(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ほうおう座アルファ星 - Wikipedia コンテンツにスキップ

ほうおう座ざアルファ星ぼし

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
ほうおう座ざαあるふぁ星ほし[1]
Alpha Phoenicis
仮かり符号ふごう・別名べつめい アンカア, Ankaa[2][3]
星座せいざ ほうおう座ざ
見みかけの等級とうきゅう (mv) 2.37[1]
分類ぶんるい 分光ぶんこう連れん星ぼし[3]
位置いち
元もと期き:J2000.0[1]
赤あか経けい (RA, αあるふぁ)  00h 26m 17.05140s[1]
赤あか緯ぬき (Dec, δでるた) −42° 18′ 21.5539″[1]
赤あか方偏かたへん移うつり 0.000249[1]
視線しせん速度そくど (Rv) 74.6km/s[1]
固有こゆう運動うんどう (μみゅー) 赤あか経けい: 233.05 ミリ秒びょう/年とし[1]
赤あか緯ぬき: -356.30 ミリ秒びょう/年とし[1]
年とし周しゅう視差しさ (πぱい) 38.50 ± 0.73ミリ秒びょう[1]
（誤差ごさ1.9%）
距離きょり 85 ± 2 光年こうねん[注ちゅう 1]
（26 ± 0.5 パーセク[注ちゅう 1]）
絶対ぜったい等級とうきゅう (MV) 0.3[注ちゅう 2]
αあるふぁ星ほしの位置いち
物理ぶつり的てき性質せいしつ
半径はんけい 11.1 R☉
質量しつりょう 1.58 +1.16
−0.49 M☉[4]
スペクトル分類ぶんるい K0.5IIIb[1]
光度こうど 83 ±4 L☉[4][注ちゅう 3]
表面ひょうめん温度おんど 4,770 ±250 K[4]
色いろ指数しすう (B-V) +1.09[5]
色いろ指数しすう (U-B) +0.88[5]
色いろ指数しすう (R-I) +0.60[5]
金属きんぞく量りょう[Fe/H] -0.40[4]
軌道きどう要素ようそと性質せいしつ
軌道きどうの種類しゅるい 連れん星ほし系けい
離はなれ心しん率りつ (e) 0.34[6]
公転こうてん周期しゅうき (P) 3848.83 日にち[6]
近きん点てん引数ひきすう (ωおめが) 19.8 度ど[6]
準じゅん振幅しんぷく (K) 5.8 km/s[6]
他たのカタログでの名称めいしょう
Nair al Zaurak
Cymbae, Lucida Cymbae
CD -42 116[1], FK5 12[1]
HD 2261[1], HIP 2081[1]
HR 99[1], SAO 215093[1]
LTT 231[1]
■Template （■ノート ■解説かいせつ） ■Project

ほうおう座ざαあるふぁ星ほし（ほうおうざアルファせい）は、ほうおう座ざで最もっとも明あかるい恒星こうせいで2等とう星ぼし。

名称めいしょう

[編集へんしゅう]

固有こゆう名めいのアンカア（Ankaa）はアラビア語ごでフェニックスを指さす言葉ことば عنقاء（ʿanqāʾ, 文語ぶんごアラビア語ご発音はつおん：アンカーッとアンカーゥとアンカーァを混まぜたような発音はつおん, 学界がっかい標準ひょうじゅんカタカナ表記ひょうき：アンカー） に由来ゆらいする[2]。2016年ねん7月がつ20日はつか、国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうの恒星こうせいの固有こゆう名めいに関かんするワーキンググループは、この名称めいしょうを固有こゆう名めいとして承認しょうにんした[3]。

また、ザウラク（Zaurak)という、アラビア語ごで『船ふねの輝かがやくもの』を指さす[2][7]熟語じゅくごの"船せん"（زورق, zawraqないしはzauraq, 厳密げんみつには船ふねよりも小ちいさな「舟ふね、ボート」の意い）部分ぶぶんに由来ゆらいする名称めいしょうで呼よばれることもあった。これは古来こらい、アラビアではこの辺あたりの星ほしの並ならびを船ふねに見立みたてていたことに因ちなむ[2][7]。

近年きんねん、ザウラクはエリダヌス座ざγがんま星ほしの固有こゆう名めいとして用もちいられるのが一般いっぱん的てきとなっており[7]、2016年ねん7月がつ20日はつか、国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうにより正式せいしきにエリダヌス座ざγがんま星ほしの固有こゆう名めいとして承認しょうにんされた[3]。

物理ぶつり的てき特徴とくちょう

[編集へんしゅう]

ほうおう座ざαあるふぁ星ほしは公転こうてん周期しゅうき約やく10.5年ねんの単線たんせん分光ぶんこう連れん星ぼしである[6][8]。1905年ねんには視線しせん速度そくどが変化へんかする恒星こうせいの1つに挙あげられ[9]、1918年ねんに視線しせん速度そくどの変動へんどうの記録きろくに基もとづいて公転こうてん周期しゅうき3,880日にちの軌道きどうが求もとめられた[8]。

主しゅ星ほしはスペクトル分類ぶんるいがK型がたの橙色だいだいいろ巨星きょせいで[1]、太陽たいようの約やく83倍ばいの光度こうどを持もち、金属きんぞく量りょうは太陽たいようよりも低ひくい[4]。伴とも星ぼしは主しゅ星ほしよりずっと暗くらく、スペクトルが観測かんそくされていない。

ほうおう座ざαあるふぁ星ほしの見みつけ方かた

[編集へんしゅう]

ほうおう座ざαあるふぁ星ほしは、くじら座ざβべーた星ほしを鋭角えいかくの頂点ちょうてんとして、みなみのうお座ざのαあるふぁ星ほしフォーマルハウトと二等辺三角形にとうへんさんかっけいを描えがいている[10]。フォーマルハウトの南東なんとうにあり[11]、くじら座ざβべーた星ほしとの赤あか経けい差さがおよそ17分ぶんであるため、くじら座ざβべーた星ほしが南中なんちゅうすると、その下方かほうに見みえる。

3星ほしのうち、フォーマルハウトは1等ひとし星ほしで、他たの2星ほしは2等とう星ぼしである。3星ほしのあたりは、周まわりに明あかるい星ほしがないため比較的ひかくてき目立めだつ[7]。ただし、日本にっぽんではこの星ほしの高度こうどが低ひくいため、大気たいきによる減げん光こうを受うけ、カタログ値ねほど明あかるくならない。大気たいきの澄すんだ日ひに南みなみの地平線ちへいせん近ちかくの空そらが開あけていて、かつ観望かんぼうの妨さまたげとなる光源こうげんのない場所ばしょを選択せんたくすることが望のぞましい。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年とし周しゅう視差しさ（秒びょう）より計算けいさん、光年こうねんは1÷年とし周しゅう視差しさ（秒びょう）×3.2615638より計算けいさん
  2. ^ 視み等級とうきゅう + 5 + 5×log（年とし周しゅう視差しさ（秒びょう））より計算けいさん。小数しょうすう第だい1位いまで表記ひょうき
  3. ^ 出典しゅってん中ちゅうでは対数たいすう表記ひょうき log (L/L⊙) = 1.92 ±0.02 。

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s “Results for * alf Phe”. SIMBAD Astronomical Database. 2013年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b c d Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations. Sky Pub. Corp.. p. 49. ISBN 978-1-931559-44-7 
  3. ^ a b c d “IAU Catalog of Star Names”. 国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう. 2016年ねん8月がつ31日にち閲覧えつらん。
  4. ^ a b c d e Charbonnel, C. et al. (2020-01). “Lithium in red giant stars: Constraining non-standard mixing with large surveys in the Gaia era”. Astronomy & Astrophysics 633: A34. Bibcode: 2020A&A...633A..34C. doi:10.1051/0004-6361/201936360. 
  5. ^ a b c Hoffleit, D.; Warren, W. H., Jr. (1995-11). “Bright Star Catalogue, 5th Revised Ed.”. VizieR On-line Data Catalog: V/50. Bibcode: 1995yCat.5050....0H. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ5a76628e9487&-out.add=.&-source=V/50/catalog&recno=99. 
  6. ^ a b c d e Pourbaix, D. et al. (2004-09). “SB9: The ninth catalogue of spectroscopic binary orbits”. Astronomy and Astrophysics 424: 727. Bibcode: 2004A&A...424..727P. doi:10.1051/0004-6361:20041213. 
  7. ^ a b c d 原はら恵めぐみ『星座せいざの神話しんわ - 星座せいざ史しと星名ほしなの意味いみ』（新装しんそう改訂かいてい）恒星こうせい社しゃ厚生こうせい閣かく、1996年ねん6月がつ30日にち、203頁ぺーじ。ISBN 978-4-7699-0825-8。 
  8. ^ a b Lunt, J. (1918-04). “On the orbit of the spectroscopic binary alpha Phoenicis”. Astrophysical Journal 47: 196. Bibcode: 1918ApJ....47..196L. doi:10.1086/142400. 
  9. ^ Wright, W. H. (19105-05). “A list of twelve stars whose radial velocities vary”. Astrophysical Journal 21: 371. Bibcode: 1905ApJ....21..371W. doi:10.1086/141223. 
  10. ^ 藤井ふじい旭あさひ『全ぜん天てん星座せいざ百科ひゃっか』（新しん）河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、2011年ねん2月がつ11日にち、126頁ぺーじ。ISBN 978-4309252445。 
  11. ^ Richard Hinckley Allen. “Star Names - Their Lore and Meaning”. Bill Thayer. 2014年ねん12月18日にち閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ほうおう座ざアルファ星ぼし&oldid=101745838」から取得しゅとく