アーサー・コーンバーグ

Arthur Kornberg アーサー・コーンバーグ
生誕せいたん	(1918-03-03) 1918年ねん3月3日にち アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく・ニューヨーク
死没しぼつ	2007年ねん10月26日にち(2007-10-26)（89歳さい没ぼつ） アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく・カリフォルニア州しゅうパロアルト
国籍こくせき	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
研究けんきゅう分野ぶんや	分子生物学ぶんしせいぶつがく
研究けんきゅう機関きかん	アメリカ国立こくりつ衛生えいせい研究所けんきゅうじょ セントルイス・ワシントン大学だいがく スタンフォード大学だいがく
出身しゅっしん校こう	ニューヨーク市立しりつ大学だいがくシティカレッジ ロチェスター大学だいがく
博士はかせ課程かてい 指導しどう学生がくせい	ランディ・シェクマン
主おもな受賞じゅしょう歴れき	ノーベル生理学せいりがく・医学いがく賞しょう(1959) ガードナー国際こくさい賞しょう(1995)
プロジェクト:人物じんぶつ伝でん

ノーベル賞しょう受賞じゅしょう者しゃ 受賞じゅしょう年ねん：1959年ねん 受賞じゅしょう部門ぶもん：ノーベル生理学せいりがく・医学いがく賞しょう 受賞じゅしょう理由りゆう：RNAおよびDNAの合成ごうせいに関かんする研究けんきゅう

アーサー・コーンバーグ（Arthur Kornberg、1918年ねん3月3日にち - 2007年ねん10月26日にち）は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの生化学せいかがく者もので、DNAの生なま合成ごうせいのメカニズムを解明かいめいし、ニューヨーク大学だいがくのセベロ・オチョアとともに1959年度ねんどのノーベル生理学せいりがく・医学いがく賞しょうを受賞じゅしょうした。1962年ねんにイェシーバー大学だいがくからL.H.D.学位がくいを得えた。

彼かれは、生化学せいかがくの中なかでも酵素こうそ化学かがくやDNAの生なま合成ごうせい、動物どうぶつ、植物しょくぶつ、微生物びせいぶつ、ウイルスの遺伝いでんを支配しはいする核酸かくさんの研究けんきゅうを主おもに行いった。

初期しょき

彼かれはジョセフ・コーンバーグとレナ・コーンバーグの息子むすことしてニューヨークで生うまれた。両親りょうしんは、現在げんざいはポーランド領りょうとなっているガリツィアから結婚けっこん前まえの1900年ねんに移うつってきた移民いみんである。彼かれの父方ちちかたの祖父そふは、他人たにんの名義めいぎを使つかって徴兵ちょうへいを逃のがれるために、姓せいをクウェラー（Queller）からコーンバーグへ変更へんこうした。ジョセフは1904年ねんにレナ・カッツと結婚けっこんした。彼かれは30年ねん近ちかくニューヨーク西岸せいがんのミシン屋やで働はたらいていたが、健康けんこうを崩くずしてからはブルックリンで工具こうぐ店てんを開ひらいた。アーサーは9歳さいの時ときからこの店みせで店番みせばんをするようになった。ジョセフは公的こうてきな教育きょういくは全まったく受うけていなかったにもかかわらず、少すくなくとも6ヶ国かこく語ごを話はなした。

アーサー・コーンバーグは、エイブラハム・リンカーン高校こうこうを卒業そつぎょうした後のち、ニューヨークのニューヨーク市立しりつ大学だいがくシティカレッジに入学にゅうがくした。ここで1937年ねんに理学りがく士しを取得しゅとくし、1941年ねんにロチェスター大学だいがく医学部いがくぶ（米国べいこくでは医学部いがくぶは専門せんもん職しょく大学院だいがくいん）を卒業そつぎょうし、医師いし免許めんきょ（M.D.）を取得しゅとくした。コーンバーグは、血ち中ちゅうのビリルビン濃度のうどが上昇じょうしょうする、ジルベール症候群しょうこうぐんとして知しられる軽かるい黄疸おうだんに罹かかった。彼かれは医学部いがくぶの学友がくゆうとこの病気びょうきの発症はっしょう率りつを調査ちょうさし、1942年ねんに初はじめての論文ろんぶんとしてまとめた。

彼かれは1941年ねんから42年ねんの間あいだにニューヨーク州しゅうロチェスターのストロングメモリアル病院びょういんで臨床りんしょう研修けんしゅうを行おこなった。研修けんしゅうが修了しゅうりょうすると、彼かれは1942年ねんに大尉たいいとしてアメリカ沿岸えんがん警備けいび隊たいに入隊にゅうたいし、船医せんいとして働はたらいた。アメリカ国立こくりつ衛生えいせい研究所けんきゅうじょ（NIH）のローラ・ダイアーが彼かれの論文ろんぶんを読よみ、彼かれを研究所けんきゅうじょに招まねいた。1942年ねんから45年ねんにかけて、コーンバーグはラットに特定とくていの物質ぶっしつを与あたえ、新あたらしいビタミンを探さがす研究けんきゅうを行おこなった。

研究けんきゅう

彼かれにとってラットに餌えさを与あたえるのは退屈たいくつな仕事しごとであり、彼かれは次第しだいに酵素こうそに魅力みりょくを感かんじていった。彼かれは1946年ねんにニューヨーク大学だいがくのセベロ・オチョアの研究けんきゅう室しつに移うつり、酵素こうその精製せいせいに必要ひつような有機ゆうき化学かがく、物理ぶつり化学かがくの知識ちしきを補おぎなうためにコロンビア大学ころんびあだいがくのサマーコースに通とおった。彼かれは1947年ねんから53年ねんまでNIHの酵素こうそ・代謝たいしゃ部門ぶもんの長ちょうを務つとめ、NADやNADPからのATPの生なま合成ごうせいの研究けんきゅうを行おこなった。この研究けんきゅうが、さらに単純たんじゅんな分子ぶんしであるDNAの生なま合成ごうせいの研究けんきゅうにつながった。

1953年ねん、彼かれはミズーリ州しゅうセントルイス・ワシントン大学だいがくの教授きょうじゅとなり、1959年ねんまで勤つとめた。ここでも彼かれはDNAの合成ごうせいに関かかわる酵素こうその研究けんきゅうを行おこなった。1956年ねん、彼かれはDNAポリメラーゼⅠとして知しられる初はじめてのDNA合成ごうせい酵素こうそを単たん離はなし、この業績ぎょうせきで1959年度ねんどのノーベル生理学せいりがく・医学いがく賞しょうを受賞じゅしょうした。彼かれは1960年ねんにニューヨーク市立しりつ大学だいがくシティカレッジで法学ほうがく博士はかせを取得しゅとくし、1962年ねんにはロチェスター大学だいがくで理学りがく博士はかせを取得しゅとくした。1959年ねんからはスタンフォード大学だいがくの生化学せいかがくの教授きょうじゅを務つとめた。

コーンバーグの母親ははおやは、1939年ねんに胆嚢たんのうの手術しゅじゅつを受うけた後のち、クロストリジウム属ぞく細菌さいきんの芽胞がほうに感染かんせんしてガス壊疽えそのために亡なくなった。これがきっかけで、彼かれはその後ご、芽胞がほうの研究けんきゅうに一生いっしょうを捧ささげた。1962年ねんから70年ねんにかけて、コーンバーグはDNA生なま合成ごうせいの研究けんきゅうを行おこなう傍かたわらで、DNAが複製ふくせいし芽胞がほうに入はいる機構きこうや芽胞がほうから新あたらしく増殖ぞうしょく型がたの細胞さいぼうができる（発芽はつが）機構きこうの研究けんきゅうも行おこなった。これは流行りゅうこうの研究けんきゅうではなかったが難むずかしい問題もんだいで、いくつかの進歩しんぽが見みられたものの、コーンバーグは後のちに諦あきらめてしまった。

1999年ねんに建設けんせつされた、ロチェスター大学だいがくのアーサー・コーンバーグ医学いがく研究所けんきゅうじょは彼かれの名前なまえを冠かんしたものである。

2007年ねんに死去しきょする直前ちょくぜんまで、スタンフォード大学だいがくで研究けんきゅうを行おこない、学術がくじゅつ論文ろんぶんをレビューしたり、論文ろんぶんを定期ていき的てきに発表はっぴょうしていた。このころの研究けんきゅうの対象たいしょうは無機むきポリリン酸さん塩しおの代謝たいしゃであった。

家族かぞく

コーンバーグは、生化学せいかがく者しゃのシルヴィ・ルース・レヴィと1943年ねん11月21日にちに結婚けっこんした。彼女かのじょはコーンバーグと近ちかい分野ぶんやで研究けんきゅうを行おこない、DNA合成ごうせい酵素こうその発見はっけんにも大おおきく貢献こうけんした。コーンバーグがノーベル賞しょうを受賞じゅしょうすると、彼女かのじょは新聞しんぶんに、｢私わたしの賞しょうが奪うばわれた｣というコメントを寄よせた。

彼かれらには3人にんの子供こどもがいる。1947年ねんに生うまれた長男ちょうなんのロジャー・コーンバーグ（Roger David Kornberg）はスタンフォード大学だいがくの構造こうぞう生物せいぶつ学がくの教授きょうじゅで、2006年ねんにノーベル化学かがく賞しょうを受賞じゅしょうしている。1948年ねんに生うまれた次男じなんのトーマス・コーンバーグ（Thomas Bill Kornberg）はDNAポリメラーゼII及およびIIIの発見はっけん者しゃで、カリフォルニア大学だいがくサンフランシスコ校こうの生化学せいかがく者しゃである。1950年ねん生うまれの三男さんなん、ケネス・コーンバーグ（Kenneth Andrew Kornberg）は研究所けんきゅうじょ専せん門もんの建築けんちく家かである。

シルヴィは1986年ねんに死去しきょし、アーサー・コーンバーグは1988年ねんにシャーリーン・ワルシュ・レブリングと再婚さいこんした。シャーリーンも1995年ねんに死去しきょし、アーサーは1998年ねん12月にキャロリン・ディクソンと再々さいさい婚こんした。彼かれは80歳さいを超こえても週しゅうに何なん日にちかはスタンフォード大学だいがくに出勤しゅっきんしていた。

2007年ねん10月26日にち、呼吸こきゅう不全ふぜんのため89歳さいで死去しきょした。

受賞じゅしょう歴れき

• 1951年ねん 酵素こうそ化学かがく分野ぶんやにおけるポール・ルイス賞しょう（アメリカ化か学会がっかい）
• 1959年ねん ノーベル生理学せいりがく・医学いがく賞しょう
• 1979年ねん アメリカ国家こっか科学かがく賞しょう
• 1995年ねん ガードナー国際こくさい賞しょう

外部がいぶリンク

• Kornberg's Nobel Foundation biography
• Kornberg's Nobel Lecture The Biologic Synthesis of Deoxyribonucleic Acid from Nobelprize.org website
• Stanford University page
• Obituary in The Independent. 3 November 2007.
• Obituary in The Times. 7 November 2007.
• Obituary in New York Times. October 28, 2007.
• The Arthur Kornberg Papers - Profiles in Science, National Library of Medicine
• Never A Dull Enzyme Autobiography by Arthur Kornberg, July 1989.
• Arthur Kornberg, Nobel Laureate and Towering Biomedical Scientist, Dies at 89