「アメマス」の版はん間あいだの差分さぶん

アメマス
	道東どうとうの湿原しつげん河川かせんで釣つれた大型おおがた個体こたい
分類ぶんるい
学名がくめい
	Salvelinus leucomaenis leucomaenis; (Pallas, 1814)
和名わみょう
	アメマス
英名えいめい
	White-spotted char; Japanese char

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2015年ねん11月7日にち (土)ど 12:07時点じてんにおける版はん

イワナ > アメマス

アメマス（雨あめ鱒ます、学名がくめい:Salvelinus leucomaenis leucomaenis）はサケ科かサケ亜あ科かイワナ属ぞくの魚さかな。分布ぶんぷは、ユーラシア大陸たいりく東端ひがしばた、日本にっぽんでの自然しぜん分布ぶんぷは日本海にほんかい側がわ（山形やまがた県けん以北いほく）太平洋たいへいよう側がわ（千葉ちば県けん以北いほく）。イワナを亜種あしゅで分類ぶんるいするならば、基もと亜種あしゅとなる。河川かせん残留ざんりゅう型がた（陸封りくふう型がた）はエゾイワナと呼よばれる。

生態せいたい

体長たいちょうは14-70cm程度ていど。産卵さんらん期きから孵化ふかまでの生活せいかつ史しはイワナとほぼ同おなじであるが、より冷ひや水域すいいきを好このむと考かんがえられる。サクラマスやサツキマスの様ように、孵化ふか後ごすぐ降くだ海うみせず2年ねんから3年ねん程度ていどを河川かせんで過すごしスモルト化かした個体こたいが降くだ海うみする。シロザケの様ように孵化ふか・浮上ふじょう直後ちょくごには降くだ海うみしない^[1]。雌雄しゆうでのスモルト化かの比率ひりつは異ことなり、雌めす（メス）はほとんどが降くだ海うみするが、残留ざんりゅうし産卵さんらんを行おこなう個体こたいもいる。また、川かわ残留ざんりゅう型がたの雌めすは2才さいから5才さいの年齢ねんれい群ぐんから構成こうせいされ、尾お叉また長ちょうの範囲はんいは127mmから284mmとする報告ほうこくがある^[2]。産卵さんらん後ご一部いちぶの個体こたいは生いき残のこり、翌年よくねん以降いこうの生殖せいしょく活動かつどうに参加さんかする。降くだ海うみ後ごの生活せいかつ史しは十分じゅうぶんに解明かいめいされていない。

川かわ残留ざんりゅう型がたの餌えさは、水棲すいせい昆虫こんちゅう、河畔かはん木きからの落下らっか生物せいぶつ、プランクトンなど。降くだ海うみ型がたの餌えさは、魚さかな（サケ幼稚ようち魚ぎょ）^[3]、プランクトンなど。

また、ヤマメとエゾイワナが交雑こうざつした個体こたい「カワサバ」が道内どうないで確認かくにんされている^[4]。

人間にんげんとのかかわり

近年きんねんは神奈川かながわ県けんをはじめとする関東かんとう近辺きんぺんでも放流ほうりゅうが行おこなわれている^[5]。北海道ほっかいどうでは水産すいさん魚ぎょ種しゅに指定していされていないためゲームフィッシングが人気にんきがあり、降くだ海うみ型がたを特とくに「海うみアメ」と呼よび、遊漁船ゆうぎょせんや沿岸えんがんからのルアー釣づりなどが行おこなわれている。

放流ほうりゅう外来がいらい魚ぎょとの関かかわり

北海道ほっかいどう千歳川ちとせがわ支流しりゅうの紋別川もんべつかわでは、放流ほうりゅうされたブラウントラウトにより生息せいそく域いきが狭せばめられている^[6]。

伝承でんしょう

北海道ほっかいどうの摩周湖ましゅうこには巨大きょだいなアメマスがいると伝つたえられている。体長たいちょうは鯨くじらほどで、湖上こじょうの船ふねを転覆てんぷくさせることもあるといい、摩周湖ましゅうこの主おもとも言いわれている^[7]。

また支笏湖しこつこにも同様どうようの巨大きょだいアメマスの伝承でんしょうがあり、頭あたまと尾おが湖みずうみの両りょう岸きしに届とどくほどの大おおきさという^[8]。

大和やまと民族みんぞくの間あいだには「地下ちかには巨大きょだいな鯰なまずが住すんでいる。これが暴あばれて地震じしんが起おきる」という伝承でんしょうがあるが、北海道ほっかいどうのアイヌ民族みんぞくには、「地下ちかには巨大きょだいなアメマスが住すんでいる。これが暴あばれて地震じしんが起おきる」という、似にた様ようない伝いつたえがある。そこで地震じしんが発生はっせいすると、囲炉裏いろりの灰はいに小刀こがたなや火箸ひばしを刺さし、「エッケウ！エッケウ！」と唱となえる。「エッケウ」は腰骨こしぼねのことで、アメマスの腰骨こしぼねを押おさえつけ、地震じしんを鎮しずめる呪のろいである。^[9]。

出典しゅってん

さけ・ます資源しげん管理かんりセンターニュースNo. 10 2003年ねん2月がつ (PDF)

脚注きゃくちゅう

^ 北海道ほっかいどう古宇川ふるうがわにおけるアメマス Salvelinus leucomaenis の齢よわい別べつ成熟せいじゅく比率ひりつ北海道東海大学ほっかいどうとうかいだいがく紀要きよう. 理工りこう学がく系けい 8, 51-60, 1996-03-21
^ 山本やまもと祥一郎しょういちろうほか「北海道ほっかいどう南部なんぶの河川かせんにおけるアメマスの河川かせん残留ざんりゅう型がた雌めす」魚類ぎょるい学がく雑誌ざっし Vol.43 (1996) No.2 p101-104
^ 北日本きたにっぽんの沿岸えんがんにおけるアメマスによるサケ幼稚ようち魚ぎょの捕食ほしょく北海道ほっかいどう立りつ水産すいさん孵化ふか場じょう研究けんきゅう報告ほうこく (51), 57-61, 1997-03
^ 札幌さっぽろサケ情報じょうほうブログ- 上うえから5枚まい目めと6枚まい目めの魚さかな
^ アメマス神奈川かながわ県けん水産すいさん技術ぎじゅつセンター内ない水面すいめん試験場しけんじょう
^ 長谷川はせがわ功いさお, 前川まえかわ光司こうじ北海道ほっかいどう千歳川ちとせがわ支流しりゅう紋別川もんべつかわで起おきた在来ざいらい種しゅアメマス単独たんどく生息せいそく域いきへの外来がいらい種しゅブラウントラウトの侵入しんにゅう日本水産にっぽんすいさん学会がっかい誌し, Vol.74, pp.432-434 (2008)
^ 多田ただ克己かつみ『幻想げんそう世界せかいの住人じゅうにんたち IV 日本にっぽん編へん』新しん紀元きげん社しゃ、1990年ねん、149頁ぺーじ
^ 草野くさの巧たくみ『幻想げんそう動物どうぶつ事典じてん』新しん紀元きげん社しゃ、1997年ねん、59頁ぺーじ
^ 更科さらしな源蔵げんぞう『歴史れきしと民俗みんぞく　アイヌ』社会しゃかい思想しそう社しゃ、1968年ねん、163頁ぺーじ。

外部がいぶリンク

北海道ほっかいどう支笏湖しこつこおよび茂辺地川もへじがわ産さんアメマスの形態けいたい比較ひかく北海道東海大学ほっかいどうとうかいだいがく紀要きよう. 理工りこう学がく系けい 8, 51-60, 1996-03-21

この項目こうもくは、魚類ぎょるいに関連かんれんした書かきかけの項目こうもくです。この項目こうもくを加筆かひつ・訂正ていせいなどしてくださる協力きょうりょく者しゃを求もとめています（Portal:生いき物ものと自然しぜん/プロジェクト:生物せいぶつ）。

[1] 北海道ほっかいどう古宇川ふるうがわにおけるアメマス Salvelinus leucomaenis の齢よわい別べつ成熟せいじゅく比率ひりつ北海道東海大学ほっかいどうとうかいだいがく紀要きよう. 理工りこう学がく系けい 8, 51-60, 1996-03-21

[2] 山本やまもと祥一郎しょういちろうほか「北海道ほっかいどう南部なんぶの河川かせんにおけるアメマスの河川かせん残留ざんりゅう型がた雌めす」魚類ぎょるい学がく雑誌ざっし Vol.43 (1996) No.2 p101-104

[3] 北日本きたにっぽんの沿岸えんがんにおけるアメマスによるサケ幼稚ようち魚ぎょの捕食ほしょく北海道ほっかいどう立りつ水産すいさん孵化ふか場じょう研究けんきゅう報告ほうこく (51), 57-61, 1997-03

[4] 札幌さっぽろサケ情報じょうほうブログ- 上うえから5枚まい目めと6枚まい目めの魚さかな

[5] アメマス神奈川かながわ県けん水産すいさん技術ぎじゅつセンター内ない水面すいめん試験場しけんじょう

[6] 長谷川はせがわ功いさお, 前川まえかわ光司こうじ北海道ほっかいどう千歳川ちとせがわ支流しりゅう紋別川もんべつかわで起おきた在来ざいらい種しゅアメマス単独たんどく生息せいそく域いきへの外来がいらい種しゅブラウントラウトの侵入しんにゅう日本水産にっぽんすいさん学会がっかい誌し, Vol.74, pp.432-434 (2008)

[7] 多田ただ克己かつみ『幻想げんそう世界せかいの住人じゅうにんたち IV 日本にっぽん編へん』新しん紀元きげん社しゃ、1990年ねん、149頁ぺーじ

[8] 草野くさの巧たくみ『幻想げんそう動物どうぶつ事典じてん』新しん紀元きげん社しゃ、1997年ねん、59頁ぺーじ

[9] 更科さらしな源蔵げんぞう『歴史れきしと民俗みんぞく　アイヌ』社会しゃかい思想しそう社しゃ、1968年ねん、163頁ぺーじ。

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 川かわ残留ざんりゅう型がたの餌えさは、水棲すいせい昆虫こんちゅう、河畔かはん木きからの落下らっか生物せいぶつ、プランクトンなど。降くだ海うみ型がたの餌えさは、魚さかな（サケ幼稚ようち魚ぎょ）<ref>[http://ci.nii.ac.jp/naid/40004700124/ 北日本きたにっぽんの沿岸えんがんにおけるアメマスによるサケ幼稚ようち魚ぎょの捕食ほしょく] 北海道ほっかいどう立りつ水産すいさん孵化ふか場じょう研究けんきゅう報告ほうこく (51), 57-61, 1997-03</ref>、プランクトンなど。
-また、[[ヤマメ]]とエゾイワナが[[交雑こうざつ]]した個体こたい「[[カワサバ]]」が道内どうないで確認かくにんされている<ref>[http://www.sapporo-park.or.jp/blog_sake/index.php/2009/03/22/814/  札幌さっぽろサケ情報じょうほうブログ]- 上うえから5枚まい目めと6枚まい目めの魚さかな </ref>。
+また、[[ヤマメ]]とエゾイワナが[[交雑こうざつ]]した個体こたい「カワサバ」が道内どうないで確認かくにんされている<ref>[http://www.sapporo-park.or.jp/blog_sake/index.php/2009/03/22/814/  札幌さっぽろサケ情報じょうほうブログ]- 上うえから5枚まい目めと6枚まい目めの魚さかな </ref>。
 == 人間にんげんとのかかわり ==

表ひょう話はなし編へん歴れきサケ科かの魚さかな
サケ属ぞく（タイヘイヨウサケ属ぞく）	シロザケギンザケ（別名べつめい：コーホーサーモン・シルバーサーモン）カラフトマス（別名べつめい：ピンクサーモン）サクラマス（降くだ海うみ型がた）ヤマメ（陸封りくふう型がた）タイワンマスサツキマス（降くだ海うみ型がた）アマゴ（陸封りくふう型がた）ビワマス（別名べつめい：アメノウオ）ニジマス（降くだ海うみ型がた：スチールヘッド）マスノスケ（別名べつめい：キングサーモン）ベニザケ（降くだ海うみ型がた）ヒメマス（陸封りくふう型がた）クニマス †オンコリンクス・ラストロスス（絶滅ぜつめつ種しゅ、別名べつめい：剣けん歯ぱザケ）
タイセイヨウサケ属ぞく	タイセイヨウサケ（別名べつめい：アトランティックサーモン）ブラウントラウト
イワナ属ぞく	イワナアメマス（別名べつめい：エゾイワナ）オショロコマミヤベイワナカワマス（別名べつめい：ブルックトラウト）レイクトラウトスプレイク（雄ゆうのカワマスと雌めすのレイクトラウトの雑種ざっしゅ）ホッキョクイワナ (英語えいご版ばん)
イトウ属ぞく	イトウ
ニシイトウ属ぞく	チョウコウイトウドナウイトウアムールイトウ
シロマス属ぞく	オームリシナノユキマスホワイトフィッシュウスリーシロマス
その他た	クチグロマスタイガートラウト（ブラウントラウトとカワマスの属ぞく間あいだ雑種ざっしゅ）ノルウェーサーモン
関連かんれん項目こうもく	サケ科かマススモルトイクラ筋子すじこ