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オク・チャトラン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
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8 a8 b8 c8 d8 e8 f8 g8 h8 8
7 a7 b7 c7 d7 e7 f7 g7 h7 7
6 a6 b6 c6 d6 e6 f6 g6 h6 6
5 a5 b5 c5 d5 e5 f5 g5 h5 5
4 a4 b4 c4 d4 e4 f4 g4 h4 4
3 a3 b3 c3 d3 e3 f3 g3 h3 3
2 a2 b2 c2 d2 e2 f2 g2 h2 2
1 a1 b1 c1 d1 e1 f1 g1 h1 1
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オク・チャトラン初期しょき配置はいち
路上ろじょうでオク・チャトランをすカンボジアじん(2009ねん)。

オク・チャトランクメール: អុកចត្រង、Ouk Chatrang)は、いわゆるカンボジア将棋しょうぎ名称めいしょうである。オククメール: អុក、Ok、Ouk)、オク・クマエクメール: អុកខ្មែរ、Ouk Khmer)、カンボジア将棋しょうぎともばれる。

ルールタイマークルックとほぼおなじであるが、カンボジア将棋しょうぎでは開始かいし位置いちからはじめてうごさいにアン(おう)は(王手おうてがかかっていなければ)セス(うま)のうごきをでき、ネアン(女王じょおう)は2マス前方ぜんぽううごくことができる。

こま名称めいしょう[編集へんしゅう]

それぞれのこまうごきとはたらきについては、マークルック#こまうご参照さんしょうされたい。

オク マークルック チェス
アン(Ang)/スダーイッ(Sdaach)(おう クン(きみ キングおう
ネアン(Neang、女王じょおう メット(たね クイーン女王じょおう
コウル(Koul、くい コン( ビショップ僧正そうじょう
セス(Ses、うま マー(うま ナイト騎士きし
トウク(Touk、ふね ルーア(ふね ルーク戦車せんしゃ
トレイ(Trey、さかな ビア(かい ポーン歩兵ほへい

語源ごげん歴史れきし[編集へんしゅう]

「チャトラン」はおそらくサンスクリットの「catur-aṅga」あるいはペルシアの「šaṭranj」に由来ゆらいする[1]。「オク」(Ouk、Ok)は将棋しょうぎそのものをし、また王手おうてをかけたときにも発声はっせいされる。

この遊戯ゆうぎ正確せいかく起源きげんは、その将棋しょうぎるい同様どうように、よくかっていない。

オクの歴史れきしてき証拠しょうこには以下いか事柄ことがらがある。

バイヨンのレリーフ
  • 12世紀せいきから13世紀せいきアンコール・ワットプリヤ・カーンバイヨンレリーフ存在そんざいする。レリーフでは、2人ふたり人物じんぶつがいくつかのこまかれたつくえをはさんでいる。この場面ばめん将棋しょうぎつよ連想れんそうさせる。しかしながら、盤上ばんじょうには5つまたは7つのこましかなく、うまこまもない。これは、たん様式ようしき結果けっかであるか、ルールがことなっていたことをしめしているか、あるいはまったことなる遊戯ゆうぎであるかのいずれかであろう。
  • 13世紀せいきかれたマルコ・ポーロの『東方とうほう見聞けんぶんろく』のいくつかのはんでは、この地域ちいきにおいて黒檀こくたん使つかわれていたことが言及げんきゅうされている[2]黒檀こくたんからは黒色こくしょくこまつくられる。
  • 東南とうなんアジア(より正確せいかくにはシャム)における信頼しんらいできる最初さいしょ将棋しょうぎるいかんする記述きじゅつは1687ねんシモン・ド・ラ・ルベールによってなされた。かれ現地げんちじん中国ちゅうごくしき象棋しょうぎシャンチー)と「わたしたちの」象棋しょうぎしていたとしるした[3]

ルール[編集へんしゅう]

ばん正方形せいほうけいで8かける8マス、市松いちまつ模様もようにはられていない。チェスのポーンにあたるトレイ(さかな)が3ぎょうにあり、おう女王じょおう位置いち相手あいてぎゃくになっている(チェスではキング同士どうし、クイーン同士どうしむかっている)。

こまは、アン(おう1個いっこ)、ネアン(女王じょおう1個いっこ)、コウル(くい、2)、セス(うま、2)、トウク(ふね、2)、トレイ(さかな、8)のけい6しゅ、16うごきはタイ将棋しょうぎマークルック)とおなじである。トレイ(さかな)はまえに1マスすすむことができるがまえてきこまれず、そのわりななまえてきこまることができる。簡単かんたんうと、チェスのポーンとおなうごきである。

おうの1うまのようにうごくことができるが、相手あいてこまることはできない。女王じょおうの1は2マスまえすすんで3ぎょう移動いどうすることができ、相手あいてこまることができる[4]。この特殊とくしゅうごきにかんするルールは地域ちいきごと差異さいがある。

相手あいておうつめますちである。

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8 a8 b8 c8 d8 e8 f8 g8 h8 8
7 a7 b7 c7 d7 e7 f7 g7 h7 7
6 a6 b6 c6 d6 e6 f6 g6 h6 6
5 a5 b5 c5 d5 e5 f5 g5 h5 5
4 a4 b4 c4 d4 e4 f4 g4 h4 4
3 a3 b3 c3 d3 e3 f3 g3 h3 3
2 a2 b2 c2 d2 e2 f2 g2 h2 2
1 a1 b1 c1 d1 e1 f1 g1 h1 1
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女王じょおうの1。2マスまえぶことができる。
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8 a8 b8 c8 d8 e8 f8 g8 h8 8
7 a7 b7 c7 d7 e7 f7 g7 h7 7
6 a6 b6 c6 d6 e6 f6 g6 h6 6
5 a5 b5 c5 d5 e5 f5 g5 h5 5
4 a4 b4 c4 d4 e4 f4 g4 h4 4
3 a3 b3 c3 d3 e3 f3 g3 h3 3
2 a2 b2 c2 d2 e2 f2 g2 h2 2
1 a1 b1 c1 d1 e1 f1 g1 h1 1
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おうの1うまのようのぶことができるが、このうごきで相手あいてこまることはできない。

変種へんしゅ[編集へんしゅう]

ふる変種へんしゅ[編集へんしゅう]

オク・チャトランやマークルックは日本にっぽん象棋しょうぎやチェスとおなじように升目ますめなかこまくが、カンボジアには中国ちゅうごく象棋しょうぎシャンチー)とおなじようにせん交点こうてんこま種類しゅるい象棋しょうぎるいがあった証拠しょうこ存在そんざいする。そのためばんは9×9となる、すなわちトレイ(さかな)とネアン(女王じょおう)が1つずつえる。こまうごきはだい部分ぶぶんおなじのはずである。このカンボジア将棋しょうぎ現在げんざいされていない[5]

カ・オク[編集へんしゅう]

カ・オク(Ka Ok[6]またはKar Ouk[7])はさき王手おうてけたほうちとなる。ただし自分じぶんおう王手おうてけることはできない。そののルールはおなじである。

大会たいかい[編集へんしゅう]

はつのオク・チャトランの大会たいかいは2008ねん4がつ3にち–4にちカンボジア開催かいさいされた[8]大会たいかいではカンボジアオリンピック委員いいんかい英語えいごばんとカンボジアチェス協会きょうかいによってめられた標準ひょうじゅんルールが使用しようされた[8]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Bernd Ellinghoven: Kambodschach, Work in Progress zur Geschichte des Schachspiels in Kambodscha in: Schriftenreihe Kambodschanische Kultur, Heft Nr. 8, S. 113
  2. ^ Bernd Ellinghoven: Kambodschach, Work in Progress zur Geschichte des Schachspiels in Kambodscha in: Schriftenreihe Kambodschanische Kultur, Heft Nr. 8, S. 92 ff
  3. ^ Peter Banaschak: Schachspiele in Ostasien Iudicium, München, 2001, S. 35
  4. ^ Piece Movements
  5. ^ Artikel der British Chess Variants Society zur alten Variante (Memento vom 2. 2月 2012 im Internet Archive) (PDF; 84 kB) Abgerufen am 28. Januar 2011.
  6. ^ Alternate Version of Play
  7. ^ Kar Ouk
  8. ^ a b “Cambodia to hold first ever Khmer Chess tournament”. sina english. (2008ねん4がつ27にち). http://english.sina.com/sports/1/2008/0427/156243.html 2020ねん7がつ15にち閲覧えつらん 

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Bernd Ellinghoven: Kambodschach. Work in Progress zur Geschichte des Schachspiels in Kambodscha. In: Schriftenreihe Kambodschanische Kultur, Bd. 8 (2003). Studiengemeinschaft Kambodschanische Kultur e.V., Berlin, 2003, ISSN 0179-2695.

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]