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オヤニラミ

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オヤニラミ
オヤニラミ
オヤニラミ Coreoperca kawamebari
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
: スズキ Perciformes
: ケツギョ Sinipercidae
ぞく : オヤニラミぞく Coreoperca
たね : オヤニラミ C. kawamebari
学名がくめい
Coreoperca kawamebari
(Temminck & Schlegel1843)[1]
和名わみょう
オヤニラミ[2][3]
英名えいめい
Japanese aucha perch[2]
Spotear brook perch[2]

オヤニラミCoreoperca kawamebari)はオヤニラミぞく分類ぶんるいされる魚類ぎょるい

分布ぶんぷ

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日本にっぽん桂川かつらがわ水系すいけい由良川ゆらがわ水系すいけい以西いせい本州ほんしゅう四国しこく北東ほくとう九州きゅうしゅう北部ほくぶ)、朝鮮半島ちょうせんはんとう南部なんぶ[3]

長崎ながさきけんでの分布ぶんぷ文献ぶんけんじょうでしか確認かくにんされていない[2]愛知あいちけん岐阜ぎふけん京都きょうと滋賀しがけん東京とうきょう奈良ならけんなどに移入いにゅう定着ていちゃく[3]

形態けいたい

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最大さいだい全長ぜんちょう15センチメートル[3]体型たいけいがわひらた[3]たか[2]えらあなから尾鰭おびれ基部きぶまでのうろこかず縦列じゅうれつうろこすう)は33 - 38[2]側線そくせん明瞭めいりょうで、側線そくせんじょうにあるあないたうろこかず側線そくせんゆうあなうろこすう)は33 - 38[2]脊椎せきついこつかずは28 - 29[2]からだしょくみどりがかった褐色かっしょくで、背面はいめんはやや暗色あんしょく[2]前方ぜんぽうへ1ほん後方こうほうへ5 - 7ほんあかすじ模様もようが、放射状ほうしゃじょうはい[2]えらぶた後端こうたんには黄色きいろえんられた、あおじょうもんはい[3]体側たいそくめんには6 - 7ほん横縞よこじまはい[3]

虹彩こうさいあか[2]くち大型おおがたで、やや上方かみがたかう[2]えらにあるくしじょう器官きかんかずえら耙数)は0 - 1(上枝ほつえ)+6 - 8(下枝しずえ)=6-8[2]えらぶたはしに2つのとげじょう突起とっきがある[2]尾鰭おびれはしまるみをびる[2]垂直すいちょくひれくら赤色あかいろで、軟条外縁がいえんには数列すうれつあお斑点はんてんはい[2]

たまご直径ちょっけい2.2 - 2.4ミリメートルで、透明とうめい[2]孵化ふか直後ちょくごぎょ全長ぜんちょう5.1 - 5.8ミリメートル[2]

生態せいたい

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河川かせん中流ちゅうりゅうしも流域りゅういきやその支流しりゅう水路すいろなどに生息せいそくする[2][3]水質すいしつ比較的ひかくてき清涼せいりょうながれがゆるやか、そこしつ砂礫されきすなどろ水生すいせい植物しょくぶつえた環境かんきょうこの[2]闘争とうそうせいつよく、ぎょのぞいてれを形成けいせいせず単独たんどく生活せいかつする[2]

昆虫こんちゅう甲殻こうかくるいなどをべる[2]捕食ほしょくしゃ可能かのうせいがある生物せいぶつとしてカムルチーナマズカワセミなどがかんがえられ、稚魚ちぎょドンコべられる可能かのうせいもあるとかんがえられている[2]

繁殖はんしょく様式ようしき卵生らんせい。オスは産卵さんらん場所ばしょとなる植物しょくぶつくきくちでつついたり、はらめん掃除そうじする[2]。メスがるとオスはくちえらひれひろげてメスをむかえる[2]。メスが産卵さんらん場所ばしょ沿っておよぎだすと、オスはそれをいかけ吻端でメスの尾鰭おびれれる[2]。メスはふるわせながらたまごを2れつべてみ、オスがせいする[2]。4 - 9月(おもに5 - 6がつ)に、植物しょくぶつくきやく80・1では250 - 1,000たまご[3]むねひれたまごみずおくる・ちかづいたしょう動物どうぶつ攻撃こうげきはらうなどして、オスはたまご保護ほごする[2]標準ひょうじゅん和名わみょうは、オスがたまご保護ほごすることに由来ゆらいする[3]飼育しいくでは生後せいご1ねん全長ぜんちょう6 - 7センチメートルになりせい成熟せいじゅくし、生後せいご2ねん全長ぜんちょう8 - 9センチメートル、生後せいご3ねん全長ぜんちょう10センチメートルにたっしたれいがある[2]

人間にんげんとの関係かんけい

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方言ほうげんめいとして、おじにらみ・みこどん・もうお(京都きょうと)、よつめ(岡山おかやまけん)、みずくりせえべえ・せえべえ(福岡ふくおかけん)、よるめひるめ・よんめひるめ(佐賀さがけん)、かわめばる(長崎ながさきけん)、みずくりせんぺい・せーべえ(熊本くまもとけん)などがある[2]

ほんたねのみを対象たいしょうとした漁業ぎょぎょうはなく、基本きほんてき食用しょくようにはされない[2]一方いっぽうりやもうもうなどによりこんされることもあり、とくひれとげ発達はったつしているためもう頻度ひんどたか[2]

分布ぶんぷげたように無計画むけいかく放流ほうりゅうにより、在来ざいらい分布ぶんぷいきではない地域ちいきにも移入いにゅう定着ていちゃくしている[2][3]

日本にっぽんでは河川かせん改修かいしゅうつつみせき設置せっち圃場ほじょう整備せいびによる生息せいそく破壊はかい都市とし排水はいすい工事こうじによる水質すいしつ汚濁おだく人為じんいてき移入いにゅうされたオオクチバスブルーギルなどにより生息せいそくすう減少げんしょうしている[2][3]

絶滅ぜつめつ危惧きぐIBるい (EN)環境省かんきょうしょうレッドリスト[3]

ペットとして飼育しいくされることもある[2][4]。1933 - 1935ねんには愛好あいこうにより飼育しいく繁殖はんしょくおこなわれるようになり、日本にっぽん国内こくない生息せいそくしていない地域ちいきでも流通りゅうつうする[4]闘争とうそうせいつよいため単独たんどく飼育しいくするか、複数ふくすう飼育しいくする場合ばあいには大型おおがた水槽すいそう水草みずくさ繁茂はんもさせたりかくおお設置せっちする[4]えさとして昆虫こんちゅう、メダカの稚魚ちぎょなどをあたえる[4]れたら人工じんこう飼料しりょうなどもべるようになる。

名前なまえ

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和名わみょう由来ゆらいには諸説しょせつあり、オスがたまご保護ほごするようから「おやにらみをかす」、縄張なわば意識いしきつよいことから「たとえおやでもにらむ」、じょうもん本物ほんものおや見立みたてて「おやにらんでいる」などがある。

ほかにも様々さまざま地方ちほうめいがあり、ミコウオ(兵庫ひょうごけん)、ミコノマイ、ネコノマイ(中国ちゅうごく地方ちほう)、ヨツメ(広島ひろしまけん九州きゅうしゅう北部ほくぶ)、ネラミ(山口やまぐちけん)、などがある。ミコウオやネコノマイは求愛きゅうあい行動こうどう、ミズクリセイベイはたまごみずおくるオス、カワメバル(かわ眼張めばる)はメバル(眼張めばる)に外見がいけんにそれぞれ由来ゆらいする。

ぞくめいCoreopercaが「朝鮮ちょうせん(Coreo)のパーチ(Perca)」を意味いみし、たねめいkawamebari長崎ながさき地方ちほうめい「カワメバル」に由来ゆらいする。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Froese, R. and D. Pauly. Editors. 2019. Coreoperca kawamebari. FishBase. World Wide Web electronic publication. http://www.fishbase.org, version (12/2019).
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai 木村きむらきよしろう松井まつい誠一せいいち竹下たけした直彦なおひこ 「オヤニラミ」『日本にっぽん希少きしょう野生やせい水生すいせい生物せいぶつかんする基礎きそ資料しりょう(I)』農林水産省のうりんすいさんしょう水産庁すいさんちょうへん水産庁すいさんちょう、1994ねん、443-449ぺーじ
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 細谷ほそやかずうみ「オヤニラミ」『レッドデータブック2014 -日本にっぽん絶滅ぜつめつのおそれのある野生やせい動物どうぶつ-4 汽水・淡水魚たんすいぎょるい環境省かんきょうしょう自然しぜん環境かんきょうきょく野生やせい生物せいぶつ希少きしょうしゅ保全ほぜん推進すいしんしつへん株式会社かぶしきがいしゃぎょうせい、2015ねん、218-219ぺーじ
  4. ^ a b c d つつみ俊夫としお監修かんしゅう 「オヤニラミ」『原色げんしょくワイド図鑑ずかん 12 飼育しいくI(水生すいせい動物どうぶつ)』、学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ、1984ねん、22-23ぺーじ

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 内田うちだとおる監修かんしゅう学生がくせいばん 日本にっぽん動物どうぶつ図鑑ずかんきたたかしかん ISBN 4-8326-0042-7
  • 蒲原かんばらみのるおさむちょ岡村おかむらおさむ『エコロン自然しぜんシリーズ ぎょ保育ほいくしゃ 1966ねん初版しょはん・1996ねん改訂かいてい ISBN 4-586-32109-1
  • かわ浩哉ひろや水野みずの信彦のぶひこ細谷ほそやかずうみへんやまけいカラー名鑑めいかん 改訂かいていばん 日本にっぽん淡水魚たんすいぎょ』(オヤニラミ解説かいせつ : 香田こうだ康年やすとし渡辺わたなべ宗孝むねたかISBN 4-635-09021-3

関連かんれん項目こうもく

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