稀 まれ な形式 けいしき である[ 18] 。
これらの選択 せんたく 的 てき スプライシングの主要 しゅよう な形式 けいしき に加 くわ えて、同 おな じ遺伝子 いでんし から異 こと なるmRNAが作 つく り出 だ される主要 しゅよう な機構 きこう が他 た に2つ存在 そんざい する。多重 たじゅう プロモーター (multiple promoters)と多重 たじゅう ポリアデニル化 か 部位 ぶい (multiple polyadenylation sites)である。多重 たじゅう プロモーターの利用 りよう は選択 せんたく 的 てき スプライシングではなく転写 てんしゃ 調節 ちょうせつ (英語 えいご 版 ばん ) 機構 きこう として説明 せつめい されるが、異 こと なる地点 ちてん から転写 てんしゃ が開始 かいし されることで最 もっと も5'側 がわ のエクソンが異 こと なる転写 てんしゃ 産物 さんぶつ が作 つく り出 だ されることがある。他方 たほう 、多重 たじゅう ポリアデニル化 か 部位 ぶい は転写 てんしゃ 産物 さんぶつ の3'末端 まったん の地点 ちてん が異 こと なる。どちらの機構 きこう も選択 せんたく 的 てき スプライシングと組 く み合 あ わせて用 もち いられ、1つの遺伝子 いでんし に由来 ゆらい するmRNAにさらなる多様 たよう 性 せい をもたらしている[ 1] [ 3]
マウスのヒアルロニダーゼ遺伝子 いでんし でみられる3つのスプライシングパターン。エクソンとイントロンの縮尺 しゅくしゃく は正確 せいかく ではない。
これらの形式 けいしき は基本 きほん 的 てき なスプライシング機構 きこう を記述 きじゅつ するものであるが、複雑 ふくざつ なスプライシングの記述 きじゅつ には不適切 ふてきせつ である可能 かのう 性 せい がある。例 たと えば、右 みぎ の図 ず ではマウスのヒアルロニダーゼ 3遺伝子 いでんし の3種類 しゅるい のスプライシング形式 けいしき を示 しめ している。1番目 ばんめ (緑 みどり )と2番目 ばんめ (黄 き )のエクソン構造 こうぞう を比較 ひかく した場合 ばあい の形式 けいしき はイントロン保持 ほじ となるが、2番目 ばんめ (黄 き )と3番目 ばんめ (青 あお )を比較 ひかく した場合 ばあい はエクソンスキッピングとなる。すべての可能 かのう なスプライシングパターンを一意 いちい に示 しめ すための命名 めいめい 法 ほう が近年 きんねん 提唱 ていしょう されている[ 18] 。
スプライソソームA複 ふく 合体 がったい は、イントロンの除去 じょきょ 前 まえ に5'端 はし と3'端 はし を決定 けってい する[ 3] 。
DNAから転写 てんしゃ されたmRNA前駆 ぜんく 体 たい (pre-mRNA)には、いくつかのイントロンとエクソンが含 ふく まれている(転写 てんしゃ された1つのpre-mRNAには、線 せん 虫 ちゅう では平均 へいきん して4–5個 こ 、ショウジョウバエでは100個 こ 以上 いじょう のイントロンとエクソンが含 ふく まれていることもある)。mRNA中 ちゅう にどのエクソンが保持 ほじ されるかは、スプライシングの過程 かてい で決定 けってい される。スプライス部位 ぶい の調節 ちょうせつ と選択 せんたく は、エクソン内 ない スプライシングエンハンサー、エクソン内 ない スプライシングサイレンサーといったpre-mRNA自身 じしん に存在 そんざい するシス作用 さよう エレメント、そしてトランスに作用 さよう するスプライシング活性 かっせい 化 か 因子 いんし とスプライシング抑制 よくせい 因子 いんし によって行 おこな われる。
真 ま 核 かく 生物 せいぶつ の典型 てんけい 的 てき なイントロンには、重要 じゅうよう な領域 りょういき を定義 ていぎ するコンセンサス配列 はいれつ が存在 そんざい する。各 かく イントロンは5'末端 まったん にGU配列 はいれつ を持 も っている。3'末端 まったん の近傍 きんぼう には分 ぶん 枝 えだ 部位 ぶい (branch site)が存在 そんざい する。分 ぶん 枝 えだ 地点 ちてん のヌクレオチド は常 つね にアデニン(A)であるが、その周辺 しゅうへん 配列 はいれつ にはいくぶん多様 たよう 性 せい が存在 そんざい する。ヒトの分 ぶん 枝 えだ 部位 ぶい のコンセンサス配列 はいれつ はyUnAyである[ 19] 。分 ぶん 枝 えだ 部位 ぶい に続 つづ いて一連 いちれん のピリミジン 配列 はいれつ (ポリピリミジントラクト (英語 えいご 版 ばん ) )が存在 そんざい し、それに3'末端 まったん のAG配列 はいれつ が続 つづ く[ 3] 。
mRNAのスプライシングは、スプライソソーム として知 し られるRNA-タンパク質 たんぱくしつ 複 ふく 合体 がったい によって行 おこな われる。スプライソソームは、U1 、U2 、U4 、U5 、U6 と名付 なづ けられたsnRNP を含 ふく んでいる(U3はmRNAのスプライシングには関与 かんよ しない)[ 20] 。U1は5'末端 まったん のGU配列 はいれつ に結合 けつごう し、U2はU2AF (英語 えいご 版 ばん ) タンパク質 たんぱくしつ 因子 いんし の助 たす けのもと、分 ぶん 枝 えだ 部位 ぶい 内 ない のAに結合 けつごう する。この段階 だんかい の複 ふく 合体 がったい はスプライソソームA複 ふく 合体 がったい として知 し られている。A複 ふく 合体 がったい の形成 けいせい は通常 つうじょう 、スプライシングで除去 じょきょ されるイントロンの末端 まったん と保持 ほじ されるエクソンの末端 まったん を決定 けってい する重要 じゅうよう な段階 だんかい である[ 3] 。
U4、U5、U6が複 ふく 合体 がったい に結合 けつごう し、U6はU1に取 と って代 か わる。U1とU4が解離 かいり する。その後 ご 、残 のこ った複 ふく 合体 がったい は2つのエステル交換 こうかん 反応 はんのう を行 おこな う。最初 さいしょ の反応 はんのう では、イントロンの5'末端 まったん が上流 じょうりゅう のエクソンから切 き り離 はな され、分 ぶん 枝 えだ 部位 ぶい のAに対 たい して2',5'-ホスホジエステル結合 けつごう を形成 けいせい する。2番目 ばんめ の反応 はんのう では、イントロンの3'末端 まったん が下流 かりゅう のエクソンから切 き り離 はな され、2つのエクソンがホスホジエステル結合 けつごう で連結 れんけつ される。その後 ご 、投 な げ縄 なわ 型 がた のイントロンが解離 かいり して分解 ぶんかい される[ 1] 。
スプライシングの抑制 よくせい
スプライシングはトランスに作用 さよう するタンパク質 たんぱくしつ (抑制 よくせい 因子 いんし と活性 かっせい 化 か 因子 いんし )とpre-mRNA上 じょう に存在 そんざい してシスに作用 さよう する調節 ちょうせつ 部位 ぶい (サイレンサーとエンハンサー)によって調節 ちょうせつ される。しかし、スプライシング因子 いんし の影響 えいきょう はしばしば位置 いち 依存 いぞん 的 てき であることには留意 りゅうい すべきである。つまり、イントロンのエンハンサーエレメントへ結合 けつごう した際 さい にスプライシング活性 かっせい 化 か 因子 いんし として働 はたら くスプライシング因子 いんし が、エクソンのスプライシングエレメントに結合 けつごう した際 さい には抑制 よくせい 因子 いんし として機能 きのう する場合 ばあい もあり、逆 ぎゃく もまた然 しか りである[ 21] 。pre-mRNA転写 てんしゃ 産物 さんぶつ の二 に 次 じ 構造 こうぞう も、スプライシングエレメントどうしを結 むす び付 つ けたり、スプライシング因子 いんし の結合 けつごう エレメントを覆 おお い隠 かく したりといった形 かたち でスプライシングを調節 ちょうせつ する役割 やくわり を持 も つ[ 22] [ 23] 。これらのエレメントは、さまざまな条件下 じょうけんか でスプライシングがどのように起 お こるかを指示 しじ する「スプライシング・コード」を形成 けいせい している[ 24] [ 25] 。
pre-mRNA上 じょう に存在 そんざい するシス作用 さよう RNAエレメントには2つの主要 しゅよう なタイプが存在 そんざい し、それらには対応 たいおう するRNA結合 けつごう タンパク質 たんぱくしつ が存在 そんざい する。スプライシングサイレンサーはスプライシング抑制 よくせい タンパク質 たんぱくしつ が結合 けつごう する部位 ぶい であり、近接 きんせつ する部位 ぶい がスプライスジャンクションとして利用 りよう される可能 かのう 性 せい を低下 ていか させる。これらはイントロン自身 じしん に位置 いち していることもあり(イントロン性 せい スプライシングサイレンサー、ISS)、隣接 りんせつ するエクソンに位置 いち していることもある(エクソン性 せい スプライシングサイレンサー、ESS)。これらの配列 はいれつ は多様 たよう であり、結合 けつごう するタンパク質 たんぱくしつ の種類 しゅるい もまた多様 たよう である。スプライシング抑制 よくせい 因子 いんし の多 おお くは、hnRNPA1 やポリピリミジントラクト結合 けつごう タンパク質 たんぱくしつ (PTB)などのhnRNP である[ 3] [ 24] 。スプライシングエンハンサーはスプライシング活性 かっせい 化 か 因子 いんし が結合 けつごう する部位 ぶい であり、近接 きんせつ する部位 ぶい がスプライスジャンクションとして利用 りよう される可能 かのう 性 せい を高 たか める。これらもまた、イントロンに位置 いち するもの(イントロン性 せい スプライシングエンハンサー、ISE)とエクソンに位置 いち するもの(エクソン性 せい スプライシングエンハンサー、ESE)がある。ISEとESEに結合 けつごう する活性 かっせい 化 か タンパク質 たんぱくしつ の大 だい 部分 ぶぶん は、SRタンパク質 たんぱくしつ ファミリーのメンバーである。これらのタンパク質 たんぱくしつ はRNA認識 にんしき モチーフ とアルギニンセリンリッチドメイン(RSドメイン)を含 ふく んでいる[ 3] [ 24] 。
スプライシングの活性 かっせい 化 か
一般 いっぱん 的 てき に、スプライシングはコンテクストに依存 いぞん した様式 ようしき で決定 けってい される[ 25] 。特定 とくてい のシス作用 さよう RNAエレメントの存在 そんざい は、ある場合 ばあい には近接 きんせつ 部位 ぶい でのスプライシングの可能 かのう 性 せい を増加 ぞうか させるが他 た の場合 ばあい では可能 かのう 性 せい を低下 ていか させることもあり、その効果 こうか はコンテクストに依存 いぞん する。スプライシングを調節 ちょうせつ するコンテクストには、pre-mRNA上 じょう の他 ほか のRNA配列 はいれつ 特徴 とくちょう の存在 そんざい によって決定 けってい されるシス作用 さよう コンテクストと、細胞 さいぼう の条件 じょうけん によって決定 けってい されるトランス作用 さよう コンテクストが含 ふく まれる。例 たと えば、一部 いちぶ のシス作用 さよう RNAエレメントは、複数 ふくすう のエレメントが同 おな じ領域 りょういき に存在 そんざい するときにのみスプライシングに影響 えいきょう を与 あた える。他 た の例 れい としては、シス作用 さよう エレメントはその細胞 さいぼう でどのタンパク質 たんぱくしつ が発現 はつげん しているか(例 たと えば神経 しんけい 型 がた PTBか非 ひ 神経 しんけい 型 がた PTBか)によってスプライシングに反対 はんたい の影響 えいきょう を与 あた える。スプライシングサイレンサーとエンハンサーの適応 てきおう 的 てき 意義 いぎ について研究 けんきゅう がなされており、ヒトの遺伝子 いでんし では新 あら たなサイレンサーを生 う み出 だ したり既存 きそん のエンハンサーを破壊 はかい することを防 ふせ ぐ強 つよ い選択 せんたく がかかっていることが示 しめ されている[ 26] [ 27] 。
社会 しゃかい 性 せい 昆虫 こんちゅう におけるDNAメチル化 か と選択 せんたく 的 てき スプライシング
編集 へんしゅう
社会 しゃかい 性 せい 昆虫 こんちゅう では、CpGDNAメチル化 か が選択 せんたく 的 てき スプライシングを調節 ちょうせつ する役割 やくわり があることが示 しめ されている[ 28] [ 29] 。セイヨウミツバチ Apis mellifera では、ゲノム公開 こうかい 後 ご に行 おこな われた最初 さいしょ のいくつかの研究 けんきゅう によると、CpGメチル化 か がエクソンスキッピングを調節 ちょうせつ するようである[ 30] [ 31] [ 32] 。CpGメチル化 か によって調節 ちょうせつ される選択 せんたく 的 てき スプライシングは、エクソンスキッピングだけではなく、イントロン保持 ほじ や他 た のスプライシングイベントでも広範 こうはん な影響 えいきょう を与 あた えている[ 33] 。
エクソンスキッピング: ショウジョウバエdsx 遺伝子 いでんし
編集 へんしゅう
dsx のpre-mRNAの選択 せんたく 的 てき スプライシング
キイロショウジョウバエD. melanogaster のdsx (英語 えいご 版 ばん ) 遺伝子 いでんし は、6つのエクソンを含 ふく んでいる。オスでは、エクソン1、2、3、5、6が連結 れんけつ されてmRNAを形成 けいせい し、オスの発生 はっせい に必要 ひつよう な転写 てんしゃ 調節 ちょうせつ タンパク質 たんぱくしつ をコードする。メスでは、エクソン1、2、3、4が連結 れんけつ され、エクソン4のポリアデニル化 か シグナルがその地点 ちてん でのmRNAの切断 せつだん を引 ひ き起 お こす。その結果 けっか 生 しょう じたmRNAはメスの発生 はっせい に必要 ひつよう な転写 てんしゃ 調節 ちょうせつ タンパク質 たんぱくしつ をコードする[ 34] 。
これはエクソンスキッピングの例 れい である。エクソン4の上流 じょうりゅう のイントロンは、コンセンサス配列 はいれつ とあまり一致 いっち しないポリピリミジントラクトを持 も つため、U2AFタンパク質 たんぱくしつ はスプライシング活性 かっせい 化 か 因子 いんし の補助 ほじょ がなければほとんど結合 けつごう しない。そのため、この3'スプライス受容 じゅよう 部位 ぶい はオスでは利用 りよう されない。メスではスプライシング活性 かっせい 化 か 因子 いんし Transformer(Tra)が産 さん 生 む されている(下 した を参照 さんしょう )。SRタンパク質 たんぱくしつ Tra2は両性 りょうせい で産 さん 生 む されており、エクソン4のESEに結合 けつごう する。Tra存在 そんざい 下 か では、TraはTra2へ結合 けつごう し、他 た のSRタンパク質 たんぱくしつ とともに弱 よわ いポリピリミジントラクトへのU2AFタンパク質 たんぱくしつ の結合 けつごう を補助 ほじょ する複 ふく 合体 がったい を形成 けいせい する。その結果 けっか U2が分 ぶん 枝 えだ 点 てん にリクルートされ、エクソン4がmRNAへ組 く み込 こ まれる[ 34] [ 35] 。
ショウジョウバエTransformer 遺伝子 いでんし 産物 さんぶつ の選択 せんたく 的 てき スプライシング
キイロショウジョウバエD. melanogaster のTransformer 遺伝子 いでんし のpre-mRNAは、選択 せんたく 的 てき 受容 じゅよう 部位 ぶい 形式 けいしき の選択 せんたく 的 てき スプライシングを受 う ける。この遺伝子 いでんし がコードするTransformer(Tra)タンパク質 たんぱくしつ は、メスでのみ発現 はつげん する。この遺伝子 いでんし の一 いち 次 じ 転写 てんしゃ 産物 さんぶつ は、2つの受容 じゅよう 部位 ぶい を持 も つイントロンを含 ふく んでいる。オスでは、上流 じょうりゅう の受容 じゅよう 部位 ぶい が利用 りよう される。そのためプロセシングされた転写 てんしゃ 産物 さんぶつ には長 なが いバージョンのエクソン2が組 く み込 こ まれ、そこには本来 ほんらい の終止 しゅうし コドン よりも上流 じょうりゅう に代替 だいたい 的 てき 終止 しゅうし コドンが含 ふく まれている。その結果 けっか 、mRNAは切 き り詰 つ められた不 ふ 活性 かっせい なタンパク質 たんぱくしつ をコードすることとなる。メスは性 せい 決定 けってい タンパク質 たんぱくしつ であるSxlを産 さん 生 せい する。Sxlタンパク質 たんぱくしつ はTra転写 てんしゃ 産物 さんぶつ の上流 じょうりゅう の受容 じゅよう 部位 ぶい 近傍 きんぼう のISSに結合 けつごう するスプライシング抑制 よくせい 因子 いんし であり、U2AFタンパク質 たんぱくしつ がポリピリミジントラクトに結合 けつごう するのを防 ふせ ぐ。これによってこのジャンクションの利用 りよう が防 ふせ がれ、スプライソソームは下流 かりゅう の受容 じゅよう 部位 ぶい へ結合 けつごう する。この地点 ちてん でスプライシングが起 お こることで、上流 じょうりゅう の代替 だいたい 的 てき 終止 しゅうし コドンはイントロンの一部 いちぶ として除去 じょきょ される。その結果 けっか 、mRNAは活性 かっせい のあるTraタンパク質 たんぱくしつ をコードし、他 た の性 せい 関連 かんれん 遺伝子 いでんし の選択 せんたく 的 てき スプライシングの調節 ちょうせつ 因子 いんし となる(上 うえ を参照 さんしょう )[ 1] 。
Fas受容 じゅよう 体 たい pre-mRNAの選択 せんたく 的 てき スプライシング
Fas受容 じゅよう 体 たい の複数 ふくすう のアイソフォーム は選択 せんたく 的 てき スプライシングによって生 う み出 だ される。ヒトで通常 つうじょう 生 しょう じる2つのアイソフォームはエクソンスキッピング機構 きこう によって生 う み出 だ される。エクソン6を含 ふく むmRNAは膜 まく 結合 けつごう 型 がた のFas受容 じゅよう 体 たい をコードし、アポトーシス またはプログラム細胞 さいぼう 死 し を促進 そくしん する。慢性 まんせい 的 てき に日光 にっこう に曝 さら された皮膚 ひふ 細胞 さいぼう ではFas受容 じゅよう 体 たい の発現 はつげん が上昇 じょうしょう しているのに対 たい し皮膚 ひふ がん細胞 さいぼう では発現 はつげん がみられないことは、ヒトではこの機構 きこう が前 ぜん がん状態 じょうたい の細胞 さいぼう の除去 じょきょ に重要 じゅうよう であることを示唆 しさ している[ 36] 。エクソン6がスキップされた場合 ばあい 、生 しょう じるmRNAは可溶性 かようせい のFasタンパク質 たんぱくしつ をコードし、これはアポトーシスを促進 そくしん しない。エクソンが組 く み込 こ まれるかスキップされるかは、TIA-1 (英語 えいご 版 ばん ) とPTBという拮抗 きっこう する2つのタンパク質 たんぱくしつ に依存 いぞん している。
pre-mRNAのエクソン6の下流 かりゅう のイントロンの5'供与 きょうよ 部位 ぶい はコンセンサス配列 はいれつ との間 あいだ に弱 よわ い一致 いっち しかみられず、通常 つうじょう U1 snRNPは結合 けつごう しない。U1が結合 けつごう していないとき、エクソンはスキップされる(図 ず のaを参照 さんしょう )。
ISEにTIA-1タンパク質 たんぱくしつ が結合 けつごう すると、U1 snRNPの結合 けつごう が安定 あんてい 化 か される[ 3] 。その結果 けっか 形成 けいせい された5'供与 きょうよ 部位 ぶい の複 ふく 合体 がったい はエクソンの上流 じょうりゅう の3'スプライス部位 ぶい へのU2AFの結合 けつごう を補助 ほじょ するが、その機構 きこう は不明 ふめい である(bを参照 さんしょう )[ 37] 。
エクソン6はピリミジンに富 と むESS(ure6 )を含 ふく んでおり、そこへPTBが結合 けつごう する。PTBが結合 けつごう した場合 ばあい 、PTBは5'供与 きょうよ 部位 ぶい 複 ふく 合体 がったい がU2AFの受容 じゅよう 部位 ぶい への結合 けつごう に与 あた える影響 えいきょう を阻害 そがい し、その結果 けっか エクソンはスキップされる(cを参照 さんしょう )。
この機構 きこう はスプライシングによってエクソンが定義 ていぎ される例 れい である。通常 つうじょう スプライソソームはイントロンで組 く み立 た てられ、snRNPのサブユニットはイントロンの5'端 はし と3'端 はし が結合 けつごう するようにRNAを折 お り畳 たた む。しかし、このような近年 きんねん 研究 けんきゅう されている例 れい はエクソンの両 りょう 端 はし の相互 そうご 作用 さよう も存在 そんざい することを示 しめ している。このようなエクソンを定義 ていぎ する相互 そうご 作用 さよう では、2つの近接 きんせつ するイントロンでスプライソソームが組 く み立 た てられる前 まえ にコアとなるスプライシング因子 いんし が結合 けつごう することが必要 ひつよう である[ 37] 。
抑制 よくせい 因子 いんし と活性 かっせい 化 か 因子 いんし の競合 きょうごう : HIV-1 tat エクソン2
編集 へんしゅう
HIV-1 tat エクソン2の選択 せんたく 的 てき スプライシング
ヒトでAIDS を引 ひ き起 お こすレトロウイルス であるHIV は1本 ほん のRNA一 いち 次 じ 転写 てんしゃ 産物 さんぶつ を産 さん 生 む し、複数 ふくすう 通 どお りの選択 せんたく 的 てき スプライシングを受 う けて40以上 いじょう の異 こと なるmRNAが産 さん 生 む される[ 38] 。異 こと なるスプライシングを受 う けた転写 てんしゃ 産物 さんぶつ 間 あいだ の平衡 へいこう によって異 こと なる産物 さんぶつ をコードする複数 ふくすう のmRNAがもたらされており、この機構 きこう はウイルスの複製 ふくせい に必要 ひつよう とされる[ 39] 。異 こと なるスプライシングを受 う ける転写 てんしゃ 産物 さんぶつ にはtat 遺伝子 いでんし が含 ふく まれ、その中 なか のエクソン2がスキップされたり組 く み込 こ まれたりするカセットエクソンである。エクソン2の組 く み込 こ みはスプライシング抑制 よくせい 因子 いんし hnRNP A1とSRタンパク質 たんぱくしつ SC35の間 あいだ の競合 きょうごう によって調節 ちょうせつ されている。エクソン2内部 ないぶ に存在 そんざい するESSとESEの配列 はいれつ は重複 じゅうふく している。A1抑制 よくせい タンパク質 たんぱくしつ がESSに結合 けつごう した場合 ばあい 、複数 ふくすう のA1分子 ぶんし が協調 きょうちょう 的 てき に結合 けつごう してエクソン2の上流 じょうりゅう の5'供与 きょうよ 部位 ぶい まで伸 の び、コアスプライシング因子 いんし U2AF35がポリピリミジントラクトに結合 けつごう するのを防 ふせ ぐ。SC35がESEに結合 けつごう した場合 ばあい 、A1の結合 けつごう は防 ふせ がれて5'供与 きょうよ 部位 ぶい はスプライソソームの組 く み立 た てのためにアクセス可能 かのう な状態 じょうたい が維持 いじ される。活性 かっせい 化 か 因子 いんし と抑制 よくせい 因子 いんし の競合 きょうごう は、両方 りょうほう のmRNAのタイプ(エクソン2を含 ふく むものと含 ふく まないもの)が産 さん 生 む されることを保証 ほしょう している[ 38] 。
選択 せんたく 的 てき スプライシングは、1つのDNA配列 はいれつ が1つのポリペプチド をコードするという概念 がいねん (一 いち 遺伝子 いでんし 一 いち 酵素 こうそ 説 せつ )の例外 れいがい の1つである。現在 げんざい では「一 いち 遺伝子 いでんし 多 た ポリペプチド」とでもいう方 ほう が正確 せいかく であるかもしれない[ 40] 。あるDNA配列 はいれつ やあるpre-mRNAからどのポリペプチドが産 さん 生 む されるかを決定 けってい するためには、外部 がいぶ の情報 じょうほう が必要 ひつよう である。調節 ちょうせつ 方法 ほうほう は遺伝 いでん するため、変異 へんい によって遺伝子 いでんし 発現 はつげん に影響 えいきょう を与 あた える新 あら たな方法 ほうほう がもたらされている[ 7] 。
真 ま 核 かく 生物 せいぶつ においては、選択 せんたく 的 てき スプライシングは情報 じょうほう をずっと効率 こうりつ 的 てき に保存 ほぞん するための非常 ひじょう に重要 じゅうよう なステップであることが提唱 ていしょう されている。いくつかのタンパク質 たんぱくしつ をそれぞれ別々 べつべつ の遺伝子 いでんし ではなく1つの遺伝子 いでんし にコードすることによって、限 かぎ られたサイズのゲノムからより多様 たよう なプロテオームを作 つく り出 だ すことができるようになる[ 1] 。また、選択 せんたく 的 てき スプライシングによって進化 しんか 的 てき な柔軟 じゅうなん 性 せい がもたらされる。1か所 しょ の点 てん 変異 へんい によって、あるエクソンが時折 ときおり 除去 じょきょ されたり組 く み込 こ まれたりするようになる可能 かのう 性 せい があり、これによって元 もと のタンパク質 たんぱくしつ を失 うしな うことなく新 あら たなアイソフォーム を生 う み出 だ すことができる[ 1] 。非 ひ 構成 こうせい 的 てき (選択 せんたく 的 てき )エクソンには天然 てんねん 変性 へんせい 領域 りょういき (天然 てんねん 変性 へんせい タンパク質 たんぱくしつ を参照 さんしょう )が多 おお く見 み られることが研究 けんきゅう で示 しめ されており[ 41] 、アイソフォーム間 あいだ の機能 きのう 的 てき 差異 さい はこうした領域 りょういき の機能 きのう 的 てき モジュールの変化 へんか によってもたらされていることが示唆 しさ されている。アイソフォーム間 あいだ の機能 きのう 的 てき 差異 さい はそれらの発現 はつげん パターンにも反映 はんえい されており、機械 きかい 学習 がくしゅう によるアプローチによる予測 よそく も行 おこな われている[ 42] [ 43] 。また、進化 しんか の過程 かてい で選択 せんたく 的 てき スプライシングは多 た 細胞 さいぼう 性 せい よりも先 さき に出現 しゅつげん しており、この機構 きこう が多 た 細胞 さいぼう 生物 せいぶつ の発達 はったつ を補助 ほじょ するために採用 さいよう されたものである可能 かのう 性 せい が示唆 しさ されている[ 44] 。
ヒトゲノムプロジェクト や他 た のゲノムシーケンシングに基 もと づいた研究 けんきゅう によって、ヒトの遺伝子 いでんし の数 かず は線 せん 虫 ちゅう Caenorhabditis elegans よりも30%多 おお いだけであり、キイロショウジョウバエ Drosophila melanogaster のわずか2倍 ばい である。この発見 はっけん はヒト、より一般 いっぱん 的 てき に脊椎動物 せきついどうぶつ でみられる複雑 ふくざつ 性 せい は、無 む 脊椎動物 せきついどうぶつ よりもヒトで選択 せんたく 的 てき スプライシングが高率 こうりつ で起 お こるためではないか、という思索 しさく をもたらした[ 45] [ 46] 。しかし、ヒト、マウス、ラット、ウシ、ハエ(D. melanogaster )、線 せん 虫 ちゅう (C. elegans )、そしてシロイヌナズナ 由来 ゆらい のそれぞれ100,000のEST サンプルを用 もち いた研究 けんきゅう では、ヒトと他 た の動物 どうぶつ との間 あいだ で選択 せんたく 的 てき スプライシングを受 う ける遺伝子 いでんし の頻度 ひんど に大 おお きな差 さ は見 み られなかった[ 47] 。一方 いっぽう 別 べつ の研究 けんきゅう では、これらの結果 けっか は生物 せいぶつ 種 しゅ によって利用 りよう 可能 かのう なESTの数 かず が異 こと なることによるアーティファクト であるとされた。各 かく 生物 せいぶつ 種 しゅ からランダムに選 えら ばれた遺伝子 いでんし で選択 せんたく 的 てき スプライシングを比較 ひかく した際 さい には、脊椎動物 せきついどうぶつ では無 む 脊椎動物 せきついどうぶつ よりも高率 こうりつ で選択 せんたく 的 てき スプライシングが起 お こっていると著者 ちょしゃ らは結論 けつろん 付 つ けている[ 48] 。
RNAプロセシング装置 そうち の変化 へんか は複数 ふくすう の転写 てんしゃ 産物 さんぶつ に誤 あやま ったスプライシングを引 ひ き起 お こす一方 いっぽう 、スプライシング部位 ぶい やシス作用 さよう 調節 ちょうせつ 部位 ぶい の一 いち 塩基 えんき 置換 ちかん は1つの遺伝子 いでんし のスプライシングに変化 へんか をもたらす。確 かく 率 りつ 的 てき 解析 かいせき による2005年 ねん の研究 けんきゅう では、ヒトの疾患 しっかん の原因 げんいん となる変異 へんい の60%以上 いじょう が、コーディング配列 はいれつ に直接 ちょくせつ 影響 えいきょう を与 あた えるものではなく、スプライシングに影響 えいきょう を与 あた えるものであることが示 しめ された[ 49] 。より最近 さいきん の研究 けんきゅう では、すべての遺伝 いでん 疾患 しっかん のうち1/3がスプライシングの要素 ようそ を有 ゆう する可能 かのう 性 せい が高 たか いことが示 しめ された[ 21] 。正確 せいかく な割合 わりあい がどの程度 ていど であるかは置 お いておくとして、スプライシングと関連 かんれん した疾患 しっかん は多数 たすう 存在 そんざい する[ 50] 。後述 こうじゅつ する通 とお り、スプライシングと関連 かんれん した疾患 しっかん の有名 ゆうめい な例 れい はがん である。
異常 いじょう なスプライシングを受 う けたmRNAは、がん細胞 さいぼう に高 たか い割合 わりあい で見 み つかる[ 5] [ 6] [ 8] 。RNA-Seq (英語 えいご 版 ばん ) とプロテオミクス 解析 かいせき を組 く み合 あ わせた研究 けんきゅう によって、がん経路 けいろ に重要 じゅうよう なタンパク質 たんぱくしつ のスプライシングアイソフォームに大 おお きな差 さ が生 しょう じていることが明 あき らかにされた[ 51] 。このような異常 いじょう なスプライシングパターンががんの成長 せいちょう に寄与 きよ しているのか、それとも単 たん にがんと関連 かんれん した細胞 さいぼう の異常 いじょう の結果 けっか であるのかは必 かなら ずしも明 あき らかではない。大腸 だいちょう がん や前立腺 ぜんりつせん がん など特定 とくてい 種 しゅ のがんではスプライシングエラーの数 かず が個々 ここ のがんで大 おお きく異 こと なることが示 しめ されており、この現象 げんしょう はtranscriptome instability (トランスクリプトーム の不安定 ふあんてい 性 せい )と呼 よ ばれる[ 52] [ 53] 。さらに、transcriptome instabilityはスプライシング因子 いんし の遺伝子 いでんし の発現 はつげん レベルの低下 ていか と大 おお きく相関 そうかん することが示 しめ されている。DNMT3A の変異 へんい は血液 けつえき のがんに寄与 きよ することが示 しめ されており、変異 へんい 細胞 さいぼう 株 かぶ では同 どう 系統 けいとう の野生 やせい 株 かぶ と比較 ひかく してtransriptome instabilityを示 しめ す[ 54] 。
がん細胞 さいぼう では正常 せいじょう 細胞 さいぼう と比較 ひかく して選択 せんたく 的 てき スプライシングの減少 げんしょう とスプライシングのタイプの変化 へんか が生 しょう じている。例 たと えば、がん細胞 さいぼう ではイントロン保持 ほじ は通常 つうじょう よりも高率 こうりつ であるが、エクソンスキッピングは低率 ていりつ である[ 55] 。がん細胞 さいぼう でのスプライシングの差異 さい は、スプライシング因子 いんし の遺伝子 いでんし の体 からだ 細胞 さいぼう 変異 へんい が高率 こうりつ でみられるためである可能 かのう 性 せい があり[ 8] 、またスプライシング因子 いんし のリン酸化 さんか の変化 へんか によるものである可能 かのう 性 せい もある[ 7] 。他 た には、産 さん 生 む されるスプライシング因子 いんし の相対 そうたい 的 てき な量 りょう の変化 へんか の可能 かのう 性 せい もあり、乳 にゅう がんではスプライシング因子 いんし SF2/ASF のレベルが上昇 じょうしょう している[ 56] 。ある研究 けんきゅう では、正常 せいじょう 細胞 さいぼう より腫瘍 しゅよう 細胞 さいぼう で高 こう 頻度 ひんど に見 み られるスプライスバリアントの割合 わりあい は比較的 ひかくてき 小 ちい さく(26000以上 いじょう のうちの383種類 しゅるい )、誤 あやま ったスプライシングを受 う けたときに腫瘍 しゅよう の成長 せいちょう に寄与 きよ する遺伝子 いでんし は限 かぎ られていることが示唆 しさ されている[ 57] 。一方 いっぽう で、誤 あやま ったスプライシングを受 う けた転写 てんしゃ 産物 さんぶつ は通常 つうじょう ナンセンス変異 へんい 依存 いぞん mRNA分解 ぶんかい 機構 きこう (NMD)と呼 よ ばれる転写 てんしゃ 後 ご 品質 ひんしつ 管理 かんり 機構 きこう によって除去 じょきょ されると考 かんが えられている[ 58] 。
特定 とくてい のスプライシングバリアントががんと関係 かんけい している例 れい としては、ヒトのDNAメチルトランスフェラーゼ (DNMT)遺伝子 いでんし の変異 へんい がある。3つのDNMT遺伝子 いでんし はDNAにメチル基 もと を付加 ふか する酵素 こうそ をコードし、この修飾 しゅうしょく は多 おお くの場合 ばあい 調節 ちょうせつ 効果 こうか を有 ゆう する。異常 いじょう なスプライシングを受 う けたDNMT3B のmRNAが腫瘍 しゅよう やがん細胞 さいぼう 株 かぶ では見 み いだされる。2つの異 こと なる研究 けんきゅう において、これらの異常 いじょう なスプライシングを受 う けたmRNAのうちの2種類 しゅるい で、哺乳類 ほにゅうるい 細胞 さいぼう での発現 はつげん によってDNAメチル化 か のパターンの変化 へんか が引 ひ き起 お こされることが示 しめ された。異常 いじょう なmRNAの1つを発現 はつげん する細胞 さいぼう は対照 たいしょう 細胞 さいぼう の2倍 ばい の速度 そくど で成長 せいちょう し、腫瘍 しゅよう 成長 せいちょう への直接的 ちょくせつてき な寄与 きよ が示 しめ された[ 7] 。
他 た の例 れい としては、Ron (MST1R (英語 えいご 版 ばん ) )がん原 げん 遺伝子 いでんし が挙 あ げられる。がん細胞 さいぼう の重要 じゅうよう な性質 せいしつ は、正常 せいじょう 組織 そしき へ移動 いどう し侵入 しんにゅう する能力 のうりょく である。Ron の異常 いじょう スプライシング産物 さんぶつ は、乳 にゅう がん細胞 さいぼう でのSF2/ASFのレベルの上昇 じょうしょう と関連 かんれん していることが判明 はんめい している。このmRNAにコードされるRonタンパク質 たんぱくしつ の異常 いじょう なアイソフォームは、細胞 さいぼう に運動 うんどう 性 せい をもたらす[ 56] 。
側 がわ 坐 すわ 核 かく の特定 とくてい のニューロン集団 しゅうだん におけるFOSB (英語 えいご 版 ばん ) 遺伝子 いでんし の切 き り詰 つ められたスプライスバリアント(Δ でるた FosB)の過剰 かじょう 発現 はつげん は、薬物 やくぶつ 依存 いぞん や行動 こうどう 嗜癖 の誘導 ゆうどう と維持 いじ の原因 げんいん 機構 きこう として同定 どうてい されている[ 59] [ 60] [ 61] [ 62] 。
近年 きんねん の研究 けんきゅう では、選択 せんたく 的 てき スプライシングの調節 ちょうせつ におけるクロマチン 構造 こうぞう やヒストン 修飾 しゅうしょく の重要 じゅうよう な機能 きのう が指摘 してき されている。これらの洞察 どうさつ はエピジェネティック な調節 ちょうせつ 機構 きこう は、ゲノムのどの部分 ぶぶん が発現 はつげん するかだけでなく、それらがどのようにスプライシングされるかについても決定 けってい していることを示唆 しさ している[ 63] 。
選択 せんたく 的 てき スプライシングのゲノムワイド解析 かいせき は挑戦 ちょうせん 的 てき な課題 かだい である。一般 いっぱん 的 てき には選択 せんたく 的 てき スプライシングを受 う けた転写 てんしゃ 産物 さんぶつ はESTの配列 はいれつ を比較 ひかく することで発見 はっけん されるが、これには非常 ひじょう に多数 たすう のESTのシーケンシングを必要 ひつよう とする。ESTライブラリの大 だい 部分 ぶぶん は限 かぎ られた数 かず の組織 そしき に由来 ゆらい し、そのため組織 そしき 特異 とくい 的 てき なスプライスバリアントは見逃 みのが されがちである。一方 いっぽう 、DNAマイクロアレイ ベースの解析 かいせき 、RNA結合 けつごう アッセイ、ディープシーケンシング (英語 えいご 版 ばん ) といった、ハイスループットなアプローチでスプライシングを調査 ちょうさ する手法 しゅほう も開発 かいはつ されている。これらの手法 しゅほう は、タンパク質 たんぱくしつ 結合 けつごう に影響 えいきょう を与 あた えるスプライシングエレメント周辺 しゅうへん の多 た 型 がた や変異 へんい のスクリーニングにも利用 りよう される。In vivo でのレポーター遺伝子 いでんし アッセイなどのスプライシングアッセイと組 く み合 あ わせることで、多 た 型 がた や変異 へんい がpre-mRNAのスプライシングに与 あた える機能 きのう 的 てき な影響 えいきょう を分析 ぶんせき することができる[ 21] [ 24] [ 64] 。
マイクロアレイ解析 かいせき では、アレイには個々 ここ のエクソン(Affymetrix exon microarrayなど)またはエクソン-エクソン境界 きょうかい (ExonHitやJivanなど)のDNA断片 だんぺん が利用 りよう される。アレイは研究 けんきゅう 対象 たいしょう の組織 そしき 由来 ゆらい のラベルされたcDNA との結合 けつごう が行 おこな われる。プローブとなるcDNAは、その組織 そしき でmRNAに組 く み込 こ まれているエクソン由来 ゆらい のDNAまたはエクソン境界 きょうかい のDNAに結合 けつごう する。これによって特定 とくてい の選択 せんたく 的 てき スプライシングを受 う けたmRNAの存在 そんざい が明 あき らかにされる[ 65] 。
CLIP(cross-linking and immunoprecipitation、クロスリンク と免疫 めんえき 沈降 ちんこう )では、スプライシングが行 おこな われている組織 そしき でタンパク質 たんぱくしつ とRNA分子 ぶんし の紫外線 しがいせん 照射 しょうしゃ による架橋 かきょう が行 おこな われる。そして、研究 けんきゅう 対象 たいしょう のトランス作用 さよう スプライシング調節 ちょうせつ タンパク質 たんぱくしつ は特異 とくい 的 てき 抗体 こうたい を用 もち いて沈降 ちんこう される。タンパク質 たんぱくしつ に結合 けつごう しているRNAの単 たん 離 はなれ とクローニングが行 おこな われ、そのタンパク質 たんぱくしつ の標的 ひょうてき 配列 はいれつ が明 あき らかとなる[ 4] 。RNA結合 けつごう タンパク質 たんぱくしつ を同定 どうてい しそのpre-mRNA転写 てんしゃ 産物 さんぶつ へのマッピングを行 おこな う他 ほか の手法 しゅほう としては、MEGAshift(Microarray Evaluation of Genomic Aptamers by shift)がある[ 66] 。この手法 しゅほう は、SELEX法 ほう (Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment)[ 67] の応用 おうよう であり、マイクロアレイベースの読 よ み出 だ しを組 く み合 あ わせたものである。MEGAshift法 ほう によって選択 せんたく 的 てき スプライシングが行 おこな われるエクソン周辺 しゅうへん においてASF/SF2やPTBといったスプライシング因子 いんし が結合 けつごう する配列 はいれつ が特定 とくてい され、選択 せんたく 的 てき スプライシングの調節 ちょうせつ に新 あら たな洞察 どうさつ がもたらされた[ 68] 。このアプローチはRNAの二 に 次 じ 構造 こうぞう とスプライシング因子 いんし の結合 けつごう の関係 かんけい を明 あき らかにするためにも利用 りよう されている[ 23] 。
ディープシーケンシング技術 ぎじゅつ は、プロセシングを受 う けていないmRNAや受 う けたmRNAのゲノムワイド解析 かいせき を行 おこな うために利用 りよう されており、選択 せんたく 的 てき スプライシングへ洞察 どうさつ をもたらしている。例 たと えば、ディープシーケンシングを用 もち いて得 え られた結果 けっか からは、ヒトでは複数 ふくすう のエクソンからなる遺伝子 いでんし の転写 てんしゃ 産物 さんぶつ の95%が選択 せんたく 的 てき スプライシングを受 う けると推計 すいけい され、多数 たすう のpre-mRNA転写 てんしゃ 産物 さんぶつ は組織 そしき 特異 とくい 的 てき なスプライシングを受 う けていることが示 しめ された[ 2] 。機能 きのう ゲノミクス とmultiple instance learningベースの計算 けいさん 機 き アプローチが、RNA-seqのデータを統合 とうごう し、選択 せんたく 的 てき スプライシングを受 う けたアイソフォームの機能 きのう を予測 よそく するために開発 かいはつ されている[ 43] 。ディープシーケンシングは、スプライシングの過程 かてい で放出 ほうしゅつ される一時 いちじ 的 てき な投 な げ縄 なわ 構造 こうぞう のin vivo での検出 けんしゅつ 、分 ぶん 枝 えだ 部位 ぶい の配列 はいれつ の決定 けってい 、そしてヒトのpre-mRNA転写 てんしゃ 産物 さんぶつ における分 ぶん 枝 えだ 点 てん の大 だい 規模 きぼ マッピングにも利用 りよう されている[ 69] 。
レポーターアッセイは、特定 とくてい の選択 せんたく 的 てき スプライシングイベントに関与 かんよ するスプライシングタンパク質 しつ の発見 はっけん を可能 かのう にする。この場合 ばあい 、レポーター遺伝子 いでんし はスプライシング反応 はんのう が起 お こったかどうかによって2つの異 こと なる蛍光 けいこう タンパク質 たんぱくしつ のいずれか1つを発現 はつげん するように構築 こうちく される。この手法 しゅほう はスプライシングに影響 えいきょう が生 しょう じている変異 へんい 体 たい を単 たん 離 はな し、それらの変異 へんい 体 たい で不 ふ 活性 かっせい 化 か されている新規 しんき スプライシング調節 ちょうせつ タンパク質 たんぱくしつ を同定 どうてい するために利用 りよう される[ 4] 。
選択 せんたく 的 てき スプライシングのデータベースは複数 ふくすう 存在 そんざい する。これらのデータベースは、選択 せんたく 的 てき スプライシングを受 う けるpre-mRNAを産 さん 生 せい する遺伝子 いでんし を発見 はっけん する際 さい に有用 ゆうよう である。
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^ “Molecular neurobiology of addiction: what's all the (Δ でるた )FosB about?”. The American Journal of Drug and Alcohol Abuse 40 (6): 428–37. (November 2014). doi :10.3109/00952990.2014.933840 . PMID 25083822 . "Δ でるた FosB is an essential transcription factor implicated in the molecular and behavioral pathways of addiction following repeated drug exposure. The formation of Δ でるた FosB in multiple brain regions, and the molecular pathway leading to the formation of AP-1 complexes is well understood. The establishment of a functional purpose for Δ でるた FosB has allowed further determination as to some of the key aspects of its molecular cascades, involving effectors such as GluR2 (87,88), Cdk5 (93) and NFkB (100). Moreover, many of these molecular changes identified are now directly linked to the structural, physiological and behavioral changes observed following chronic drug exposure (60,95,97,102). New frontiers of research investigating the molecular roles of Δ でるた FosB have been opened by epigenetic studies, and recent advances have illustrated the role of Δ でるた FosB acting on DNA and histones, truly as a ‘‘molecular switch’’ (34). As a consequence of our improved understanding of Δ でるた FosB in addiction, it is possible to evaluate the addictive potential of current medications (119), as well as use it as a biomarker for assessing the efficacy of therapeutic interventions (121,122,124). Some of these proposed interventions have limitations (125) or are in their infancy (75). However, it is hoped that some of these preliminary findings may lead to innovative treatments, which are much needed in addiction."
^ “Epigenetic regulation in drug addiction”. Annals of Agricultural and Environmental Medicine 19 (3): 491–6. (2012). PMID 23020045 . "For these reasons, Δ でるた FosB is considered a primary and causative transcription factor in creating new neural connections in the reward centre, prefrontal cortex, and other regions of the limbic system. This is reflected in the increased, stable and long-lasting level of sensitivity to cocaine and other drugs, and tendency to relapse even after long periods of abstinence. These newly constructed networks function very efficiently via new pathways as soon as drugs of abuse are further taken"
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