StG44は、騎兵 きへい 銃 じゅう 、短 たん 機関 きかん 銃 じゅう 、自動 じどう 小銃 しょうじゅう を統合 とうごう した性格 せいかく を持 も つ銃 じゅう として開発 かいはつ された。
弾薬 だんやく は、従来 じゅうらい のKar98k 小銃 しょうじゅう などで用 もち いられた7.92x57mmモーゼル弾 だん よりも短 みじか い7.92x33mmクルツ弾 だん を使用 しよう した。これは、装 そう 薬 くすり 量 りょう を減 へ らし、射程 しゃてい を短 みじか めに設定 せってい したもので、兵士 へいし 1人 ひとり あたりの携行 けいこう 弾 だん 数 すう を増 ふ やすと同時 どうじ に、フルサイズの小銃 しょうじゅう 弾 だん より反動 はんどう を抑 おさ えることができた。このため、短 たん 機関 きかん 銃 じゅう のような全 ぜん 自動 じどう 射撃 しゃげき と小銃 しょうじゅう のような狙撃 そげき を両立 りょうりつ できた。
製造 せいぞう 時期 じき によりMP43、MP44、StG44と異 こと なる名称 めいしょう を持 も つが、細部 さいぶ の改修 かいしゅう を加 くわ えただけでいずれも本質 ほんしつ 的 てき には同一 どういつ の小銃 しょうじゅう である。主 おも に政治 せいじ 的 てき 要因 よういん により試作 しさく 型 がた のMKb42(H)から種々 しゅじゅ の名前 なまえ の変遷 へんせん を経 へ たが、最終 さいしゅう 的 てき にはStG44として量産 りょうさん された。
StG44はSturmgewehr 44 の略称 りゃくしょう である。このSturmgewehr シュトゥルム・ゲヴェーア(Sturm=「強襲 きょうしゅう ・突撃 とつげき 」、Gewehr=「銃 じゅう 」)という言葉 ことば は英語 えいご 圏 けん においてAssault Rifle アサルト・ライフル(突撃 とつげき ・銃 じゅう )と訳 やく され、後 のち にStG44と同種 どうしゅ の武器 ぶき を表 あらわ す言葉 ことば として広 ひろ く用 もち いられるものとなった。
現代 げんだい の軍隊 ぐんたい で使用 しよう されているアサルトライフル の特徴 とくちょう を備 そな えており、作動 さどう 方式 ほうしき はガスオペレーション式 しき で、セミオート(単発 たんぱつ )とフルオート(連発 れんぱつ )を切 き り替 か えられる。安全 あんぜん 装置 そうち とセミ・フル切 せつ 換 かわ 装置 そうち は別個 べっこ に設 もう けられ、前者 ぜんしゃ がレバー形状 けいじょう 、後者 こうしゃ がクロスボルト形状 けいじょう である。閉鎖 へいさ 方式 ほうしき はボルトの後端 こうたん が上下 じょうげ するティルティングボルト方式 ほうしき で、前進 ぜんしん したボルトが下降 かこう して閉鎖 へいさ 、後退 こうたい するボルトキャリアに持 も ち上 あ げられて開 ひらき 鎖 くさり がそれぞれ行 おこな われる。
鋼 はがね 板 いた プレス加工 かこう を利用 りよう して上下 じょうげ のフレームを成形 せいけい し、その中 なか に切削 せっさく 加工 かこう された部品 ぶひん をリベットやカシメで取 と り付 つ けており、生産 せいさん 性 せい 向上 こうじょう とコストダウン、高 こう 品位 ひんい な金属 きんぞく 材料 ざいりょう の節約 せつやく が図 はか られている。機関 きかん 部 ぶ もユニット化 か されていて、下部 かぶ フレームから一括 いっかつ で取 と り出 だ すことができる。グリップパネル(握 にぎ 把 わ )は初期 しょき のものは木 き 材 ざい が使用 しよう されていたが、後期 こうき のものはプラスチック 製 せい となった。トリガー(引 ひ き金 がね )は大 おお きめで引 ひ きやすく、それを守 まも るトリガーガード(用心 ようじん 鉄 てつ )は内径 ないけい が大 おお きく作 つく られており、防寒 ぼうかん ミトン着用 ちゃくよう 時 じ にもトリガーを引 ひ きやすい形状 けいじょう となっていた。先端 せんたん には、発射 はっしゃ 時 じ に銃身 じゅうしん 内 うち で発生 はっせい した発射 はっしゃ ガスが、その後 ご に銃 じゅう のボルト(遊 ゆう 底 そこ )を作動 さどう させるために導 みちび くガスシリンダーチューブ(作動 さどう ガス導管 どうかん )へ流入 りゅうにゅう するため、それを調整 ちょうせい するガスシリンダープラグ(作動 さどう ガス規正 きせい 子 こ )が取付 とりつ けられており[ note 1] 、先端 せんたん には叉 また 銃 じゅう 用 よう のロッドが付属 ふぞく する。照準 しょうじゅん 器 き (照星 しょうせい と照 あきら 門 もん の組 くみ )は位置 いち が高 たか く設定 せってい され、フロントサイトには陽光 ようこう の反射 はんしゃ や影 かげ が照準 しょうじゅん の邪魔 じゃま にならないように、取外 とりはず し式 しき のサイトフードが装着 そうちゃく されている。銃身 じゅうしん 先端 せんたん にはMP40に類似 るいじ したアタッチメント追加 ついか 用 よう のねじが切 き られていたが、一方 いっぽう で銃剣 じゅうけん ラグは設 もう けられていなかった。右側 みぎがわ 面 めん の排 はい 莢 さいかち 口 こう には開閉 かいへい 式 しき の防塵 ぼうじん カバーが取 と り付 つ けられていたが、左側 ひだりがわ 面 めん でコッキングハンドルが前後 ぜんご 動 どう するスロットは保護 ほご されていなかった。
バットストック(銃床 じゅうしょう )は、従来 じゅうらい のライフル銃 じゅう では射撃 しゃげき の反動 はんどう で肩 かた を痛 いた めないように曲 きょく 銃床 じゅうしょう が使用 しよう されていたのに対 たい し、この銃 じゅう では従来 じゅうらい のライフル弾 だん より反動 はんどう が低 ひく い弾薬 だんやく が使用 しよう されたため、反動 はんどう が射手 しゃしゅ に対 たい して水平 すいへい に伝 つた わる直 ちょく 銃床 じゅうしょう を採用 さいよう し、銃口 じゅうこう の跳 は ね上 あ がりを抑 おさ えるとともに連射 れんしゃ 時 じ の射撃 しゃげき 精度 せいど が高 たか めることができた。バットストック後部 こうぶ の保護 ほご 板 ばん (床 ゆか 尾 お 底 そこ 板 ばん )は、上端 じょうたん と下端 かたん だけを覆 おお う簡易 かんい 的 てき なものが使 つか われている。バットストックの上面 うわつら 後部 こうぶ には手入 てい れ用具 ようぐ の収納 しゅうのう スペースが設 もう けられている。本 ほん 銃 じゅう のメインスプリング(復 ふく 座 ざ ばね)は設計 せっけい 上 じょう 、レシーバーからバットストックにかけて内蔵 ないぞう されているため、もし木製 もくせい のバットストックが折損 せっそん 、あるいは水分 すいぶん を吸 す って変形 へんけい すると射撃 しゃげき 不能 ふのう になるおそれがあった。
フォアグリップはハンドガードを兼 か ねているが、プレス加工 かこう された鋼材 こうざい が使用 しよう されていたため、熱 ねつ 伝導 でんどう 率 りつ が高 たか く、連射 れんしゃ を続 つづ けていると過熱 かねつ して持 も てなくなる欠点 けってん がある。そこで実戦 じっせん ではもっぱらマガジンハウジングを握 にぎ ってホールドしていた。マガジン(弾倉 だんそう )は、弾 たま を千鳥 ちどり 配列 はいれつ 式 しき で30発 はつ の装填 そうてん が可能 かのう だが(ダブルカラムマガジン、複 ふく 列 れつ 弾倉 だんそう )、作動 さどう 不良 ふりょう 防止 ぼうし のため、戦場 せんじょう では弾 たま を1-2発 はつ 少 すく なくして装填 そうてん した。
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん を通 つう じてドイツ軍 ぐん を悩 なや ませていたのは、歩兵 ほへい 兵力 へいりょく の過少 かしょう と火力 かりょく 不足 ふそく であった。ドイツ軍 ぐん の歩兵 ほへい 戦術 せんじゅつ において、歩兵 ほへい 火力 かりょく の要 よう は機関 きかん 銃 じゅう であり、小銃 しょうじゅう 兵 へい の任務 にんむ は機関 きかん 銃 じゅう 兵 へい の援護 えんご とされていた[ 1] 。これに用 もち いられたMG34 はすぐれた汎用 はんよう 機関 きかん 銃 じゅう であったが、重量 じゅうりょう は約 やく 12kgもあり、歩兵 ほへい の携行 けいこう には難 なん があった。
第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん の激 はげ しい機動 きどう 戦 せん は、結果 けっか として広範 こうはん な戦闘 せんとう 正面 しょうめん に過小 かしょう な歩兵 ほへい 戦力 せんりょく を配置 はいち した戦線 せんせん を広 ひろ げた。歩兵 ほへい の密度 みつど は戦闘 せんとう 教範 きょうはん の想定 そうてい よりも低 ひく く、攻勢 こうせい においても防御 ぼうぎょ においても発射 はっしゃ される弾 たま 量 りょう は減少 げんしょう した。また、市街 しがい 戦 せん でのドイツ軍 ぐん 歩兵 ほへい 分隊 ぶんたい の火力 かりょく は明 あき らかに不足 ふそく しており、機関 きかん 銃 じゅう の援護 えんご はしばしば不十分 ふじゅうぶん であった。このため、前衛 ぜんえい 部隊 ぶたい である突撃 とつげき 兵 へい 分隊 ぶんたい では、移動 いどう 中 ちゅう でも素早 すばや く射撃 しゃげき できる短 たん 機関 きかん 銃 じゅう を頻繁 ひんぱん に使用 しよう した。しかし、短 たん 機関 きかん 銃 じゅう の使用 しよう する拳銃 けんじゅう 弾 たま は、小銃 しょうじゅう 弾 だん に比 くら べて射程 しゃてい が短 みじか く、威力 いりょく 不足 ふそく が問題 もんだい であった。そのため、突撃 とつげき 兵 へい は市街 しがい から離 はな れて近郊 きんこう 地区 ちく に出 で ると、短 たん 機関 きかん 銃 じゅう の使用 しよう を取 と りやめて、再 ふたた びライフルを手 て にしていた。
一方 いっぽう でソ連 それん 赤軍 せきぐん は、大戦 たいせん 前 まえ から自動 じどう 小銃 しょうじゅう の研究 けんきゅう に熱心 ねっしん であり、既 すで に配備 はいび も行 おこな われていた。トカレフSVT-38およびトカレフSVT-40 などの半 はん 自動 じどう 小銃 しょうじゅう が相当 そうとう 数 すう 装備 そうび されており、これらの調達 ちょうたつ 数 すう は、ドイツ軍 ぐん の主力 しゅりょく 小銃 しょうじゅう であるKar98k を凌 しの いでいた。ソ連 それん 軍 ぐん が自動 じどう 小銃 しょうじゅう を配備 はいび していることを知 し った前線 ぜんせん の歩兵 ほへい 部隊 ぶたい からは、同様 どうよう の自動 じどう 小銃 しょうじゅう 配備 はいび を要求 ようきゅう する声 こえ があがり、ドイツ軍 ぐん も遅 おく れながらも、Gew41 (Gewehr41)などの半 はん 自動 じどう 小銃 しょうじゅう の開発 かいはつ を急 いそ いでいた。
新型 しんがた の自動 じどう 火器 かき の研究 けんきゅう は続 つづ けられたが、7.92x57mmモーゼル弾 だん の反動 はんどう は強力 きょうりょく で、これを使用 しよう したFG42 などの自動 じどう 小銃 しょうじゅう では、銃 じゅう の重量 じゅうりょう は常 つね に過大 かだい となり、連発 れんぱつ 時 じ の命中 めいちゅう 精度 せいど は低下 ていか した。この問題 もんだい を解決 かいけつ するためには、より反動 はんどう の低 ひく い新 あら たな弾丸 だんがん を使用 しよう することが必要 ひつよう だった。
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 勃発 ぼっぱつ 前 まえ から、ドイツ陸軍 りくぐん 兵器 へいき 局 きょく では自軍 じぐん の小銃 しょうじゅう の問題 もんだい 点 てん を認 みと めていた。当時 とうじ の主力 しゅりょく 小銃 しょうじゅう はKar98k小銃 しょうじゅう だったが、陸軍 りくぐん 兵器 へいき 局 きょく ではこの小銃 しょうじゅう が従来 じゅうらい 想定 そうてい されたような状況 じょうきょう では使用 しよう されず、7.92x57mmモーゼル弾 だん の威力 いりょく も無駄 むだ になっていると捉 とら えていた[ 2] 。また、Kar98kはボルトアクション式 しき の小銃 しょうじゅう であり、自動 じどう 小銃 しょうじゅう には速射 そくしゃ 性能 せいのう で劣 おと っていた。その後 ご 、MP38およびMP40 短 たん 機関 きかん 銃 じゅう によって速射 そくしゃ 性能 せいのう の不足 ふそく は補 おぎな われたものの、この短 たん 機関 きかん 銃 じゅう は拳銃 けんじゅう 用 よう の9mmルガー弾 だん を使用 しよう していた為 ため 、威力 いりょく と射程 しゃてい に問題 もんだい があった。
ワルサー社 しゃ 設計 せっけい のMKb42(W)、先端 せんたん に擲弾発射 はっしゃ 器 き が付属 ふぞく した状態 じょうたい
ヘーネル社 しゃ 設計 せっけい のMKb42(H)
1938年 ねん 、陸軍 りくぐん 兵器 へいき 局 きょく は新型 しんがた 短小 たんしょう 弾 だん の設計 せっけい に着手 ちゃくしゅ する[ 2] [ 3] 。1941年 ねん 、新型 しんがた 自動 じどう 小銃 しょうじゅう に先立 さきだ ち、弾薬 だんやく メーカーのポルテ (ドイツ語 ご 版 ばん ) 社 しゃ にて開発 かいはつ された7.92x33mm弾 だん が、7.9mm短小 たんしょう 歩兵 ほへい 弾 だん (7.9 Infanterie Kurz Patrone)なる制式 せいしき 名称 めいしょう で採用 さいよう された。この弾薬 だんやく は、既存 きそん の7.92x57mmモーゼル弾 だん と同 どう 口径 こうけい とすることで弾頭 だんとう が同型 どうけい となり、生産 せいさん 設備 せつび が流用 りゅうよう できるという利点 りてん があった。新型 しんがた 弾 だん 開発 かいはつ に合 あ わせ、C・G・ヘーネル火器 かき ・自転車 じてんしゃ 工場 こうじょう (ドイツ語 ご 版 ばん ) が7.92x33mm弾 だん を用 もち いる新型 しんがた 自動 じどう 小銃 しょうじゅう の設計 せっけい について陸軍 りくぐん 兵器 へいき 局 きょく と契約 けいやく を交 か わした。設計 せっけい 責任 せきにん 者 しゃ は、MP28などの開発 かいはつ 者 しゃ として知 し られるヒューゴ・シュマイザー 技師 ぎし だった。一方 いっぽう 、ワルサー 社 しゃ も1940年 ねん に自社 じしゃ 製 せい 自動 じどう 小銃 しょうじゅう を原型 げんけい とした設計 せっけい 案 あん を提出 ていしゅつ し、1941年 ねん 1月 がつ に正式 せいしき な契約 けいやく を交 か わした。この時点 じてん で、いずれの新型 しんがた 自動 じどう 小銃 しょうじゅう もMaschinenkarabiner (MKb、機関 きかん 騎兵 きへい 銃 じゅう の意 い )と仮称 かしょう されていた。1942年 ねん 、両社 りょうしゃ ともが最終 さいしゅう 的 てき な試作 しさく モデルを提出 ていしゅつ した[ 4] 。双方 そうほう の設計 せっけい は大 だい 部分 ぶぶん が酷似 こくじ しており、ガス圧 あつ 作動 さどう 式 しき であった。そして、セミオート(単 たん 射 しゃ )・フルオート(連射 れんしゃ )発射 はっしゃ モードを備 そな えていた。
ヘーネル社 しゃ 設計 せっけい のオリジナル版 ばん MKb42(H)は、オープンボルト式 しき [ note 2] ・ストライカー式 しき であった。レシーバーと、ピストルグリップ式 しき のトリガーハウジングは、鋼 はがね 鉄 てつ 打 う ち抜 ぬ き加工 かこう により製作 せいさく され、バレル・アッセンブリのヒンジに取 と り付 つ けられた。さらに、機関 きかん 部 ぶ に開閉 かいへい 構造 こうぞう を採用 さいよう し、分解 ぶんかい ・清掃 せいそう が短時間 たんじかん でできるようにされた。このヘーネル社 しゃ のMKb42(H)は、ワルサー社 しゃ のMKb42(W)よりも優 すぐ れていることが分 わ かり、軍 ぐん はいくつかのマイナーチェンジを加 くわ えた次 つぎ のバージョンをヘーネル社 しゃ に求 もと めた。一 ひと つは着剣 ちゃっけん 装置 そうち の取 と り付 つ け、もう一 ひと つはライフリング のピッチ変更 へんこう である。
これらを変更 へんこう した量産 りょうさん 先行 せんこう 品 ひん は、1942年 ねん 11月に実地 じっち に送 おく られた。受 う け取 と った兵士 へいし はこの新 あら たな銃 じゅう を愛用 あいよう し、予約 よやく も出 で た。さらに変更 へんこう 点 てん を加 くわ えた別 べつ のセットは、排 はい 莢 さいかち 口 こう に防塵 ぼうじん 用 よう のヒンジ式 しき カバーを追加 ついか し、行動 こうどう 中 ちゅう の機関 きかん 部 ぶ 保護 ほご を容易 ようい にした。また、スコープ 装着 そうちゃく 用 よう レールも取 と り付 つ けられた。これらの変更 へんこう 点 てん を加 くわ えたMKb42(H)は、1942年 ねん 後期 こうき から1943年 ねん 初期 しょき にかけ、11,833挺 てい が実戦 じっせん 試験 しけん 用 よう に量産 りょうさん された。
しかし、総統 そうとう アドルフ・ヒトラー はMKb開発 かいはつ を中止 ちゅうし させ、代 か わりに従来 じゅうらい の小銃 しょうじゅう 弾 だん を用 もち いる半 はん 自動 じどう 小銃 しょうじゅう を設計 せっけい するようにと命 めい じた[ 2] 。これはヒトラー自身 じしん が第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん での経験 けいけん から7.92x57mmモーゼル弾 だん を強 つよ く信頼 しんらい していた為 ため とも言 い われている[ 3] 。新 しん 計画 けいかく の元 もと で設計 せっけい されたGew41 半 はん 自動 じどう 小銃 しょうじゅう は欠陥 けっかん が多 おお く、その後 ご 改良 かいりょう を加 くわ えて設計 せっけい されたGew43 半 はん 自動 じどう 小銃 しょうじゅう も十分 じゅうぶん な性能 せいのう を有 ゆう してはいなかった。
1943年 ねん 10月 がつ 、GwZF4 照準 しょうじゅん 器 き 装備 そうび のMP43を構 かま えるドイツ兵 へい
ヒトラーによる命令 めいれい の後 のち も、アルベルト・シュペーア 軍需 ぐんじゅ 相 しょう は密 ひそ かにMKb開発 かいはつ を継続 けいぞく させた[ 2] [ 3] 。
武器 ぶき 開発 かいはつ 計画 けいかく を保護 ほご するため、従来 じゅうらい のモーゼル弾 だん を使 つか った新 しん 計画 けいかく MKb43(G)がグストロフ 財団 ざいだん により始 はじ められた。これを量産 りょうさん する意図 いと はなかったが、ヒトラーが銃 じゅう の開発 かいはつ 状 じょう 況 きょう について尋 たず ねた時 とき には、常 つね にこの銃 じゅう のプロトタイプ を見 み せるようにしていた。
オープンボルト作動 さどう 式 しき のMKb42(H)からクローズドボルト作動 さどう 式 しき [ note 3] のMP43に至 いた る過程 かてい で名称 めいしょう はまずMP43/1となった。MP43とMP43/1の相違 そうい 点 てん はごく僅 わず かだが、明白 めいはく な違 ちが いとして確認 かくにん できる。MP43/1の作動 さどう 方式 ほうしき はクローズドボルトでMP43と同 おな じ。銃口 じゅうこう 部分 ぶぶん はねじ込 こ み式 しき の擲弾筒 てきだんとう (グレネードランチャー )を取 と り付 つ けるためのねじ切 き りが余分 よぶん にしてあり(MKb42と同一 どういつ )、バレルナットもMKb42と同一 どういつ のものであった。バレル は、MP43が銃口 じゅうこう に向 む かって一段 いちだん 細 ほそ く切削 せっさく 加工 かこう されているのに対 たい して、MP43/1のバレルは同 どう 一 いち 径 みち の筒 つつ 状 じょう であった。フロントサイト基部 きぶ の形状 けいじょう も大 おお きく違 ちが っている。また、リアサイト基部 きぶ にはZF41 照準 しょうじゅん 器 き を取 と り付 つ けるレールがプレスされている。シリアルナンバー上 じょう ではa系 けい とb系 けい があり、a系 けい のリアサイトには照準 しょうじゅん 器 き 取 と り付 つ け用 よう レールに照準 しょうじゅん 器 き を固定 こてい するための切 き り欠 か きがあった。のちのMP43以降 いこう はKar98k 用 よう 擲弾筒 てきだんとう (グレネードランチャー)を流用 りゅうよう するためフロントサイト基部 きぶ の形状 けいじょう が改 あらた められている。
MKb42(H)は、MP43/1という過渡 かと 期 き の形状 けいじょう を経 へ て、名称 めいしょう をMaschinenpistole 43 (MP43、43年 ねん 式 しき 機関 きかん 拳銃 けんじゅう )と呼 よ び替 か えられ、既存 きそん のSMG の改良 かいりょう 版 ばん であると擬装 ぎそう された。
1943年 ねん 夏 なつ 、およそ15,000丁 ちょう が国内 こくない 予備 よび 軍 ぐん の訓練 くんれん 部隊 ぶたい にて配備 はいび された。これはMP43の最初 さいしょ の公的 こうてき な配備 はいび であった。やがて計画 けいかく の真相 しんそう が浮上 ふじょう し、ヒトラーは再 ふたた び計画 けいかく 中止 ちゅうし を命令 めいれい した。しかし、配備 はいび 先 さき の国内 こくない 予備 よび 軍 ぐん で高 たか く評価 ひょうか されたこともあり、止 や むを得 え ず計画 けいかく 継続 けいぞく と前線 ぜんせん での実地 じっち 試験 しけん を認 みと めた[ 2] 。
最初 さいしょ の本格 ほんかく 的 てき 実戦 じっせん 運用 うんよう は、東部 とうぶ 戦線 せんせん 北部 ほくぶ に展開 てんかい していた第 だい 93歩兵 ほへい 師団 しだん (ドイツ語 ご 版 ばん ) が1943年 ねん 10月 がつ に行 い った防衛 ぼうえい 作戦 さくせん においてであった[ 2] 。この戦 たたか いにおいて、MP43は非常 ひじょう に信頼 しんらい 性 せい が高 たか く実用 じつよう 的 てき な銃 じゅう であることが実証 じっしょう され、兵士 へいし らは従来 じゅうらい の短 たん 機関 きかん 銃 じゅう よりもMP43を好 この んで使 つか ったという。まもなくして、ヒトラーも量産 りょうさん を認 みと めた。
1944年 ねん 、バルジの戦 たたか い でのドイツ兵 へい
屈曲 くっきょく 銃身 じゅうしん を取 と り付 つ けたStG44
1944年 ねん 、アーヘン
1944年 ねん 春 はる 、MP43はMP44 やGewehr 44 という名称 めいしょう を経 へ て、Sturmgewehr 44 (44年 ねん 式 しき 突撃 とつげき 銃 じゅう )すなわちStG44と改称 かいしょう された[ 2] 。"Sturmgewehr"(突撃 とつげき 銃 じゅう )という用語 ようご は新 あたら しい種別 しゅべつ の小銃 しょうじゅう であることを強調 きょうちょう する宣伝 せんでん 的 てき な名称 めいしょう として、ヒトラー自身 じしん が考案 こうあん したとも言 い われている。
StG44はほとんどが陸軍 りくぐん 部隊 ぶたい に配備 はいび されたが、武装 ぶそう 親衛隊 しんえいたい でも使用 しよう された[ 2] 。戦利 せんり 品 ひん としての人気 にんき も高 たか く、バストーニュの戦 たたか い の際 さい には鹵獲 ろかく したStG44を愛用 あいよう したアメリカ兵 へい がいたと伝 つた えられている。
終戦 しゅうせん までにおよそ425,000丁 ちょう が生産 せいさん された。同 どう 時期 じき の主力 しゅりょく 小 しょう 火器 かき 、Kar98k(およそ10,000,000丁 ちょう )やMP38/MP40(およそ1,000,000丁 ちょう )に比 くら べれば非常 ひじょう に少 すく なかった[ 2] 。計画 けいかく された生産 せいさん 数 すう 約 やく 4,000,000丁 ちょう には遠 とお く及 およ ばず、実際 じっさい の配備 はいび 数 すう はさらに少 すく なかった[ note 4] ことから主力 しゅりょく 小 しょう 火器 かき としては絶対 ぜったい 的 てき に不足 ふそく しており、Stg44とこれを支援 しえん する少数 しょうすう のMG42/Kar98kという構成 こうせい の部隊 ぶたい は戦場 せんじょう では少数 しょうすう で、44~45年 ねん 型 がた 編制 へんせい の歩兵 ほへい 中隊 ちゅうたい は従来 じゅうらい 通 どお りの武装 ぶそう (MP40、MG42、Kar98k、P38)が基本 きほん であった。
StG44は、特 とく に東部 とうぶ 戦線 せんせん 正面 しょうめん (この銃 じゅう が最初 さいしょ に試用 しよう された場所 ばしょ )において、非常 ひじょう に実用 じつよう 的 てき な銃 じゅう であることを実証 じっしょう した。StG44を装備 そうび した突撃 とつげき 兵 へい は、MP40 の射程 しゃてい では届 とど かない距離 きょり でも、また、Kar98k では近 ちか すぎる市街 しがい 戦 せん でも柔軟 じゅうなん に対応 たいおう できた。さらには、軽 けい 機関 きかん 銃 じゅう の代 か わりに限定 げんてい 的 てき な制圧 せいあつ 射撃 しゃげき で援護 えんご を行 おこな うことすら可能 かのう であった。MP43/MP44/Gew44/StG44の革新 かくしん 性 せい は終戦 しゅうせん 後 ご も色 いろ あせることなく、後続 こうぞく の突撃 とつげき 銃 じゅう (アサルトライフル )開発 かいはつ へ多大 ただい な影響 えいきょう を与 あた えた。いわば端境期 はざかいき の小銃 しょうじゅう といえる。
StG44の42cmにわたる銃身 じゅうしん からの初速 しょそく は685m/sになる。比較 ひかく のために例 れい を挙 あ げると、Kar98kが732m/s、ブレン軽 けい 機関 きかん 銃 じゅう が744m/s、M1カービン が585m/s、MP40が365m/sとなっている。
krummer Lauf(クルマー ラウフ)または Krummlauf(クルムラウフ)と呼 よ ばれる装置 そうち も設計 せっけい された。名称 めいしょう は屈曲 くっきょく 銃身 じゅうしん を意味 いみ する。先端 せんたん に付 つ けるアタッチメントを意味 いみ する Vorsatz(フォアザッツ)または Vorsatzlauf(フォアザッツラウフ)という呼称 こしょう も存在 そんざい し、日本 にっぽん では誤 あやま った読 よ み「ボーザッツ」で知 し られている。銃身 じゅうしん を緩 ゆる やかに折 お り曲 ま げ、潜望鏡 せんぼうきょう や鏡 かがみ で照準 しょうじゅん を行 おこな い、安全 あんぜん な物陰 ものかげ から射撃 しゃげき を行 おこな うための付属 ふぞく 機器 きき である。これにはいくつかのバリエーションがある。歩兵 ほへい 用 よう "I"バージョンと戦車 せんしゃ 兵 へい 用 よう "P"バージョンで、後者 こうしゃ は特 とく に戦車 せんしゃ の死角 しかく となる位置 いち を車内 しゃない から射撃 しゃげき するのに有用 ゆうよう であると考 かんが えられた。曲 ま げ角度 かくど には30度 ど ・45度 ど ・60度 ど ・90度 ど があり、StG44用 よう とMG42用 よう がある。30度 ど のStG44"I"バージョンは、少数 しょうすう が量産 りょうさん された。しかし、曲 ま げた銃身 じゅうしん が多 おお くの弾 たま の発射 はっしゃ に耐 た えられず(150発 はつ 程度 ていど で実用 じつよう 限度 げんど に達 たっ したらしい)、弾丸 だんがん が屈曲 くっきょく 銃身 じゅうしん を通 とお る際 さい に変形 へんけい するために弾道 だんどう も安定 あんてい せず、実用 じつよう 性 せい は低 ひく かった。
モーゼル は、ローラー遅延 ちえん 式 しき ブローバック方式 ほうしき のStG45(M) のプロトタイプ を開発 かいはつ していた。これらは後 のち に、セトメ・ライフル 、H&K G3 およびMP5 に引 ひ き継 つ がれた。
終戦 しゅうせん 直前 ちょくぜん に、さらに安価 あんか に量産 りょうさん するための土壇場 どたんば の努力 どりょく がなされた。これは、国民 こくみん 突撃 とつげき 銃 じゅう (Volkssturmgewehr, VG)と呼 よ ばれ、そのプロトタイプのうち、いくつかはガス遅延 ちえん 式 しき ブローバック方式 ほうしき を採用 さいよう していた。
グストロフ社 しゃ 製 せい VG-45
1955年 ねん 、東 ひがし ドイツのノイストレリッツ市 し で建国 けんこく 記念 きねん 日 び のパレードを行 おこな う東 ひがし ドイツ人民 じんみん 警察 けいさつ 。StG44は1960年代 ねんだい まで使用 しよう された
独 どく ソ戦 せん において数 すう 多 おお くの教訓 きょうくん を得 え たソ連 それん は、他国 たこく に先 さき んじて「Sturmgewehr」アサルトライフル の概念 がいねん を自軍 じぐん に取 と り入 い れた。ミハイル・カラシニコフ が開発 かいはつ したAK-47 は、StG44同様 どうよう に短小 たんしょう 弾 だん と分類 ぶんるい された7.62x39mm弾 だん を使用 しよう し、設計 せっけい 思想 しそう を引 ひ き継 つ いだ。ただし、内部 ないぶ の機械 きかい 的 てき 構造 こうぞう はM1カービン を参考 さんこう にしたとされる。この銃 じゅう は、英語 えいご での訳語 やくご 「アサルトライフル」を顕著 けんちょ にし、より広 ひろ めることとなった。
その間 あいだ も、西側 にしがわ 諸国 しょこく の多 おお くは既存 きそん の武器 ぶき を使用 しよう し続 つづ けた。7.62x51mm NATO弾 だん の採用 さいよう は、西側 にしがわ のアサルトライフルの出現 しゅつげん をさらに遅 おく らせることとなった。
その後 ご 、NATO弾 だん は7.62x51mmから5.56x45mm NATO弾 だん に変更 へんこう された。これは、携行 けいこう 弾薬 だんやく の増加 ぞうか を狙 ねら ったものである。変更 へんこう された弾薬 だんやく は、より小 ちい さくより高 こう 初速 しょそく になり、武器 ぶき 自体 じたい も軽 かる くなった。この点 てん では、M2カービン(M1カービンのフルオートが可能 かのう なタイプ)および.30カービン弾 だん 開発 かいはつ の経緯 けいい にも似 に ている。ソ連 それん もその利点 りてん に着目 ちゃくもく し、NATO弾 だん に似 に た5.45x39mm弾 だん を使用 しよう するAK-74 を開発 かいはつ した。
ドイツ民主 みんしゅ 共和 きょうわ 国 こく (東 ひがし ドイツ)の国家 こっか 人民 じんみん 軍 ぐん では、1960年代 ねんだい に入 はい って国産 こくさん のMPi-K (ライセンス生産 せいさん されたAK-47)が行 い き渡 わた るまではMPi-44 の名称 めいしょう でStG44を使用 しよう し続 つづ けていた[ 2] 。同様 どうよう にドイツ人民 じんみん 警察 けいさつ もPPSh-41 に置 お き換 か えられるまで同 おな じ名称 めいしょう で使用 しよう した。南 みなみ ベトナム解放 かいほう 民族 みんぞく 戦線 せんせん も使用 しよう した[ 5] 。
1947年 ねん 頃 ごろ には何 なん らかの形 かたち で南米 なんべい 諸国 しょこく に持 も ち込 こ まれた。当時 とうじ 、新型 しんがた 自動 じどう 火器 かき の採用 さいよう を模索 もさく していたアルゼンチン では、持 も ち込 こ まれたStG44に対 たい するリバースエンジニアリングを試 こころ み、CITEDEF (英語 えいご 版 ばん ) (国軍 こくぐん 科学 かがく 技術 ぎじゅつ 研究所 けんきゅうじょ )とドミンゴ・マテウ兵器廠 へいきしょう (Fábrica Militar de Armas "Domingo Matheu" )が協同 きょうどう でクローンモデルの設計 せっけい を行 おこな った。このモデルにはCAM 1という名称 めいしょう が与 あた えられた。また、7.92x33mm弾 だん もサン・ロレンツォ陸軍 りくぐん 弾薬 だんやく 廠 しょう (Fábrica Militar de Cartuchos “San Lorenzo” )にて国産 こくさん 化 か された。ただし、CAM 1自体 じたい の開発 かいはつ および研究 けんきゅう は1953年 ねん から1954年 ねん 頃 ごろ に中止 ちゅうし されたと言 い われている[ 6] 。
それ以外 いがい にも、いくつかの国 くに では1980年代 ねんだい まで使用 しよう されていたという[ 1] 。また、シリア内戦 ないせん 最中 さいちゅう の2012年 ねん には、自由 じゆう シリア軍 ぐん によって良好 りょうこう な状態 じょうたい で保管 ほかん されていた5,000丁 ちょう のStG44が発見 はっけん された[ 1] 。