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ガーバーフォーマット

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
Gerber file format
拡張子かくちょうし.gbr
MIMEタイプapplication/vnd.gerber
開発かいはつ者しゃGerber Systems Corp.,
現在げんざい Ucamco
初版しょはん1980年ねん8月がつ27日にち (44年ねん前まえ) (1980-08-27)
最新さいしん版ばん
拡張かくちょうガーバー
Gerber Format Specification 2015.10
(2015年ねん10月がつ30日にち
(9年ねん前まえ) (2015-10-30))
種別しゅべつImage file format
国際こくさい標準ひょうじゅんUcamco Downloads

ガーバーフォーマット(Gerber Format)は、プリント基板きばんの設計せっけいや製造せいぞうで使用しようされるファイルフォーマットのひとつである。プリント基板きばんの配線はいせんパターンやソルダーマスクならびにシンボルマークといった諸々もろもろのイメージに加くわえて、ドリルやルーターの加工かこうのデータが格納かくのうされる。プリント基板きばんの設計せっけい工程こうていから製造せいぞう工程こうていへデータを受うけ渡わたすファイルフォーマットの業界ぎょうかい標準ひょうじゅんである。[1][2][3]

ガーバーフォーマットは、ジョセフ·ガーバー[4]によって設立せつりつされたGerber Systemsによって、Gコードをベースに開発かいはつされ、公開こうかいされた。Gerber Systems は1998年ねんに Barco ETS により買収ばいしゅうされ[5][6]、現在げんざいは Ucamco (2008年ねんに改称かいしょう)がガーバーフォーマットを引ひき継つぎ、仕様しようを断続だんぞく的てきに改訂かいていし公開こうかいしている。[7][8] 現行げんこうのガーバーフォーマット仕様しようは、2017年ねん3月がつ発行はっこうのリビジョンであり、仕様しよう書しょはUcamco社しゃのダウンロードページ[9]からダウンロードできる。

当初とうしょは Gerber Systems 社しゃ独自どくじのフォトプロッターのための形式けいしきであったが仕様しよう公開こうかいされたことにより業界ぎょうかい標準ひょうじゅんとして広ひろがった。今日きょう RS-274-D は、（厳密げんみつにはそのサブセットが）”標準ひょうじゅんガーバー”と呼よばれることがある。[10]

プリント基板きばんのデータは、開口かいこう部ぶなどの込こみ入いった形状けいじょうを表あらわす必要ひつようがあるが、RS-274-Dは形状けいじょう情報じょうほうのために別べつファイルを必要ひつようとする。また、矩形くけいのように単純たんじゅんな形状けいじょうの定義ていぎも無なく、矩形くけいを多数たすうの点てんや線せんで埋うめて表あらわすため、データ量りょうが多大ただいになるという問題もんだいがあった[10]。これらの欠点けってんを改良かいりょうするために登場とうじょうしたのが”拡張かくちょうガーバー”と呼よばれるRS-274X[8]である。RS-274Xの登場とうじょう以降いこうは、旧版きゅうばんであるRS-274-Dの使用しようは推奨すいしょうされていない。

ガーバーにおける層そうの例れい：プリント基板きばんのトップオーバーレイ(legend)、トップソルダーレジスト(protective film)、ボトムレイヤの銅どうトレースを示しめす

RS-274-D

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RS-274-D[11] は、元々もともとは1980年ねんのGコードの最終さいしゅう版ばんのことであり[12]、同年どうねんにGerber Systemsが公開こうかいしたガーバーフォーマットもこのGコードの版はん名めいで呼よばれている。

ガーバーフォーマットはGコードのサブセットを拡張かくちょうしたもので、元来がんらいは一種いっしゅの2次元じげんNC（数値すうち制御せいぎょ）マシンであるベクトル式しきフォトプロッター（英語えいご版ばん）のための形式けいしきであり、そのサブセットがプリント基板きばんに使つかわれている[10][13]。後のちに登場とうじょうするRS-274Xが拡張かくちょうガーバーフォーマットと呼よばれることに対たいし、RS-274-Dは標準ひょうじゅんガーバーフォーマットとよばれることがある。

※ 日本にっぽんでは「1979年ねんに米国べいこく電子でんし工業こうぎょう会かい(EIA)によりRS-274-Dとして規格きかく化かされた」と説明せつめいされることがあるが実際じっさいのEIAによる規格きかく化かと標準ひょうじゅんガーバーの公開こうかいはどちらも1980年ねん。[10]

ASCIIフォーマットで、コマンドとX/Y座標ざひょうから構成こうせいされる。 

D11*
X1785250Y2173980D02*
X1796650Y2177730D01*
X1785250Y2181480D01*
X1796650Y2184580D01*
D12*
X3421095Y1407208D03*
X3422388Y1406150D03*
M02*

RS-274-Dは、ベクトル式しきのフォトプロッターを動うごかす目的もくてきで1960年代ねんだい～1970年代ねんだいに開発かいはつされたが、現在げんざい、フォトプロッターは全すべてラスター式しきに置おき換かわった。RS-274-Dファイルは、それ自体じたいが画像がぞうを描写びょうしゃしているわけではない。座標ざひょう情報じょうほうやアパーチャ(基本きほん的てきな形状けいじょう物ぶつ。PDFファイルにおけるフォントのようなもの)の定義ていぎ情報じょうほうは持もってはいない。座標ざひょう情報じょうほうやアパーチャは、プロッターを操作そうさするオペレーターの手てでマニュアル設定せっていすることが前提ぜんていであった。一般いっぱん的てきに自由じゆう書式しょしきのテキストファイルに記述きじゅつし、これが「アパーチャファイル」や「ホイールファイル (wheel file)」のように呼よばれていた。このアパーチャファイルは人ひとが読よむことを前提ぜんていとしただけで、標準ひょうじゅん規格きかくはなかった。このため、EDAソフトウェア（英語えいご版ばん）毎まいもしくは設計せっけい者しゃ毎ごとに、独自どくじのレイアウトや独自どくじの命名めいめい規則きそくでアパーチャファイルを作成さくせいし、基板きばん製造せいぞうサイドではそれを解読かいどくしマニュアルで自分じぶん達たちのCAMシステムに入力にゅうりょくしなければならなかった。

RS-274-Dが持もつ画像がぞう化かの演算えんざん子こは、数かずが少すくなく、とてもシンプルなものだけだったので、人ひとの手てによって、描画びょうが ( 塗ぬりやベクトル埋うめ込こみ ) などのような複雑ふくざつで厄介やっかいな基板きばん構造こうぞう化か作業さぎょうが不可欠ふかけつであった。

RS-274-Dはベクトル式しきプロッターを動うごかすのに適てきし、当時とうじの技術ぎじゅつでは制限せいげんがあるが有効ゆうこうなフォーマットだったといえる。人手ひとでを介かいするワークフロー向むけに設計せっけいされているので、基板きばん設計せっけい者しゃから製造せいぞうサイドへの確実かくじつな自動じどうデータ転送てんそうには不向ふむきであった。

RS-274-DはあくまでNC(数値すうち制御せいぎょ)に適てきした規格きかくであって、画像がぞう描写びょうしゃに適てきした規格きかくではなかった。従したがって、アパーチャファイルなしでは成なりたなかった。しかしそのアパーチャファイルに規格きかくがなく、次第しだいにRS-274-Dは革新かくしんが求もとめられることになっていく。

RS-274X

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RS-274X ガーバーフォーマット(拡張かくちょうガーバーやXガーバーとも呼よばれる)は、2Dで2方向ほうこうのベクトル画像がぞうを描画びょうがするフォーマット形式けいしきである[14]。現在げんざい、PCB業界ぎょうかいでスタンダードな画像がぞう描画びょうがフォーマットであり、確実かくじつで自動じどう化かされたワークフローが確保かくほされる[15]。

RS-274Xは、可読かどくなASCIIフォーマットで[16]、コマンドと座標ざひょうのシーケンスで構成こうせいされる。画像がぞうの基本きほん的てきな構成こうせい要素ようそは、任意にんいの場所ばしょでのラインドロー、定義ていぎした形状けいじょうのフラッシュ(表示ひょうじ)、そして輪郭りんかく塗ぬり込こみ(outline fill)である。またポジ／ネガのグラフィックオブジェクトを組くみ合あわせることができる。

RS-274Xファイルは、基板きばんの画像がぞう情報じょうほうを持もち、他たの外部がいぶファイルが不要ふようである。基板きばん画像がぞうの結ゆい像ぞう処理しょりに必要ひつようとなるオペレータ(演算えんざん子こ)がプログラムされている。どのようなアパーチャ形状けいじょうでも定義ていぎできる。ポジ／ネガいずれのオブジェクトでも結合けつごうさせることができる。銅どうパターンに関かんしては、RS-274-Dのように「塗ぬり(painting)」や「ベクトル埋うめ込こみ」をすることなく、指定していできる[17]。

【RS-274Xファイルの例れい】 

G04 Shorter version of Gerber X2 Example Job 1, created by Filip Vermeire, Ucamco*
%TF.FileFunction,Copper,L4*%
%TF.Part,Single*%
%FSLAX35Y35*%
%MOMM*%
%TA.AperFunction,Conductor*%
%ADD10C,0.15000*%
%TA.AperFunction,ViaPad*%
%ADD11C,0.75000*%
%TA.AperFunction,ComponentPad*%
%ADD12C,1.60000*%
%ADD13C,1.70000*%
%SRX1Y1I0.00000J0.00000*%
G01*
G75*
%LPD*%
D10*
X7664999Y3689998D02*
X8394995D01*
X8439999Y3734999D01*
X9369999D01*
D11*
X7664999Y3689998D03*
X8359999Y1874998D03*
X9882998Y3650498D03*
D12*
X4602988Y7841488D03*
D13*
X10729976Y2062988D03*
X10983976D03*
X11237976D03*
M02*

ガーバーフォーマットの使用しよう

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ガーバーファイルは、プリント基板きばん設計せっけい用ようEDAやCADきゃどソフトウェアを用もちいて作成さくせいする。作成さくせいされたファイルは、基板きばん製造せいぞうのCAM システムに読よみ込こまれ、基板きばん製造せいぞうプロセスの各かくステップで使用しようするデータに編集へんしゅうされる。また、基板きばんの加工かこう以外いがいにも、基板きばんの仕上しあがりを検査けんさする自動じどう外観がいかん検査けんさ機きにも使用しようされる。ドリル情報じょうほう(フラッシュアパーチャなど)に使つかうことも考かんがえられるが、通常つうじょう、ドリル情報じょうほうはExcellonフォーマット（英語えいご版ばん）が使用しようされる。

RS-274Xはファイル形式けいしきとして完成かんせい度どが高たかく、互換ごかん性せいに優すぐれる。ただし、CADきゃどの一部いちぶには、RS-274Xの出力しゅつりょく機能きのうが不十分ふじゅうぶんなものもみられ、出力しゅつりょくされたファイルに文法ぶんぽう的てきなエラーが見みつかることがある。また、PCBの要求ようきゅうする仕様しように対たいして数値すうち精度せいどが低ひくすぎることで、丸まるめ誤差ごさのエラーが発生はっせいすることがある。これについては、ガーバーの出力しゅつりょく解像度かいぞうどは、CADきゃどの解像度かいぞうどより、少すくなくとも10倍ばいは高たかくする必要ひつようがある。他たに、一部いちぶのCADきゃどでは、エリアを埋うめる際さいにRS-274-Dの様ように塗ぬり(painting)で行おこなったり、パッドをアパーチャ定義ていぎではなく塗ぬりで作成さくせいするものがある。塗ぬりであってもファイルとしては問題もんだいがないが、製造せいぞう側がわで処理しょりする際さいに煩雑はんざつで時間じかんがかかってしまうため、塗ぬりは使つかわないほうが良よいとされる。これらの問題もんだいは、RS-274X形式けいしきの問題もんだいでは、CADきゃどに起因きいんする問題もんだいである。

RS-274Xでは、ファイルが基板きばんのどの層そうを表あらわすかという規格きかくを設もうけていない。これは欠点けってんではなく、ファイル名めいで層そうを、ファイル拡張子かくちょうしでフォーマット種類しゅるい(例れい:「.GER」=ガーバーデータ）を明確めいかくに出来できるため、それで十分じゅうぶんだと考かんがえられている。しかし、一部いちぶの設計せっけい者しゃやCADきゃどでは、データセットに暗号あんごう化かしたファイル名めいを用もちい、別べつのテキストファイルに層そうや種類しゅるいを記録きろくすることがある。製造せいぞうサイドではデータセット内ないの全すべてのファイルを閲覧えつらんし、製造せいぞうに必要ひつような情報じょうほうを探さがすという作業さぎょうが伴ともなう。また、拡張子かくちょうしで、層そうや種類しゅるい（ガーバーかドリル）を示しめすケースも見受みうけられる（例れい：ボトムレイヤファイルの拡張子かくちょうしを「.BOT」とする）。この場合ばあい、製造せいぞう者しゃはファイルを開ひらき、正ただしいフォーマット形式けいしきを確認かくにんする必要ひつようがある。PDFという拡張子かくちょうしがポータブル・ドキュメント・フォーマットを示しめすように、一般いっぱん的てきに拡張子かくちょうしがファイル種類しゅるいを示しめすことから、拡張子かくちょうしによって層そうや種類しゅるいを示しめすのは好このましくないとされる。

初期しょき版ばんであったRS-274-DフォーマットはRS-274X登場とうじょう以降いこう、使用しようされる機会きかいは減少げんしょうしたが過去かこの設計せっけいデータなどで使用しようされることがある。RS-274-Dは、テクノロジーの変遷へんせんを見据みすえて設計せっけいされたものではなく、さまざまな限界げんかいがあり、製造せいぞう者しゃだけでなく設計せっけい側がわにも厄介やっかいな構築こうちく作業さぎょうが生しょうじる。それらを補おぎなうには手作業てさぎょうが必要ひつようとなり、よりエラーがおきやすい。

2014年ねん2月がつにUcamcoは属性ぞくせいを持もつガーバーフォーマット（ガーバーバージョン2）を拡張かくちょうした。属性ぞくせいはガーバーファイルにメタ情報じょうほうを追加ついかしたものである。 [18] これらは画像がぞうファイルと関連かんれんした情報じょうほう、またはこれらの特徴とくちょうを提供ていきょうするラベルに類似るいじしている。 [9] [17] [19]

属性ぞくせいによって伝つたえられるメタ情報じょうほうの例れい：

  • おもて面めんソルダーマスク、うら面めんパターン層そう、など。
  • 単一たんいつのPCB、配列はいれつ、テストクーポン、など。
  • パッドの機能きのう、定義ていぎ； SMDパッド、ビアパッド、その基準きじゅん点てん、など。

ガーバーフォーマットの代替だいたいフォーマット

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銅どうパターンなどの描画びょうが情報じょうほうとドリルなどの加工かこう情報じょうほうしか持もたないガーバーフォーマットに代かわり、ネットリストや部品ぶひん情報じょうほうなども組くみ込こんだファイル形式けいしきがCADきゃどソフトウエア企業きぎょうなどから提案ていあんされている。しかし、提案ていあんされるフォーマット間あいだでデータの互換ごかん性せいが無なく、設計せっけい工程こうていから製造せいぞう工程こうていへの情報じょうほうの伝達でんたつではガーバーフォーマットで必要ひつよう十分じゅうぶんなこともあって、ガーバーフォーマットを置おき換かえるには至いたっていない。2017年ねん現在げんざい、ODB++フォーマットをサポートするCADきゃど/CAMソフトウエアが増加ぞうかし、シェアが広ひろがりつつある。

  • ODB++: イスラエルの企業きぎょうValor Computerized Systems Ltd, Israel が開発かいはつ。2010年ねんにメンターグラッフィックスが買収ばいしゅうし、現在げんざいは同社どうしゃが権利けんりを持もつ。
  • Fujiko: JPCA-EB02: 三さん次元じげん実装じっそう設計せっけいデータフォーマット。JPCAが提案ていあんし、IEC国際こくさい標準ひょうじゅん規格きかくとなった。部品ぶひん内蔵ないぞう基板きばんなども対応たいおうする。
  • DPFフォーマット: 現在げんざいバージョン7。Ucamco がリリース。
  • IPC-D-350 C: Printed Board Description in Digital Format', 1989. この仕様しようは1992年ねんに、IEC 61182-1として規格きかく化か、2001年ねんに取とり下さげ。ほとんど使つかわれない。
  • The Electronic Design Interchange Format, EDIF: ほとんど使つかわれない。
  • GenCAM: IPC-2511A Generic Requirements for Implementation of Product Manufacturing Description Data and Transfer Methodology, 2000. ほとんど使つかわれない。
  • GenCAM: IPC-2511B Generic Requirements for Implementation of Product Manufacturing Description Data and Transfer XML Schema Methodology, 2002. ほとんど使つかわれない。
  • Offspring: IPC-2581 Generic Requirements for Printed Board Assembly Products Manufacturing Description Data and Transfer Methodology, 2004. ほとんど使つかわれない。
  • STEP AP210: ISO 10303-210, Electronic assembly interconnect and packaging design　初版しょはんは2001年ねん、第だい2版はんは2008年ねん (to be published)ｘ

歴史れきし

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ガーバーフォーマットは、もともとEIA RS-274-D仕様しようのサブセットで、幅広はばひろい産業さんぎょうで、メカニカルにNCマシンを制御せいぎょするために設計せっけいされたフォーマットである。EIA RS-274-Dにはサブタイトルがあり、位置決いちぎめ、輪郭りんかく化か、輪郭りんかく化か/位置決いちぎめといったマシン制御せいぎょ向むけの可変長かへんちょうブロックデータ互換ごかんフォーマット(Interchangeable variable block data format)と言いわれている。Gerber Scientific Corporationは、これらのコマンドのサブセットを利用りようして自分じぶん達たちのフォトプロッターを稼動かどうさせていた。当時とうじ、フォトプロッターは、異ことなる形状けいじょう(一般いっぱん的てきに円えんや長方形ちょうほうけい、その他た数種類すうしゅるい)や異ことなるサイズからなる既定きていアパーチャに限かぎられていた。またアパーチャは、「フラッシュ」アパーチャを使つかって特定とくていの座標ざひょうに出現しゅつげんさせるか、シャッターを開ひらいたままの状態じょうたいで「ドロー」アパーチャを使つかって始点してん座標ざひょうから終点しゅうてん座標ざひょうまで引ひっ張ぱり、ラインやアークのセグメントを生成せいせいさせていた。アパーチャの位置いちを揃そろえる手段しゅだんはなかった。1つ1つがガラスやフィルム基板きばん上じょうの小ちいさな切抜きりぬきであった。プロッターのオペレーターは、デザインをプロットする前まえに、設計せっけい者しゃからの指示しじ書しょ(アパーチャリスト)一式いっしきが必要ひつようで、それによって各かくアパーチャをどこに配置はいちするかを把握はあくしてから、プロット描画びょうがを実行じっこうしなくてはならなかった。マシンには多数たすうの不連続ふれんぞくなアパーチャポジション番号ばんごうがあるが、通常つうじょう、その全すべてを基板きばんにプロットするというわけでもなかった。プロットファイルを作成さくせいした人物じんぶつが、アパーチャリストで指定していしている位置いちが実際じっさいに有効ゆうこうで、かつプロットファイルと一致いっちしていることを確実かくじつにする責務せきむがあった。

  • 1980年ねん10月がつ27日にちに、Gerber Systems Corporation は、自社じしゃのフォトプロッターを操作そうさする仕様しよう書しょとして、「Gerber Format:a subset of EIA RS-274-D; plot data format reference book」第だい1版はんをリリース。
  • 1986年ねん、アパーチャのサイズ可変かへん性せいをサポートし、テーパーラインや任意にんいの範囲はんいで任意にんいサイズの長方形ちょうほうけいを作成さくせいできるように、ガーバーフォーマットを拡張かくちょうした。現在げんざいこの機能きのうは使つかわれていない。
  • 1980年代ねんだい、ガーバーフォーマットは、市場いちばのいくつかのフォトプロッターやPCB製造せいぞう用ようCAMシステムに採用さいようされ、事実じじつ上じょう、デファクト・スタンダードになった。
  • 1991年ねん4月がつ26日にち、ラスタースキャン機能きのうの有効ゆうこう性せいによって、ガーバーフォーマットは、多角たかく形がたエリアや拡張かくちょうパラメータにも対応たいおうするようになり、ユーザーが直接ちょくせつに異ことなる形状けいじょうやサイズのアパーチャを定義ていぎでき、銅どうや多角たかく形がたは「塗ぬり(painting)」をせずに定義ていぎできるようになった。拡張かくちょうパラメータは、もともと1990年代ねんだい前半ぜんはんにGerber Systems CorpがAT&T社しゃの打診だしんのもとに設計せっけいした。[20]
  • ガーバーフォーマットの最新さいしん版ばん「Gerber Format: a subset of EIA RS-274-D; plot data format reference book」 は、1993年ねん1月がつ31日にちにGerber Systems Corporationがリリースした。
  • 1997年ねんに、Gerber Systems CorporationはBarco Graphics社しゃ（本社ほんしゃ所在地しょざいち：ベルギー　Gent）に買収ばいしゅうされ、事業じぎょうが引ひき継つがれた。1998年ねん9月がつ21日にち、「RS-274X Format User’s Guide」がBarco Graphics社しゃ（旧きゅうGerber Systems Corporation）によりリリースされた。現在げんざい、Barco Graphics社しゃの PCB 部門ぶもんは、Ucamco (旧きゅうBarco ETS)という名称めいしょうに変かわっている。
  • 「RS-274X Format User's Guide」は、2010年ねん12月に更新こうしんされ、改訂かいてい版ばんGが登場とうじょうした。[21]
  • 「Gerber Format Specification」は、2012年ねん1月がつに更新こうしんされ、改訂かいてい版ばんHが登場とうじょうした。[22]
  • 「Gerber Format Specification」は、2013年ねん2月がつに更新こうしんされ、改訂かいてい版ばんI1が登場とうじょうした。[23]
  • 「Gerber Format Specification」は、2013年ねん4月がつに更新こうしんされ、改訂かいてい版ばんI2が登場とうじょうした。[24]
  • 「Gerber Format Specification」は、2013年ねん6月がつに更新こうしんされ、改訂かいてい版ばんI3が登場とうじょうした。
  • 2013年ねん6月がつに属性ぞくせいでガーバーフォーマットを拡張かくちょうするという提案ていあんを発表はっぴょうした。
  • 「Gerber Format Specification」は、2013年ねん11月に更新こうしんされ、改訂かいてい版ばんI4が登場とうじょうした。[25]
  • 「Gerber Format Specification」は、2014年ねん2月がつに更新こうしんされ、改訂かいてい版ばんJ1が登場とうじょうした。ファイルが表あらわす層そうとしてPCBメタ情報じょうほうを伝達でんたつするために属性ぞくせいを追加ついかした。[26]
  • 「Gerber Format Specification」は、2014年ねん6月がつに更新こうしんされ、改訂かいてい版ばんJ2が登場とうじょうした。[9]

参照さんしょう

[編集へんしゅう]
  1. ^ Williams, Al (2004), Build your own printed circuit board, McGraw-Hill Professional, p. 121, ISBN 9780071427838, https://books.google.co.jp/books?id=SoA4koYHRxsC&pg=PA130&redir_esc=y&hl=ja 2011年ねん4月がつ2日にち閲覧えつらん。 
  2. ^ Schroeder, Chris (1998), Printed circuit board design using AutoCAD, Newnes, p. 283, ISBN 9780750698344, https://books.google.co.jp/books?id=y_3R9GTLBJcC&pg=PA191&redir_esc=y&hl=ja 2011年ねん4月がつ2日にち閲覧えつらん。 
  3. ^ Blackwell, Glenn R. (2000), The electronic packaging handbook, 5.18: CRC Press, ISBN 9780849385919, https://books.google.co.jp/books?id=D0PBG53PQlUC&pg=SA5-PA17&redir_esc=y&hl=ja 2011年ねん4月がつ2日にち閲覧えつらん。 
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  8. ^ a b “Revision I1 of the Gerber Format Specification is now online”. ucamco.com (2013年ねん2月がつ19日にち). 2013年ねん2月がつ15日にち閲覧えつらん。
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  10. ^ a b c d “Elephantech/ガーバーファイルとは・ガーバーの歴史れきしと未来みらい：成なり立たちと次世代じせだいのファイル形式けいしき”. 2024年ねん12月23日にち閲覧えつらん。
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  13. ^ Steve DiBartolomeo (1991年ねん). “D-codes, Apertures and Gerber Files”. Artwork Conversion Software, Inc.. 2011年ねん10月がつ16日にち閲覧えつらん。
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  24. ^ “Ucamco's Revised Gerber Format Specification Now Online”. ucamco.com (2013年ねん2月がつ19日にち). 2013年ねん2月がつ15日にち閲覧えつらん。
  25. ^ “Ucamco Enhances Gerber File Format Specification”. ucamco.com (2013年ねん11月22日にち). 2013年ねん11月22日にち閲覧えつらん。
  26. ^ “Gerber Grows Attributes”. Printed Circuit Design & Fab (2013年ねん8月がつ). 2012年ねん9月がつ5日にち閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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