(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ささら - Wikipedia コンテンツにスキップ

ささら

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
びんざさら(こきりこささら)

ささらささら)とは、たけほそなどをたばねて作製さくせいされる道具どうぐひとつである。洗浄せんじょう器具きぐとしてもちいられるほか、楽器がっき日本にっぽん伝統でんとうてき大衆たいしゅう舞踊ぶようさい装身具そうしんぐ一部いちぶとしてももちいられる。また、これを伴奏ばんそう楽器がっきとしてもちいる音曲おんぎょく舞踊ぶようを「ささら」としょうすることもおおい。

洗浄せんじょう器具きぐ[編集へんしゅう]

ささらは、たわし同様どうよう食器しょっきるい洗浄せんじょうもちいる器具きぐである。

たばになったたけ半分はんぶん程度ていどしゅとして半分はんぶん程度ていど洗浄せんじょうめんしつけて使用しようする。比較的ひかくてきながくてかたいため、なべきずつけずにこびりついたりげついたよごれをとすときに重宝ちょうほうする。21世紀せいき初頭しょとう現在げんざいではかめたわし金属きんぞくせいのたわしが普及ふきゅうしたため一般いっぱん家庭かてい使用しようされていることはすくないが、中華ちゅうか料理りょうりてんひとし中華ちゅうかなべひとし洗浄せんじょうするさいもちいられる場合ばあいもある。

新品しんぴんたけねばりがあり、使用しようしゃ腕力わんりょく使つかってもしならないことから使つかいづらいめんもある。しかし、徐々じょじょ使つかふるされることにより繊維せんいこまかくなることでやわらかくなり比較的ひかくてき腕力わんりょくようしないで使用しようすることが可能かのうとなる。ただし、あまりにもたけ繊維せんいよわくなるとなべとうあら用途ようとからはずれる場合ばあいおおい。この状態じょうたいを「こしがなくなる」や「へたる」などと表現ひょうげんする。

楽器がっき[編集へんしゅう]

八坂神社やさかじんじゃ所蔵しょぞう洛中らくちゅう洛外らくがい』(元和がんわ年間ねんかん)にみえる屋外おくがいでの説経節せっきょうぶし
土佐とさ絵師えしになるものといわれる。だいかさをかざし、むしろうえぼうささらをって説経せっきょうかたりをしている。ひしゃくせんあつめている人物じんぶつかおをおおっていている聴衆ちょうしゅう姿すがたなども確認かくにんできる。

ささらとは、茶筅ちゃせんながくしたような形状けいじょうをしており、たけさきこまかくってつくり、「ささら」というきざみをつけたほそぼうでこするとサラサラとおとのする道具どうぐである[1]。このおとは、歴史れきしてきには「ささら」と把握はあくされ、あき稲穂いなほれあう擬音ぎおん意味いみしてきた。楽器がっきの「ささら」は、この擬音ぎおん表現ひょうげんする道具どうぐという意味いみ由来ゆらいするであり、漢字かんじではしばしば編木びんざさらという表記ひょうきがなされる。

古代こだいすえから鎌倉かまくら時代ときよにかけてだい流行りゅうこうした田楽でんがくでもささらがもちいられ、現在げんざいでも各地かくち伝承でんしょうされた民俗みんぞく芸能げいのうには、びんざさらを使つかおどけい田楽でんがくと、こす(す)りささらを使つか囃子ばやし(はやし)けい田楽でんがくとにかれる。

中世ちゅうせいにあって、各地かくちかたられた説経節せっきょうぶしにおいても演者えんじゃはこれを伴奏ばんそうとして活用かつようした。説経節せっきょうぶし当時とうじ野外やがい芸能げいのう大道芸だいどうげい門付かどづけげい)として、しゅとして下級かきゅう宗教しゅうきょうしゃによってになわれ、かれらは喜捨きしゃもとめて殷賑いんしん場所ばしょだい寺社じしゃかたあるいたため、説経せっきょうかたりをする芸能げいのうしゃは「ささら乞食こじき」ともばれた[1]近世きんせいはいり、人形にんぎょうあやつ提携ていけいして劇場げきじょう芸能げいのうしたのちもささらはもちいられたが、やがて三味線しゃみせんしゅたる伴奏ばんそう楽器がっきとなり、現在げんざいつたわる説経節せっきょうぶしでは、ささらはあまり使用しようされていない。

田楽でんがくふく神楽かぐらけい芸能げいのうでは、現在げんざいもささらが使用しようされるれいおおい。ささらを使つかったまいささらまいおどささらおどという。すべ五穀豊穣ごこくほうじょう意味いみがあり、地方ちほうによってはよけ意味いみをもつこともある。

こきりこささら(びんざさら)
びんささらまい

「びんざさらまい」を奉納ほうのうするのは浅草あさくさ神社じんじゃさんしゃさまれい大祭たいさいさんしゃさい。5月14にち大名だいみょう行列ぎょうれつのち浅草あさくさ神社じんじゃ拝殿はいでん神楽かぐら殿どのおこなわれる。五穀豊穣ごこくほうじょう祈願きがんして、さんしゃさま奉納ほうのうする奉納ほうのうまいで、「びんざさらまい」は『びんざさらはちまち』とばれるやっつのまちまもられて、それ以外いがいひとうことができない。むかし田植たうえのとき百姓ひゃくしょうたちが豊作ほうさくねがい、ふえ太鼓たいこらしてうたおど田楽でんがく各地かくちにあったが、「びんざさらまい」は浅草あさくさ根付ねついた田楽でんがくまいとして、室町むろまち時代じだいごろからがれてきた。「びんざさら」とは、おおくの田楽でんがくもちいられた楽器がっき名前なまえで、チベットが発祥はっしょうだとわれていて、浅草あさくさのは五箇山ごかさんちがって金色きんいろいろである。派手はでうごきではなく、しずかにゆっくりう。おまつりのさわがしさのなか太鼓たいこふえおとひびき、神秘しんぴてき世界せかいつつまれる。かつて「千束せんそくきょう」とばれていた浅草あさくさ一体いったいゆたかなんぼの風景ふうけいが「びんざさらまい」によって、とし一度いちどよみがえる。

こきりこささら(びんささら、いたささら)
富山とやまけん五箇山ごかさん地方ちほう民謡みんようである、「こきりこぶし」をうたっておどさいもちいる民俗みんぞく楽器がっき。108まい木片もくへん両端りょうたんのグリップを、ひもでむすびつけたかたちをしている。演奏えんそう両手りょうてでそれぞれのグリップをにぎアーチじょう保持ほじしたのち片手かたてのスナップをかせる。すると木片もくへんとなり木片もくへんへと次々つぎつぎ衝撃しょうげきつたえ、このときはっする衝撃しょうげきおんで「シャ」という擦過さっかおんちかおとひびく。
ぼうささら
多数たすうみぞんだ木製もくせいぼうを、ほそぼうこすることによりおとはっする民俗みんぞく楽器がっき上述じょうじゅつした本来ほんらいのささらとはぼうささらのことである。茨城いばらきけんおおられ、秋田あきたけんしたきゅう久保田くぼたはん領内りょうないには佐竹さたけうたてふうによりおおくのささら芸能げいのうがつたわっている[2][3]

ササラ電車でんしゃ[編集へんしゅう]

ササラ気動車きどうしゃ

北海道ほっかいどう路面ろめん電車でんしゃ(2014ねん現在げんざい運用うんようされているのは札幌さっぽろ市電しでん函館はこだて市電しでん)では積雪せきせつ併用へいよう軌道きどうでの除雪じょせつおこなさいたけせい回転かいてんしきブラシけた除雪じょせつ車両しゃりょう運行うんこうする。この車両しゃりょうは「ササラ電車でんしゃ」とばれる。

建築けんちく[編集へんしゅう]

ささら下見したみ(ささらこしたみ)
下見板したみいた(したみいた)の断面だんめん形状けいじょうわせて連続れんぞくした切込きりこみをれたささら(ささらこ)とばれる棒状ぼうじょう木材もくざいえん下見板したみいた固定こていするかべ形式けいしき。なお、切込きりこみをれない押縁(おしぶち)で下見板したみいた固定こていするものを押縁下見したみ(おしぶちしたみ)とぶ。
ささらけた階段かいだん(ささらげたかいだん)
ささらけた(ささらげた)とばれる連続れんぞくした切込きりこみをれたいたうえ踏板ふみいた配置はいちした形状けいじょう階段かいだん。それにたいして、がわけた(がわげた)とばれるいた踏板ふみいた両側りょうがわからはさみこむ形状けいじょうつものをがわけた階段かいだん(がわげたかいだん)と[注釈ちゅうしゃく 1]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 建設けんせつ業界ぎょうかい一部いちぶで、がわけたそのもののことを「ササラ」とぶこともあるが、連続れんぞくしたギザギザの形状けいじょうつものが「ササラ」のもともとの意味いみであり、これはあきらかな誤用ごようである。

木造もくぞう建築けんちく階段かいだんがわけたにササラじょうみをもうけるという記載きさいをササラをむと誤認ごにんしたものが要因よういんとしてかんがえられる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]