MIL規格きかく

米べい軍ぐんMIL規格きかく （べいぐんミルきかく、英えい: United States Military Standard）とは、一般いっぱん的てきにアメリカ軍ぐんが必要ひつようとする様々さまざまな物資ぶっしの調達ちょうたつに使つかわれる規格きかくを総称そうしょうした表現ひょうげんである。ミルスペック（MIL-SPEC、（非公式ひこうしきに）MilSpecs）^[1]、MIL-STD、defense standardとも呼よばれる。

概要がいよう

MIL規格きかくとして具体ぐたい的てきには、アメリカ国防総省こくぼうそうしょうで制定せいていするMIL仕様しよう書しょ^[2]、MILハンドブック^[3]、MIL標準ひょうじゅん^[4]のほか、連邦れんぽう規格きかく^[5]も含ふくまれることが多おおい。

その対象たいしょうは、複雑ふくざつな武器ぶきシステムからコーヒーメーカーや被服ひふくなどの需品じゅひんまで、あらゆる物品ぶっぴんに及およんでいる。

過度かどに細こまかい規定きていの存在そんざいや、過剰かじょうな品質ひんしつ要求ようきゅう、技術ぎじゅつ的てき内容ないようの陳腐ちんぷ化かなどにより、公共こうきょう調達ちょうたつの合理ごうり性せいを損そこねているという反省はんせいの結果けっか、1990年代ねんだいには、多おおくの規格きかくが、IPCへ移行いこうされ、以降いこう、IPC^[6]により規格きかくの廃止はいし及および継続けいぞく的てきな内容ないようの見直みなおしが行おこなわれている。

なお、腕時計うでどけいやノートパソコンなどの民生みんせい品ひんで、MIL規格きかくに準拠じゅんきょした耐たい衝撃しょうげき性せいをセールスポイントにしている製品せいひんがあるが、これらの大半たいはんは耐たい環境かんきょう性せい試験しけんの規格きかくであるMIL-STD-810に準拠じゅんきょした試験しけん実績じっせきを指さしている。ただし、規格きかくの性質せいしつ上じょう、製品せいひんに対たいしてMIL-STD-810の全ぜん項目こうもくを網羅もうらした試験しけんが行おこなわれることはないうえ、試験しけんの結果けっかによって公的こうてきな品質ひんしつ保証ほしょうが得えられるわけでもないため、消費しょうひ者しゃは注意ちゅういが必要ひつようである。

定義ていぎ

以下いかに公式こうしき文書ぶんしょ類るいとそれらを表現ひょうげんする用語ようごの定義ていぎ^[7]をトップダウンに示しめす。

国防省こくぼうしょうハンドブック^[8]（MIL-HDBK）

技術ぎじゅつ的てきな標準ひょうじゅん手続てつづき。エンジニアリングを含ふくんでいる指導しどう文書ぶんしょまたはDSP^[9]でカバーされる軍需ぐんじゅ品ひん、手順てじゅん・過程かてい、実行じっこうと方法ほうほうに関かんするデザイン情報じょうほう。

国防省こくぼうしょう仕様しよう^[10]（MIL-SPEC）

軍用ぐんように改造かいぞうされた民生みんせい品ひんの購入こうにゅうと軍需ぐんじゅ品ひんの重要じゅうような技術ぎじゅつ的てき必要ひつよう条件じょうけんを述のべる文書ぶんしょ。

国防省こくぼうしょう標準ひょうじゅん^[11]（MIL-STD）

均一きんいつなエンジニアリングと軍用ぐんように改造かいぞうされた民生みんせい品ひん商業しょうぎょうプロセス、手順てじゅん、実行じっこうと方法ほうほうの技術ぎじゅつ的てきな必要ひつよう条件じょうけんを確立かくりつする文書ぶんしょ。

5種類しゅるいの防御ぼうぎょ標準ひょうじゅんがある

インターフェース標準ひょうじゅん
デザイン基準きじゅん標準ひょうじゅん
製造せいぞう工程こうてい標準ひょうじゅん
標準ひょうじゅん的てきな実行じっこう
試験しけん方法ほうほう標準ひょうじゅん

性能せいのう仕様しよう^[12]（MIL-PRF）
詳細しょうさい仕様しよう^[13]（MIL-DTL）
標準ひょうじゅん^[14]: 均一きんいつなエンジニアリングまたは技術ぎじゅつ的てきな基準きじゅん（方法ほうほう、過程かていと実行じっこう）を確立かくりつする文書ぶんしょ。
仕様しよう^[15]: 文書ぶんしょは、購入こうにゅうされた軍需ぐんじゅ品ひんの重要じゅうような技術ぎじゅつ的てきな必要ひつよう条件じょうけんを記述きじゅつする獲得かくとくとそれらの必要ひつよう条件じょうけんが満みたされるかどうか決定けっていすることの基準きじゅんを支援しえんする。

代表だいひょう的てきなDOD標準ひょうじゅんと仕様しようのリスト

MIL-STD-105：サンプルと試験しけん手順てじゅん
MIL-STD-188：電気でんき通信つうしん
MIL-STD-202：電子でんし部品ぶひんの基準きじゅん
MIL-STD-498：ソフトウェア開発かいはつとドキュメンテーション
MIL-STD 461：電磁波でんじは放出ほうしゅつの規制きせいに関かんして
MIL-STD-806：（現存げんそんせず）いわゆる「MIL論理ろんり記号きごう」
MIL-STD-810：器材きざいに対たいする環境かんきょう耐たい性せいを決定けっていするための試験しけん方法ほうほう
MIL-STD-882：システム安全あんぜん性せいのための標準ひょうじゅん作業さぎょう
MIL-STD-883：集積しゅうせき回路かいろのための試験しけん方法ほうほう基準きじゅん
MIL-STD-1234：火薬かやく類るいのサンプリングと試験しけん方法ほうほう
MIL-STD-1246C：スペースハードウェア
MIL-STD-1474：小銃しょうじゅうの音響おんきょう測定そくていの標準ひょうじゅん化か
MIL-STD-1553：デジタル通信つうしん
MIL-STD-1589：JOVIAL（プログラミング言語げんご）
MIL-STD-1750A：航空こうくうコンピュータの命令めいれいセット（ISA）
MIL-STD-1760：ハイテク兵器へいきインターフェース
MIL-STD-1815：Ada（プログラミング言語げんご）
MIL-STD-1913：ピカティニー・レールに関かんして
MIL-STD-2196：光ひかりファイバー通信つうしんに関かんして

脚注きゃくちゅう

^ 図解ずかいミリタリーアイテム著者ちょしゃ: 大波おおなみ篤司あつし
^ 英えい: Military Specification
^ 英えい: Military Handbook
^ 英えい: Military Standard
^ 英えい: Federal Standard
^ “IPCとは?”. Japan unix. 30 January 2015閲覧えつらん。
^ DOD 4120.24-M, (2000), "DSP Policies & Procedures", Office of the Undersecretary of Defense (Acquisition, Technology and Logistics)
^ 英えい: Defense Handbook
^ 英えい: Defense Standardization Program
^ 英えい: Defense Specification
^ 英えい: Defense Standard
^ 英えい: Performance Specification
^ 英えい: Detail Specification
^ 英えい: Standard
^ 英えい: Specification

外部がいぶリンク

Assist-QuickSearch（MIL規格きかく検索けんさく・全文ぜんぶんアクセス）

この項目こうもくは、軍事ぐんじに関連かんれんした書かきかけの項目こうもくです。この項目こうもくを加筆かひつ・訂正ていせいなどしてくださる協力きょうりょく者しゃを求もとめています（プロジェクト:軍事ぐんじ、プロジェクト:軍事ぐんじ史し／Portal:軍事ぐんじ）。

[1] 図解ずかいミリタリーアイテム著者ちょしゃ: 大波おおなみ篤司あつし

[2] 英えい: Military Specification

[3] 英えい: Military Handbook

[4] 英えい: Military Standard

[5] 英えい: Federal Standard

[6] “IPCとは?”. Japan unix. 30 January 2015閲覧えつらん。

[7] DOD 4120.24-M, (2000), "DSP Policies & Procedures", Office of the Undersecretary of Defense (Acquisition, Technology and Logistics)

[8] 英えい: Defense Handbook

[9] 英えい: Defense Standardization Program

[10] 英えい: Defense Specification

[11] 英えい: Defense Standard

[12] 英えい: Performance Specification

[13] 英えい: Detail Specification

[14] 英えい: Standard

[15] 英えい: Specification

[1]

[2]

[3]

[4]

[5]

[6]

[7]

[8]

[9]

[10]

[11]

[12]

[13]

[14]

[15]