Kar98k

Karabiner 98 Kurz（カラビーナー・アハトウントノインツィヒ・クルツ, K98k, Kar98k）は、ナチス・ドイツで開発かいはつされたボルトアクション式しき小銃しょうじゅうである。帝政ていせい時代じだいに制式せいしき採用さいようされた歩兵ほへい銃じゅうGewehr 98から派生はせいした騎兵きへい銃じゅう型かたの1つで、1935年ねん6月がつ，制式せいしき採用さいよう後ご、1945年ねんまで生産せいさんされた。そのため、第だい二に次じ大戦たいせんを通つうじドイツ国防こくぼう軍ぐんの正式せいしき小銃しょうじゅうとして採用さいよう、武装ぶそう親衛隊しんえいたいなどでも運用うんようされた。

Karabiner 98 kurz (K98k)

Kar98k
Karabiner 98 kurz (K98k)
種類しゅるい	軍用ぐんよう小銃しょうじゅう
製造せいぞう国こく	ナチス・ドイツ （チェコスロバキアやポーランドなど、一部いちぶ占領せんりょう国こくでも生産せいさん）
設計せっけい・製造せいぞう	マウザー（モーゼル）社しゃ他た、総計そうけい8社しゃ10工場こうじょう
年代ねんだい	1935-1945
仕様しよう
口径こうけい	7.92mm
銃身じゅうしん長ちょう	600mm
ライフリング	4条じょう、右みぎ回まわり
使用しよう弾薬だんやく	7.92x57mmモーゼル弾だん
装弾そうだん数すう	5発はつ
作動さどう方式ほうしき	ボルトアクション方式ほうしき
全長ぜんちょう	1,100mm
重量じゅうりょう	3.9kg（単たん材ざい銃床じゅうしょう） 4.2kg（積層せきそう材ざい銃床じゅうしょう）
銃口じゅうこう初速しょそく	760m/s
射程しゃてい	500m
最大さいだい射程しゃてい	1,000m（照準しょうじゅん器き装備そうびの場合ばあい）
コストユニット	55ライヒスマルク
歴史れきし
製造せいぞう数すう	14,600,000丁ちょう

ドイツ以外いがいの国くにでも広ひろく使用しようされたほか、第だい二に次じ大戦たいせん後ごもドイツ（西にしドイツ・東ひがしドイツ）を始はじめ、各国かっこくで使用しようされ続つづけた。現在げんざいでも儀仗ぎじょう銃じゅうとして使つかわれている。

概要がいよう

1943年ねんにアメリカ陸軍りくぐんが作成さくせいした鹵獲ろかく火器かきの取とり扱あつかいに関かんする教育きょういく映画えいがの抜粋ばっすい。Kar98kの基本きほん的てきな取とり扱あつかいを実演じつえんしている。

Kar98kは通称つうしょうであり、当時とうじの軍ぐんマニュアル等とうによれば正式せいしき名称めいしょうはKarabiner98kで、略称りゃくしょうはK98kである。Karabiner（カラビナー）は騎兵きへい銃じゅうを意味いみし、98は母体ぼたいのGew98が制式せいしき採用さいようされた1898年ねんを示しめす。末尾まつびのkはkurz（クルツ）、「短みじかい」を意味いみし、全体ぜんたいとして「1898年ねん式しきの短たん型がた騎兵きへい銃じゅう」たるを示しめしている。アメリカのカかービン銃びんじゅうのカービンは、このカラビナーと同意どういである。騎兵きへいは馬上もうえ射撃しゃげきが求もとめられるので、取回とりまわしのしやすさから短みじかめの全長ぜんちょう、また、背負せおった場合ばあいの安定あんてい性せいから負ふ革かわが銃じゅう側面そくめんに存在そんざいすること等とうが、騎兵きへい銃じゅうの形状けいじょうの特徴とくちょうとなっている。これが転てんじて、後ごのドイツでは負ふ革かわが銃じゅう側面そくめんに付つく小銃しょうじゅうをKarabinerと呼よぶことにもなっている。

　口径こうけい7.92mm、装弾そうだん数すう5発はつのボルトアクション式しきライフルである。制式せいしき採用さいよう時点じてんで、アメリカやソビエト連邦れんぽう等ひとしでは半はん自動じどう小銃しょうじゅうの実用じつよう化かが進すすめられており、既すでに旧式きゅうしき化かしつつあったが、命中めいちゅう精度せいどや安全あんぜん装置そうちの設計せっけいに優すぐれ、高たかい信頼しんらい性せいや生産せいさん性せいから1945年ねん終戦しゅうせんまで生産せいさんが続つづけられた。生産せいさんは、開発かいはつ者しゃモーゼル社しゃの二ふたつの工場こうじょうの他ほか、国内こくない複数ふくすうの銃器じゅうきメーカーと占領せんりょう下かの国外こくがい銃器じゅうき工場こうじょうまで動員どういんして行おこなわれ、総そう生産せいさん数すうは1,100万まん丁ちょうを超こえる。

精度せいどの高たかい個体こたいは4～6倍ばい程度ていどの望遠ぼうえん照準しょうじゅん鏡きょうとの組合くみあわせで狙撃そげき銃じゅうとしても威力いりょくを発揮はっきし、戦争せんそう末期まっきにおけるドイツ狙撃そげき兵へいは前進ぜんしんする連合れんごう国こく兵士へいしの脅威きょういとなった。

系譜けいふ

Karabiner98a

Kar98a

Gew98の文字通もじどおりの騎兵きへい銃じゅう型がたKar98（Karabiner98）は、1900年ねん頃ごろから開発かいはつが開始かいしされた。当初とうしょの銃身じゅうしん長ちょうは435mmで反動はんどうや銃口じゅうこう炎えんなどが不適ふてきであったため、1907年ねんに完成かんせいした最終さいしゅうモデルの銃身じゅうしん長ちょうは590mmとなった。これはKar98AZ（Karabiner98 mit Aufpflanz- und Zusammensetzvorrichtung, 着剣ちゃっけん・叉また銃じゅう金具かなぐ付つき98年ねん式しき騎兵きへい銃じゅう）と呼よばれたが、後ごのヴァイマル時代じだいに後述こうじゅつのKar98bと区別くべつするためKar98a（Karabiner98a）と呼よばれるようになり、今日きょうに至いたっている。Kar98aの全長ぜんちょうは、銃身じゅうしん長ちょう600mmであるKar98kとほぼ同おなじであり、側面そくめんの負ふ革かわや曲まげられたボルトハンドル等とう、似にた特徴とくちょうもある一方いっぽう、銃口じゅうこう近ちかくから機関きかん部ぶ薬やく室しつ付近ふきんまで覆おおう木き被ひ（銃身じゅうしん覆おおい）や特徴とくちょう的てきな叉また銃じゅう用よう金具かなぐ等とう、異ことなる点てんも多おおく有ゆうしていた。

Karabiner98b

Kar98kのボルトアクション部分ぶぶん

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんの敗戦はいせんと共ともにドイツにはヴェルサイユ条約じょうやくにより軍事ぐんじ的てきにも厳きびしい規制きせいが課かされることとなった。その下したで新生しんせいヴァイマル共和きょうわ国こく陸軍りくぐん（Reichsheer）は当初とうしょ第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんより残のこされたGew98やKar98を使用しようしたが、銃器じゅうきの経年けいねん劣化れっかによるメンテナンス増ぞうに際さいして規格きかくの統一とういつ化かを図はかるため、1920年代ねんだい初頭しょとうにGew98にいくつかの改良かいりょうを加くわえてKar98b（Karabiner98b)として採用さいようした。

Kar98bは銃身じゅうしん長ちょうがGew98と同おなじ740mmであったが、負ふ革かわが側面そくめんに付つけられたことからKarabinerと呼よばれた。またほとんどのKar98bは既存きそんのGew98を改造かいぞうしたものであった。

モーゼル・スタンダードモデル1924

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん後ご、世界せかいの主力しゅりょく小銃しょうじゅうの中心ちゅうしんはそれまでの長ちょう銃身じゅうしんから短銃たんじゅう身みへと移うつりつつあった。1920年代ねんだい前半ぜんはんにはチェコスロバキアやベルギーでは短たん銃身じゅうしんのモーゼル式しき小銃しょうじゅうを開発かいはつ、多数たすうを輸出ゆしゅつするようになっていた。モーゼル社しゃは、これに対抗たいこうすべく銃身じゅうしん長ちょう600mmのモーゼル・スタンダードモデル1924（Mauser Standard-Modell 1924）を開発かいはつした。本ほん銃じゅうは、まさにGew98の短たん銃身じゅうしん版ばんというもので、銃身じゅうしん長ちょうや改良かいりょうされた照あきら門もんを除のぞき、銃じゅう下か側がわの負ふ革かわや直線ちょくせん状じょうのボルトハンドル等とうはGew98と同様どうようであった。

ヴェルサイユ条約じょうやくの制約せいやくにより、モーゼル社しゃは本ほん銃じゅうを未み完成かんせいの部品ぶひんとして輸出ゆしゅつし、スイスで組くみ立たてを行おこなった。

モーゼル・ドイツ郵政省ゆうせいしょう用よう小銃しょうじゅう

1933年ねん、モーゼル社しゃではスタンダードモデルに更さらなる改良かいりょうを施ほどこした。これが、社内しゃない記録きろくに「ドイツ郵政省ゆうせいしょう用よう小銃しょうじゅう」（Gewehr für Deutsche Reichspost）として残のこるものである。本ほん銃じゅうは、郵政省ゆうせいしょうの財産ざいさんを強盗ごうとうや暴動ぼうどうから守まもるという名目めいもくで発注はっちゅうされたが、実質じっしつ的てきにはドイツ再さい軍備ぐんびへの下しも準備じゅんびに他たならなかった。その外見がいけんは、木製もくせいストックに指掛さしかけ用ようの溝みぞがあることや、リアバンドの固定こてい金具かなぐの形状けいじょう、機関きかん部ぶ等とうの刻印こくいんが異ことなる以外いがいはKar98kとほぼ同一どういつであり、まさにその前身ぜんしんと言いえるものであった。

生産せいさん

1944年ねんフランスで撮影さつえいされたドイツ空軍くうぐんの降下こうか猟りょう兵へい。小銃しょうじゅう擲弾投射とうしゃ器き付つきのKar98kを持もつ

A.Jackenkroll社しゃ製せい民間みんかん用ようAjack4x90スコープ付づけKar98k。ロシア戦線せんせんで撮影さつえい。

先述せんじゅつしたとおりKar98kの制式せいしき採用さいようは1935年ねん6月がつで、6月21日にち発行はっこうの陸軍りくぐん報ほう（Allgemeine Heeresmitteilungen）に6月がつ14日にち付づけ告示こくじとして記載きさいされている。しかしながら実際じっさいの生産せいさんは、1934年ねんに既すでに開始かいしされている。そのメーカーはモーゼル社しゃ（Mauser Werke）の他ほか、ザウエル社しゃ（JP Sauer und Sohn）の２社しゃである。その後ご、製造せいぞうメーカーの数かずは増ふえ続つづけ、途中とちゅう製造せいぞうを中止ちゅうしするメーカーもあったものの、1934年ねんから1945年ねんまで総合そうごう計けい8社しゃ10工場こうじょうにおいてKar98kの生産せいさんが行おこなわれた。その生産せいさんは、ドイツ国内こくないに限かぎらず、占領せんりょう下かのオーストリアやチェコスロバキアにおいても行おこなわれた。

Kar98kの総そう生産せいさん数すうは、戦火せんかや戦後せんごの混乱こんらんで記録きろくが失うしなわれていたり、また相互そうごに矛盾むじゅんする記録きろくが存在そんざいすることなどもあり、正確せいかくな数値すうちは不明ふめいである。そのため、様々さまざまな推計すいけい値ちが存在そんざいするが、その一ひとつとして米国べいこくのコレクターを中心ちゅうしんに行おこなわれた、銃じゅうに刻印こくいんされたシリアルナンバー（一連いちれん番号ばんごう）からの推計すいけい値ちがある。ドイツの小しょう火器かき類るいは一定いっていのルールに基もとづいてシリアルナンバーが刻印こくいんされている。現存げんそんするものについて、これをメーカーごとに詳細しょうさいに記録きろくし、集計しゅうけいすることでその総数そうすうを推計すいけいする方法ほうほうである。その最新さいしん結果けっかによれば、Kar98kは1934年ねんから1945年ねんまでで総数そうすう11,367,893丁ちょう生産せいさんされたとのことである。ただし、Kar98kはメーカー工場こうじょうで生産せいさんされた物ものだけがすべてではない。残のこされたGew98やKar98bの部品ぶひんに新あらたにメーカー工場こうじょうから供給きょうきゅうされた部品ぶひんを組くみ合あわせて各かく軍ぐん管区かんくの兵站へいたん部ぶ等とうで製造せいぞうされた物ものも存在そんざいする。これらは上記じょうき数値すうちには含ふくまれていないことになる。

Kar98kのボルトアクションメカニズムは、元祖がんそのGew98時代じだいから基本きほん的てきに変かわっていない。またその形態けいたいもKar98kとして採用さいようされた当初とうしょから終戦しゅうせんまで大おおきな変更へんこうはないが、戦火せんかが激はげしくなるにつれて、当初とうしょは削けずり出だし加工かこうであった部品ぶひんがプレス加工かこうになる等ひとし、細こまかなバリエーションが存在そんざいする。また、1944年ねんからはKriegsmodell（クリークスモデル）と呼よばれる戦時せんじ省力しょうりょく型がたの生産せいさんも開始かいしされている。その一番いちばんの特徴とくちょうは、着剣ちゃっけん装置そうちや銃床じゅうしょう上じょうのボルト分解ぶんかい用よう金具かなぐの廃止はいしである。

• 
  東ひがしドイツの民兵みんぺい組織そしき、KdAの隊員たいいん。
• 
  ドイツ連邦れんぽう軍ぐん衛兵えいへい大隊だいたいの行進こうしん。

Kar98kのバリエーション（派生はせい型がた・類似るいじ型がた）

狙撃そげき銃じゅう

狙撃そげき銃じゅうとして使用しようされたKar98kは、選抜せんばつされた特とくに精度せいどの高たかい個体こたいが一部いちぶメーカーの工場こうじょうまたは軍ぐんの兵站へいたん部ぶにおいて改造かいぞうされたものである。これらには、多種たしゅ多様たような光学こうがく照準しょうじゅん器き（ライフルスコープ）及および装着そうちゃく器具きぐ（マウント）が使用しようされたが、特とくにスコープに着目ちゃくもくすると次つぎの3つに大別たいべつできる。

1. 民間みんかん用ようスコープ
   • 4倍ばい率りつが主流しゅりゅうであり、純粋じゅんすいな民間みんかん用よう生産せいさん品ひんを転用てんようしたタイプと戦争せんそう後期こうきに軍ぐんの仕様しように基もとづいて生産せいさんされたタイプとがある。今日きょうではメーカーや型式けいしき、マウント種別しゅべつに関かかわらずすべてZF39と呼称こしょうされることが多おおいが、これは不正確ふせいかくである。当時とうじの軍ぐん資料しりょうによると、39型がた照準しょうじゅん眼鏡めがねZF39（Zielfernrohr39）はカール・ツァイス社しゃ製せいの4倍ばい率りつスコープであるツィールフィア（Zielvier）と今日きょう「タレットマウント」と呼よばれるマウントとの組合くみあわせのみを指さし、その他たのスコープはツィールフィアも含ふくめて市販しはん照準しょうじゅん眼鏡めがね（handelsübliche Zielfernrohre）として総称そうしょうされていた。
2. ZF41
   • 41型がた照準しょうじゅん眼鏡めがねZF41（Zielfernrohr41）は1.5倍ばい率りつの小型こがたスコープで接眼せつがん距離きょりが長ながく、本来ほんらいは通常つうじょうの歩兵ほへい部隊ぶたいの上級じょうきゅう射手しゃしゅのために開発かいはつされたものであったが、実際じっさいには特殊とくしゅ任務にんむに就つく狙撃そげき兵へいにも多数たすう支給しきゅうされた。狙撃そげき用途ようととしては、当然とうぜんのことながら能力のうりょく的てきに不十分ふじゅうぶんであったにもかかわらず、結局けっきょくこのタイプが最もっとも多おおく生産せいさんされ、使用しようされた狙撃そげき銃じゅうとなっている。
3. GwZF4（ZFK43）
   • 4倍ばい率りつ小銃しょうじゅう用よう照準しょうじゅん眼鏡めがねGwZF4（Gewehr Zielfernrohr 4fach）は半はん自動じどう小銃しょうじゅうGew43用ようとして1943年ねん春はる頃ごろに完成かんせいし、1944年ねん4月がつ25日にち付づけでGew43がKar43と改称かいしょうされた後のちにはK43型がた照準しょうじゅん眼鏡めがねZFK43（ZielfernrohrK43）と改称かいしょうされている。戦争せんそう末期まっきに軍ぐんはライフルスコープの生産せいさん拡大かくだいのために仕様しようの標準ひょうじゅん化かを図はかり、その一環いっかんとしてKar98kにもGwZF4を装着そうちゃくすることが検討けんとうされた。その特殊とくしゅなスコープマウントと、対応たいおうするマウントベース付つきKar98kはごく少数しょうすうのみ現存げんそんすることから、試作しさくに留とどまったか、試験しけん的てき使用しように限かぎられたものと思おもわれる。

チェコ製せいライフル

ブルノ Vz24

M1908/34（ブラジル向むけVz12/33）

G33/40。山岳さんがく地ちでの使用しように適てきするよう、銃床じゅうしょう後部こうぶが金属きんぞく板ばんで補強ほきょうされている。

チェコスロバキアのブルノ社しゃ（ドイツ名めいWaffenwerke Brünn）では、戦前せんぜんからモーゼル式しき小銃しょうじゅうVz24やその短銃たんじゅう身み型がたのVz33等とうを製造せいぞうしていたが、ドイツによる占領せんりょうと共ともにそれらは細部さいぶをKar98kに類似るいじさせたドイツ型がたに修正しゅうせいして製造せいぞうされるようになり、それぞれG24(t)、G33/40と呼称こしょうされた。特とくにG33/40は山岳さんがく部隊ぶたい仕様しようとされたが、いずれも1942年ねんには生産せいさんが終了しゅうりょうし、翌年よくねん以降いこう、ブルノ社しゃの2つの工場こうじょうにおける小銃しょうじゅう生産せいさんはKar98kに一本いっぽん化かされることとなった。

FN モーゼル M1924

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん後ご、ベルギーのFN社しゃでGew98を改良かいりょうし生産せいさんしたモーゼル式しき小銃しょうじゅう。中南米ちゅうなんべい諸国しょこくや中華民国ちゅうかみんこくなどに輸出ゆしゅつされた。

G40k

1940年ねん4月がつ、軍ぐんはKar98kを更さらに短たん銃身じゅうしんとしたG40kという新型しんがた小銃しょうじゅうの試作しさく命令めいれいを出だした。その銃身じゅうしん長ちょうは490mm、全長ぜんちょうは995mmであったが、少数しょうすうが試作しさく、試験しけんされるに留とどまった。

Volkskarabiner98（VK98）

Kar98kの簡易かんい戦時せんじ生産せいさん型がたで、大戦たいせん末期まっきに中ちゅう高齢こうれい者しゃや少年しょうねんによって編成へんせいされた国民こくみん突撃とつげき隊たいの装備そうびとして作つくられた「国民こくみん突撃とつげき銃じゅう」の内うちの一ひとつである。ナチス党とう行政ぎょうせい側がわの要請ようせいで、武器ぶきを確保かくほするためにkar98kを生産せいさんしていた工場こうじょうから、在庫ざいこ部品ぶひんを民間みんかんへと下さげ、そこで製作せいさくされた。そのため、生産せいさんラインや工場こうじょうによりさまざまなタイプが存在そんざいし、従来じゅうらいのKar98kと同おなじように5発はつの弾倉だんそうを持もつものと、単発たんぱつ式しきのもの、拳銃けんじゅう式しきのサイトから本来ほんらいのサイトなどかなりの差異さいが見みられたという。

（単発たんぱつ型がた諸しょ元もと） 口径こうけい：7.92 mm 全長ぜんちょう：1,031 mm 銃身じゅうしん長ちょう：528 mm 重量じゅうりょう3.13 kg 初速しょそく：731 m/s

その他た試作しさく型がた

• 降下こうか猟りょう兵へい（空挺くうてい部隊ぶたい）等とうにおける携行けいこう性せいの向上こうじょうのため、蝶番ちょうつがいによる折おり畳たたみ銃床じゅうしょう式しきのKar98kやG33/40。また、銃身じゅうしんと機関きかん部ぶの分離ぶんり式しきのKar98kも試作しさく。日本にっぽん陸軍りくぐんの試製しせい一いち〇〇式しき小銃しょうじゅう、試製しせい一式いっしき小銃しょうじゅう、二に式しき小銃しょうじゅう開発かいはつの参考さんこうになった。
• MP43で使用しようされた7.92×33mmクルツ（短たん薬莢やっきょう）弾だんを使用しようするKar98k。
• プラスチック銃床じゅうしょう付つきKar98k。

民間みんかん向むけライフル

2009年ねん現在げんざい、モーゼル社しゃは民間みんかん向むけにGew98/Kar98kアクションを忠実ちゅうじつに再現さいげんした狩猟しゅりょう用ようライフル「モーゼルM98ライフル」を販売はんばいしており、日本にっぽん国内こくないでもライフル銃じゅうとして所持しょじをする事ことが可能かのうとなっている。

登場とうじょう作品さくひん

Kar98kの登場とうじょう作品さくひんを表示ひょうじするには右みぎの [表示ひょうじ] をクリックしてください。

ドイツ軍ぐんの制式せいしき小銃しょうじゅうだったため、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんを題材だいざいにしたものやドイツ軍ぐんが登場とうじょうする作品さくひんに多おおく登場とうじょうする。また、第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんを題材だいざいにした作品さくひんにおいても、Gew98の小道具こどうぐの代用だいように用もちいられることもある。

映画えいが・テレビドラマ

『CSI:科学かがく捜査そうさ班はん』

第だい12シーズン「殺人さつじん兵器へいき」に登場とうじょう。隠かくし部屋へやの壁かべに掛かけてある。

『WITHOUT A TRACE/FBI 失踪しっそう者しゃを追おえ!』

第だい3シーズン「陪審ばいしん員いんの過去かこ」に登場とうじょう。

『Mr.ビーン カンヌで大だい迷惑めいわく?!』

『X-メン』

『インディ・ジョーンズシリーズ』

『レイダース/失うしなわれたアーク《聖せい櫃ひつ》』

『インディ・ジョーンズ/最後さいごの聖戦せいせん』

上記じょうき作品さくひんにて、ドイツ軍ぐん兵士へいしが使用しよう。

『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』

『エアリフト』

『グラインドハウス』

武装ぶそう親衛隊しんえいたいの狼おおかみ女おんなに登場とうじょう。

『コンバット!』

ドイツ軍ぐん兵士へいしが使用しよう。

『勝利しょうりへの脱出だっしゅつ』

ドイツ軍ぐん兵士へいしがスコープなしのものを装備そうび。

『人ひと狼おおかみ JIN-ROH』

擲弾発射はっしゃ機きを付つけて、グレネードランチャーとして使つかわれる。

『スターリングラード』

ケーニッヒ少佐しょうさが使用しよう。

『スパイ・ゾルゲ』

『戦争せんそうの犬いぬたち』

ザンガロ政府せいふ軍ぐん兵士へいしが使用しよう。

『タイム･ジャンパー』

『沈黙ちんもくの逆襲ぎゃくしゅう』

『バルトの楽園らくえん』

ドイツ国内こくないの場面ばめんでGewehr98が、チンタオ攻おさむ防戦ぼうせんの場面ばめんでKar98kが登場とうじょう。ただし、後者こうしゃは時代じだいが合あわない。

『バンド・オブ・ブラザース』

ドイツ軍ぐん兵士へいしが使用しよう。

『ヒトラー 〜最期さいごの12日間にちかん〜』

ドイツ軍ぐん兵士へいしが使用しよう。

『フューリー』

武装ぶそう親衛隊しんえいたいとドイツ軍ぐん兵士へいしが使用しよう。また、武装ぶそう親衛隊しんえいたい狙撃そげき手しゅが銃身じゅうしんに草くさを巻まきつけて偽装ぎそうを施ほどこし、ZF42 スコープを取とり付つけたものを使用しようしてウォーダディーを狙撃そげきし、致命傷ちめいしょうを負おわせる。

『プライベート・ライアン』

武装ぶそう親衛隊しんえいたいとドイツ軍ぐん兵士へいしが使用しよう。また、ドイツ軍ぐん狙撃そげき手しゅが銃身じゅうしんに草くさを巻まきつけて偽装ぎそうを施ほどこし、狙撃そげき用ようスコープを取とり付つけたものを使用しようする。

『ヘルボーイ』

『ライラの冒険ぼうけん 黄金おうごんの羅針盤らしんばん』

『ランボー3/怒いかりのアフガン』

ハミドとムジャヒディンの何人なんにんかが使用しようする。

『ワルキューレ』

アニメ・漫画まんが

『HELLSING』

ミレニアム大隊だいたいが銃剣じゅうけんを装着そうちゃくして使用しようする。

『LUPIN THE ⅢRD 次元じげん大だい介かいの墓標ぼひょう』

次元じげん大だい介かいが照準しょうじゅん器きを装着そうちゃくしたものを狙撃そげきに使用しようする。

『ウォースパイト〜マルスの目め〜』

『ウクライナ混成こんせい旅団りょだん』

単行本たんこうぼん「幻まぼろしの豹ひょう The Panther in Ukraina 1950」または「独立どくりつ戦車せんしゃ隊たい」収録しゅうろく作品さくひん。狙撃そげき用よう照準しょうじゅん器きを取とり付つけたものを中川なかがわが使用しようし、GAZ-67の操縦そうじゅう手しゅを狙撃そげきする。

『紅べにの豚ぶた』

空そら賊ぞく連合れんごう、マンマユート団だんが所持しょじしている。

『軍靴ぐんかのバルツァー』

ヴァイセン陸軍りくぐんの装備そうび。作中さくちゅうでは連発れんぱつ式しきではなく単発たんぱつ式しきである。また、金属きんぞく製せい薬莢やっきょうではなく紙かみ製せいの弾薬だんやくを使用しようしている。

『ココロ図書館としょかん』

アニメ版ばん第だい11話わに登場とうじょう。都と亜あ留とめ村むらに駐留ちゅうりゅうする第だい三さん分隊ぶんたいの装備そうび品ひん。発砲はっぽうシーンはない。

『人類じんるいは衰退すいたいしました』

『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』

ヘルベチア共和きょうわ国こく陸軍りくぐんの制式せいしき歩兵ほへい銃じゅう。主人公しゅじんこう達たちの第だい1121分隊ぶんたいにも4丁ちょう配備はいびされている。漫画まんが版ばんでは珍妙ちんみょうな構かまえ方かたで発砲はっぽうしている。

『逮捕たいほしちゃうぞ the MOVIE』

『ハウルの動うごく城しろ』

王国おうこく兵士へいしが使用しよう。

『パンプキン・シザーズ』

帝国ていこく陸軍りくぐんに採用さいようされている。

『ブラック・ラグーン』

『マスターキートン』

最終さいしゅう回かいでルーマニアの村むらに残のこされていたものをキートン達いたるが使用しよう。

『迷彩めいさい君くん』

ヒストリカルゲームで登場とうじょう。

『鋼はがねの錬金術れんきんじゅつ師し』

リザ・ホークアイ中尉ちゅういが作中さくちゅうで度々たびたび使用しよう。またアメストリス軍ぐんでも使用しようされる。

『幼女ようじょ戦記せんき』

帝国ていこく軍ぐん兵士へいしらの標準ひょうじゅん装備そうびとして登場とうじょう。

小説しょうせつ

『鏖殺おうさつの凶きょう鳥とり』（文庫ぶんこ名めい：『凶きょう鳥とり〈フッケバイン〉 ヒトラー最終さいしゅう指令しれい』）

カッツェンボルン住民じゅうみんが「異形いぎょう者しゃ」に対たいして使用しよう。

『怪盗かいとうクイーンシリーズ』

『怪盗かいとうクイーン、仮面かめん舞踏ぶとう会かいにて』

ゲルブがジョーカーを狙撃そげきするため使用しよう（架空かくうの「Kar98改あらため」という名前なまえで登場とうじょう）。

『怪盗かいとうクイーンに月つきの砂漠さばくを』

ゲルブがピラミッドと逆ぎゃくピラミッドの接点せってんを狙撃そげきするため使用しよう（架空かくうの「Kar98改あらため弐に式しき」という名前なまえで登場とうじょう）。

『旭日きょくじつの艦隊かんたい』

ドイツ兵へいが使用しよう。

『新しん・旭日きょくじつの艦隊かんたい』

ドイツ兵へいが使用しよう。

『紺碧こんぺきの艦隊かんたい』

ドイツ兵へいが使用しよう。

『新しん・紺碧こんぺきの艦隊かんたい』

ドイツ兵へいが使用しよう。

『鼠ねずみたちの戦争せんそう』

ハインツ・トルヴァルトが使用しよう。

『蓬莱ほうらい学園がくえんの魔ま獣じゅう』

テオドール・ザールヴィッツが使用しよう。

『蘇そえる金かね狼おおかみ』

『同志どうし少女しょうじょよ、敵てきを撃うて』

主人公しゅじんこうセラフィマらの敵てきドイツ兵へい、主おもにハンス·イェーガーが使用しよう。

ゲーム

『Alliance of Valiant Arms』

カプセル商店しょうてんで販売はんばい。スナイパーのメイン武器ぶき。

『Enlisted』

全ぜんキャンペーンで枢軸すうじく軍ぐんが使用しよう可能かのう。

『HIDDEN & DANGEROUS 2』

『Men of War: Assault Squad』

『Operation Darkness』

『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』

スナイパーライフルとして7.62mm弾だん仕様しようが登場とうじょうする。

『The Saboteur』

「Carbine Rifle」の名称めいしょうで登場とうじょうするほか、スコープを取とり付つけた狙撃そげき銃じゅう型がたが「Scoped Carbine」の名称めいしょうで登場とうじょうする。両者りょうしゃともにナチス兵士へいしが使用しようする。

『Wolfensteinシリーズ』

『コール オブ デューティシリーズ』

『CoD』

ドイツ軍ぐんのボルトアクションライフルとして登場とうじょうする。

『CoD:UO』

ドイツ軍ぐんのボルトアクションライフルとして登場とうじょうする。

『CoD:FH』

ドイツ軍ぐんのボルトアクションライフルとして登場とうじょうする。

『CoD2』

ドイツ軍ぐんのボルトアクションライフルとして登場とうじょうする。

『CoD2:BRO』

ドイツ軍ぐん・イタリア軍ぐんのボルトアクションライフルとして登場とうじょうする。

『CoD3』

ドイツ軍ぐんのボルトアクションライフルとして登場とうじょうする。

『CoD:WaW』

ドイツ軍ぐんのボルトアクションライフルとして登場とうじょうする。銃剣じゅうけんや小銃しょうじゅう擲弾を装着そうちゃく可能かのう。

『CoD:BO』

ゾンビモードでのみ使用しよう可能かのう。

『CoD:WWII』

ドイツ軍ぐんのボルトアクションライフルとして登場とうじょうする。

『CoD:MW』

シリーズでは珍めずらしく現代げんだい戦せんでの登場とうじょう。マークスマンライフルとして登場とうじょうする。キャンペーンではウルジクスタン解放かいほう軍ぐんの装備そうびとして登場とうじょうしている。

『CoDmobile』　　　　　　　　　　　　

マークスマンライフルとしてkilo Bolt-Actionの名前なまえで登場とうじょう。　

『CoD:MWIII』

シーズン4にて追加ついか。デフォルトの塗装とそうは現代げんだい風ふうの黒くろ系統けいとうで統一とういつされている。

『鋼鉄こうてつの虹にじ パンツァーメルヒェンRPG』『ネットゲーム95 鋼鉄こうてつの虹にじ 〜Die Eisenglorie〜』

グリューネラント軍ぐん制式せいしき小銃しょうじゅう。第だい三さん帝国ていこくから貸与たいよされたものと、ライセンスによる自国じこく生産せいさん品ひんがある。

『荒野あらの行動こうどう』

物資ぶっしとして家屋かおくによく落おちている。　

『スナイパーエリートV2』

初回しょかい生産せいさん版ばんのみに特典とくてんとしてSVT-40と共ともに「Karabiner 98k」の名称めいしょうで実装じっそうされており、使用しよう可能かのう。

『戦場せんじょうのカルマ』

『トータル・タンク・シミュレーター』

ドイツのスナイパーが装備そうびしている。

『ドールズフロントライン』

萌もえ擬人ぎじん化かされたものが星ほし5戦術せんじゅつ人形にんぎょうとして登場とうじょう。

『バトルフィールドシリーズ』

『BF1942』

ドイツ軍ぐんの小銃しょうじゅうとして登場とうじょうする他ほか、スコープを搭載とうさいしたものがドイツ軍ぐん・日本にっぽん軍ぐんの狙撃そげき銃じゅうとして登場とうじょうする。

『BF1943』

日本にっぽん海軍かいぐん偵察ていさつ兵へいの装備そうびとして「九きゅう八はち式しき狙撃そげき銃じゅう」の名称めいしょうで登場とうじょうする。

『BFV』

斥候せっこう兵へいの武器ぶきとして登場とうじょうする。

『BF2042』

Portalモードにおいて登場とうじょう。

『ブラザー イン アームズシリーズ』

『メダル・オブ・オナーシリーズ』

『メタルスラッグ』

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• Götz, Hans Dieter, GERMAN MILITARY RIFLES AND MACHINE PISTOLS 1871-1945, Schiffer Publishing, Ltd, 1990
• Karem,Bruce & Steves,Michael, Karabiner 98k Volume I, Third Party Press, 2012
• Karem,Bruce & Steves,Michael, Karabiner 98k Volume IIa, Third Party Press, 2017
• Karem,Bruce & Steves,Michael, Karabiner 98k Volume IIb, Third Party Press, 2017
• Karem,Bruce & Steves,Michael, Kriegsmodell Volume III, Third Party Press, 2012
• Law,Richard D, BACKBONE of the WEHRMACHT The GERMAN K98k RIFLE 1934-1945, Collector Grade Publications, Inc, 1993
• Law,Richard D, Sniper Variations of the German K98k Rifle, Collector Grade Publications, Inc, 1996
• Senich, Peter R., The German Sniper 1914-1945, Paradin Press, 1982
• Walter,John, THE GERMAN RIFLE, Arms and Armour Press, 1979
• Weaver, W.Darrin, Hitler’s Garands GERMAN SELF-LOADING RIFLES of WORLD WAR II, Collector Grade Publications, Inc, 2001