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堆肥たいひ

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堆肥たいひ(たいひ)とは、えき分解ぶんかいせい有機物ゆうきぶつ微生物びせいぶつによって完全かんぜん分解ぶんかいされた肥料ひりょうあるいは土壌どじょう改良かいりょうざいのこと。有機ゆうき資材しざい有機ゆうき肥料ひりょう)と同義どうぎもちいられる場合ばあいもあるが、有機ゆうき資材しざいえき分解ぶんかいせい有機物ゆうきぶつ分解ぶんかい有機物ゆうきぶつざん渣もふくむのにたいし、堆肥たいひえき分解ぶんかいせい有機物ゆうきぶつ完全かんぜん分解ぶんかいしたものをす。

英語えいごではコンポスト (compost) とび、ほんこうでも堆肥たいひコンポスト同義どうぎとしてあつかう。なお、なまごみ堆肥たいひ容器ようき生成せいせいぶつである堆肥たいひ(コンポスト)がてんじて、なまごみ堆肥たいひ容器ようきコンポスト場合ばあいがある。

堆肥たいひ出来でき過程かてい堆肥たいひ参照さんしょう

堆肥たいひ効果こうか

堆肥たいひには土壌どじょう化学かがくせい物理ぶつりせい生物せいぶつせい改善かいぜんする効果こうかがある[1]

土壌どじょう化学かがくせい改善かいぜん
窒素ちっそリンさんカリウム肥料ひりょうさん要素ようそ)の供給きょうきゅう[1]。さらに石灰せっかいマグネシウムとう多量たりょう要素ようそホウ素ほうそてつとう微量びりょう要素ようそふくめて、肥料ひりょうぶん直接ちょくせつ供給きょうきゅうげんになる[1][2]。また、堆肥たいひ分解ぶんかいされる過程かてい生成せいせいされる土壌どじょう有機物ゆうきぶつこえりょく向上こうじょうにも効果こうかがある[1]
土壌どじょう物理ぶつりせい改善かいぜん
やわらかくなるため通気つうきせいみずち、みずはけがくなり、植物しょくぶつ伸長しんちょうやしなえ水分すいぶん吸収きゅうしゅう改善かいぜんされる[1]土壌どじょうだんつぶ形成けいせい促進そくしんして土壌どじょう物理ぶつりせい改善かいぜんし、作物さくもつけん環境かんきょうをよくする[2]
土壌どじょう生物せいぶつせい改善かいぜん
堆肥たいひ分解ぶんかいしゃ土壌どじょう動物どうぶつきんなど)がえることで生物せいぶつしょうゆたかになり害虫がいちゅう有害ゆうがい病原菌びょうげんきん繁殖はんしょくおさえる[1]

以上いじょう相互そうご関連かんれんしており、堆肥たいひによって土壌どじょう通気つうきせい保水ほすいせいなど物理ぶつりせい改善かいぜんすることで微生物びせいぶつ活動かつどう環境かんきょうがよくなる効果こうかもある[3]。また養分ようぶん吸着きゅうちゃく保持ほじし、作物さくもつ有害ゆうがいなアルミナや重金属じゅうきんぞく結合けつごうして植物しょくぶつまも効果こうかもある[2]

生産せいさんめんでは環境かんきょう配慮はいりょした安全あんぜん安心あんしん農産物のうさんぶつもとめる消費しょうひしゃニーズに対応たいおうすることができる効果こうかもある[1]植物しょくぶつたい活力かつりょくたかまるため生産せいさんぶつ食味しょくみいろ貯蔵ちょぞうせいなどがよくなる効果こうかもあるとされる[3]

堆肥たいひ過程かてい

市販しはん堆肥たいひ

堆肥たいひとは堆肥たいひつくることであり、その定義ていぎは「生物せいぶつけい廃棄はいきぶつをあるコントロールされた条件下じょうけんかで、あつかやすく、貯蔵ちょぞうせいくそして環境かんきょうがいおよぼすことなく安全あんぜん土壌どじょう還元かんげん可能かのう状態じょうたいまで微生物びせいぶつ分解ぶんかいすること」である (Goluke, 1977) 。あるコントロールされた条件下じょうけんかとは、堆肥たいひおこな微生物びせいぶつにとって有意ゆうい環境かんきょう人為じんいてきつくることを意味いみしている。また、有機物ゆうきぶつ分解ぶんかい不完全ふかんぜん状態じょうたいでは肥料ひりょうとして様々さまざま問題もんだいつ。これらの問題もんだいこらなくなるまで人為じんいてき分解ぶんかいすすめることが堆肥たいひである。

堆肥たいひ微生物びせいぶつ活動かつどう活発かっぱつにするためには、つぎ条件じょうけんととのえることが必要ひつようとなる。炭素たんそ窒素ちっそのバランス(C/N)、含水りつpH温度おんどおよ酸素さんそである。上記じょうき条件じょうけん最適さいてきではなかった場合ばあい分解ぶんかい速度そくどちたり、製品せいひん品質ひんしつ低下ていかにつながり、作物さくもつ窒素ちっそ飢餓きがまねく。

速成そくせい堆肥たいひ

化学かがく肥料ひりょう使つかってつくられる堆肥たいひで、1960年代ねんだい地力じりき維持いじさせるうえで堆肥たいひ必要ひつようせいさい認識にんしきされたことから、蓄農あまわら市販しはん窒素肥料ちっそひりょう使用しようして普通ふつうよりはやくさこなさせた堆肥たいひである。
つくかたげる前日ぜんじつまでに十分じゅうぶん湿しめらせたわら375㎏にたいし、くさじゅく促進そくしんさせる窒素肥料ちっそひりょうとく石灰せっかい窒素ちっそがよい)1.5㎏(重量じゅうりょう250:1)を交互こうごくわえてげ、保温ほおん乾燥かんそうふせぐため被覆ひふくし、2-3週間しゅうかんいちえかきぜ、やく6週間しゅうかんほどでちゅうじゅく堆肥たいひとなる[4]

堆肥たいひじゅく

作物さくもつにより必要ひつよう堆肥たいひじゅくことなる[1]堆肥たいひじゅくすすむと原料げんりょう形状けいじょうはほとんどなくなり水分すいぶんも50%前後ぜんごになる[1]

堆肥たいひ品質ひんしつ基準きじゅん

家畜かちくふん堆肥たいひなど堆肥たいひ原料げんりょう様々さまざまで、肥料ひりょう成分せいぶん多様たようであり、堆肥たいひ使用しよう目的もくてき要求ようきゅうされる条件じょうけんことなるため、どの堆肥たいひがよいかは作物さくもつ土壌どじょう状況じょうきょうわせて総合そうごうてき判断はんだんする必要ひつようがある[5]堆肥たいひつく立場たちばでは流通りゅうつう散布さんぷあつかいやすさが重視じゅうしされるため、発酵はっこうすすみ、水分すいぶんすくなく、手触てざわりがサラサラとしていて、においがすくないほうがよい堆肥たいひとされる[5]。また、堆肥たいひ使つか立場たちばでは、堆肥たいひ肥料ひりょう成分せいぶん土壌どじょう改良かいりょう効果こうか安全あんぜんせい価格かかく入手にゅうしゅめんのコストが重視じゅうしされ、堆肥たいひ期待きたいする効果こうか肥料ひりょう成分せいぶん供給きょうきゅう土壌どじょう改良かいりょう土壌どじょう物理ぶつりせい改良かいりょう)かによってもことなる[5]

有機物ゆうきぶつ
家畜かちくふん堆肥たいひ推奨すいしょう基準きじゅん」(全国ぜんこく農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあい連合れんごうかい、1994ねん)での推奨すいしょう基準きじゅんは60%以上いじょうである[5]
C/N
堆肥たいひちゅう炭素たんそ窒素ちっそ割合わりあいしめしたもの。堆肥たいひちゅう炭素たんそ炭水化物たんすいかぶつ由来ゆらいし、わらや、おがくず、バークなど植物しょくぶつしつおも原料げんりょうとする堆肥たいひ炭素たんそおおふくむためC/Nおおきい[3]一方いっぽう堆肥たいひちゅう窒素ちっそたんぱくしつ由来ゆらいし、家畜かちくくそにくさかなざん渣など動物どうぶつしつおも原料げんりょうとする堆肥たいひ窒素ちっそおおいためC/Nちいさい[3]
窒素ちっそおおくC/Nちいさい堆肥たいひは「肥料ひりょう効果こうかがた」の堆肥たいひとされている[3]。ただし、C/Nちいさすぎると発芽はつが濃度のうど障害しょうがい発達はったつ不良ふりょう土壌どじょう病害びょうがい発生はっせいなどをこすおそれがある[3]
窒素ちっそすくなくC/Nおおきい堆肥たいひは、だんつぶによる通気つうきせい保水ほすいせい改善かいぜん効果こうかがある「づくり効果こうかがた」の堆肥たいひとされている[3]。ただし、C/Nおおきすぎると有機物ゆうきぶつ分解ぶんかいのために窒素ちっそ消費しょうひされてしまい作物さくもつ成長せいちょう不良ふりょうとなるおそれがある[3]。「家畜かちくふん堆肥たいひ推奨すいしょう基準きじゅん」(全国ぜんこく農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあい連合れんごうかい、1994ねん)での推奨すいしょう基準きじゅんは30以下いかである[5]
重金属じゅうきんぞく濃度のうど
どう亜鉛あえん濃度のうど。これらは、作物さくもつにとって必要ひつよう微量びりょう要素ようそであるがおおすぎると作物さくもつがいあたえる。「家畜かちくふん堆肥たいひ推奨すいしょう基準きじゅん」(全国ぜんこく農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあい連合れんごうかい、1994ねん)での推奨すいしょう基準きじゅんどう600ppm以下いか亜鉛あえん1,800ppm以下いかである[5]
電気でんき伝導でんどうりつ(EC)
堆肥たいひふくまれるイオンのりょう。「家畜かちくふん堆肥たいひ推奨すいしょう基準きじゅん」(全国ぜんこく農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあい連合れんごうかい、1994ねん)での推奨すいしょう基準きじゅんは5.0dS/m以下いかである[5]

堆肥たいひ種類しゅるい

家畜かちくふん堆肥たいひ

もっと堆肥たいひおこなわれているものが、家畜かちくふんの堆肥たいひである。使用しようされるのはおもぎゅうふん堆肥たいひぶたふん堆肥たいひけいふん堆肥たいひである。

  • ぎゅうふん堆肥たいひ水分すいぶんたか速効そっこうせい肥料ひりょう成分せいぶんすくない一方いっぽうなん分解ぶんかいせい有機物ゆうきぶつ含量となるこうせい肥料ひりょう成分せいぶんたか[6]ぎゅうふん堆肥たいひではうし給餌きゅうじする飼料しりょう飼料しりょうおおいとカリウムはたかくなる一方いっぽう窒素ちっそ、りんさん石灰せっかいひくくなり、土壌どじょうちゅうでの分解ぶんかいおそくなる[6]一般いっぱんてきぶたふん堆肥たいひけいふん堆肥たいひよりもリグニンや炭水化物たんすいかぶつおお窒素ちっそこえ効率こうりつひく[6]
  • ぶたふん堆肥たいひは、窒素ちっそけいふん堆肥たいひよりはすくなく、ぎゅうふん堆肥たいひよりはたかく、石灰せっかいぎゅうふん堆肥たいひよりもたかく、カリウムはぎゅうふん堆肥たいひよりもひく傾向けいこうにある[6]。また、ぶたふん堆肥たいひは、一般いっぱんてきどう亜鉛あえん含量がの畜種の堆肥たいひよりもたか[6]
  • けいふん堆肥たいひはC/Nちいさく、石灰せっかい含量がの畜種の堆肥たいひよりもたか[6]けいふん堆肥たいひには木質もくしつけい資材しざい混合こんごうしたものと混合こんごうしていないものとがありこえこうことなる[6]。なお、堆肥たいひ日本にっぽんでは肥料ひりょう品質ひんしつ確保かくほとうかんする法律ほうりつじょう特殊とくしゅ肥料ひりょう分類ぶんるいされるが、肥料ひりょう成分せいぶん含有がんゆうりょうとう保証ほしょうされた一部いちぶけいふんは普通ふつう肥料ひりょうである「加工かこうきんふん肥料ひりょう」として登録とうろく販売はんばいされている[5]

ぶたふん堆肥たいひけいふん堆肥たいひ水分すいぶんひくく、とくにりんさん肥料ひりょう成分せいぶんおおいがなん分解ぶんかいせい有機物ゆうきぶつ含量はすくない(炭水化物たんすいかぶつぶたふん堆肥たいひけいふん堆肥たいひどう程度ていど[6]ぶたふん堆肥たいひけいふん堆肥たいひ肥料ひりょうけいぎゅうふん堆肥たいひづくりけい資材しざいとされている[6]

いねわら堆肥たいひ

いねわらは堆肥たいひしやすいがC/Nが60~70程度ていどとなるため、窒素ちっそげんくわえてC/Nを30~40程度ていどまで低下ていかさせてくさじゅく進行しんこうさせる必要ひつようがある[6]

もみがら堆肥たいひ

もみがらはいねわらにくらべて堆肥たいひしにくく、C/N調整ちょうせい窒素ちっそげんとして家畜かちくふんをもちいてくさじゅく進行しんこうさせる必要ひつようがある[6]

木質もくしつ堆肥たいひ

せんていえだ堆肥たいひ

リンゴなど果樹かじゅ剪定せんていえだをチッパーで粉砕ふんさいして窒素ちっそげんとしてけいふんや石灰せっかい窒素ちっそぜて堆肥たいひさせたもの[6]

バーク堆肥たいひ

針葉樹しんようじゅのバークを原料げんりょうにした堆肥たいひで、くさじゅくむずかしい堆肥たいひ原料げんりょうであるが、保水ほすいりょくこえりょくなど物理ぶつりせい土壌どじょう改良かいりょう効果こうかたかいため利用りようされている[6]樹皮じゅひだけを発酵はっこうさせたものと、樹皮じゅひ家畜かちくふんをくわえて発酵はっこうさせたものがある[1]

なまごみ堆肥たいひ

ゴミの減量げんりょうなどを目的もくてきとして、企業きぎょうから排出はいしゅつされるなまゴミを堆肥たいひする施設しせつ建設けんせつされている。また、一般いっぱん家庭かていでもコンポスター使用しようしてなまゴミの堆肥たいひおこなわれている。窒素ちっそ・リンさん・カリウムの含有がんゆうはややひく[3]。さらに、なまごみとともかみストローや新聞紙しんぶんし、ティッシュ、だんボールなどをきめこまかくしたかみごみ(感熱かんねつ、ノーカーボンうらカーボン防水ぼうすい加工かこうのされているかみ粘着ねんちゃくテープのついたもの、圧着あっちゃくハガキ以外いがいかみごみ)を、そのままかえす、もしくはみずすこ湿しめらせてかえすことができる[7]

堆肥たいひ位置いちづけ

かく有機ゆうきしつ肥料ひりょう

堆肥たいひ動植物どうしょくぶつせい有機物ゆうきぶつ原料げんりょうとする有機ゆうきしつ肥料ひりょう一種いっしゅである[8]有機ゆうきしつ肥料ひりょうには動植物どうしょくぶつしつ肥料ひりょうさかなかす粉末ふんまつ菜種なたね油粕あぶらかす骨粉こっぷんなど)や有機ゆうき副産物ふくさんぶつ肥料ひりょう汚泥おでい肥料ひりょうなど)もあるがこれらとは区別くべつされる[8]

下肥しもごえ

下肥しもごえ(しもごえ)は、ほとんどの場合ばあい加工かこう人間にんげん廃物はいぶつ人糞じんぷんおよひと尿にょう)を肥料ひりょうとしてもちいることをす。長年ながねん日本にっぽんでは野菜やさいとう連作れんさくおこな肥料ひりょうとして使用しようしていたが、1935ねんには、神奈川かながわけん川崎かわさき水道すいどうすい肥料ひりょう糞尿ふんにょう起源きげん赤痢せきりきん混入こんにゅうだい規模きぼ赤痢せきり感染かんせんこした(川崎かわさき赤痢せきり[9]こともあり、病原菌びょうげんきんとう拡散かくさんげんになる可能かのうせいなど衛生えいせいめんでも問題もんだいされる。

厩肥うまやごえ

厩肥うまやごえ(きゅうひ)とは家畜かちくなどの糞尿ふんにょうじきわら原料げんりょうとした肥料ひりょう意味いみである。

中世ちゅうせい日本にっぽんでは、武士ぶし軍事ぐんじよう飼育しいくしていたうまから排泄はいせつされる馬糞ばふんを、自己じこ支配しはい領民りょうみん田畑たはたへの肥料ひりょうとしてもちいていた。

Humanure

Humanureは農業のうぎょうようかその目的もくてきで、堆肥たいひされてさい利用りようされる人間にんげん廃物はいぶつ新語しんごである。このかたりはジョセフ・ジェンキンズによるこの有機ゆうき土壌どじょう改良かいりょうざい利用りようく1999ねんほん「Humanureハンドブック」によってられるようになった。

Humanureは廃棄はいきぶつ処理しょり施設しせつ処理しょりされる古典こてんてき下水げすいとはことなり、(下水げすい工業こうぎょうやその発生はっせいげんから廃棄はいきぶつふくんでいる)糞尿ふんにょうかみおよ追加ついか炭素たんそふく物質ぶっしつ(おがくずなど)で構成こうせいされる。

Humanureは人間にんげんから廃物はいぶつ適切てきせつ堆肥たいひされているかぎりは、作物さくもつもちいても人体じんたいには安全あんぜんである。これは、廃物はいぶつこう熱性ねっせい分解ぶんかいが、有害ゆうがい病原びょうげんたい除去じょきょするまで十分じゅうぶん加熱かねつする、および/または、あたらしい肥料ひりょうくわわってから微生物びせいぶつがくてき活動かつどうがほとんどの病原びょうげんたいころすのに十分じゅうぶん時間じかん経過けいかしていなければならないことを意味いみする。作物さくもつもちいても安全あんぜんにする目的もくてきで、しばしば植物しょくぶつ毒素どくそのぞくために段階だんかい中温ちゅうおん過程かてい必要ひつようになることがある。

Humanureは、下肥しもごえ作物さくもつ散布さんぷされる加工かこう人間にんげん廃物はいぶつ)とはべつのものである。

乾燥かんそうふん

堆肥たいひおな特殊とくしゅ肥料ひりょう分類ぶんるいされているため混同こんどうされやすいものに乾燥かんそうふんがある[5]乾燥かんそうふんは家畜かちくのふん尿にょう乾燥かんそうさせたままの肥料ひりょうで、えき分解ぶんかいせい有機物ゆうきぶつ多量たりょう残存ざんそんしており、堆肥たいひおなじように使用しようすると作物さくもつ発芽はつが生育せいいく悪影響あくえいきょうおよぼすことがある[5]。また、乾燥かんそうふんは吸湿きゅうしつすると強烈きょうれつ悪臭あくしゅうはっすることがある[5]

堆肥たいひ課題かだい

堆肥たいひ由来ゆらい雑草ざっそう害虫がいちゅう病原菌びょうげんきん問題もんだい
家畜かちくふん堆肥たいひもとめられる安全あんぜんせい品質ひんしつに、堆肥たいひ由来ゆらい雑草ざっそう害虫がいちゅう病原菌びょうげんきん問題もんだいがないことがげられる[5]材料ざいりょう雑草ざっそうそのものである場合ばあい堆肥たいひ過程かてい雑草ざっそう種子しゅしのこることがある場合ばあいがある。また、家畜かちくくそ材料ざいりょうである場合ばあい飼料しりょうなか混入こんにゅうしている雑草ざっそう種子しゅし生存せいぞんしている可能かのうせいがある。雑草ざっそう種子しゅしきている堆肥たいひほどこせようした場合ばあい圃場ほじょう雑草ざっそう繁茂はんもする原因げんいんになる。家畜かちくふん堆肥たいひのポイントとして堆肥たいひ発酵はっこう温度おんどが60℃以上いじょうが2にち以上いじょう維持いじされていたことが目安めやすとされている[5]
散布さんぷ悪臭あくしゅう問題もんだい
散布さんぷ悪臭あくしゅうふせぐため、未熟みじゅく堆肥たいひけたり、乾燥かんそうしすぎず粉塵ふんじんすくない堆肥たいひもちいることがこのましい[5]
未熟みじゅく堆肥たいひによる障害しょうがい
未熟みじゅく堆肥たいひほどこせようすると様々さまざま障害しょうがいおよぼすおそれがある。
  • 窒素ちっそ飢餓きが-堆肥たいひ成分せいぶんは、炭素たんそ窒素ちっそ割合わりあい(C/N)で評価ひょうかされる。未熟みじゅく堆肥たいひは、炭素たんそ成分せいぶん分解ぶんかい完全かんぜんではないため、土壌どじょうちゅう窒素ちっそ飢餓きがおよぼすおそれがある。
  • 酸素さんそ障害しょうがい-えき分解ぶんかいせい有機物ゆうきぶつ完全かんぜん分解ぶんかいされていない堆肥たいひ施肥せひすると、土壌どじょうちゅう有機物ゆうきぶつ分解ぶんかいこり酸素さんそ障害しょうがい作物さくもつ土壌どじょう生態せいたいけいおおきな打撃だげきあたえる。
重金属じゅうきんぞく問題もんだい
重金属じゅうきんぞくるい濃度のうどひくいものをもちいる[5]
カリウム放出ほうしゅつ
カリウムは、細胞さいぼうなかイオンかたち存在そんざいする。そのため、生物せいぶつぬと細胞さいぼうからカリウムは容易ようい溶出ようしゅつする。これは、様々さまざま有機物ゆうきぶつまれている窒素ちっそとはおおきくちがてんである。窒素ちっそのみに注目ちゅうもくすると、堆肥たいひなるこうせい肥料ひりょうであるが、カリウムのみに注目ちゅうもくすると、堆肥たいひ速効そっこうせい肥料ひりょうである。そのため、堆肥たいひほどこせ用量ようりょうは、堆肥たいひふくまれているカリウムのりょう制限せいげんされる。しかし、通常つうじょう堆肥たいひだけを肥料ひりょうとすることはおこなわれない(堆肥たいひだけを肥料ひりょうとすると、窒素ちっそ成分せいぶん不足ふそくするからである)。そのため、カリウム過剰かじょう発生はっせいしやすくなる。
なお、堆肥たいひすうねんあまざらしにしておくことで、カリウムはあめけて流亡りゅうぼうする。このような堆肥たいひほどこせようしてもカリウム過剰かじょうにはならない。ただし、堆肥たいひからながれたカリウムが地下水ちかすい汚染おせんにつながることもある。なお、日本にっぽんでは一定いってい規模きぼ畜産ちくさん農家のうか堆肥たいひあまざらしの状態じょうたいんでおくことは、家畜かちくはいせつぶつほうによって禁止きんしされている。
抗生こうせい物質ぶっしつ
動物どうぶつよう医薬品いやくひん家畜かちく投与とうよされたとき排泄はいせつぶつは、抗生こうせい物質ぶっしつふくまれている。この抗生こうせい物質ぶっしつりの排泄はいせつぶつつくった堆肥たいひ安全あんぜんせいはまだあきらかにされていない。
オガクズ堆肥たいひ
オガクズには作物さくもつ悪影響あくえいきょうあたえるフェノールせいさんふくまれるため、これを問題もんだいするこえがある。しかし、十分じゅうぶん堆肥たいひおこなえば、障害しょうがいこらないとの報告ほうこくもある。
塩類えんるい問題もんだい
なまゴミ、家畜かちくふんには塩分えんぶんふくまれる。そのため、作物さくもつ塩類えんるい濃度のうど障害しょうがいこる可能かのうせい指摘してきされている。

堆肥たいひ生態せいたいけい

堆肥たいひ製造せいぞうとは、有機物ゆうきぶつ分解ぶんかいのための適切てきせつ生態せいたいけい創造そうぞうするということでもある。堆肥たいひ効率こうりつてきおこなうためには、分解ぶんかい生物せいぶつぐん活動かつどう適切てきせつ環境かんきょう維持いじしなければならない。堆肥たいひ原料げんりょうは、直接的ちょくせつてき有機物ゆうきぶつ分解ぶんかいする微生物びせいぶつくわえ、その分解ぶんかいしゃ捕食ほしょくする生物せいぶつにも住処すみか提供ていきょうしている。また、かれらの排出はいしゅつぶつも、分解ぶんかいというプロセスの一部いちぶである。

分解ぶんかいおこな生物せいぶつのうち、もっとも直接的ちょくせつてきはたらくのはバクテリアひとし微生物びせいぶつである。そのなかでも、菌類きんるい糸状いとじょうきん原生げんせい生物せいぶつ放線ほうせんきん分解ぶんかいされる有機物ゆうきぶつちゅうにしばしばしろ繊維状せんいじょうえるバクテリア)とう重要じゅうようである。また、ミミズアリカタツムリナメクジヤスデワラジムシトビムシなども、有機物ゆうきぶつ消費しょうひ分解ぶんかい寄与きよする。ムカデ捕食ほしょくしゃはこれらの分解ぶんかい生物せいぶつえさとする。

脚注きゃくちゅう

  1. ^ a b c d e f g h i j 堆肥たいひ上手じょうず利用りようしよう! - 堆肥たいひ利用りようガイド - 岩手いわてけん農業のうぎょう普及ふきゅう技術ぎじゅつ
  2. ^ a b c 小学館しょうがくかんへん世界せかい原色げんしょく百科ひゃっか事典じてん 5 しんす-た』小学館しょうがくかん昭和しょうわ41ねん、p.489「堆肥たいひ
  3. ^ a b c d e f g h i なまごみ堆肥たいひ肥料ひりょうわせかた 日本にっぽん土壌どじょう協会きょうかい
  4. ^ 小学館しょうがくかんへん世界せかい原色げんしょく百科ひゃっか事典じてん 5 しんす-た』小学館しょうがくかん昭和しょうわ41ねん、p.402「速成そくせい堆肥たいひ
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o だい2しょう よい堆肥たいひとは 岡山おかやまけん
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m III 堆肥たいひ 農林水産省のうりんすいさんしょう
  7. ^ https://operationgreen.info/school_23_taihi/
  8. ^ a b こん 吉則よしのり下水げすい汚泥おでい由来ゆらい肥料ひりょう概要がいよう 国土こくど交通省こうつうしょう
  9. ^ 汚水おすい流入りゅうにゅうみと水道すいどう部長ぶちょう陳謝ちんしゃ」『東京とうきょう朝日新聞あさひしんぶん昭和しょうわ10ねん1がつ12にち

関連かんれん項目こうもく

外部がいぶリンク