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3Dプリンター - Wikipedia

3Dプリンター(スリーディープリンター、英語えいご: 3D printer)とは、3次元じげんてきデジタルモデルをもとにして、(現実げんじつの)物体ぶったいをつくりだすことができる機械きかいのこと[1]積層せきそう造形ぞうけい装置そうち付加ふか製造せいぞう装置そうち、AM装置そうち、AMマシンともばれる。あまり一般いっぱんてきではないものの、「立体りったい印刷いんさつ(りったいいんさつき)」[2]ぶこともある。

3Dプリンターのいちれい
3Dプリンターのいちれい
Airwolf 3D

3次元じげんのデジタル・モデルを立体りったいぶつ出現しゅつげんさせることを3Dプリンティングえい: 3D printing)、さん次元じげん造形ぞうけい(さんじげんぞうけい)と[3][4]

さん次元じげん造形ぞうけいする方法ほうほう積層せきそう造形ぞうけいほうんでいたが、現在げんざい積層せきそう造形ぞうけいほう付加ふか製造せいぞう方法ほうほう、アディティブマニュファクチャリング、あるいはAM技術ぎじゅつ(additive manufacturing、AM)とばれている。アディティブマニュファクチャリング(AM:Additive Manufacturing)というものは、「いわゆる除去じょきょ加工かこう変形へんけい加工かこうたいして、積層せきそうかえしていく付加ふか加工かこうという意味いみである」[5][6]

3Dプリンターは3DCADきゃど3DCGなどで作成さくせいした、3次元じげんてきなデータで構成こうせいされた3次元じげんモデルをもとに現実げんじつ立体りったいぶつ出現しゅつげんさせる機械きかいのことである。つまり、コンピュータないのただのデータじょうの、あるいはコンピュータスクリーンじょう視覚しかくてきぞうにとどまるのではなくて、れられる物体ぶったい作成さくせいする機械きかいである。「プリンター」とはうものの、通常つうじょうわれる印刷いんさつようプリンターのように、かみという平面へいめん次元じげん)の表面ひょうめんにインクをのせて「」として立体りったいぶつを、ただ視覚しかくてきえが機械きかいとはことなる。

3Dプリンターに立体りったいぶつ出現しゅつげんさせるための方法ほうほう技法ぎほうはいくつかあるが、うすそうをつぎつぎとかさねてゆく方法ほうほう立体りったいぶつつくりだす[1]、いわゆる、積層せきそう造形ぞうけいほう一般いっぱんてきである。また、立体りったいぶつ出現しゅつげんさせる手法しゅほうとしては、なんらかの方法ほうほうでメスがたつくっておいてそこに造形ぞうけいざい充填じゅうてんして固化こかさせてつくりだす技術ぎじゅつがあるが、3Dプリンターはそうした手法しゅほうともことなるものである。

初期しょきのものは1980年代ねんだい開発かいはつされ実用じつようしていったが、それらは高価こうかであるばかりでなく、特殊とくしゅ制御せいぎょもとめられるものであった。2010ねんごろから個人こじんけ3Dプリンタの低廉ていれんすすむとともに、産業さんぎょうかいでの利用りようきゅう拡大かくだいしている。

1970年代ねんだい

編集へんしゅう

1971ねん、Johannes F Gottwaldは Liquid Metal Recorder (US3596285A)の特許とっきょ取得しゅとくした。これはさい利用りよう可能かのういたじょうはず可能かのう金属きんぞく加工かこうぶつ形成けいせいするかえ利用りよう可能かのうなインクジェット金属きんぞく材料ざいりょう装置そうちである。これは、ラピッドプロトタイピングとパターンの制御せいぎょされたオンデマンド製造せいぞうそなえた3Dプリンティングを記述きじゅつした最初さいしょ特許とっきょであるとかんがえられている。

1974ねん、デビッド・E・H・ジョーンズは、雑誌ざっし「ニューサイエンティスト」の連載れんさいコラム「アリアドネ」で3Dプリントの概念がいねんしめした。

1980年代ねんだい

編集へんしゅう

1980ねん名古屋なごや工業こうぎょう研究所けんきゅうじょにて小玉こだま秀男ひでおひかり造形ぞうけいほう発明はつめいした[7][8]。3次元じげんCADきゃどもとに、ひかり硬化こうかせいねつ硬化こうかせいポリマーをもちいて、UV照射しょうしゃ領域りょういきをマスクや走査そうさがたファイバー送信そうしん制御せいぎょして、樹脂じゅしの3次元じげん構造こうぞうたい製作せいさくする方法ほうほうであった。小玉こだまはこれをXYZプロッタと名付なづけて特許とっきょ出願しゅつがんし、1981ねん11がつ10日とおか公開こうかいされた。1981ねんの4がつと11月に学術がくじゅつ論文ろんぶんとして発表はっぴょうされたが、一連いちれん発表はっぴょうたいする反響はんきょうはなかったという。研究けんきゅうしつでの評価ひょうかひくく、上司じょうし関心かんしんしめさなかった。研究けんきゅう年間ねんかん6まんえんしかなかった。XYZプロッターの特許とっきょけん取得しゅとく断念だんねんし、プロジェクトは終了しゅうりょうした。

1982ねん4がつ6にちレイセオンしゃ取得しゅとくした特許とっきょUS 4323756「Method of Fabricating Articles by Sequential Deposition」は、すうひゃくからすうせん粉末ふんまつ金属きんぞくの「そう」とレーザーエネルギーげんもちいたもので、基板きばんじょうに「そう」を形成けいせいして形状けいじょう製作せいさくすることにかんする初期しょき文献ぶんけんである。

1983ねんチャック・ハル英語えいごばん.stl(Standard Triangulated Language)という3Dデータの保存ほぞん方式ほうしき発明はつめいした。 1986ねん同氏どうしは3D Systems Corpを起業きぎょうして、よく1987ねん「SLA 1」として商品しょうひんした。こののちも、1990年代ねんだいなかばまでに様々さまざま技術ぎじゅつ開発かいはつ製品せいひんされたが、それぞれ別々べつべつばれ、積層せきそう造形ぞうけいほう(additive manufacturing)はそれらをあらわ共通きょうつう言葉ことばとして漠然ばくぜんもちいられていた。

1983ねん、ロバート・ハワードは、ねつ可塑かそせいプラスチック(ホットメルト)インクを使用しようしたカラーインクジェット2Dプリンタ「ピクセルマスター」を開発かいはつするために、R.H.Research(のHowtek)をげ、1986ねん発売はつばい開始かいしされた。

1980年代ねんだいに3Dプリンターを所有しょゆうすると、(2016ねんのドルで)65まんドル以上いじょう[9]費用ひようがかった。

1990年代ねんだい

編集へんしゅう

1990ねん、3D印刷いんさつともっともひろ関連かんれんづけられるPlastics extrusion技術ぎじゅつが、Stratasysしゃにより"fused deposition modeling (FDM)"(ねつ溶解ようかい積層せきそうほう)として商品しょうひんされた。

1993ねん、インクジェット3Dプリンタの会社かいしゃ設立せつりつされ、当初とうしょはSanders Prototype,Incと名付なづけられ、のちにSolidscapeと名付なづけられ、可溶性かようせい支持しじ構造こうぞうこう精度せいどのポリマージェット製作せいさくシステムを導入どうにゅうした。

1995ねん、Z Corporationしゃが、MIT開発かいはつした製品せいひんはじめて"3D printing (3DP)"の商標しょうひょう販売はんばいした。これにより、Ink jet material depositionおこな機器ききをおおまかに区別くべつして3Dプリンターとぶようになっていった。それまでは統一とういつてき呼称こしょうはなかった。

1995ねんフラウンホーファー研究けんきゅう機構きこう選択せんたくてきレーザー溶融ようゆうプロセスを開発かいはつ

2000年代ねんだい

編集へんしゅう

2009ねん、FDMほう基本きほん特許とっきょ保護ほご期間きかん終了しゅうりょう。 2000年代ねんだいなかばまでは投資とうしがくやすくてもすうひゃくまんえん規模きぼのため企業きぎょうなど事業じぎょうしょ導入どうにゅうされるのがおもであったが、オープンソースによるFab@HomeRepRap開発かいはつすすみ、特許とっきょ保護ほご終了しゅうりょう[10]すうまんえんすうじゅうまんえんのものが発売はつばいされはじめ、個人こじん家庭かていでも導入どうにゅうされるようになっていった[11]

2008ねんから2011ねんにかけて、てい価格かかく個人こじんよう3Dプリンタ市場いちば毎年まいとし平均へいきん346%もの大幅おおはば成長せいちょう[12]、2013ねんには7まんだいられたと見積みつもられている[13]

2010年代ねんだい

編集へんしゅう

2010ねんごろは、3D Systems,Stratasysなど上位じょうい3しゃ業界ぎょうかいシェアの80%以上いじょうめ、とくに、ストラタシスしゃDimension/uPrintシリーズの業界ぎょうかいシェアがやく50%とたかく、事実じじつじょう業界ぎょうかい標準ひょうじゅんとなっていた[14]。2012ねんに3D SystemsがZ Corporationを併合へいごうして[15]しゃあらそいになった。

2012ねん、Filabotしゃはプラスチックのループをじるシステムを開発かいはつし、あらゆるFDMまたはFFFの3Dプリンターがより幅広はばひろいプラスチックで印刷いんさつできるようにした。

2014ねん2がつには精密せいみつ造形ぞうけいてきしたレーザーしょうゆいほう特許とっきょ保護ほご期間きかん終了しゅうりょうしてこの方式ほうしき複数ふくすう企業きぎょう参入さんにゅうした[16][17]。2014ねん時点じてんでの価格かかくは2,000ドル以上いじょうとまだたかかったが、産業さんぎょう用途ようと以外いがい趣味しゅみ個人こじんつことができるようになった。

一方いっぽう、2014ねんは、てい価格かかくプリンターのトラブルなどが表面ひょうめんしたとしであり、2016ねんにかけて3Dプリンター業界ぎょうかいにおける大手おおてメーカーの経営けいえい悪化あっか株式かぶしき低迷ていめいする契機けいきとなった。2015ねん12月には、3Dシステムズしゃてい価格かかくたいプリンターの製造せいぞうったほか、2016ねん4がつには、てい価格かかくたいプリンターを製造せいぞうしてきたメーカーボットしゃが、従業じゅうぎょういん解雇かいこしたうえ製品せいひん製造せいぞうをアウトソーシングすることを発表はっぴょうした[18]

近年きんねんでは3Dスキャナ搭載とうさいした機種きしゅねつ溶解ようかい積層せきそうほう以外いがいのより精密せいみつ造形ぞうけいてきしたひかり造形ぞうけいほうひとしてい価格かかくすすみ、普及ふきゅう拍車はくしゃをかけている。また、新規しんき参入さんにゅう相次あいつぎ、あらたな開発かいはつ競争きょうそう段階だんかいむかえている[19]

一方いっぽう、30ねん以上いじょう使つかわれてきた3Dプリンタようファイルフォーマット.stl(Standard Triangulated Language)は、形状けいじょう情報じょうほうのみしか保持ほじしておらず、素材そざい構造こうぞう情報じょうほう記述きじゅつできないなど、3Dプリンターの進歩しんぽたいして追従ついしょうできないなどの問題もんだいおおくなってきたため、国際こくさい標準ひょうじゅん委員いいんかいASTMとISOは共同きょうどうで、3DプリンタようファイルフォーマットAMFさだめている。

そもそも「3Dプリンティング」という言葉ことばは、インクジェットプリンターのヘッドを使つかってこなたいのベッドにバインダー材料ざいりょうなんそうにもわたって堆積たいせきさせるプロセスをしていた。最近さいきんでは、電子でんしビーム積層せきそう造形ぞうけいほう選択せんたくてきレーザー溶融ようゆうほうなど、より多様たよう積層せきそう造形ぞうけい技術ぎじゅつ包括ほうかつする言葉ことばとして使つかわれるようになっている。米国べいこく世界せかい技術ぎじゅつ標準ひょうじゅんでは、この広義こうぎ意味いみでアディティブ・マニュファクチャリングという公式こうしき用語ようご使つかわれている。

2020年代ねんだい

編集へんしゅう

建築けんちく分野ぶんやにも応用おうようされ、3Dプリントされた住宅じゅうたく販売はんばいおこなわれるようになった[20]建築けんちく分野ぶんやふし参照さんしょう

方式ほうしき

編集へんしゅう
3Dプリンターの動作どうさ動画どうが

対象たいしょうぶつ手法しゅほう機種きしゅによって多少たしょうちがいはあるが、コンピュータじょうつくった3Dデータを設計せっけいとして、その断面だんめん形状けいじょう付加ふか加工かこう積層せきそうしていくことで立体りったいぶつ形成けいせいする方式ほうしき基本きほんとる。液状えきじょう樹脂じゅし紫外線しがいせんなどを照射しょうしゃすこしずつ硬化こうかさせていくひかり造形ぞうけい方式ほうしきねつ融解ゆうかいした樹脂じゅしすこしずつかさねていくFDM方式ほうしき(Fused Deposition Modeling, ねつ溶解ようかい積層せきそうほう)、粉末ふんまつ樹脂じゅし接着せっちゃくざいきつけていく粉末ふんまつ固着こちゃく方式ほうしきなどの方法ほうほうがある[21]

ひかり造形ぞうけいほう

編集へんしゅう

紫外線しがいせん照射しょうしゃすることで硬化こうかする液体えきたい樹脂じゅしもちいた造形ぞうけいほう初期しょきのラピッドプロトタイピングはこの手法しゅほうからはじまり、ステレオリソグラフィーレーザーリソグラフィーなどともいわれた。紫外線しがいせん照射しょうしゃによりラジカル重合じゅうごう、もしくはカチオン重合じゅうごうする樹脂じゅしもちい、しぼった紫外線しがいせんレーザービームで樹脂じゅし選択せんたくてき硬化こうかさせて立体りったいぶつ造形ぞうけいする手法しゅほうであったが、紫外線しがいせんプロジェクタや液晶えきしょうパネルをもちいることでめん一括いっかつ露光ろこうにより造形ぞうけいする手法しゅほう開発かいはつされている。元々もともと高価こうか機器きき必要ひつようであったが、液晶えきしょうパネルの透過とうかこう直接ちょくせつ硬化こうかさせる方式ほうしきでは近年きんねん5まんえんるモデルも販売はんばいされている。

粉末ふんまつほう

編集へんしゅう

素材そざい粉末ふんまつ層状そうじょうめ、こう出力しゅつりょくのレーザービームや(導電性どうでんせい素材そざいでは)放電ほうでんなどで直接ちょくせつしょうゆい粉末ふんまつしょうゆいしき積層せきそうほう)したり[22][23]、インクジェット方式ほうしきでバインダを添加てんかしてかためたりする(粉末ふんまつ固着こちゃくしき積層せきそうほう)などして造形ぞうけいおこな手法しゅほう前者ぜんしゃでは、ナイロンなどの樹脂じゅしけい材料ざいりょう青銅せいどうはがねニッケルチタンなどの金属きんぞくけい材料ざいりょうなどが利用りようできる。後者こうしゃではスターチ(デンプン)、石膏せっこうなどの材料ざいりょうられ、ランニングコストをおさえた3Dプリンタに利用りようされることがおおい。フルカラー印刷いんさつ対応たいおうしているのも特徴とくちょうである。

ねつ溶解ようかい積層せきそうほう(FDMほう

編集へんしゅう

ねつ可塑かそせい樹脂じゅし高温こうおんかし積層せきそうさせることで立体りったい形状けいじょう作成さくせいする造形ぞうけいほう。 ラピッドプロトタイピング・3Dプリンタ造形ぞうけい方式ほうしきなかでは唯一ゆいいつ本物ほんものねつ可塑かそせい樹脂じゅし使用しようでき、ABS樹脂じゅしポリカーボネート樹脂じゅし・PC/ABSアロイ・PPSF/PPSU樹脂じゅし・ULTEM(ポリエーテルイミド、PEI、えい: polyetherimide樹脂じゅしなどねつ可塑かそせい様々さまざまエンジニアリングプラスチック使用しようできる。米国べいこくストラタシスしゃがこの方式ほうしき特許とっきょっていたが、基本きほん特許とっきょれた。この系統けいとうふくまれるものとして、レーザビームちゅう粉末ふんまつやガスじょう化合かごうぶつんで、金属きんぞく化合かごうぶつ積層せきそうぶつ製作せいさくするものもある。10まんえん未満みまん販売はんばいされている機器ききはほぼこの方式ほうしきである。樹脂じゅしねつ加工かこうするという特性とくせいじょう造形ぞうけいぶつって変形へんけいするなどのトラブルがおおく、使つかいこなすにはある程度ていどれが必要ひつようである。

シート積層せきそうほう

編集へんしゅう

シートを積層せきそうさせ、形状けいじょうつく造型ぞうけいほう数種類すうしゅるいあり、カッティングプロッタみをれたかみのり積層せきそうする方式ほうしきひかり硬化こうか樹脂じゅしをシートにインクジェットで出力しゅつりょくしてから転写てんしゃする方式ほうしき水溶すいようせいかみねつ硬化こうかせい樹脂じゅしひかり硬化こうか樹脂じゅしモノマーをしみこませていちそう積層せきそうごと加熱かねつまたは紫外線しがいせん照射しょうしゃ加圧かあつして硬化こうかする方法ほうほうがある。上記じょうき粉末ふんまつほうもとざいをシートにえたもの。

インクジェットほう

編集へんしゅう

液化えきかした材料ざいりょうまたはバインダを噴射ふんしゃして積層せきそうさせ、形状けいじょうつく造形ぞうけいほうインクジェットプリンター原理げんり応用おうようしている。インクジェットプリンタのカラーインクを使用しようして、カラー造形ぞうけいぶつ作成さくせいされている。ひかり硬化こうか樹脂じゅし噴射ふんしゃ短波たんぱちょうひかり照射しょうしゃして硬化こうかする方法ほうほうやワックスを噴射ふんしゃする方法ほうほうとうがある。材料ざいりょう無駄むだすくなく、歯科しか技工ぎこう宝飾ほうしょくひん使用しようされるロストワックス原型げんけいのように比較的ひかくてき精密せいみつなものをつくるためにてきする。オーバーハングの部分ぶぶんのために溶性ようせいのサポートざい出力しゅつりょくしたり、複数ふくすう素材そざい造形ぞうけい物上ぶつじょう混合こんごうすることで透明とうめいやわらかさをえられるもの、フルカラー出力しゅつりょく対応たいおうした機種きしゅもある。

鋳造ちゅうぞう射出しゃしゅつ成型せいけい切削せっさくとの比較ひかく

編集へんしゅう

3Dプリントはかねがたつくっての成形せいけい切削せっさくによる造形ぞうけいなどの従来じゅうらい手法しゅほう比較ひかくされることがおおい。3Dプリンタをはじめとした積層せきそう造形ぞうけいでは鋳型いがた製造せいぞう作成さくせい必要ひつようとしないと特徴とくちょうから、設計せっけい段階だんかいでの試作しさくのように頻繁ひんぱん形状けいじょう変更へんこうして迅速じんそく実態じったいしい場面ばめんラピッドプロトタイピング)や、医療いりょう機器ききのように個々ここ患者かんじゃわせて形状けいじょう変更へんこうするような製品せいひん製造せいぞう航空こうくう宇宙うちゅう分野ぶんやのように複雑ふくざつ形状けいじょうだが少量しょうりょう生産せいさんのため従来じゅうらい手法しゅほうこうコストな部品ぶひんなどにいているとされる。

つく造形ぞうけいぶつという意味いみでは、

  • 切削せっさくではけずることの出来できなかった中空なかぞら形状けいじょう複雑ふくざつ内部ないぶ形状けいじょうも3Dプリンターであれば造形ぞうけい可能かのう
    • 中空なかぞら構造こうぞう容易ようい作成さくせいできることから、強度きょうど要求ようきゅうされない部品ぶひん軽量けいりょう非常ひじょう容易ようい
  • 部品ぶひん製造せいぞうするのではなく、一体化いったいかされた所謂いわゆるアセンブリされた状態じょうたいいち造形ぞうけいする
  • 複数ふくすうことなる材料ざいりょう使用しようしての一体いったい造形ぞうけい可能かのう
  • だれなんつくっても毎回まいかいおなぶつ出来できる。
  • 複数ふくすうのモデルをいちつくることが出来できる。

操作そうさという意味いみでは、

  • 操作そうさしゃ技術ぎじゅつりょく依存いぞんしない。
  • 機器ききあつかいが容易ようい造形ぞうけい人手ひとでをあまりようさない。

という特徴とくちょうつ。一方いっぽう欠点けってん以下いかとおりである。

  • 現状げんじょうでは大量たいりょう生産せいさんへの適用てきようむずかしい
    • 現状げんじょうでは基本きほんてき従来じゅうらい手法しゅほう比較ひかくして高価こうか低速ていそくなため
  • 要求ようきゅうされる精度せいどたかくなるとリニアに製作せいさく時間じかん増加ぞうかする
    • そうあつさが精度せいど直結ちょっけつするため
  • (FDMほう強度きょうどもとめられる部品ぶひんへの適用てきようむずかしい
    • 使用しよう可能かのう樹脂じゅし制限せいげん層間そうかん剥離はくりのため
  • (FDMほう接地せっちよりも上部じょうぶほうひろ漏斗ろうとがた形状けいじょうでは支持しじざい使用しようする必要ひつようがあり、こう行程こうてい除去じょきょする必要ひつようがある

製造せいぞうぎょう中心ちゅうしん建築けんちく医療いりょう教育きょういく航空こうくう宇宙うちゅう先端せんたん研究けんきゅうなど幅広はばひろ分野ぶんや普及ふきゅうしている。用途ようと業界ぎょうかいによって様々さまざまである。製造せいぞう分野ぶんやでは製品せいひん部品ぶひんなどの「デザイン検討けんとう」「機能きのう検証けんしょう」などの試作しさくやモックアップとして、建築けんちく分野ぶんやではコンペやプレゼンようの「建築けんちく模型もけい」として、医療いりょう分野ぶんやではコンピュータ断層だんそう撮影さつえいかく磁気じき共鳴きょうめい画像がぞうほうなどのデータをもとにした「じゅつぜん検討けんとうようモデル」として、教育きょういく分野ぶんやでは「モノづくり教育きょういくのツール」として、航空こうくう宇宙うちゅう分野ぶんやではジェットエンジンやロケットエンジンの機能きのう部品ぶひん製作せいさくに、先端せんたん研究けんきゅう分野ぶんやではそれぞれの研究けんきゅう用途ようとわせた「テストパーツ」「」などの作成さくせい用途ようと使用しようされている[24][25]。また、10まんえん以下いか購入こうにゅう可能かのうてい価格かかく3Dプリンター市場いちば隆盛りゅうせい[26]ともない、ホビー用途ようとやDIYなどの個人こじん用途ようとでの使用しよう増加ぞうかしつつある。

昨今さっこんでは、精細せいさいいだけでなく、ラバー(ゴム)けい材料ざいりょう使つかえたり、複数ふくすう物性ぶっせいことなる材料ざいりょうぜながらの造形ぞうけいやフルカラーでの造形ぞうけい可能かのうな3Dプリンタもているため用途ようとはばひろがりつつある。

企業きぎょうけに機器きき設置せっちやソフトウェアの導入どうにゅうなど一連いちれん作業さぎょうをソリューションとして提供ていきょうする会社かいしゃもあり、NTTデータでは子会社こがいしゃのNTTデータザムテクノロジーズが日本にっぽん国内こくないけにEOSしゃ金属きんぞく3Dプリンタの導入どうにゅう支援しえんおこなっている[24]

3Dプリンターの使用しよう用途ようととしては、実際じっさい製品せいひんつくまえにそれぞれの部品ぶひんを3Dプリンタで出力しゅつりょくできるサイズに縮小しゅくしょうして出力しゅつりょくして、デザインの検証けんしょう機能きのう検証けんしょうなどの試作しさく使つかわれることがおおい。大手おおて建設けんせつ会社かいしゃでは建物たてもの模型もけいを3Dプリンタで出力しゅつりょくしてきゃく説明せつめいするさい使つかわれている。この3Dプリンターを使用しようするメリットとしては、やすいものでは1cm2あたり20えんという安価あんか(FDMほう)で試作しさくできる、いままでパソコンの画面がめんじょうでしかることができなかったものが、実際じっさいることができるため、完成かんせいしたときのイメージが非常ひじょうにしやすくなる、などがげられる。完成かんせいしたときのイメージがしやすいということは、実際じっさい製作せいさくしている過程かていでも、完成かんせいがたのイメージがしやすいため製作せいさくしゃまよいがしょうじにくいということを意味いみし、作業さぎょう効率こうりつ向上こうじょうにもつながりうる。

映画えいが小道具こどうぐ試作しさくにも利用りようされており。2005ねん5月19にち日本にっぽんでは7がつ9にち)に劇場げきじょう公開こうかいされた映画えいがスター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐ふくしゅう』で使用しようされたダース・ベイダーのマスクの試作しさくひん作成さくせいに、日本にっぽんの3Dプロッタ機器きき製造せいぞう販売はんばい会社かいしゃローランド ディー. ジー.の3Dプロッタ「MDX-20」が使用しようされた。

工具こうぐ

編集へんしゅう

3Dプリンタで利用りようできる材料ざいりょう多様たようし、一定いってい強度きょうど部品ぶひん造形ぞうけい可能かのうになったことから、工具こうぐを3Dプリンタで造形ぞうけいするみがなされるようになった。EIZOでは3Dプリンタにより工具こうぐうちせいすることでコスト圧縮あっしゅく納期のうき短縮たんしゅく実現じつげんしている[27]

自動車じどうしゃ

編集へんしゅう

きゅうくるまでは純正じゅんせいはいばんとなったが、かねがたつくるとコストがかかる部品ぶひんを3Dプリンタで製造せいぞうする「再生さいせいパーツ」により、機能きのう維持いじ車検しゃけんにも対応たいおうさせることが可能かのうとなっている[28]R31HOUSEでは7代目だいめR31がたスカイライン純正じゅんせい部品ぶひんを3Dスキャンし、データを3Dプリンタで出力しゅつりょくした再生さいせいパーツを供給きょうきゅうしている[29]

航空こうくう宇宙うちゅう分野ぶんや

編集へんしゅう

航空こうくうようエンジン部品ぶひん小型こがた複雑ふくざつ形状けいじょうおおいが生産せいさんりょうすくないため、3Dプリンタによる生産せいさんいている。CFMインターナショナルLEAP-X)やGE・アビエーションCatalyst)で使用しようされた。またすで生産せいさんラインがじた機体きたいであっても、ポリエーテルイミドひとしスーパーエンジニアリング・プラスチック使用しようして補修ほしゅう部品ぶひんウィングレット製作せいさくするなど、オンデマンドの部品ぶひん製作せいさくでも採算さいさんうレベルとなっている。航空こうくうようエンジン燃料ねんりょうノズルやコンプレッサーのステーターとシンクロリングのブラケットなどでも使用しようされている(PW1500Gなど)。

スペースXでは宇宙船うちゅうせん宇宙うちゅうふく製造せいぞう活用かつようしている。2014ねん9がつには、ドラゴン補給ほきゅうせんSpaceX-4で、実験じっけんよう宇宙うちゅうよう3Dプリンターが国際こくさい宇宙うちゅうステーションはこばれて宇宙うちゅうでも実験じっけんおこなわれることになった。この3DプリンタはMade in Spaceしゃ開発かいはつしたもので、地球ちきゅうからはなれた場所ばしょ補給ほきゅうがすぐに出来できないときにも簡単かんたん修理しゅうり部品ぶひんつくって対応たいおうすることが出来できるようにすることを目指めざしている[30]

ロケットエンジン部品ぶひん製造せいぞう可能かのうになっており、LE-9ではコストダウンのためにEOSしゃせい金属きんぞく3Dプリンタが利用りようされた[24]

医療いりょう薬学やくがく

編集へんしゅう

3Dプリンタの活用かつよう医療いりょう薬学やくがく分野ぶんやでも活用かつようされている[31]

2014ねん段階だんかいで、補聴器ほちょうき製造せいぞうにはすでに3Dプリンタがひろ活用かつようされており、なんひゃくまんにんもがその恩恵おんけい享受きょうじゅしている[31]。また外科げか領域りょういきではおもインプラント分野ぶんや活用かつようすすんでいる[31]

2015ねん1がつ2にち富士ふじフイルム東京大学とうきょうだいがく医学部いがくぶ附属ふぞく病院びょういんは3Dプリンタを使つかって皮膚ひふ関節かんせつ量産りょうさんをする技術ぎじゅつ確立かくりつしたと発表はっぴょう[32]

2019ねんみなみアフリカ共和きょうわこくプレトリア大学だいがくは、3Dプリンタを使用しようして人体じんたいなか最小さいしょうみみ小骨こぼね人工じんこうこつチタン製作せいさく男性だんせい移植いしょくすることに成功せいこうしている[33]

臓器ぞうき自体じたいをプリントする臓器ぞうきプリンティング研究けんきゅうされている。

獣医じゅういがく分野ぶんやでも利用りようすすんでおり、シセロ・モラエス医師いしらはくちばし甲羅こうらなどがうしなわれた動物どうぶつ部位ぶいを3Dプリンタで再現さいげん補綴ほてつするプロジェクトをおこなっている[34][35][36][37][38]

錠剤じょうざい放出ほうしゅつ時間じかん濃度のうど最適さいてきした形状けいじょうでプリントすることで、経口けいこう投与とうよではむずかしいこまかな濃度のうど調整ちょうせい可能かのうとする研究けんきゅうおこなわれている[39]

建築けんちく分野ぶんや

編集へんしゅう

屋根やねのある建物たてもの必要ひつようとしている発展はってん途上とじょうこく人々ひとびとをターゲットにし、大型おおがたの3Dプリンタとモルタル短期間たんきかん住宅じゅうたく大量たいりょうにプリントし、住宅じゅうたく不足ふそく解消かいしょうにつなげようとするこころみがある[40]外装がいそう外壁がいへきのみの出力しゅつりょくとなり、別途べっと内装ないそう工事こうじ必要ひつようだが、製作せいさくにかかる時間じかん短縮たんしゅくされ人件じんけんたいする負担ふたんる、出力しゅつりょくした外壁がいへきプレハブ工法こうほうおなじく運搬うんぱん可能かのう設置せっちがしやすいという効率こうりつてき試算しさんがある。先進せんしんこくでもてい収入しゅうにゅうしゃけの新築しんちく物件ぶっけんや、住宅じゅうたくローン対策たいさくとして小型こがた住宅じゅうたく販売はんばいされている[20]

日本にっぽんでも、建築けんちく確認かくにん申請しんせいをとった3Dプリンタせいのホテル[41]建築けんちくされ、実際じっさい宿泊しゅくはく可能かのうとなっているほか、国土こくど交通省こうつうしょう発注はっちゅうした国道こくどう工事こうじ使つかわれる事例じれい[42]なども登場とうじょうしている。2023ねんには3Dプリンタせいの50m2平屋ひらやが550まんえん販売はんばいされた[43]建設けんせつには44あいだ30かったという[43]。ただし、普及ふきゅうかんしては建築けんちくぶつ構造こうぞうたいにモルタルを使用しようするため、2023ねん時点じてんでは建築けんちく基準きじゅんほう要綱ようこうである建築けんちく材料ざいりょう品質ひんしつ強度きょうどたしたうえで国土こくど交通こうつう大臣だいじん認定にんてい審査しんさけて取得しゅとくする必要ひつようがあり、そのためのしょ費用ひよう時間じかん追加ついか必要ひつようとなる。

大型おおがた建築けんちくたいしては、サグラダ・ファミリア最新さいしん加工かこう機材きざい解析かいせき技術ぎじゅつとともに採用さいようしたことで、当初とうしょ予定よていされていた工期こうき大幅おおはば短縮たんしゅくしたことがほうじられた。

ドイツでは3Dプリンタでの建築けんちく世界せかいてきにもすすんでおりアメリカでは格安かくやすいえとしてられている地域ちいきもある。

リバースエンジニアリング

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3Dプリンタの作動さどうおんからリバースエンジニアリングする手法しゅほう開発かいはつされた。造形ぞうけいぶつの90%を再現さいげん可能かのうとされる[44]

関連かんれんする事件じけん

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女性じょせいのデータ

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2014ねん7がつ14にち漫画まんがろくでなしが、みずからの性器せいきを3Dデータし、それを香川かがわけん会社かいしゃいん配布はいふしたとして、わいせつ電磁でんじてき記録きろく頒布はんぷ容疑ようぎで、警視庁けいしちょう逮捕たいほされた事件じけんがあった(刑事けいじ裁判さいばん係争けいそうちゅう)。ファイルデータを3Dプリンタで印刷いんさつすると、石膏せっこうなどで女性じょせい再現さいげんされ、これがわいせつぶつ相当そうとうするものと警視庁けいしちょうにみなされた[45]

3Dプリンターじゅう

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じゅう部品ぶひん図面ずめんをダウンロードし、3Dプリンタにより部品ぶひん作成さくせいすることで、殺傷さっしょう能力のうりょくのあるじゅう自作じさくされるという懸念けねんがある。

日本にっぽんでは2014ねん5がつ8にちに3Dプリンターで作成さくせいしたじゅう所持しょじしていた大学だいがく職員しょくいんおとこ銃刀じゅうとうほう違反いはん逮捕たいほされ(詳細しょうさいは「3Dプリンターじゅう製造せいぞう事件じけん」を参照さんしょう)、2018ねん9がつ7にちには、酸化さんかアセトン製造せいぞうしたなどとして逮捕たいほされていた男子だんし学生がくせいが、3Dプリンターで作成さくせいしたじゅう所持しょじしていたとして銃刀じゅうとうほう違反いはんさい逮捕たいほされている[46]

元々もともと3Dプリンター自体じたい自動車じどうしゃ業界ぎょうかいなどで試作しさくひんをつくるために使つかわれてきていたが、2010年代ねんだいはいるとてい価格かかくすす量販りょうはんてんられるようになったため、ひろ一般いっぱん出回でまわるようになった。これまでの法規ほうきせいは、「もの」は有体物ゆうたいぶつ、3Dデータのような「情報じょうほう」は有体物ゆうたいぶつではないものの典型てんけいとして明確めいかくけて規定きていし、有体物ゆうたいぶつとしての火器かき製造せいぞう所持しょじ流通りゅうつうまるものであった。

それまでにも、部品ぶひん一部いちぶを3Dプリンタで製造せいぞうした武器ぶきつくられていたが[47]、2013ねんにアメリカの営利えいり団体だんたいDefense Distributed」により、Liberator名付なづけられたぜん部品ぶひんを3Dプリンタによって製造せいぞう可能かのう拳銃けんじゅうのデータが公表こうひょうされた。これをけ、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国務省こくむしょうどう団体だんたいに、武器ぶき輸出ゆしゅつ規制きせい規定きていしたInternational Traffic in Arms Regulationsに違反いはんするおそれがあるとして設計せっけい公開こうかいおこなわないように通達つうたつおこなっている[48]同国どうこくフィラデルフィアでは、2013ねんまつに、3Dプリンタをもちいたじゅう製造せいぞうたいする規制きせいはじまったが、2014ねん段階だんかいではまだ3Dプリンタによる火器かき製造せいぞうけたほう改正かいせいはほとんどのくにおこなわれていない[49]

そもそも、樹脂じゅしつくったじゅうそのものが使用しようしゃにとって危険きけんであり、その観点かんてんからも規制きせいのぞまれている[50]が、Liberator公開こうかい直後ちょくごからほかにも同様どうよう設計せっけいファイル公開こうかい相次あいつぎ、当初とうしょ単発たんぱつしか発射はっしゃできなかった3Dプリンタせいじゅうも、すぐに複数ふくすうはつ発射はっしゃ可能かのう改良かいりょうばん登場とうじょうするなど、どんどん進化しんかげている[51]

3Dプリンタせい火器かき危険きけんせいたいしては、「簡単かんたんかつ安価あんか火器かきまわるから規制きせいせよ」とのこえおおきい一方いっぽう様々さまざま反論はんろんがある。

弾薬だんやくを3Dプリンタで製造せいぞうできないという事実じじつおお指摘してきされており、3Dデータを活用かつようするかい「3D-GAN」の相馬そうま達也たつやは「一貫いっかんしてっていることですが、3Dプリンタでじゅうつくることはできます。ですが、製造せいぞうほうくらべていちじるしく有利ゆうりだということはないので、社会しゃかいてき脅威きょういにはなりません。弾薬だんやくはいるのなら、もっと有利ゆうりじゅう製造せいぞうほうにたくさんありますから、3Dプリンタの所持しょじ規制きせいする必要ひつよう意味いみもありません。」と、3Dプリンタでじゅうをつくること自体じたい優位ゆういせい否定ひていしている[52]

また、Defense Distributedの開発かいはつ責任せきにんしゃコーディー・ウィルソン(Cody Wilson)[注釈ちゅうしゃく 1]は、「権利けんり武装ぶそうけん)を乱用らんようしてひと危害きがいくわえる可能かのうせいは、だれにでもあるという事実じじついたくないだけだ。危害きがいおよぼす可能かのうせい有無うむにかかわらず、あたえられている権利けんりまもられるべきだというのが、我々われわれ立場たちばだ。さらにえば、危害きがいける可能かのうせいがあるからこそ、権利けんり保障ほしょうされるべきだとおもう」と武装ぶそうけん根拠こんきょ反論はんろんしている[54]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 2012ねん、USAのWIREDが「世界せかいもっと危険きけんな15にん」の1にん選出せんしゅつ[53]

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん文献ぶんけん

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  • Chris Anderson (2012) "Makers: The New Industrial Revolution(21世紀せいき産業さんぎょう革命かくめいはじまる)" Crown Business(NHK出版しゅっぱん
  • 水野みずのみさお (2012) "初心者しょしんしゃMakersのための3Dプリンター&周辺しゅうへんツール活用かつようガイド" [Kindleばん] ASIN: B00AR2UMOK

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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