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Oculus Rift

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
Rift
Riftコンシューマばん
種別しゅべつ バーチャル・リアリティヘッドセット
発売はつばい 2016ねん3がつ
創業そうぎょうしゃ Palmer Luckey(創業そうぎょうしゃ[1]
製造せいぞうしゃ Oculus VR, Inc.
価格かかく $399
解像度かいぞうど 2160×1200
片目かため 1080×1200)[2]
水平すいへい かく 開発かいはつキット: > 90°
たいかく かく 開発かいはつキット: > 110°
ヘッドトラッキング 開発かいはつキット: 1000 Hz 3自由じゆう(ジャイロ/加速度かそくど/地磁気ちじき),
開発かいはつキット2: カメラと赤外線せきがいせんLEDも追加ついか[3]
重量じゅうりょう 開発かいはつキット: 330 g,
開発かいはつキット2: 440 g[4]
プラットフォーム Windows, Linux, OS X
製品せいひんばん: Windows
接続せつぞく HDMI, USB[2]
ウェブサイト

Rift(リフト)は、Oculusしゃ開発かいはつ発売はつばいしていたバーチャル・リアリティヘッドセット。2021ねんまでに製造せいぞう終了しゅうりょうしている。

製品せいひんめい自体じたいはRiftであるが、Oculus Rift(オキュラス・リフト)、あるいはたんOculus(オキュラス)として表記ひょうきされることが多々たたある。

概要がいよう[編集へんしゅう]

Riftはこう視野しやかくあたまうごきに表示ひょうじ追従ついしょうするヘッドトラッキングといった特徴とくちょうバーチャル・リアリティ (VR) にとくしたヘッドマウントディスプレイ (HMD) と、VR映像えいぞう計算けいさん出力しゅつりょくするPC(ソフトウェア)をわせたシステムである(トラッキングには外部がいぶカメラも別途べっと必要ひつよう)。立体りったい映像えいぞう仕組しくみとしては一般いっぱんてき液晶えきしょうパネル左右さゆう分割ぶんかつし、それぞれを左右さゆうひとみ視聴しちょうするもっともシンプルな「サイドバイサイド」方式ほうしき採用さいよう最大さいだい特徴とくちょうとしてHMDない表示ひょうじ魚眼ぎょがんレンズ設置せっちしPCがわでのぎゃく補正ほせいわせることで、原始げんしてきながらも安価あんかなVR HMDの実現じつげん目指めざしている(製品せいひんばんでは後述こうじゅつするようにハイエンドはかられている)。同様どうよう仕組しくみを採用さいようしたVRようHMDには、ほかに「Google Cardboard」などがある。

2012ねんElectronic Entertainment Expo (E3) にてはじめてプロトタイプ公開こうかいされ、そのおこなわれたクラウドファンディングKickstarterによる開発かいはつ募集ぼしゅうでは、目標もくひょうがく25まんドルをはるかに上回うわまわる240まんドルの調達ちょうたつ成功せいこうするなど注目ちゅうもくあつめた[5][6]2013ねんからは開発かいはつしゃけキットも出荷しゅっかされ、フィードバックをもとにした度重たびかさなる仕様しよう変更へんこう[7]2016ねん3がつ一般いっぱんけに発売はつばいされた。

製造元せいぞうもとのOculus VR, Inc.はパルマー・ラッキーとScaleformの共同きょうどう設立せつりつしゃによって設立せつりつされた企業きぎょうで、のちid Software共同きょうどう設立せつりつしゃだったジョン・D・カーマック最高さいこう技術ぎじゅつ責任せきにんしゃ (CTO) として参画さんかくしている[8]同社どうしゃ2014ねん3月、SNS最大手さいおおてFacebookにより20おくドルで買収ばいしゅうされている[9]

2020ねん9月、FacebookはスタンドアロンしきVR HMD「Oculus Quest 2」の発表はっぴょうさいし、「Oculus Rift S」を最後さいごにPC接続せつぞくしきVR HMDの開発かいはつ終了しゅうりょうすると発表はっぴょうした[10]2021ねん7がつ、Oculus Riftおよびそのアクセサリーの製造せいぞう販売はんばい終了しゅうりょうしたと公式こうしきサイトで発表はっぴょうされた[11]

ハードウェア[編集へんしゅう]

製品せいひん[編集へんしゅう]

Development Kit[編集へんしゅう]

Oculus開発かいはつキットの初期しょきバージョンはKickstarterのキャンペーンにより開発かいはつ資本しほん確保かくほしている。キャンペーンの目的もくてき開発かいはつしゃみずか開発かいはつしているゲームとOculus Rift初期しょきバージョンの連携れんけいテストを開始かいしできるように配布はいふすることである[12]

2012ねん8がつ、Oculus VRしゃはRiftを300ドル以上いじょう出資しゅっししたひとへの報奨ほうしょうひんとして出荷しゅっか予定よていを2012ねん12月として提供ていきょうすることを発表はっぴょうした。100だい限定げんていされたてのRiftのプロトタイプキットがあり、こちらは275ドルでそのいちヶ月かげつまえ出荷しゅっかされる予定よていだった。両方りょうほうのバージョンでDoom 3 BFGエディションをふく予定よていだったが[訳語やくご疑問ぎもんてん]、ゲームはRift対応たいおう準備じゅんびわず、その補填ほてんとしてSteamまたはOculusストアでの割引わりびきチケットをどうこりした[5]

Development Kit 2[編集へんしゅう]

Development Kit 2(DK2, 開発かいはつキット2)は、2014ねん3月19にち発表はっぴょうされた開発かいはつキットのだい2だんである。DK2では、既存きそん開発かいはつキットにおいて不満ふまん集中しゅうちゅうしていた解像度かいぞうどが1280x800から1920x1080に改善かいぜんされており、パネル自体じたい一般いっぱんてき液晶えきしょうから応答おうとうはや有機ゆうきEL変更へんこうされている。さらに外部がいぶカメラと赤外線せきがいせんLEDにより、ヘッドトラッキングのレイテンシ低減ていげんはかられている。この仕様しよう同年どうねん1がつCES公開こうかいされたプロトタイプ「Crystal Cove」とおなじものだが、しくも発表はっぴょう前日ぜんじつにはSCEからほぼおな仕様しようのHMD「Project Morpheus」(PlayStation VR)が発表はっぴょうされている[4][3]

コンシューマばん[編集へんしゅう]

コンシューマばん

Riftはつ一般いっぱんけとなる製品せいひん (Consumer version, CV1)。2014ねん9がつ公開こうかいされた試作しさくCrescent Bayをさらに改良かいりょうしたバージョンとなっており[13]解像度かいぞうどが2160x1200、フレームレートが90fpsに向上こうじょうしているほか、オーディオシステムの統合とうごうはかられている。また製品せいひんパッケージにはXbox One Controllerがどうこりされている。

いち出荷しゅっか当初とうしょ2014ねんまつから2015ねん初頭しょとうとされていたが、最終さいしゅうてきに2016ねん1がつやく開始かいし、3月出荷しゅっか開始かいしとなった。製品せいひん価格かかく当初とうしょHMDのみで200ドル(やく2.4まんえん未満みまん説明せつめいされていたが、のちにHMD本体ほんたいを500ドル(やく6まんえん)、出力しゅつりょくがわPC本体ほんたいに1,000ドル(やく12まんえん相当そうとう必須ひっす予告よこくされ[14]最終さいしゅうてきには599ドルでの発売はつばいとなった。

ほんシステムはすで所有しょゆうするPCをベースにHMDを追加ついか購入こうにゅうすることで、トータルコストはおさえることが出来できるとされているが、ハイエンドはかられた結果けっかPCがわ要求ようきゅう能力のうりょくは2015ねんまつ時点じてんにおける一般いっぱんてきなゲーミングPCの7ばい以上いじょう必要ひつようとされ、ハードルはたか[15]。2016ねん11月のアップデートにより、中間なかまフレームを自動じどう生成せいせいする Asynchronous Spacewarp (ASW) 技術ぎじゅつ導入どうにゅうされたことで、フレームレートが45fpsのマシンでも90fpsでの描画びょうが可能かのうとなり、性能せいのう要件ようけん一部いちぶ緩和かんわされた[16]。また、段階だんかいてき値下ねさげもおこなわれ、2017ねん3がつには後述こうじゅつのTouchどうこりで598ドルに、2017ねん7がつには499ドル(セール期間きかんちゅう一時いちじ399ドル)[17]、2017ねん10がつには399ドル[18]となった。

Rift S[編集へんしゅう]

2019ねん3がつ発表はっぴょうされたコンシューマばん後継こうけい先代せんだいのRift製品せいひんばんとは互換ごかんせい改良かいりょうがたで、解像度かいぞうどが2560x1440に向上こうじょうしたほか最大さいだい特徴とくちょうとして姉妹しまいひん一体いったいがたVR HMD「Oculus Quest」に採用さいようされたトラッキングシステムOculus Insightが導入どうにゅうされ、外部がいぶセンサーが不要ふようになるなど、使つか勝手がって改善かいぜんはかられている[19]価格かかくは399ドル。[20]

仕様しよう[編集へんしゅう]

 販売はんばい終了しゅうりょう  販売はんばいちゅう 

モデルごとの仕様しよう一覧いちらんひょう
モデル Development Kit 1 (DK1) Development Kit 2 (DK2) 製品せいひんばん (CV1) 製品せいひんばん (S)
本体ほんたい画像がぞう
画面がめん解像度かいぞうど 1280×800
(640×800 / eye)
1920×1080
(960×1080 / eye)
2160×1200
(1080×1200 / eye)
2560×1440
(1280×1440 / eye)
パネル方式ほうしき 液晶えきしょう 有機ゆうきEL 有機ゆうきEL 液晶えきしょう
リフレッシュレート 60 Hzへるつ 75 Hzへるつ 90 Hzへるつ 80 Hzへるつ
ターゲット価格かかく $300 $350 $599→$399(値下ねさげ) $399
モデル Development Kit 1 (DK1) Development Kit 2 (DK2) 製品せいひんばん (CV1) 製品せいひんばん (S)


周辺しゅうへん機器きき[編集へんしゅう]

Oculus Touch[編集へんしゅう]

Oculus Touch

Oculus Touchは、Riftよう標準ひょうじゅんコントローラとして開発かいはつされた入力にゅうりょく機器きき左右さゆうにそれぞれ片手かたてようのコントローラをつデザインで、VR空間くうかんないでのうごきを表現ひょうげんすることができる。トラッキングにはヘッドセットとおなじく赤外線せきがいせんLEDがもちいられる。ただし、QuestとRift Sに付属ふぞくのものはトラッキング範囲はんいがいてもいように、加速度かそくどセンサーやジャイロセンサーも搭載とうさいしている模様もよう開発かいはつおくれから当初とうしょコンシューマばんRiftのどうこりぶつにはふくまれておらず[21]、2016ねん12月6にち発売はつばいとなった。単体たんたいでの販売はんばい価格かかくは199ドル[17]。Touchのパッケージには追加ついか赤外線せきがいせんセンサーがどうこりされており、2のセンサーをもちいることでライバルのHTC Viveのようにトラッキング精度せいど向上こうじょう・カメラの死角しかくらすことによるトラッキングの安定あんていはかっている。[22] なお、インサイドアウトトラッキングを採用さいようしているRift SとQuestに付属ふぞくしているものはトラッキング精度せいど向上こうじょうのためか、センサーリングがコントローラーのうえについている(通常つうじょうばんはコントローラーのした)。

関連かんれんするプロジェクト[編集へんしゅう]

パルマー・ラッキーはみなみカリフォルニア大学だいがくのクリエイティブテクノロジー研究所けんきゅうじょ雇用こようされていたとき[23]に、モバイルフォンをディスプレーデバイスにしてHMDにする安価あんかなキットであるFOV2GOプロジェクトに従事じゅうじしている[24][25][26]。FOV2GO プロジェクトの成果せいか現在げんざいではテンプレートが公開こうかいされている。 みなみカリフォルニア大学だいがくのチームは完全かんぜん没入ぼつにゅうがたVRであるHolodeckプロジェクトに参加さんかしており、Razer Hydraモーションコントローラー、PS Moveでのポジショントラッキング、そしてRift HMDによってユーザが完全かんぜん仮想かそう世界せかいなかはいるようになっていた。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Oculus Rift virtual reality headset gets Kickstarter cash”. BBC (2012ねん8がつ1にち). 2012ねん8がつ1にち閲覧えつらん
  2. ^ a b Spec showdown: Oculus Rift vs. HTC Vive”. DIGITAL TRENDS (2016ねん1がつ6にち). 2016ねん2がつ22にち閲覧えつらん
  3. ^ a b Oculus Riftのしん開発かいはつキット「DK2」発表はっぴょう HMDの商品しょうひんおおきく前進ぜんしん”. ITmedia (2014ねん3がつ20日はつか). 2014ねん3がつ20日はつか閲覧えつらん
  4. ^ a b 話題わだいのVRヘッドセット「Oculus Rift」がわずか350ドル - DK2登場とうじょう”. マイナビ (2014ねん3がつ20日はつか). 2014ねん3がつ20日はつか閲覧えつらん
  5. ^ a b Oculus Rift: Step Into the Game”. 2012ねん8がつ1にち閲覧えつらん
  6. ^ 家族かぞくがった! VRヘッドセット“Oculus Rift”実機じっきレビュー”. Game*Spark (2013ねん7がつ3にち). 2014ねん1がつ3にち閲覧えつらん
  7. ^ ミクさんと一緒いっしょ部屋へやめる! 2014ねんはOculus Rift×仮想かそう現実げんじつがヤバい”. 週刊しゅうかんアスキーPLUS (2013ねん12月26にち). 2014ねん3がつ26にち閲覧えつらん
  8. ^ Gilbert, Ben (2013ねん8がつ7にち). “Oculus Rift hires Doom co-creator John Carmack as Chief Technology Officer”. engadget. http://www.engadget.com/2013/08/07/oculus-rift-john-carmack-cto/ 2013ねん8がつ7にち閲覧えつらん 
  9. ^ べいフェイスブック、仮想かそう現実げんじつ端末たんまつのオキュラス買収ばいしゅう 2せんおくえん”. CNN (2014ねん3がつ26にち). 2014ねん3がつ26にち閲覧えつらん
  10. ^ 「Oculus Rift S」は2021ねん販売はんばい終了しゅうりょう”. ITmedia NEWS. 2021ねん8がつ25にち閲覧えつらん
  11. ^ Inc, Aetas. “Facebook,PC接続せつぞくがたのVR対応たいおうHMD,「Oculus Rift S」の販売はんばい終了しゅうりょう発表はっぴょう”. www.4gamer.net. 2021ねん8がつ25にち閲覧えつらん
  12. ^ Watch the QuakeCon Virtual Reality Keynotes Here ≪ Road to Virtual RealityRoad to Virtual Reality”. Roadtovr.com (2012ねん8がつ5にち). 2013ねん9がつ9にち閲覧えつらん
  13. ^ Oculus VR開発かいはつインタビュー。CV1やOculus Touchに開発かいはつはなしまでいろいろいてきた”. 4Gamer.net (2015ねん9がつ26にち). 2016ねん2がつ22にち閲覧えつらん
  14. ^ A complete Oculus Rift setup won't cost more than $1,500” (2015ねん4がつ27にち). 2015ねん9がつ27にち閲覧えつらん
  15. ^ VRグラフィックスを処理しょりするには一般いっぱんてきなゲームようPCの7ばい以上いじょう必要ひつよう” (2015ねん12月30にち). 2015ねん12月30にち閲覧えつらん
  16. ^ Oculus、中間なかまフレームを自動じどう生成せいせいしCPUとGPU負荷ふか半分はんぶんにする「ASW」技術ぎじゅつ”. PC Watch (2016ねん11月11にち). 2016ねん11月13にち閲覧えつらん
  17. ^ a b 期間きかん限定げんてい5まんえんのOculus Rift、セール価格かかく改定かいてい”. MoguraVR (2017ねん7がつ14にち). 2017ねん7がつ15にち閲覧えつらん
  18. ^ Oculus Rift、定価ていか5まんえん値下ねさ商用しょうよう利用りようなビジネスばん登場とうじょう”. MoguraVR (2017ねん10がつ12にち). 2017ねん10がつ12にち閲覧えつらん
  19. ^ しかしながら有機ゆうきELパネルから液晶えきしょうパネルへと変更へんこうされたことやリフレッシュレートのめんでも若干じゃっかんのスペックダウンが発生はっせいしており完全かんぜん上位じょうい互換ごかんモデルではない
  20. ^ OculusがしんVRヘッドセット「Rift S」発表はっぴょう 外部がいぶセンサー不要ふよう、49,800えん今春こんしゅん発売はつばい”. MoguraVR (2019ねん3がつ21にち). 2019ねん3がつ26にち閲覧えつらん
  21. ^ Oculus Touchハンズオン。あまりにすぎてVRヘッドセットをひかえそう”. ギズモード (2015ねん6がつ27にち). 2016ねん2がつ22にち閲覧えつらん
  22. ^ Oculus Touchとは VRに“れる”コントローラー入門にゅうもんガイド 価格かかく比較ひかくなど”. MoguraVR (2016ねん12月6にち). 2016ねん12月28にち閲覧えつらん
  23. ^ http://www.nytimes.com/2014/03/27/technology/creator-of-a-virtual-reality-sensation.html
  24. ^ Nelson, David (2012ねん6がつ12にち). “MxR Lab Members and Alum Get Play at E3”. University of Southern California. 2014ねん4がつ27にち閲覧えつらん
  25. ^ MxR”. University of Southern California. 2014ねん4がつ27にち閲覧えつらん
  26. ^ People”. University of Southern California. 2012ねん8がつ2にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]