アグド

Agde
行政ぎょうせい
国くに	フランス
地域ちいき圏けん (Région)	ラングドック＝ルシヨン地域ちいき圏けん
県けん (département)	エロー県けん
郡ぐん (arrondissement)	ベジエ郡ぐん
小郡おごおり (canton)	小郡おごおり庁ちょう所在地しょざいち
INSEEコード	34003
郵便ゆうびん番号ばんごう	34300
市長しちょう（任期にんき）	ジル・デトル （2014年ねん-2020年ねん）
自治体じちたい間あいだ連合れんごう (fr)	Communauté d'agglomération Hérault Méditerranée
人口じんこう動態どうたい
人口じんこう	21,104人にん （2007年ねん）
人口じんこう密度みつど	415人にん/km2
地理ちり
座標ざひょう	北緯ほくい43度ど18分ふん39秒びょう 東経とうけい3度ど28分ふん33秒びょう
標高ひょうこう	平均へいきん:m 最低さいてい:0 m 最高さいこう:110 m
面積めんせき	km2 (5,090ha)
Agde

アグド （Agde）は、フランス、ラングドック＝ルシヨン地域ちいき圏けん、エロー県けんのコミューン。アグドは時ときに『地中海ちちゅうかいの黒くろ真珠しんじゅ』（la perle noire de la Méditerranée）と呼よばれる。これはコミューン内ないの建物たてものが長ながい間あいだ玄武岩げんぶがんでつくられてきたことに由来ゆらいする。

地理ちり

アグドはリオン湾わんの付つけ根ねに位置いちする。エロー川がわの河口かこうはコミューンの南西なんせいにある。東ひがしは自然しぜん保護ほご区くでもあるバーニャ潟かた（fr）、南みなみは地中海ちちゅうかいに接せっする。コミューンは総そうじて平坦へいたんで、大半たいはんの標高ひょうこうは10m以下いかである。かつて火山かざんであったサン＝ルー山やまとその周辺しゅうへんの丘陵きゅうりょうが標高ひょうこう100mを超こえる。この地理ちり的てき状況じょうきょうから、エロー川がわの氾濫はんらんや海水かいすいの浸水しんすいでアグドは洪水こうずいの危険きけん性せいが高たかい。特とくにエロー川がわ左岸さがんは3kmから4kmにわたって水浸みずびたしになる。

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由来ゆらい

Agdeとはギリシャ植民しょくみん地ち時代じだいの名前なまえΑγαθή Τύχη (Agathé Tyché、幸運こううん)またはΑγαθή πόλις (Agathé Polis、良よい都市とし。ストラボンとプリニウスが記述きじゅつ)から派生はせいした。オック語ごでは同おなじつづりでアット（atte）と発音はつおんする。

歴史れきし

古代こだいから中世ちゅうせい

アグド最初さいしょの定住ていじゅう者しゃは、リグリア人じんとイベリア人じんであった。その後ごケルト人じんが定住ていじゅうした。紀元前きげんぜん7世紀せいきにはマッシリアからポカイア人ひとが頻繁ひんぱんにアグド周辺しゅうへんを訪おとずれた。アグドはマッシリアの植民しょくみん地ちとなった。ギリシャ人じんは穀物こくもつ、羊毛ようもう、そして奴隷どれいを売買ばいばいしていた。彼かれらはオリーブの製油せいゆ方法ほうほうとワイン生産せいさんをこの地ちに紹介しょうかいした。また、地中海ちちゅうかい沿岸えんがんの塩しお湖みずうみ周辺しゅうへんで製塩せいえんも行おこなっていた。

475年ねん頃ごろ、アグドを含ふくむセプティマニア全体ぜんたいが、既すでにヒスパニアに定住ていじゅうしていた西にしゴート族ぞくに征服せいふくされた。西にしゴート時代じだいは、7世紀せいきにイスラム教徒きょうとが来襲らいしゅうするまで続つづいた。この時代じだいにアグドには司教しきょう座ざが設置せっちされ、フランス革命かくめいで廃止はいしされるまで約やく1400年間ねんかん存続そんぞくした。506年ねん、アラリック2世せい（当時とうじは西にしゴートはアリウス派はを信仰しんこうしていた）時代じだいにアグド教会きょうかい会議かいぎが開ひらかれた。

725年ねんにサラセン人じんがアグドを征服せいふくしたが、737年ねんにカール大帝たいていが奪還だっかんした。859年ねん、ナントからやってきた、ハスティング率ひきいるヴァイキングがアグドを略奪りゃくだつし、彼かれらはその後ごカマルグで冬ふゆを越こした。

近きん現代げんだい

20世紀せいき初頭しょとうのアグドの川かわ港こう

収容しゅうよう所しょ跡地あとちにたてられた記念きねん碑ひ

ユグノー戦争せんそう中なかの1562年ねん、アグドはユグノー軍ぐんに占領せんりょうされた。

1630年ねん、宰相さいしょうリシュリューは、ラングドック沿岸えんがんのキャプ・ダグドに大だい規模きぼな港みなとを建設けんせつするよう命めいじた。1632年ねんにはアグド沖合おきあいのブレスク島とうでの埠頭ふとう工事こうじが着工ちゃっこうした。しかし1642年ねんに宰相さいしょうが死去しきょしたことで、工事こうじは中止ちゅうししブレスク島とうの埠頭ふとうは1/3が完成かんせいした状態じょうたいで打うち捨すてられた。1675年ねん、ベジエ＝トー湖みずうみ間あいだのミディ運河うんがでの船上せんじょう輸送ゆそうが始はじまった。

19世紀せいき半なかば以降いこう、鉄道てつどうがアグドにやってきたことでアグド産さんワインの売買ばいばいが盛さかんになった。一方いっぽうで、鉄道てつどうの到来とうらいはアグドの川かわ港こうの衰退すいたいを招まねいた。

収容しゅうよう所しょ

スペイン内戦ないせん末期まっきの1939年ねん、アグドにスペイン共和きょうわ派はを抑留よくりゅうするための収容しゅうよう所しょが設置せっちされた。小ちいさなブースに分わかれたアグド収容しゅうよう所しょは2万まん人にんを収容しゅうようする予定よていであったが、実際じっさいは24,000人にん以上いじょうが収容しゅうようされるという状況じょうきょうであった。1940年ねん末まつにはヴィシー政府せいふが30カ国かこく、6000人にんものフランス在住ざいじゅう外国がいこく人じんをこの収容しゅうよう所しょへ移送いそうした。このうち1000人にん以上いじょうが外国がいこく籍せきのユダヤ人じんたちであった。1943年ねん秋あきに収容しゅうよう所しょは廃止はいしされ、1944年ねん8月がつに解体かいたいされた。

1942年ねん11月、フランス自由じゆう地域ちいき（fr:Zone Libre）へ侵攻しんこうしたドイツ軍ぐんがアグドを占領せんりょうした。海上かいじょうからの連合れんごう国こく上陸じょうりくを防ふせぐため、ドイツ軍ぐんはアグドの海岸かいがん線せん沿ぞいにブンカーを設置せっちした。

経済けいざい

夏なつのリゾート地ちキャプ・ダグドやマリーナを持もつアグドは観光かんこう業ぎょう・商業しょうぎょうが盛さかんである。かつてはブドウ栽培さいばいと漁業ぎょぎょうが経済けいざいの中心ちゅうしんであった。

みどころ

• サン＝テチエンヌ聖堂せいどう - 1840年ねんに歴史れきし記念きねん物ぶつ指定していされた。コミューンを代表だいひょうする建物たてもので、12世紀せいきのロマネスク様式ようしき。玄武岩げんぶがんでできた、要塞ようさいのような非常ひじょうに厳きびしい外観がいかん。
• サン＝タンドレ教会きょうかい - 1984年ねんに歴史れきし記念きねん物ぶつに指定していされた。5世紀せいきにつくられたが幾度いくどもの改修かいしゅうが加くわえられている。506年ねんにここでアグド教会きょうかい会議かいぎが開ひらかれた。

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  サン＝テチエンヌ聖堂せいどう
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  市街しがいにある旧きゅう市庁舎しちょうしゃ
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  コミューン北部ほくぶに広ひろがるブドウ畑はたけ
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  キャプ・ダグドのリシュリュー港こう
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  ミディ運河うんがに架かかるサン＝ジョゼフ橋きょう
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  ブレスク島とう

交通こうつう

• 空港くうこう - ベジエ空港くうこう
• 道路どうろ - A9、A75
• 鉄道てつどう - アグド駅えき
• ミディ運河うんが - コミューンの東ひがしから北きたにある。

外部がいぶリンク

• 公式こうしきサイト