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ハイパフォリン

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Hyperforin
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識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 11079-53-1
にち番号ばんごう J15.315J
特性とくせい
化学かがくしき C35H52O4
モル質量しつりょう 536.78 g/mol
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

ヒペルホリン (hyperforin) あるいはハイパフォリンプレニルフロログルシノール一種いっしゅで、セイヨウオトギリ(セント・ジョーンズ・ワート)の抽出ちゅうしゅつぶつふくまれる主成分しゅせいぶんひとつ。

薬理やくり作用さよう

ハイパフォリンはセイヨウオトギリの抽出ちゅうしゅつぶつこううつ作用さよう主要しゅよう有効ゆうこう成分せいぶんであるとかんがえられている[1]。ハイパフォリンはセロトニンドーパミンノルアドレナリンγがんま-アミノ酪酸(GABA)、グルタミン酸ぐるたみんさんなどの神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつみを阻害そがいすることがしめされている[2]。 ハイパフォリンは神経しんけいじくさく発芽はつが制御せいぎょするイオンチャネルTRPC6の活性かっせい因子いんしとして特定とくていされている。ハイパフォリンの神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつ阻害そがい作用さようは、TRPC6の活性かっせいによって神経しんけい細胞さいぼうないへのナトリウムおよびカルシウムイオンのみがきることから説明せつめいされる[3]。ハイパフォリンはプレグナンX受容じゅようたい(PXR)に結合けつごうすることによって酵素こうそシトクロムP450(CYP3A4およびCYP2C9)を誘導ゆうどうする作用さようももつとかんがえられている[4]

歴史れきし

ハイパフォリンの構造こうぞうは、シェムヤキン生物せいぶつ有機ゆうき化学かがく研究所けんきゅうじょ(モスクワのきゅうソ連それん科学かがくアカデミー)の研究けんきゅうグループによって解明かいめいされ1975ねん発表はっぴょうされた[5][6]。2010ねん柴崎しばざき正勝まさかつらによってハイパフォリンのかがみぞう異性いせいたいぜん合成ごうせい報告ほうこくされている[7]

脚注きゃくちゅう

  1. ^ Newall, Carol A.; Joanne Barnes; Anderson, Linda R. (2002). Herbal medicines: a guide for healthcare professionals. London: Pharmaceutical Press. ISBN 0-85369-474-5 
  2. ^ Chatterjee SS, Bhattacharya SK, Wonnemann M, Singer A, Müller WE (1998). “Hyperforin as a possible antidepressant component of hypericum extracts”. Life Sci. 63 (6): 499–510. doi:10.1016/S0024-3205(98)00299-9. PMID 9718074. 
  3. ^ Leuner K, Kazanski V, Müller M, et al (December 2007). “Hyperforin--a key constituent of St. John's wort specifically activates TRPC6 channels”. The FASEB journal : official publication of the Federation of American Societies for Experimental Biology 21 (14): 4101–11. doi:10.1096/fj.07-8110com. PMID 17666455. 
  4. ^ Moore LB, Goodwin B, Jones SA, et al (June 2000). “St. John's wort induces hepatic drug metabolism through activation of the pregnane X receptor”. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 97 (13): 7500–2. doi:10.1073/pnas.130155097. PMC 16574. PMID 10852961. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC16574/. 
  5. ^ Bystrov NS, Gupta ShR, Dobrynin VN, Kolosov MN, Chernov BK (January 1976). “Structure of the antibiotic hyperforin” (Russian). Doklady Akademii nauk SSSR 226 (1): 88–90. PMID 1248360. 
  6. ^ Bystrov NS, Chernov BK, Dobrynin VN, Kolosov MN (1975). “The structure of hyperforin”. Tetrahedron Letters 16 (32): 2791-2794. doi:10.1016/S0040-4039(00)75241-5. 
  7. ^ Shimizu Y, Shi SL, Usuda H, Kanai M, Shibasaki M (2010). “Catalytic asymmetric total synthesis of ent-hyperforin”. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 49 (6): 1103-1106. doi:10.1002/anie.200906678. PMID 20063336. 

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