アストンマーティン・V8

アストンマーティン・V8
V8 ヴァンテージ (1982)
V8 ヴァンテージ ヴォランテ (1986)
前身ぜんしんとなったDBS V8（手前てまえ）
ボディ
ボディタイプ	2ドア クーペ 2ドア コンバーチブル
駆動くどう方式ほうしき	FR
パワートレイン
エンジン	5,340cc水冷すいれい90度どV型がた8気筒きとうDOHC
変速へんそく機き	クライスラー製せいトークフライト3段だんATまたはZF製せいフルシンクロ5MT
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース	2,605 mm
全長ぜんちょう	4,590 mm
全幅ぜんぷく	1,830 mm
全ぜん高こう	1,330 mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう	1,800 kg
その他た
系譜けいふ
先代せんだい	DBS V8
後継こうけい	ヴィラージュ

V8は、アストンマーティン・ラゴンダが1972年ねん4月がつから1989年ねん10月がつに製造せいぞうしたスポーツカーであり、Sr.1-Sr.5までのモデルが存在そんざいする。主任しゅにん技師ぎしマレックがアストンマーティン引退いんたい間際まぎわに全力ぜんりょくをあげて設計せっけいしたDBS V8の発展はってん型がたモデル。

前ぜんモデルの「DBS V8」とは、ヘッドライト部分ぶぶんを含ふくめたノーズ部分ぶぶんのデザインが大おおきく異ことなる。

1971年ねんにアストンマーティンの経営けいえい権けんがデヴィッド・ブラウンからカンパニー・ディベロップメンツに代かわったことからV型がた8気筒きとうエンジンにはDBシリーズの名なは冠かんせられていないが、基本きほん設計せっけいは旧きゅうDBシリーズの直系ちょっけいにあたる。

英国えいこくスポーツカー伝統でんとうのシューティングブレークも存在そんざいし、1977年ねんからは高性能こうせいのうモデルのV8ヴァンテージも生産せいさんされた。このV8ヴァンテージは、0～60mph（約やく96km/h）加速かそくでフェラーリ・デイトナを凌駕りょうがし、170mph（約やく274km/h）に達たっする最高さいこう速度そくどで、「英国えいこく初はつのスーパーカー」と称賛しょうさんされた。

007シリーズにおいては1987年ねん公開こうかいの『007/リビング・デイライツ』にヴァンテージ・ヴォランテとサルーンが、2021年ねん公開こうかいの『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にヴァンテージ・サルーンが登場とうじょうしている。また、本編ほんぺんではないが2015年ねん公開こうかいの『007 スペクター』公開こうかいを記念きねんしたジレットのCMにおいて銀色ぎんいろのサルーンが登場とうじょうしている。

007シリーズ以外いがいではレッドのヴァンテージが、ローワン・アトキンソン主演しゅえんのスパイ・コメディ・アクション映画えいが『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲ぎゃくしゅう』（2018年ねん）に、イギリスの諜報ちょうほう機関きかんMI7から主人公しゅじんこうに支給しきゅうされた車くるまとして登場とうじょうする。

概要がいよう

エンジン

エンジンは、その名なの通とおり5,340ccの水冷すいれい90度どV型がた8気筒きとうエンジンを搭載とうさい。V型がた8気筒きとうエンジンにDOHCという当時とうじとしてはかなり贅沢ぜいたくな設計せっけいで、最高さいこう回転かいてん6,250rpmという高こう回転かいてん型がたエンジンに仕上しあげられている。

初期しょき型がたはボッシュ製せいの機械きかい式しき燃料ねんりょう噴射ふんしゃ装置そうちであったが、排気はいきガス規制きせい対応たいおうのため後期こうき型がたはダウンドラフトツインチョークウェーバー製せいキャブレター4基きに変更へんこうされている。

305hp/5,200rpm。0-400mは14.3秒びょう、最高さいこう速度そくど270km/h。高性能こうせいのうモデルV8ヴァンテージの最終さいしゅう型がたが搭載とうさいする580X型がたエンジンは430hpを出だすとも言いわれている。

シャシ

スーパーレジェッラ工法こうほうによる、細ほそい鋼管こうかんにアルミパネルを手作業てさぎょうで溶接ようせつしたボディは、22層そうもの塗装とそうが施ほどこされている。大おおきなV型がた8気筒きとうエンジンを収おさめたロングノーズと、古ふるいイタリア車しゃ風ふうのバックラインを持もつが、ボディは大おおきめ。車両しゃりょう重量じゅうりょう1,800kg。

トランスミッション

クライスラー製せいトークフライト3速そくATと、ZF製せい5速そくフルシンクロMTが同おなじ価格かかくで用意よういされていた。

足あし回まわり

当時とうじ最さい高級こうきゅうのパワーステアリングが搭載とうさいされており、現代げんだい車しゃに比くらべればペダルはかなり重おもいが、ガーリング製せい4ポット・キャリパーとベンチレーテッドディスクブレーキをロッキードAP製せいのバキュームサーボでアシストしたブレーキは耐たいフェード性せいも高たかく、信頼しんらい性せいの高たかい制動せいどう力りょくを持もっていた。

内装ないそう

子こ牛うし5頭とう分ぶんのコノリーレザーによる。パネルにはスミス製せいの6つのメーターとルーカス製せいのアンペアメーター（Sr.4からはボルトメーター）計けい7連れんがW型がたに配置はいちされている。Sr.3までは結晶けっしょう塗装とそうのパネルにメッキリングのメーターが輝かがやき、Sr.4からはメッキリングが廃止はいしされ、代かわりに風合ふうあいのあるウッド製せいのパネルとなった。エア・コンディショナーも装備そうびされていた。

関連かんれん項目こうもく

• アストンマーティン・DBS
• アストンマーティン・ラゴンダ

外部がいぶリンク

• Aston Martin
• Aston Martin Owners Club
• Aston Martin 中古ちゅうこ車しゃ検索けんさく

参考さんこう文献ぶんけん

• 『外国がいこく車しゃガイドブック'75』日刊にっかん自動車じどうしゃ新聞しんぶん社しゃ
• 『外国がいこく車しゃガイドブック'76』日刊にっかん自動車じどうしゃ新聞しんぶん社しゃ