ユンカース ユモ 210

ユンカース ユモ 210 （Junkers Jumo 210）は1930年代ねんだいにユンカース社しゃ (Junkers Flugzeug- und Motorenwerke) が開発かいはつした、航空こうくう用よう液えき冷ひや倒立とうりつV型がた12気筒きとうエンジン。

ユモ 210

概要がいよう

610 - 700 ps クラスの出力しゅつりょくで、ロールス・ロイス ケストレル等ひとしと競合きょうごうした。

1931年ねんに社内しゃないコード L10 として着手ちゃくしゅし、翌よく1932年ねん10月22日にちに初はつ火入ひいれされ、Ju W33 に搭載とうさいして飛行ひこう試験しけんを重かさねた。機械きかい式しき過か給きゅう機き装備そうびの1気筒きとう当あたり3弁べん形式けいしきで、シリンダー一体いったい鋳造ちゅうぞう型かたブロックはラインボーリング加工かこうされ、各部かくぶプレーンメタルベアリング支持しじにより小型こがたかつ軽量けいりょうで、生産せいさん性せいや堅牢けんろう性せいにも優すぐれていたが、最高さいこう出力しゅつりょくでは他社たしゃ機きにやや劣おとった。

最終さいしゅう発展はってん型がたの Jumo 210G では、同社どうしゃのアウグスト・リヒテが開発かいはつした世界せかい初はつのガソリン直ちょく噴システムを搭載とうさいした。シリンダー内ないに別個べっこポペットバルブを設もうけ、負ふ圧あつにより開閉かいへいするチェックバルブから燃料ねんりょうを滴下てきかする初歩しょほ的てきなもので、高こう圧あつラインからインジェクターにより霧きり化か噴射ふんしゃする後のちの標準ひょうじゅん的てき形式けいしきではなかったが、キャブレターを排はいしたことで戦闘せんとう機きの運動うんどう性せいが画期的かっきてきに向上こうじょうしたため、他たのドイツ製せいエンジンにも波及はきゅうした。この Jumo 210G は、メッサーシュミットBf 109と Bf 110 の初期しょき型がたにのみ搭載とうさいされた。

大だい排気はいき量りょう高こう出力しゅつりょくのダイムラー・ベンツ DB 600 と時ときを同おなじくして、Jumo 211 へと発展はってんした。

主要しゅよう諸しょ元もと

• 形式けいしき： 液えき冷ひや倒立とうりつV型がた12気筒きとう
• ボア×ストローク： 124 mm×136 mm
• 排気はいき量りょう： 19.7 L
• 乾燥かんそう重量じゅうりょう： 440 kg
• 圧縮あっしゅく比ひ： 6.5
• 出力しゅつりょく： 680 ps/2,700 rpm

搭載とうさい機き

• アラド Ar 68 - Ar 98Eのみ
• フォッケウルフ Fw 187
• ハインケル He 112
• ユンカース Ju 87 - Ju 87Aのみ
• メッサーシュミットBf109 - Bf 109 A-D
• メッサーシュミット Bf110 - Bf 110 A-B
• メッサーシュミット Me262 - 試作しさく機きに補助ほじょエンジンとして機首きしゅに搭載とうさい

参考さんこう

• A History of Aircraft Piston Engines, Herschel Smith

関連かんれん項目こうもく

• 航空こうくう用ようエンジンの一覧いちらん

外部がいぶリンク

• http://www.junkers.de.vu
• https://web.archive.org/web/20071114151022/http://www.geocities.com/hjunkers/ju_jumo210_a1.htm