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ガス交換こうかん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒトにおけるガス交換こうかん酸素さんそ(O2)と二酸化炭素にさんかたんそ(CO2)が毛細血管もうさいけっかんはいあいだでin-outしている。

ガス交換こうかん(ガスこうかん、Gas exchange)とは、呼吸こきゅうかんによりからだうち酸素さんそれ、体内たいないから二酸化炭素にさんかたんそ排出はいしゅつすることである。なお、ヒトにおけるそと呼吸こきゅうは「はいでのガス交換こうかん」とほぼおな意味いみつ。

原理げんり[編集へんしゅう]

みぎ心室しんしつから静脈じょうみゃくはい動脈どうみゃくとおはいはい)へはいる。はい酸素さんそ(O2ぶんあつたかく、ちゅうではひくいため、はいちゅうのO2濃度のうど圧力あつりょく)が駆動くどうりょくとなりO2はいからちゅう拡散かくさんする。ぎゃく二酸化炭素にさんかたんそ(CO2)は同様どうよう原理げんりちゅうからはい拡散かくさんする。

CO2うしないO2った血液けつえきは、動脈血どうみゃくけつとなってはい静脈じょうみゃくよりひだり心房しんぼうはいり、ひだり心室しんしつから大動脈だいどうみゃくかいして全身ぜんしんかってはくされる。この血液けつえき末梢まっしょうたっし、毛細血管もうさいけっかんはいって、からだ組織そしきとのあいだ呼吸こきゅうガスの交換こうかんおこなう。なお、みぎ心室しんしつからひだり心房しんぼうまでの一連いちれん工程こうていはい循環じゅんかんぶ。

はい拡散かくさんのう低下ていかする疾患しっかんはい線維せんいしょう慢性まんせい肺気腫はいきしゅがある。はい線維せんいしょうはいあいだしつあつくなるため、まくあつあつくなり、はい拡散かくさんのう低下ていかする。慢性まんせい肺気腫はいきしゅでははい胞が破壊はかいされて拡散かくさん面積めんせきちいさくなるためにはい拡散かくさんのう低下ていかする。

また、ガス交換こうかん効率こうりつ換気かんきりゅうのバランス(換気かんきりゅう)によってまる。すべてのはい胞が均等きんとう換気かんきされ、かつ均等きんとうりゅうけるとき(つまり換気かんきりゅう均等きんとう分布ぶんぷがないとき)のはい胞気ガス組成そせい理想りそうはい胞気という。拡散かくさんのう低下ていかはいりゅうシャントがなければ、動脈血どうみゃくけつのガスぶんあつ理想りそうはい胞気のガスぶんあつおなじになる。しかし、実際じっさいはいでは健常けんじょうしゃであっても換気かんきりゅう均等きんとうではない。

理想りそうはい胞気の酸素さんそぶんあつ実際じっさい動脈血どうみゃくけつ酸素さんそぶんあつとの理想りそうはい胞気・動脈血どうみゃくけつ酸素さんそぶんあつ較差かくさ(A-aDo2)といい、換気かんきりゅう均等きんとう分布ぶんぷ存在そんざいするとA-aDo2は増加ぞうかする。

ガス交換こうかん仕組しく[編集へんしゅう]

そと呼吸こきゅうのガス交換こうかん概略がいりゃくぶんあつ単位たんいkpa、7.5ばいするとmmHg)。酸素さんそ(O2)をふくんだ空気くうき吸気きゅうきし、細胞さいぼう呼吸こきゅう酸素さんそ二酸化炭素にさんかたんそ(CO2)がおおくなった血液けつえき空気くうきあいだでガス交換こうかんし、呼気こきとしてす。
表面積ひょうめんせき 通過つうかする細胞さいぼうすう 濃度のうど勾配こうばい維持いじ 呼吸こきゅう
人間にんげん そうはい[1] = 70–100 m2 はい胞と毛細血管もうさいけっかん(2細胞さいぼう 毛細血管もうさいけっかんながれるりゅう呼吸こきゅう はい
さかな さかなによる 通常つうじょうは1細胞さいぼう およぐときのみずなが えら
昆虫こんちゅう 気管きかん 1細胞さいぼう からだうごかして換気かんき もん
海綿動物かいめんどうぶつ Ostia pores 1細胞さいぼう 水流すいりゅう なし
ひらたがた動物どうぶつ からだ 通常つうじょうは1細胞さいぼう およぐときのみずなが なし
とげ動物どうぶつ くちうで英語えいごばん 通常つうじょうは1細胞さいぼう 水流すいりゅう なし
爬虫類はちゅうるい はい 気管きかん毛細血管もうさいけっかん(2つの細胞さいぼう 呼吸こきゅう 気管きかん
両生類りょうせいるい 水棲すいせいではえら水上すいじょうでははい 1-2細胞さいぼう 水流すいりゅう呼吸こきゅう はい皮膚ひふえら
とり恐竜きょうりゅう はい 気管きかん毛細血管もうさいけっかん(2つの細胞さいぼう 気嚢きのう 気管きかん
植物しょくぶつ 1細胞さいぼう 気流きりゅう 気孔きこう

ガス交換こうかんかかわる細胞さいぼう[編集へんしゅう]

ヘモグロビンなどの呼吸こきゅう色素しきそ酸素さんその98.5%をはこぶ(高圧こうあつ酸素さんそ治療ちりょうさいは、血漿けっしょうこうあつ酸素さんそ溶解ようかいさせてはこばせる場合ばあいがある)。二酸化炭素にさんかたんそ人間にんげん場合ばあいは、ヘモグロビンと結合けつごうしたカルバミノヘモグロビン英語えいごばんやく10-23%・炭酸たんさん脱水だっすい酵素こうそ変換へんかんされた炭酸たんさん水素すいそイオン状態じょうたいが70-85%・あとは血漿けっしょう溶解ようかいした二酸化炭素にさんかたんそかたちはいおくられる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Basset J, Crone C, Saumon G (1987). “Significance of active ion transport in transalveolar water absorption: a study on isolated rat lung”. The Journal of Physiology 384: 311–324. doi:10.1113/jphysiol.1987.sp016456. PMC 1192264. PMID 3656149. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1192264/. 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]