エクステンデッド・リアリティ

エクステンデッド・リアリティまたはクロス・リアリティ（英語えいご: extended reality、cross reality、XR）は、現実げんじつ世界せかいと仮想かそう世界せかいを融合ゆうごうすることで、現実げんじつにはないものを知覚ちかくできる技術ぎじゅつの総称そうしょうである。そのため、「VR（仮想かそう現実げんじつ）」「AR（拡張かくちょう現実げんじつ）」「MR（複ふく合あい現実げんじつ）」「SR（代替だいたい現実げんじつ）」といった仮想かそう世界せかいと現実げんじつを融合ゆうごうさせる画像がぞう処理しょり技術ぎじゅつはいずれもXRに含ふくまれる。全すべてCGによる映像えいぞうを使用しようしているものがVR、現実げんじつ世界せかいの映像えいぞうにデータや映像えいぞう、CGをオーバーレイしたものがAR、重かさねられた映像えいぞうやCGと現実げんじつ世界せかいに物理ぶつり的てきな相互そうご作用さようを作つくり出だしたものがMRと、現実げんじつ世界せかいと仮想かそう世界せかいの融合ゆうごう度合どあいによって分類ぶんるいされ、それぞれの表現ひょうげんに使つかわれるハードウェアも異ことなる。なお、XRの「X」をさまざまな技術ぎじゅつを表あらわす変数へんすうを意味いみするものとして「xR」と表記ひょうきされることもある。

「XR」という言葉ことばが生うまれた背景はいけいには、VRやARなどを複ふく合あわした技術ぎじゅつが登場とうじょうしていることが挙あげられる。例たとえば、ヘッドマウントディスプレイを使つかったVRのゲームにARのコンテンツを組くみ合あわせた場合ばあい、それがVRなのかARなのか、境界きょうかい線せんを引ひくのは難むずかしいからである。

2000年ねんに入はいってコンシューマー向むけのヘッドマウントディスプレイ（HMD）が発売はつばいされるようになったことをきっかけに、エンターテインメント分野ぶんやを中心ちゅうしんにVRをはじめとするXRのコンテンツ開発かいはつ・利用りよう検討けんとうが進すすみ、開発かいはつ環境かんきょうやハードウェアが進化しんかした。その結果けっか、センシング精度せいどの向上こうじょう、ハードウェアの低てい価格かかく化かと性能せいのう向上こうじょう、3DCGの普及ふきゅうと表現ひょうげんの高こう精細せいさい化かがもたらされ、PCを必要ひつようとしないスタンドアローンのHMDが登場とうじょうし、搭載とうさいされた各種かくしゅのセンサーやカメラがユーザーの動うごきや現実げんじつ世界せかいの物理ぶつり的てきな空間くうかん情報じょうほうを高こう精度せいどで取得しゅとくして再現さいげんすることが可能かのうになった。また、プログラムを開発かいはつするゲームエンジンの機能きのう向上こうじょう、個人こじん利用りようでの無料むりょう化かに伴ともなう開発かいはつ者しゃの増加ぞうかも、技術ぎじゅつ向上こうじょうの要因よういんとなっている。

こうしたさまざまな品質ひんしつ向上こうじょうにより、「XR」技術ぎじゅつはエンタテイメント分野ぶんや以外いがいのビジネス利用りようにも耐たえ得えるようになった。コンピュータや通信つうしん技術ぎじゅつの発展はってんにともない、映画えいがやゲームなどエンタメ業界ぎょうかいを中心ちゅうしんに発展はってんしてきた技術ぎじゅつは、産業さんぎょう界かいでも活用かつようが広ひろがりつつある。

関連かんれん項目こうもく

• 仮想かそう現実げんじつ（バーチャルリアリティ、VR）
• 拡張かくちょう現実げんじつ (オーグメンテッド・リアリティ、AR)
• 複ふく合あい現実げんじつ (ミクスト・リアリティ、MR)
• 代替だいたい現実げんじつ（サブスティチューショナル・リアリティ、SR）
• シミュレーテッド・リアリティ
• 水槽すいそうの脳のう
• コンピュータ媒介ばいかい現実げんじつ
• サイバースペース（電脳でんのう空間くうかん）
• ミラー・ワールド
• サード・リアリティ
• 空間くうかんコンピューティング
• ユビキタスコンピューティング
• ブレイン・マシン・インタフェース
• ウェアラブルコンピューティング/ウェアラブルコンピュータ
• ヘッドマウントディスプレイ
• スマートグラス
• OpenXR