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選択的スプライシング - Wikipedia

選択せんたくてきスプライシング(せんたくてき-、Alternative Splicing)とは、DNAからの転写てんしゃ過程かていにおいて特定とくていエクソンをとばしてスプライシングおこなうことである。択一たくいつてきスプライシングともばれる。

選択せんたくてきスプライシング。エクソンのスキッピングなどにより複数ふくすうしゅ成熟せいじゅくmRNAがしょうじる。

遺伝子いでんしにはアミノ酸あみのさん配列はいれつかんする情報じょうほうふく核酸かくさん塩基えんき配列はいれつエクソン)が遺伝いでん情報じょうほうふくまない配列はいれつイントロン)によっていくつかに分断ぶんだんされている。通常つうじょう、DNAからmRNAへの転写てんしゃおこなわれるさいにはこれらのすべてがじゅん転写てんしゃされていく。その転写てんしゃ生成せいせいぶつmRNA前駆ぜんくたい)からイントロン部分ぶぶんてがおこなわれてエクソン部分ぶぶん連結れんけつ成熟せいじゅくmRNAが出来上できあがるが、この不要ふよう部分ぶぶんての過程かていをスプライシングとんでいる。

しかし、ときにスプライシングをおこな部位ぶいわせが変化へんかし、複数ふくすうしゅ成熟せいじゅくmRNAが生成せいせいすることがある。これを選択せんたくてきスプライシングとび、ひとつの遺伝子いでんしから多数たすう生成せいせいぶつしょうじてくることになる。選択せんたくてきスプライシングによってスプライスバリアントまたはスプライシングバリアント(splice/splicing variant)とばれる変異へんいタンパク質たんぱくしつ生成せいせいされる。

選択せんたくてきスプライシングはかく生物せいぶつにおける正常せいじょう現象げんしょうであり、ゲノムにコードされるタンパク質たんぱくしつ多様たようせいおおきく増大ぞうだいさせる[1]。ヒトでは、複数ふくすうのエクソンからなる遺伝子いでんしのうちやく95%が選択せんたくてきスプライシングをける[2]選択せんたくてきスプライシングには多数たすう形式けいしき観察かんさつされているが、もっと一般いっぱんてき形式けいしきエクソンスキッピング英語えいごばんである。この形式けいしきでは、特定とくていのエクソンが特定とくてい条件下じょうけんか組織そしきではmRNAにまれ、場合ばあいにはmRNAからはぶかれることとなる[1]

選択せんたくてきスプライシングをけたmRNAのさんせいは、いち転写てんしゃ産物さんぶつ自身じしん存在そんざいするシスエレメント(シスに作用さようする)、そしてそれらに結合けつごうするタンパク質たんぱくしつトランス作用さようする)のシステムによって調節ちょうせつされる。関与かんよするタンパク質たんぱくしつには、特定とくていのスプライス部位ぶい利用りよう促進そくしんするスプライシング活性かっせい因子いんしや、特定とくてい部位ぶい利用りよう低下ていかさせるスプライシング抑制よくせい因子いんしふくまれる。選択せんたくてきスプライシングの機構きこうはきわめて多様たようであり、とくハイスループット技術ぎじゅつ利用りようによってあらたなれい発見はっけんされつづけている。研究けんきゅうしゃらは、スプライシングに関与かんよする調節ちょうせつシステムを完全かんぜん解明かいめいし、ある遺伝子いでんしから特定とくてい状況じょうきょうさんされるスプライシングバリアントが「スプライシング・コード」によって予測よそくできるようになることをのぞんでいる[3][4]

異常いじょうなスプライシングバリアントは疾患しっかんにも関与かんよしており、ヒトの遺伝子いでんし疾患しっかんのかなりの部分ぶぶんがスプライシングバリアントによるものである[3]異常いじょうなスプライシングバリアントはがん発生はっせいにも寄与きよしているとかんがえられており[5][6][7][8]、スプライシング因子いんし遺伝子いでんしはさまざまなタイプのがんで頻繁ひんぱん変異へんいしょうじている[8]

発見はっけん

編集へんしゅう

選択せんたくてきスプライシング最初さいしょ観察かんさつされたのは1977ねんである[9][10]アデノウイルスはその感染かんせんサイクルの初期しょきに、ウイルスDNAの複製ふくせい先立さきだって5種類しゅるいいち転写てんしゃ産物さんぶつさんし、DNA複製ふくせい開始かいしあらたに1種類しゅるいさんせいおこなう。感染かんせん終盤しゅうばんさんされるあらたないち転写てんしゃ産物さんぶつ巨大きょだいで、32kbのアデノウイルスゲノムの5/6に由来ゆらいする。これは感染かんせん細胞さいぼう存在そんざいするどのアデノウイルスmRNAよりもかなりおおきいものである。研究けんきゅうしゃらは、2がたアデノウイルスが終盤しゅうばんさんせいするいち転写てんしゃ産物さんぶつおおくのことなるかたちへとスプライシングされ、ことなるウイルスタンパク質たんぱくしつをコードするmRNAが形成けいせいされていることを発見はっけんした。さらに、いち転写てんしゃ産物さんぶつ複数ふくすうポリアデニル部位ぶいふくんでおり、プロセシングされたmRNAはさまざまな3'末端まったんゆうする[11][12][13]

1981ねん正常せいじょう内在ないざいせい遺伝子いでんし転写てんしゃ産物さんぶつでの選択せんたくてきスプライシングの最初さいしょれい同定どうていされた[11]甲状腺こうじょうせんホルモンであるカルシトニンをコードする遺伝子いでんしは、哺乳類ほにゅうるい細胞さいぼうでは選択せんたくてきスプライシングをけることが判明はんめいした。この遺伝子いでんしからのいち転写てんしゃ産物さんぶつは6つのエクソンをふくんでおり、カルシトニンのmRNAはエクソン1–4をふくみ、エクソン4のポリアデニル部位ぶいのちわる。このいち転写てんしゃ産物さんぶつからはのmRNAもさんされ、それはエクソン4をスキップしエクソン1–3、5、6をふくんでいる。このmRNAはカルシトニン遺伝子いでんし関連かんれんペプチド(CGRP)としてられるタンパク質たんぱくしつをコードしている[14][15]哺乳類ほにゅうるい免疫めんえきグロブリン遺伝子いでんしでの選択せんたくてきスプライシングのれいも1980年代ねんだい初期しょき観察かんさつされた[11][16]

その選択せんたくてきスプライシングはかく生物せいぶつ普遍ふへんてき現象げんしょうであることが判明はんめいした[1]選択せんたくてきスプライシングの「記録きろく保持ほじしゃ」はキイロショウジョウバエ Drosophila melanogasterDscam英語えいごばんばれる遺伝子いでんしであり、この遺伝子いでんしからは38,016種類しゅるいのスプライスバリアントがしょうじる可能かのうせいがある[17]

形式けいしき

編集へんしゅう
 
選択せんたくてきスプライシングの基本きほんてきタイプの伝統でんとうてき分類ぶんるい。エクソンはあお黄色おうしょく長方形ちょうほうけい、イントロンはそれらのあいだせんあらわされている。
 
選択せんたくてきスプライシングのタイプの相対そうたいてき頻度ひんどはヒトとショウジョウバエではことなる[18]

選択せんたくてきスプライシングは5種類しゅるい基本きほんてき形式けいしき一般いっぱんてきられている[1][2][3][18]

  • エクソンスキッピング(exon skipping)またはカセットエクソン(cassette exon): エクソンは一時いちじ転写てんしゃ産物さんぶつから除去じょきょされたり、保持ほじされたままだったりする。哺乳類ほにゅうるいmRNA前駆ぜんくたいではもっと一般いっぱんてき様式ようしきである[18]
  • 相互そうご排他はいたてきエクソン(mutually exclusive exons): 2つのエクソンのうちどちらかがmRNAに保持ほじされるが、両方りょうほう保持ほじされることはない。
  • 選択せんたくてき5'供与きょうよ部位ぶい(alternative 5' donor sites): 選択せんたくてきな5'スプライスジャンクション(供与きょうよ部位ぶい)が利用りようされ、上流じょうりゅうのエクソンの3'がわ境界きょうかい変化へんかする。
  • 選択せんたくてき3'受容じゅよう部位ぶい(alternative 3' acceptor sites): 選択せんたくてきな3'スプライスジャンクション(受容じゅよう部位ぶい)が利用りようされ、下流かりゅうのエクソンの5'がわ境界きょうかい変化へんかする。
  • イントロン保持ほじ(intron retention): ある配列はいれつがイントロンとして除去じょきょされるか、そのまま保持ほじされるかする。保持ほじされる配列はいれつがイントロンと隣接りんせつしていないというてんで、エクソンスキッピングとは区別くべつされる。保持ほじされたイントロンがコーディング領域りょういきうちであれば、隣接りんせつするエクソンとおなわくアミノ酸あみのさんをコードしなければならない。終止しゅうしコドンが存在そんざいしたりわくがシフトしたりすれば、タンパク質たんぱくしつ機能きのううしなう。哺乳類ほにゅうるいではもっとまれ形式けいしきである[18]

これらの選択せんたくてきスプライシングの主要しゅよう形式けいしきくわえて、おな遺伝子いでんしからことなるmRNAがつくされる主要しゅよう機構きこうに2つ存在そんざいする。多重たじゅうプロモーター(multiple promoters)と多重たじゅうポリアデニル部位ぶい(multiple polyadenylation sites)である。多重たじゅうプロモーターの利用りよう選択せんたくてきスプライシングではなく転写てんしゃ調節ちょうせつ英語えいごばん機構きこうとして説明せつめいされるが、ことなる地点ちてんから転写てんしゃ開始かいしされることでもっとも5'がわのエクソンがことなる転写てんしゃ産物さんぶつつくされることがある。他方たほう多重たじゅうポリアデニル部位ぶい転写てんしゃ産物さんぶつの3'末端まったん地点ちてんことなる。どちらの機構きこう選択せんたくてきスプライシングとわせてもちいられ、1つの遺伝子いでんし由来ゆらいするmRNAにさらなる多様たようせいをもたらしている[1][3]

 
マウスのヒアルロニダーゼ遺伝子いでんしでみられる3つのスプライシングパターン。エクソンとイントロンの縮尺しゅくしゃく正確せいかくではない。

これらの形式けいしき基本きほんてきなスプライシング機構きこう記述きじゅつするものであるが、複雑ふくざつなスプライシングの記述きじゅつには不適切ふてきせつである可能かのうせいがある。たとえば、みぎではマウスのヒアルロニダーゼ3遺伝子いでんしの3種類しゅるいのスプライシング形式けいしきしめしている。1番目ばんめみどり)と2番目ばんめ)のエクソン構造こうぞう比較ひかくした場合ばあい形式けいしきはイントロン保持ほじとなるが、2番目ばんめ)と3番目ばんめあお)を比較ひかくした場合ばあいはエクソンスキッピングとなる。すべての可能かのうなスプライシングパターンを一意いちいしめすための命名めいめいほう近年きんねん提唱ていしょうされている[18]

一般いっぱんてきなスプライシング機構きこう

編集へんしゅう
 
スプライソソームAふく合体がったいは、イントロンの除去じょきょまえに5'はしと3'はし決定けっていする[3]

DNAから転写てんしゃされたmRNA前駆ぜんくたい(pre-mRNA)には、いくつかのイントロンとエクソンがふくまれている(転写てんしゃされた1つのpre-mRNAには、せんちゅうでは平均へいきんして4–5、ショウジョウバエでは100以上いじょうのイントロンとエクソンがふくまれていることもある)。mRNAちゅうにどのエクソンが保持ほじされるかは、スプライシングの過程かてい決定けっていされる。スプライス部位ぶい調節ちょうせつ選択せんたくは、エクソンないスプライシングエンハンサー、エクソンないスプライシングサイレンサーといったpre-mRNA自身じしん存在そんざいするシス作用さようエレメント、そしてトランスに作用さようするスプライシング活性かっせい因子いんしとスプライシング抑制よくせい因子いんしによっておこなわれる。

かく生物せいぶつ典型てんけいてきなイントロンには、重要じゅうよう領域りょういき定義ていぎするコンセンサス配列はいれつ存在そんざいする。かくイントロンは5'末端まったんにGU配列はいれつっている。3'末端まったん近傍きんぼうにはぶんえだ部位ぶい(branch site)が存在そんざいする。ぶんえだ地点ちてんヌクレオチドつねにアデニン(A)であるが、その周辺しゅうへん配列はいれつにはいくぶん多様たようせい存在そんざいする。ヒトのぶんえだ部位ぶいのコンセンサス配列はいれつはyUnAyである[19]ぶんえだ部位ぶいつづいて一連いちれんピリミジン配列はいれつポリピリミジントラクト英語えいごばん)が存在そんざいし、それに3'末端まったんのAG配列はいれつつづ[3]

mRNAのスプライシングは、スプライソソームとしてられるRNA-タンパク質たんぱくしつふく合体がったいによっておこなわれる。スプライソソームは、U1U2U4U5U6名付なづけられたsnRNPふくんでいる(U3はmRNAのスプライシングには関与かんよしない)[20]。U1は5'末端まったんのGU配列はいれつ結合けつごうし、U2はU2AF英語えいごばんタンパク質たんぱくしつ因子いんしたすけのもと、ぶんえだ部位ぶいないのAに結合けつごうする。この段階だんかいふく合体がったいはスプライソソームAふく合体がったいとしてられている。Aふく合体がったい形成けいせい通常つうじょう、スプライシングで除去じょきょされるイントロンの末端まったん保持ほじされるエクソンの末端まったん決定けっていする重要じゅうよう段階だんかいである[3]

U4、U5、U6がふく合体がったい結合けつごうし、U6はU1にってわる。U1とU4が解離かいりする。そののこったふく合体がったいは2つのエステル交換こうかん反応はんのうおこなう。最初さいしょ反応はんのうでは、イントロンの5'末端まったん上流じょうりゅうのエクソンからはなされ、ぶんえだ部位ぶいのAにたいして2',5'-ホスホジエステル結合けつごう形成けいせいする。2番目ばんめ反応はんのうでは、イントロンの3'末端まったん下流かりゅうのエクソンからはなされ、2つのエクソンがホスホジエステル結合けつごう連結れんけつされる。そのなわがたのイントロンが解離かいりして分解ぶんかいされる[1]

調節ちょうせつエレメントとタンパク質たんぱくしつ

編集へんしゅう
 
スプライシングの抑制よくせい

スプライシングはトランスに作用さようするタンパク質たんぱくしつ抑制よくせい因子いんし活性かっせい因子いんし)とpre-mRNAじょう存在そんざいしてシスに作用さようする調節ちょうせつ部位ぶい(サイレンサーとエンハンサー)によって調節ちょうせつされる。しかし、スプライシング因子いんし影響えいきょうはしばしば位置いち依存いぞんてきであることには留意りゅういすべきである。つまり、イントロンのエンハンサーエレメントへ結合けつごうしたさいにスプライシング活性かっせい因子いんしとしてはたらくスプライシング因子いんしが、エクソンのスプライシングエレメントに結合けつごうしたさいには抑制よくせい因子いんしとして機能きのうする場合ばあいもあり、ぎゃくもまたしかりである[21]。pre-mRNA転写てんしゃ産物さんぶつ構造こうぞうも、スプライシングエレメントどうしをむすけたり、スプライシング因子いんし結合けつごうエレメントをおおかくしたりといったかたちでスプライシングを調節ちょうせつする役割やくわり[22][23]。これらのエレメントは、さまざまな条件下じょうけんかでスプライシングがどのようにこるかを指示しじする「スプライシング・コード」を形成けいせいしている[24][25]

pre-mRNAじょう存在そんざいするシス作用さようRNAエレメントには2つの主要しゅようなタイプが存在そんざいし、それらには対応たいおうするRNA結合けつごうタンパク質たんぱくしつ存在そんざいする。スプライシングサイレンサーはスプライシング抑制よくせいタンパク質たんぱくしつ結合けつごうする部位ぶいであり、近接きんせつする部位ぶいがスプライスジャンクションとして利用りようされる可能かのうせい低下ていかさせる。これらはイントロン自身じしん位置いちしていることもあり(イントロンせいスプライシングサイレンサー、ISS)、隣接りんせつするエクソンに位置いちしていることもある(エクソンせいスプライシングサイレンサー、ESS)。これらの配列はいれつ多様たようであり、結合けつごうするタンパク質たんぱくしつ種類しゅるいもまた多様たようである。スプライシング抑制よくせい因子いんしおおくは、hnRNPA1やポリピリミジントラクト結合けつごうタンパク質たんぱくしつ(PTB)などのhnRNPである[3][24]。スプライシングエンハンサーはスプライシング活性かっせい因子いんし結合けつごうする部位ぶいであり、近接きんせつする部位ぶいがスプライスジャンクションとして利用りようされる可能かのうせいたかめる。これらもまた、イントロンに位置いちするもの(イントロンせいスプライシングエンハンサー、ISE)とエクソンに位置いちするもの(エクソンせいスプライシングエンハンサー、ESE)がある。ISEとESEに結合けつごうする活性かっせいタンパク質たんぱくしつだい部分ぶぶんは、SRタンパク質たんぱくしつファミリーのメンバーである。これらのタンパク質たんぱくしつRNA認識にんしきモチーフとアルギニンセリンリッチドメイン(RSドメイン)をふくんでいる[3][24]

 
スプライシングの活性かっせい

一般いっぱんてきに、スプライシングはコンテクストに依存いぞんした様式ようしき決定けっていされる[25]特定とくていのシス作用さようRNAエレメントの存在そんざいは、ある場合ばあいには近接きんせつ部位ぶいでのスプライシングの可能かのうせい増加ぞうかさせるが場合ばあいでは可能かのうせい低下ていかさせることもあり、その効果こうかはコンテクストに依存いぞんする。スプライシングを調節ちょうせつするコンテクストには、pre-mRNAじょうほかのRNA配列はいれつ特徴とくちょう存在そんざいによって決定けっていされるシス作用さようコンテクストと、細胞さいぼう条件じょうけんによって決定けっていされるトランス作用さようコンテクストがふくまれる。たとえば、一部いちぶのシス作用さようRNAエレメントは、複数ふくすうのエレメントがおな領域りょういき存在そんざいするときにのみスプライシングに影響えいきょうあたえる。れいとしては、シス作用さようエレメントはその細胞さいぼうでどのタンパク質たんぱくしつ発現はつげんしているか(たとえば神経しんけいがたPTBか神経しんけいがたPTBか)によってスプライシングに反対はんたい影響えいきょうあたえる。スプライシングサイレンサーとエンハンサーの適応てきおうてき意義いぎについて研究けんきゅうがなされており、ヒトの遺伝子いでんしではあらたなサイレンサーをしたり既存きそんのエンハンサーを破壊はかいすることをふせつよ選択せんたくがかかっていることがしめされている[26][27]

社会しゃかいせい昆虫こんちゅうにおけるDNAメチル選択せんたくてきスプライシング

編集へんしゅう

社会しゃかいせい昆虫こんちゅうでは、CpGDNAメチル選択せんたくてきスプライシングを調節ちょうせつする役割やくわりがあることがしめされている[28][29]セイヨウミツバチ Apis mellifera では、ゲノム公開こうかいおこなわれた最初さいしょのいくつかの研究けんきゅうによると、CpGメチルがエクソンスキッピングを調節ちょうせつするようである[30][31][32]。CpGメチルによって調節ちょうせつされる選択せんたくてきスプライシングは、エクソンスキッピングだけではなく、イントロン保持ほじのスプライシングイベントでも広範こうはん影響えいきょうあたえている[33]

エクソンスキッピング: ショウジョウバエdsx遺伝子いでんし

編集へんしゅう
 
dsxのpre-mRNAの選択せんたくてきスプライシング

キイロショウジョウバエD. melanogasterdsx英語えいごばん遺伝子いでんしは、6つのエクソンをふくんでいる。オスでは、エクソン1、2、3、5、6が連結れんけつされてmRNAを形成けいせいし、オスの発生はっせい必要ひつよう転写てんしゃ調節ちょうせつタンパク質たんぱくしつをコードする。メスでは、エクソン1、2、3、4が連結れんけつされ、エクソン4のポリアデニルシグナルがその地点ちてんでのmRNAの切断せつだんこす。その結果けっかしょうじたmRNAはメスの発生はっせい必要ひつよう転写てんしゃ調節ちょうせつタンパク質たんぱくしつをコードする[34]

これはエクソンスキッピングのれいである。エクソン4の上流じょうりゅうのイントロンは、コンセンサス配列はいれつとあまり一致いっちしないポリピリミジントラクトをつため、U2AFタンパク質たんぱくしつはスプライシング活性かっせい因子いんし補助ほじょがなければほとんど結合けつごうしない。そのため、この3'スプライス受容じゅよう部位ぶいはオスでは利用りようされない。メスではスプライシング活性かっせい因子いんしTransformer(Tra)がさんされている(した参照さんしょう)。SRタンパク質たんぱくしつTra2は両性りょうせいさんされており、エクソン4のESEに結合けつごうする。Tra存在そんざいでは、TraはTra2へ結合けつごうし、のSRタンパク質たんぱくしつとともによわいポリピリミジントラクトへのU2AFタンパク質たんぱくしつ結合けつごう補助ほじょするふく合体がったい形成けいせいする。その結果けっかU2がぶんえだてんにリクルートされ、エクソン4がmRNAへまれる[34][35]

選択せんたくてき受容じゅよう部位ぶい: ショウジョウバエTransformer遺伝子いでんし

編集へんしゅう
 
ショウジョウバエTransformer 遺伝子いでんし産物さんぶつ選択せんたくてきスプライシング

キイロショウジョウバエD. melanogasterTransformer遺伝子いでんしのpre-mRNAは、選択せんたくてき受容じゅよう部位ぶい形式けいしき選択せんたくてきスプライシングをける。この遺伝子いでんしがコードするTransformer(Tra)タンパク質たんぱくしつは、メスでのみ発現はつげんする。この遺伝子いでんしいち転写てんしゃ産物さんぶつは、2つの受容じゅよう部位ぶいつイントロンをふくんでいる。オスでは、上流じょうりゅう受容じゅよう部位ぶい利用りようされる。そのためプロセシングされた転写てんしゃ産物さんぶつにはながいバージョンのエクソン2がまれ、そこには本来ほんらい終止しゅうしコドンよりも上流じょうりゅう代替だいたいてき終止しゅうしコドンがふくまれている。その結果けっか、mRNAはめられた活性かっせいタンパク質たんぱくしつをコードすることとなる。メスはせい決定けっていタンパク質たんぱくしつであるSxlをさんせいする。Sxlタンパク質たんぱくしつはTra転写てんしゃ産物さんぶつ上流じょうりゅう受容じゅよう部位ぶい近傍きんぼうのISSに結合けつごうするスプライシング抑制よくせい因子いんしであり、U2AFタンパク質たんぱくしつがポリピリミジントラクトに結合けつごうするのをふせぐ。これによってこのジャンクションの利用りようふせがれ、スプライソソームは下流かりゅう受容じゅよう部位ぶい結合けつごうする。この地点ちてんでスプライシングがこることで、上流じょうりゅう代替だいたいてき終止しゅうしコドンはイントロンの一部いちぶとして除去じょきょされる。その結果けっか、mRNAは活性かっせいのあるTraタンパク質たんぱくしつをコードし、せい関連かんれん遺伝子いでんし選択せんたくてきスプライシングの調節ちょうせつ因子いんしとなる(うえ参照さんしょう[1]

エクソンの定義ていぎ: Fas受容じゅようたい

編集へんしゅう
 
Fas受容じゅようたいpre-mRNAの選択せんたくてきスプライシング

Fas受容じゅようたい複数ふくすうアイソフォーム選択せんたくてきスプライシングによってされる。ヒトで通常つうじょうしょうじる2つのアイソフォームはエクソンスキッピング機構きこうによってされる。エクソン6をふくむmRNAはまく結合けつごうがたのFas受容じゅようたいをコードし、アポトーシスまたはプログラム細胞さいぼう促進そくしんする。慢性まんせいてき日光にっこうさらされた皮膚ひふ細胞さいぼうではFas受容じゅようたい発現はつげん上昇じょうしょうしているのにたい皮膚ひふがん細胞さいぼうでは発現はつげんがみられないことは、ヒトではこの機構きこうぜんがん状態じょうたい細胞さいぼう除去じょきょ重要じゅうようであることを示唆しさしている[36]。エクソン6がスキップされた場合ばあいしょうじるmRNAは可溶性かようせいのFasタンパク質たんぱくしつをコードし、これはアポトーシスを促進そくしんしない。エクソンがまれるかスキップされるかは、TIA-1英語えいごばんとPTBという拮抗きっこうする2つのタンパク質たんぱくしつ依存いぞんしている。

  • pre-mRNAのエクソン6の下流かりゅうのイントロンの5'供与きょうよ部位ぶいはコンセンサス配列はいれつとのあいだよわ一致いっちしかみられず、通常つうじょうU1 snRNPは結合けつごうしない。U1が結合けつごうしていないとき、エクソンはスキップされる(のaを参照さんしょう)。
  • ISEにTIA-1タンパク質たんぱくしつ結合けつごうすると、U1 snRNPの結合けつごう安定あんていされる[3]。その結果けっか形成けいせいされた5'供与きょうよ部位ぶいふく合体がったいはエクソンの上流じょうりゅうの3'スプライス部位ぶいへのU2AFの結合けつごう補助ほじょするが、その機構きこう不明ふめいである(bを参照さんしょう[37]
  • エクソン6はピリミジンにむESS(ure6)をふくんでおり、そこへPTBが結合けつごうする。PTBが結合けつごうした場合ばあい、PTBは5'供与きょうよ部位ぶいふく合体がったいがU2AFの受容じゅよう部位ぶいへの結合けつごうあたえる影響えいきょう阻害そがいし、その結果けっかエクソンはスキップされる(cを参照さんしょう)。

この機構きこうはスプライシングによってエクソンが定義ていぎされるれいである。通常つうじょうスプライソソームはイントロンでてられ、snRNPのサブユニットはイントロンの5'はしと3'はし結合けつごうするようにRNAをたたむ。しかし、このような近年きんねん研究けんきゅうされているれいはエクソンのりょうはし相互そうご作用さよう存在そんざいすることをしめしている。このようなエクソンを定義ていぎする相互そうご作用さようでは、2つの近接きんせつするイントロンでスプライソソームがてられるまえにコアとなるスプライシング因子いんし結合けつごうすることが必要ひつようである[37]

抑制よくせい因子いんし活性かっせい因子いんし競合きょうごう: HIV-1 tat エクソン2

編集へんしゅう
 
HIV-1 tat エクソン2の選択せんたくてきスプライシング

ヒトでAIDSこすレトロウイルスであるHIVは1ほんのRNAいち転写てんしゃ産物さんぶつさんし、複数ふくすうどおりの選択せんたくてきスプライシングをけて40以上いじょうことなるmRNAがさんされる[38]ことなるスプライシングをけた転写てんしゃ産物さんぶつあいだ平衡へいこうによってことなる産物さんぶつをコードする複数ふくすうのmRNAがもたらされており、この機構きこうはウイルスの複製ふくせい必要ひつようとされる[39]ことなるスプライシングをける転写てんしゃ産物さんぶつにはtat遺伝子いでんしふくまれ、そのなかのエクソン2がスキップされたりまれたりするカセットエクソンである。エクソン2のみはスプライシング抑制よくせい因子いんしhnRNP A1とSRタンパク質たんぱくしつSC35のあいだ競合きょうごうによって調節ちょうせつされている。エクソン2内部ないぶ存在そんざいするESSとESEの配列はいれつ重複じゅうふくしている。A1抑制よくせいタンパク質たんぱくしつがESSに結合けつごうした場合ばあい複数ふくすうのA1分子ぶんし協調きょうちょうてき結合けつごうしてエクソン2の上流じょうりゅうの5'供与きょうよ部位ぶいまでび、コアスプライシング因子いんしU2AF35がポリピリミジントラクトに結合けつごうするのをふせぐ。SC35がESEに結合けつごうした場合ばあい、A1の結合けつごうふせがれて5'供与きょうよ部位ぶいはスプライソソームのてのためにアクセス可能かのう状態じょうたい維持いじされる。活性かっせい因子いんし抑制よくせい因子いんし競合きょうごうは、両方りょうほうのmRNAのタイプ(エクソン2をふくむものとふくまないもの)がさんされることを保証ほしょうしている[38]

適応てきおうてき意義いぎ

編集へんしゅう

選択せんたくてきスプライシングは、1つのDNA配列はいれつが1つのポリペプチドをコードするという概念がいねんいち遺伝子いでんしいち酵素こうそせつ)の例外れいがいの1つである。現在げんざいでは「いち遺伝子いでんしポリペプチド」とでもいうほう正確せいかくであるかもしれない[40]。あるDNA配列はいれつやあるpre-mRNAからどのポリペプチドがさんされるかを決定けっていするためには、外部がいぶ情報じょうほう必要ひつようである。調節ちょうせつ方法ほうほう遺伝いでんするため、変異へんいによって遺伝子いでんし発現はつげん影響えいきょうあたえるあらたな方法ほうほうがもたらされている[7]

かく生物せいぶつにおいては、選択せんたくてきスプライシングは情報じょうほうをずっと効率こうりつてき保存ほぞんするための非常ひじょう重要じゅうようなステップであることが提唱ていしょうされている。いくつかのタンパク質たんぱくしつをそれぞれ別々べつべつ遺伝子いでんしではなく1つの遺伝子いでんしにコードすることによって、かぎられたサイズのゲノムからより多様たようなプロテオームをつくすことができるようになる[1]。また、選択せんたくてきスプライシングによって進化しんかてき柔軟じゅうなんせいがもたらされる。1かしょてん変異へんいによって、あるエクソンが時折ときおり除去じょきょされたりまれたりするようになる可能かのうせいがあり、これによってもとタンパク質たんぱくしつうしなうことなくあらたなアイソフォームすことができる[1]構成こうせいてき選択せんたくてき)エクソンには天然てんねん変性へんせい領域りょういき天然てんねん変性へんせいタンパク質たんぱくしつ参照さんしょう)がおおられることが研究けんきゅうしめされており[41]、アイソフォームあいだ機能きのうてき差異さいはこうした領域りょういき機能きのうてきモジュールの変化へんかによってもたらされていることが示唆しさされている。アイソフォームあいだ機能きのうてき差異さいはそれらの発現はつげんパターンにも反映はんえいされており、機械きかい学習がくしゅうによるアプローチによる予測よそくおこなわれている[42][43]。また、進化しんか過程かてい選択せんたくてきスプライシングは細胞さいぼうせいよりもさき出現しゅつげんしており、この機構きこう細胞さいぼう生物せいぶつ発達はったつ補助ほじょするために採用さいようされたものである可能かのうせい示唆しさされている[44]

ヒトゲノムプロジェクトのゲノムシーケンシングにもとづいた研究けんきゅうによって、ヒトの遺伝子いでんしかずせんちゅう Caenorhabditis elegans よりも30%おおいだけであり、キイロショウジョウバエ Drosophila melanogaster のわずか2ばいである。この発見はっけんはヒト、より一般いっぱんてき脊椎動物せきついどうぶつでみられる複雑ふくざつせいは、脊椎動物せきついどうぶつよりもヒトで選択せんたくてきスプライシングが高率こうりつこるためではないか、という思索しさくをもたらした[45][46]。しかし、ヒト、マウス、ラット、ウシ、ハエ(D. melanogaster)、せんちゅうC. elegans)、そしてシロイヌナズナ由来ゆらいのそれぞれ100,000のESTサンプルをもちいた研究けんきゅうでは、ヒトと動物どうぶつとのあいだ選択せんたくてきスプライシングをける遺伝子いでんし頻度ひんどおおきなられなかった[47]一方いっぽうべつ研究けんきゅうでは、これらの結果けっか生物せいぶつしゅによって利用りよう可能かのうなESTのかずことなることによるアーティファクトであるとされた。かく生物せいぶつしゅからランダムにえらばれた遺伝子いでんし選択せんたくてきスプライシングを比較ひかくしたさいには、脊椎動物せきついどうぶつでは脊椎動物せきついどうぶつよりも高率こうりつ選択せんたくてきスプライシングがこっていると著者ちょしゃらは結論けつろんけている[48]

疾患しっかん

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RNAプロセシング装置そうち変化へんか複数ふくすう転写てんしゃ産物さんぶつあやまったスプライシングをこす一方いっぽう、スプライシング部位ぶいやシス作用さよう調節ちょうせつ部位ぶいいち塩基えんき置換ちかんは1つの遺伝子いでんしのスプライシングに変化へんかをもたらす。かくりつてき解析かいせきによる2005ねん研究けんきゅうでは、ヒトの疾患しっかん原因げんいんとなる変異へんいの60%以上いじょうが、コーディング配列はいれつ直接ちょくせつ影響えいきょうあたえるものではなく、スプライシングに影響えいきょうあたえるものであることがしめされた[49]。より最近さいきん研究けんきゅうでは、すべての遺伝いでん疾患しっかんのうち1/3がスプライシングの要素ようそゆうする可能かのうせいたかいことがしめされた[21]正確せいかく割合わりあいがどの程度ていどであるかはいておくとして、スプライシングと関連かんれんした疾患しっかん多数たすう存在そんざいする[50]後述こうじゅつするとおり、スプライシングと関連かんれんした疾患しっかん有名ゆうめいれいがんである。

異常いじょうなスプライシングをけたmRNAは、がん細胞さいぼうたか割合わりあいつかる[5][6][8]RNA-Seq英語えいごばんプロテオミクス解析かいせきわせた研究けんきゅうによって、がん経路けいろ重要じゅうようタンパク質たんぱくしつのスプライシングアイソフォームにおおきなしょうじていることがあきらかにされた[51]。このような異常いじょうなスプライシングパターンががんの成長せいちょう寄与きよしているのか、それともたんにがんと関連かんれんした細胞さいぼう異常いじょう結果けっかであるのかはかならずしもあきらかではない。大腸だいちょうがん前立腺ぜんりつせんがんなど特定とくていしゅのがんではスプライシングエラーのかず個々ここのがんでおおきくことなることがしめされており、この現象げんしょうtranscriptome instabilityトランスクリプトーム不安定ふあんていせい)とばれる[52][53]。さらに、transcriptome instabilityはスプライシング因子いんし遺伝子いでんし発現はつげんレベルの低下ていかおおきく相関そうかんすることがしめされている。DNMT3A変異へんい血液けつえきのがんに寄与きよすることがしめされており、変異へんい細胞さいぼうかぶではどう系統けいとう野生やせいかぶ比較ひかくしてtransriptome instabilityをしめ[54]

がん細胞さいぼうでは正常せいじょう細胞さいぼう比較ひかくして選択せんたくてきスプライシングの減少げんしょうとスプライシングのタイプの変化へんかしょうじている。たとえば、がん細胞さいぼうではイントロン保持ほじ通常つうじょうよりも高率こうりつであるが、エクソンスキッピングは低率ていりつである[55]。がん細胞さいぼうでのスプライシングの差異さいは、スプライシング因子いんし遺伝子いでんしからだ細胞さいぼう変異へんい高率こうりつでみられるためである可能かのうせいがあり[8]、またスプライシング因子いんしのリン酸化さんか変化へんかによるものである可能かのうせいもある[7]には、さんされるスプライシング因子いんし相対そうたいてきりょう変化へんか可能かのうせいもあり、にゅうがんではスプライシング因子いんしSF2/ASFのレベルが上昇じょうしょうしている[56]。ある研究けんきゅうでは、正常せいじょう細胞さいぼうより腫瘍しゅよう細胞さいぼうこう頻度ひんどられるスプライスバリアントの割合わりあい比較的ひかくてきちいさく(26000以上いじょうのうちの383種類しゅるい)、あやまったスプライシングをけたときに腫瘍しゅよう成長せいちょう寄与きよする遺伝子いでんしかぎられていることが示唆しさされている[57]一方いっぽうで、あやまったスプライシングをけた転写てんしゃ産物さんぶつ通常つうじょうナンセンス変異へんい依存いぞんmRNA分解ぶんかい機構きこう(NMD)とばれる転写てんしゃ品質ひんしつ管理かんり機構きこうによって除去じょきょされるとかんがえられている[58]

特定とくていのスプライシングバリアントががんと関係かんけいしているれいとしては、ヒトのDNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)遺伝子いでんし変異へんいがある。3つのDNMT遺伝子いでんしはDNAにメチルもと付加ふかする酵素こうそをコードし、この修飾しゅうしょくおおくの場合ばあい調節ちょうせつ効果こうかゆうする。異常いじょうなスプライシングをけたDNMT3BのmRNAが腫瘍しゅようやがん細胞さいぼうかぶではいだされる。2つのことなる研究けんきゅうにおいて、これらの異常いじょうなスプライシングをけたmRNAのうちの2種類しゅるいで、哺乳類ほにゅうるい細胞さいぼうでの発現はつげんによってDNAメチルのパターンの変化へんかこされることがしめされた。異常いじょうなmRNAの1つを発現はつげんする細胞さいぼう対照たいしょう細胞さいぼうの2ばい速度そくど成長せいちょうし、腫瘍しゅよう成長せいちょうへの直接的ちょくせつてき寄与きよしめされた[7]

れいとしては、RonMST1R英語えいごばんがんげん遺伝子いでんしげられる。がん細胞さいぼう重要じゅうよう性質せいしつは、正常せいじょう組織そしき移動いどう侵入しんにゅうする能力のうりょくである。Ron異常いじょうスプライシング産物さんぶつは、にゅうがん細胞さいぼうでのSF2/ASFのレベルの上昇じょうしょう関連かんれんしていることが判明はんめいしている。このmRNAにコードされるRonタンパク質たんぱくしつ異常いじょうなアイソフォームは、細胞さいぼう運動うんどうせいをもたらす[56]

がわすわかく特定とくていのニューロン集団しゅうだんにおけるFOSB英語えいごばん遺伝子いでんしめられたスプライスバリアント(ΔでるたFosB)の過剰かじょう発現はつげんは、薬物やくぶつ依存いぞん行動こうどう嗜癖誘導ゆうどう維持いじ原因げんいん機構きこうとして同定どうていされている[59][60][61][62]

近年きんねん研究けんきゅうでは、選択せんたくてきスプライシングの調節ちょうせつにおけるクロマチン構造こうぞうヒストン修飾しゅうしょく重要じゅうよう機能きのう指摘してきされている。これらの洞察どうさつエピジェネティック調節ちょうせつ機構きこうは、ゲノムのどの部分ぶぶん発現はつげんするかだけでなく、それらがどのようにスプライシングされるかについても決定けっていしていることを示唆しさしている[63]

ゲノムワイド解析かいせき

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選択せんたくてきスプライシングのゲノムワイド解析かいせき挑戦ちょうせんてき課題かだいである。一般いっぱんてきには選択せんたくてきスプライシングをけた転写てんしゃ産物さんぶつはESTの配列はいれつ比較ひかくすることで発見はっけんされるが、これには非常ひじょう多数たすうのESTのシーケンシングを必要ひつようとする。ESTライブラリのだい部分ぶぶんかぎられたかず組織そしき由来ゆらいし、そのため組織そしき特異とくいてきなスプライスバリアントは見逃みのがされがちである。一方いっぽうDNAマイクロアレイベースの解析かいせき、RNA結合けつごうアッセイ、ディープシーケンシング英語えいごばんといった、ハイスループットなアプローチでスプライシングを調査ちょうさする手法しゅほう開発かいはつされている。これらの手法しゅほうは、タンパク質たんぱくしつ結合けつごう影響えいきょうあたえるスプライシングエレメント周辺しゅうへんがた変異へんいのスクリーニングにも利用りようされる。In vivoでのレポーター遺伝子いでんしアッセイなどのスプライシングアッセイとわせることで、がた変異へんいがpre-mRNAのスプライシングにあたえる機能きのうてき影響えいきょう分析ぶんせきすることができる[21][24][64]

マイクロアレイ解析かいせきでは、アレイには個々ここのエクソン(Affymetrix exon microarrayなど)またはエクソン-エクソン境界きょうかい(ExonHitやJivanなど)のDNA断片だんぺん利用りようされる。アレイは研究けんきゅう対象たいしょう組織そしき由来ゆらいのラベルされたcDNAとの結合けつごうおこなわれる。プローブとなるcDNAは、その組織そしきでmRNAにまれているエクソン由来ゆらいのDNAまたはエクソン境界きょうかいのDNAに結合けつごうする。これによって特定とくてい選択せんたくてきスプライシングをけたmRNAの存在そんざいあきらかにされる[65]

CLIP(cross-linking and immunoprecipitation、クロスリンク免疫めんえき沈降ちんこう)では、スプライシングがおこなわれている組織そしきタンパク質たんぱくしつとRNA分子ぶんし紫外線しがいせん照射しょうしゃによる架橋かきょうおこなわれる。そして、研究けんきゅう対象たいしょうのトランス作用さようスプライシング調節ちょうせつタンパク質たんぱくしつ特異とくいてき抗体こうたいもちいて沈降ちんこうされる。タンパク質たんぱくしつ結合けつごうしているRNAのたんはなれとクローニングがおこなわれ、そのタンパク質たんぱくしつ標的ひょうてき配列はいれつあきらかとなる[4]。RNA結合けつごうタンパク質たんぱくしつ同定どうていしそのpre-mRNA転写てんしゃ産物さんぶつへのマッピングをおこなほか手法しゅほうとしては、MEGAshift(Microarray Evaluation of Genomic Aptamers by shift)がある[66]。この手法しゅほうは、SELEXほう(Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment)[67]応用おうようであり、マイクロアレイベースのしをわせたものである。MEGAshiftほうによって選択せんたくてきスプライシングがおこなわれるエクソン周辺しゅうへんにおいてASF/SF2やPTBといったスプライシング因子いんし結合けつごうする配列はいれつ特定とくていされ、選択せんたくてきスプライシングの調節ちょうせつあらたな洞察どうさつがもたらされた[68]。このアプローチはRNAの構造こうぞうとスプライシング因子いんし結合けつごう関係かんけいあきらかにするためにも利用りようされている[23]

ディープシーケンシング技術ぎじゅつは、プロセシングをけていないmRNAやけたmRNAのゲノムワイド解析かいせきおこなうために利用りようされており、選択せんたくてきスプライシングへ洞察どうさつをもたらしている。たとえば、ディープシーケンシングをもちいてられた結果けっかからは、ヒトでは複数ふくすうのエクソンからなる遺伝子いでんし転写てんしゃ産物さんぶつの95%が選択せんたくてきスプライシングをけると推計すいけいされ、多数たすうのpre-mRNA転写てんしゃ産物さんぶつ組織そしき特異とくいてきなスプライシングをけていることがしめされた[2]機能きのうゲノミクスとmultiple instance learningベースの計算けいさんアプローチが、RNA-seqのデータを統合とうごうし、選択せんたくてきスプライシングをけたアイソフォームの機能きのう予測よそくするために開発かいはつされている[43]。ディープシーケンシングは、スプライシングの過程かてい放出ほうしゅつされる一時いちじてきなわ構造こうぞうin vivoでの検出けんしゅつぶんえだ部位ぶい配列はいれつ決定けってい、そしてヒトのpre-mRNA転写てんしゃ産物さんぶつにおけるぶんえだてんだい規模きぼマッピングにも利用りようされている[69]

レポーターアッセイは、特定とくてい選択せんたくてきスプライシングイベントに関与かんよするスプライシングタンパクしつ発見はっけん可能かのうにする。この場合ばあい、レポーター遺伝子いでんしはスプライシング反応はんのうこったかどうかによって2つのことなる蛍光けいこうタンパク質たんぱくしつのいずれか1つを発現はつげんするように構築こうちくされる。この手法しゅほうはスプライシングに影響えいきょうしょうじている変異へんいたいたんはなし、それらの変異へんいたい活性かっせいされている新規しんきスプライシング調節ちょうせつタンパク質たんぱくしつ同定どうていするために利用りようされる[4]

データベース

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選択せんたくてきスプライシングのデータベースは複数ふくすう存在そんざいする。これらのデータベースは、選択せんたくてきスプライシングをけるpre-mRNAをさんせいする遺伝子いでんし発見はっけんするさい有用ゆうようである。

出典しゅってん

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  60. ^ “Molecular neurobiology of addiction: what's all the (Δでるた)FosB about?”. The American Journal of Drug and Alcohol Abuse 40 (6): 428–37. (November 2014). doi:10.3109/00952990.2014.933840. PMID 25083822. "ΔでるたFosB is an essential transcription factor implicated in the molecular and behavioral pathways of addiction following repeated drug exposure. The formation of ΔでるたFosB in multiple brain regions, and the molecular pathway leading to the formation of AP-1 complexes is well understood. The establishment of a functional purpose for ΔでるたFosB has allowed further determination as to some of the key aspects of its molecular cascades, involving effectors such as GluR2 (87,88), Cdk5 (93) and NFkB (100). Moreover, many of these molecular changes identified are now directly linked to the structural, physiological and behavioral changes observed following chronic drug exposure (60,95,97,102). New frontiers of research investigating the molecular roles of ΔでるたFosB have been opened by epigenetic studies, and recent advances have illustrated the role of ΔでるたFosB acting on DNA and histones, truly as a ‘‘molecular switch’’ (34). As a consequence of our improved understanding of ΔでるたFosB in addiction, it is possible to evaluate the addictive potential of current medications (119), as well as use it as a biomarker for assessing the efficacy of therapeutic interventions (121,122,124). Some of these proposed interventions have limitations (125) or are in their infancy (75). However, it is hoped that some of these preliminary findings may lead to innovative treatments, which are much needed in addiction." 
  61. ^ “Epigenetic regulation in drug addiction”. Annals of Agricultural and Environmental Medicine 19 (3): 491–6. (2012). PMID 23020045. "For these reasons, ΔでるたFosB is considered a primary and causative transcription factor in creating new neural connections in the reward centre, prefrontal cortex, and other regions of the limbic system. This is reflected in the increased, stable and long-lasting level of sensitivity to cocaine and other drugs, and tendency to relapse even after long periods of abstinence. These newly constructed networks function very efficiently via new pathways as soon as drugs of abuse are further taken" 
  62. ^ “Natural rewards, neuroplasticity, and non-drug addictions”. Neuropharmacology 61 (7): 1109–22. (December 2011). doi:10.1016/j.neuropharm.2011.03.010. PMC 3139704. PMID 21459101. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3139704/. 
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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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  • AspicDB英語えいごばん - ヒトタンパク質たんぱくしつ変異へんいたいのデータベース
  • Exitron英語えいごばん - イントロンとエキソンのデータベース
  • Intronerator英語えいごばん - せんちゅう選択せんたくてきスプライシング遺伝子いでんしとイントロンのデータベース
  • ProSAS英語えいごばん - スプライシングがタンパク質たんぱくしつ構造こうぞうあたえる影響えいきょう記述きじゅつしたデータベース
  • SpliceInfo英語えいごばん - ゲノムに存在そんざいする4つの主要しゅよう選択せんたくてきスプライシングモードのデータベース
  • トランススプライシング - ことなる一時いちじ転写てんしゃ産物さんぶつのエクソンが連結れんけつされるRNAスプライシングの特殊とくしゅ形態けいたい

外部がいぶリンク

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