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Portable Network Graphics

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
Portable Network Graphics

上うえは、8ビット透明とうめいチャネルを含ふくむPNG画像がぞう。下したは、同どうじ画像がぞうを市松いちまつ模様もようの背景はいけいの上うえに重かさねたもの。市松いちまつ模様もようは透明とうめいであることを示しめすためにグラフィックエディタなどでよく用もちいられる。
拡張子かくちょうし.png
MIMEタイプimage/png
タイプコード
  • PNGf
  • PNG
UTIpublic.png
マジック
ナンバー		89 50 4e 47 0d 0a 1a 0a (16進しん表現ひょうげん) \x89PNG\r\n\x1a\n (文字もじ列れつ表現ひょうげん)
開発かいはつ者しゃW3C
種別しゅべつ可逆かぎゃく圧縮あっしゅくビットマップ画像がぞう
包含ほうがん物ぶつ画像がぞう、テキスト
拡張かくちょうAPNG、JNG、MNG
国際こくさい標準ひょうじゅんISO 15948、IETF RFC 2083

（ポータブル・ネットワーク・グラフィックス、PNG、ピング、ピン[1]）はコンピュータでビットマップ画像がぞうを扱あつかうファイルフォーマットである。圧縮あっしゅくアルゴリズムとしてDeflateを採用さいようしている、圧縮あっしゅくによる画質がしつの劣化れっかのない可逆かぎゃく圧縮あっしゅくの画像がぞうファイルフォーマットである。

1996年ねんに登場とうじょうし、可逆かぎゃく圧縮あっしゅくの画像がぞうフォーマットとして既すでに普及ふきゅうしていたGIFの後継こうけいフォーマットとなることを目指めざし、ネットワーク経由けいゆでの使用しようを想定そうていした機能きのうや透過とうか処理しょりなど、多おおくの機能きのうをサポートした。ウェブブラウザやグラフィックソフトでのサポートも進すすみ、インターネットを中心ちゅうしんに普及ふきゅうした。

「PNG」は「ピング」や「ピン」と多おおく読よまれる。

概説がいせつ

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画像がぞうの色いろモデル（英語えいご版ばん）として、最大さいだい16ビットのグレースケール、24ビットと 48ビットのRGB、または8ビットまでのインデックスカラーモード（パレットカラー) を利用りようすることができる[2][3][4]。透過とうかについてはクロマキーによる透過とうか指定してい、および8ビットから16ビットのアルファチャンネルをサポートする[5]。また、画像がぞうに付属ふぞくするテキストなどのメタデータやガンマ値ちなども画像がぞうごとに記録きろくできる[1]。

GIFと異ことなり、PNGにはアニメーション機能きのうはない[2]。ただし、PNGはチャンク（データのブロック）で自由じゆうに拡張かくちょうできるようになっていて、1ファイルに複数ふくすうの画像がぞうを含ふくめることができる。これを使つかってアニメーション機能きのうを追加ついかした MNG と APNG が別べつのフォーマットとして開発かいはつされている。他たの拡張かくちょうとして、立体りったい視し用ようにステレオPNG (PNS) フォーマット[6]がある。

歴史れきし

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PNGが開発かいはつされた動機どうきは、1994年ねん末まつに、GIFに使つかわれていた圧縮あっしゅくアルゴリズムLZWについて米べいユニシスが特許とっきょを保有ほゆうしているとし、GIFを使つかったソフトウェアに特許とっきょ権けんを行使こうしすると発表はっぴょうしたことによる[7]。実際じっさい、PNGの頭文字かしらもじは非公式ひこうしきに「PNG is not gif」という意味いみが込こめられている[8][9][10]（再帰さいき的てき頭字かしらじ語ご）。また、当時とうじ256色しょく以上いじょう表示ひょうじ可能かのうなコンピュータが主流しゅりゅうになってきたため、GIFフォーマットにある256色しょくまでという制限せいげんを解消かいしょうする必要ひつようもあった。1999年ねん、ユニシスが非ひ商用しょうようソフトについても特許とっきょ使用しよう料りょうを請求せいきゅうすることを決きめる[11]と、PNGはさらに注目ちゅうもくを集あつめるようになった。

  • 1996年ねん10月1日にち - PNG Version 1.0の仕様しようリリース。後のちにRFC 2083として承認しょうにん[12]。同日どうじつ、W3Cによる勧告かんこく[12]。
  • 1998年ねん12月31日にち - Version 1.1リリース[12]。小規模しょうきぼな変更へんこうと三さん種類しゅるいの新あたらしいチャンクを追加ついか。
  • 1999年ねん8月がつ11日にち - Version 1.2リリース。一いち種類しゅるいの追加ついかチャンク。
  • 2002年ねん8月がつ20日はつか - 日本にっぽんにおいて日本工業規格にほんこうぎょうきかく JIS X4242 『コンピュータグラフィクス及および画像がぞう処理しょり－ネットワーク用よう画像がぞう形式けいしき(PNG)』が制定せいていされる[13]。
  • 2003年ねん11月10日にち - 国際こくさい標準ひょうじゅん化か (ISO/IEC 15948:2003) 。このバージョンは 1.2 とわずかな差異さいあり。新規しんき追加ついかチャンクはなし。
  • 2004年ねん3月3日にち - 国際こくさい標準ひょうじゅん化か (ISO/IEC 15948:2004) [spec 1]

技術ぎじゅつ詳細しょうさい

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詳くわしくは、仕様しよう書しょ[spec 1][spec 2][spec 3]を参照さんしょう。

ファイルヘッダ

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PNG ファイルはヘッダに 8 バイトのシグネチャ（マジックナンバー）を持もつ[14]。16進数しんすうの値ねは「89 50 4E 47 0D 0A 1A 0A」である[14]（制御せいぎょ文字もじで表あらわすと HTJ P N G CR LF SUB LF）。各かく値ねの意味いみは次つぎの通とおり。

ファイル先頭せんとうからのバイト位置いち 値ね 説明せつめい
1バイト目め 89 8ビットデータをサポートしない転送てんそうシステムを検知けんちするためのハイビット値ち[14]。また、テキストファイルが誤あやまってPNGと認識にんしきされるのを防ふせぐ。
2バイト目め 50 アスキーコードで P、N、G を表あらわす[14]。テキストエディタで開ひらいた場合ばあいなどに、フォーマットをわかりやすくするため。
3バイト目め 4E
4バイト目め 47
5バイト目め 0D MS-DOSスタイルの改行かいぎょう (CR LF)[14]。MS-DOSからUNIXへの行末ゆくすえデータ変換へんかんが行おこなわれていないかを検知けんちする[14]。
6バイト目め 0A
7バイト目め 1A MS-DOSで TYPE コマンドを使つかってファイル表示ひょうじをさせた場合ばあい、SUB (EOF) として表示ひょうじを停止ていしさせるバイト[14]。
8バイト目め 0A UNIXスタイルの行末ゆくすえ (LF)[14]。UNIXからMS-DOSへの行末ゆくすえ変換へんかんが行おこなわれていないかを検知けんちする[14]。

ファイルヘッダの後のちにはIHDRチャンクが必かならず来きて[15]、IHDRチャンクのサイズは13バイト固定こていなため、シグネチャの次つぎの8バイトも00 00 00 0D 49 48 44 52で固定こていされている。

チャンク

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ファイルヘッダに続つづいて、チャンクと呼よばれる複数ふくすうのデータブロックが続つづく。各かくチャンクは画像がぞうについての様々さまざまな情報じょうほうを保持ほじするもので、必須ひっすチャンクと補助ほじょチャンクに分わけられる。補助ほじょチャンクは任意にんい的てきなもので、処理しょりプログラム側がわによっては必かならずしも処理しょりされない。このチャンク構造こうぞうにより、PNGフォーマットは拡張かくちょう性せいと前方ぜんぽう互換ごかん性せいを両立りょうりつする。

チャンクの構造こうぞうは、

  1. チャンクサイズ。ビッグエンディアン（4バイト）
  2. チャンクの種類しゅるい（4バイト）
  3. 実際じっさいのデータ
  4. データのCRC-32（4バイト）

の順番じゅんばんで配置はいちされる[16]。

チャンクの種類しゅるいは、大文字おおもじと小文字こもじが区別くべつされるアルファベット4文字もじで表あらわされる[16]。

  • 1 文字もじ目めが大文字おおもじのときは、必須ひっすチャンクに分類ぶんるいされる[16]。必須ひっすチャンクには、その画像がぞうファイルを読よみ込こむために必要ひつような情報じょうほうが含ふくまれ、デコーダが解析かいせき不可能ふかのうな必須ひっすチャンクに遭遇そうぐうした場合ばあい、エラーとなる[16]。
  • 2 文字もじ目めの大文字おおもじ小文字こもじは、そのチャンクがパブリックかプライベートかを示しめす[16]。大文字おおもじがパブリック[16]。パブリックチャンクはその仕様しようが公開こうかい、定義ていぎされたもので、公開こうかいチャンクともいう。
  • 3 文字もじ目めは将来しょうらい的てきな拡張かくちょうのためにリザーブされている[16]。現在げんざいは常つねに大文字おおもじにしなければいけない[16]。
  • 4 文字もじ目めの大小だいしょうは、そのチャンクがそのままコピーできるかどうかを示しめす[16]。小文字こもじの場合ばあい、ファイルへの変更へんこう内容ないように関かかわらず、そのチャンクをコピーして継続けいぞく的てきに使用しようできる。大文字おおもじの場合ばあい、他たの必須ひっすチャンクへの変更へんこうの影響えいきょうを受うけることを表あらわす。

必須ひっすチャンク

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PNGファイルの読よみ込こみと表示ひょうじに必要ひつようなチャンクで、デコーダが適切てきせつに処理しょりする必要ひつようがある[16]。

  • IHDR - 最もっとも先頭せんとうに配置はいちされるチャンクで、以下いかの順番じゅんばんで13バイトの情報じょうほうが含ふくまれる。
    • 画像がぞうの幅はば（4バイト）
    • 画像がぞうの高たかさ（4バイト）
    • 色いろ深度しんど（1バイト）
    • カラータイプ（1バイト）
    • 圧縮あっしゅく形式けいしき（1バイト）
    • フィルタ形式けいしき（1バイト）
    • インターレース形式けいしき（1バイト）
  • PLTE - カラーパレット定義ていぎ。
  • IDAT - zlibにより圧縮あっしゅくされたイメージデータ。複数ふくすうのIDATチャンクに分割ぶんかつすることもできる。この場合ばあいファイルサイズは若干じゃっかん増ふえるが、PNGをストリームとして生成せいせいすることができるようになる。
  • IEND - イメージの終端しゅうたんを示しめす。

PLTEチャンクはカラータイプ 3 （インデックスカラー）を使用しようするときに必須ひっすとなる。カラータイプ 2 と 6 （トゥルーカラー及および、アルファ情報じょうほう付つきトゥルーカラー）の場合ばあいは任意にんい、さらにカラータイプ 0 と 4（グレースケール及および、アルファ情報じょうほう付つきグレースケール）の場合ばあいは存在そんざいしてはいけない。

補助ほじょチャンク

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イメージについての付加ふか情報じょうほうを保持ほじするための任意にんいチャンク。

  • acTL - アニメーテッドPNGである事ことを示しめし、総そうフレーム数すうやループ回数かいすうを保持ほじする。
  • bKGD - デフォルトの背景はいけい色しょくを指定していする。これは、単独たんどくのイメージビューアで表示ひょうじするときなど、背景はいけい色しょくが特とくに定さだまらない場合ばあいを想定そうていしている。ただし、Internet Explorer 6以前いぜんはアルファ値ちによる透過とうか表示ひょうじをサポートせず、この値ねを背景はいけい色しょくとして使用しようする。
  • cHRM - ホワイトバランスを指定していする。
  • eXIf - Exifメタデータを保持ほじする。
  • fcTL - アニメーテッドPNGのフレーム制御せいぎょ情報じょうほうを保持ほじする。
  • fdAT - アニメーテッドPNGのフレーム画像がぞうデータを保持ほじする。
  • gAMA - ガンマ補正ほせい値ねを指定していする。
  • hIST - ヒストグラム、またはイメージ内ないで使用しようされている各かく色いろの総量そうりょうを保持ほじする。
  • iCCP - ICCカラープロファイルを保持ほじする。
  • iTXt - UTF-8フォーマットのテキストを保持ほじする。圧縮あっしゅく・非ひ圧縮あっしゅく、IETF言語げんごタグを伴ともなうことができる。
  • pHYs - ピクセルの物理ぶつりサイズ、またはイメージのアスペクト比ひを指定していする。
  • sBIT - 元もとデータの有効ゆうこうなビット数すうを示しめす。
  • sPLT - イメージが使用しようする色いろを全すべてカバーできない時ときに、代替だいたいとなるパレットを提示ていじする。
  • sRGB - 標準ひょうじゅん的てきなsRGBの色いろ空間くうかんが使つかわれていることを示しめす。
  • tEXt - ISO 8859-1形式けいしきのテキストを保持ほじする。キーワードと対たいになるチャンクを複数ふくすう持もつことができる。テキストの圧縮あっしゅくは行おこなわれない。
  • tIME - イメージの最終さいしゅう更新こうしん日時にちじを保持ほじする。
  • tRNS - 透過とうか色しょく情報じょうほうを保持ほじする。ピクセル単位たんいのアルファ値ち指定していが必要ひつようない場合ばあいに使用しようする。インデックスカラーのイメージについてはインデックスに結むすびつけるアルファ値ち、トゥルーカラーやグレースケールのイメージについては、完全かんぜんに透過とうかとみなす色いろを指定していする。
  • zTXt - tEXtチャンクと同おなじ制限せいげんの圧縮あっしゅくテキスト。

フィルタ処理しょり

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PNGのイメージデータはzlibにより圧縮あっしゅくされるが、画像がぞうの特徴とくちょうを利用りようして圧縮あっしゅくの効率こうりつを良よくするために、フィルタで事前じぜんに処理しょりを行おこなえるようになっている[17]。（展開てんかい時じには、逆ぎゃくのフィルタがかかる)

例たとえば、ピクセルの値ねが次つぎのように並ならんでいたとする。 

100,101,102,103,104,105

このデータには冗長じょうちょうな値ねが無なく、このままDeflate圧縮あっしゅくを行おこなっても効果こうかは得えられない。しかし例たとえば「左ひだりの値ねとの差さ」をとると、データは以下いかのようになる。 

100,1,1,1,1,1

この状態じょうたいで圧縮あっしゅくすれば、最初さいしょの状態じょうたいよりも高たかい効果こうかが得えられる。上記じょうきは極端きょくたんな例れいであるが、このように事前じぜんに簡単かんたんな演算えんざんを行おこなうことは、データによっては圧縮あっしゅく率りつの改善かいぜんに役立やくだつ。

PNGでは5種類しゅるいのフィルタを定義ていぎしている。

Sub
左ひだり隣となりのバイトとの差さをとる[17]（上記じょうき）。
Up
真上まうえのバイトとの差さをとる[17]。
Average
左ひだり隣となりと真上まうえのバイトの平均へいきん値ちとの差さをとる[17]。
Paeth
左ひだり隣となり、真上まうえ、左上ひだりうえの3つのバイトからPaeth値ちを計算けいさんし、その値ねとの差さをとる[17]。
None
何なにもしない[17]。

このフィルタは横よこ一いちライン毎ごとに変更へんこうできる。どのフィルタをどこに使つかうかは使用しようする圧縮あっしゅくプログラムが選択せんたくできるため、プログラムによって同どうじ画像がぞうでも異ことなるサイズになりうる。

圧縮あっしゅく

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圧縮あっしゅくアルゴリズムはDeflate (RFC 1951) を使用しようし、フォーマットはzlib形式けいしき (RFC 1950) と定さだめられている[18]。DeflateのアルゴリズムそのものはPNGの仕様しよう書しょには書かかれていない。圧縮あっしゅく後ごのデータは、そのまま IDAT チャンクに格納かくのうされる。

なおPNGはDeflate以外いがいの圧縮あっしゅく形式けいしきもサポート出来できるように設計せっけいされており、IHDRチャンクやiTXtチャンクには、使用しようする圧縮あっしゅく形式けいしきを明示めいじするCompression methodフィールドがある。ただしVer1.2時じ点てんではCompression methodフィールドで使つかえる値ねはDeflateを示しめす一いち種類しゅるいだけである。

開発かいはつ者しゃ向むけのツール

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→詳細しょうさいは「libpng」を参照さんしょう

PNGを処理しょりするための開発かいはつ者しゃ向むけライブラリとしてlibpngがある。これはPNG公式こうしきのライブラリであり、最もっとも広ひろく利用りようされている。C言語げんごで開発かいはつされており、多おおくのプラットフォームで動作どうさする。ライセンスはGPLよりも制限せいげんが緩ゆるやかである。

他たのフォーマットとの比較ひかく

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POV-Rayで作つくられたPNGの画像がぞう

GIF との比較ひかく

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GIF の代替だいたい物ぶつとして開発かいはつされた経緯けいいがあるため、GIFと比較ひかくされることが多おおい。主おもな差異さいは以下いかの通とおり。

  • ほとんどの画像がぞうでPNGはGIFより圧縮あっしゅく率りつが高たかい[2][19]。
  • GIFは1色しょく透過とうかだが、PNGはアルファチャンネルを持もち半はん透明とうめいの表現ひょうげんが可能かのう[5]。
  • PNGはフルカラーが可能かのうなため256色しょくのGIFより精細せいさいな色いろ表現ひょうげんが可能かのう。
  • GIFはアニメーションをサポートしているが、PNGはサポートしていない[2]（アニメーションにはPNGの発展はってんフォーマットであるMNG/APNG形式けいしきを用もちいる）。
  • GIFと比較ひかくすると圧縮あっしゅく・展開てんかいに多少たしょう時間じかんが掛かかる（ただし前述ぜんじゅつの通とおり容量ようりょうはGIFより小ちいさいため、転送てんそう時間じかんの短縮たんしゅくを加味かみすれば劣れつ点てんとはならない。サーバ側がわのプログラムが動的どうてきに画像がぞうを生成せいせいするような使用しよう法ほうでは注意ちゅういを要ようする）。
  • インターレースGIFとインターレースPNG を比較ひかくすると、インターレースPNGの方ほうが圧縮あっしゅく率りつが低ひくい。
  • インターレース形式けいしきのアルゴリズムが異ことなり、GIFよりも早はやい段階だんかいで全体ぜんたい像ぞうが見みえる。

JPEGとの比較ひかく

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JPEGとPNGとの比較ひかくを示しめした画像がぞう。:JPEGでは均一きんいつな背景はいけいにノイズが出でる

JPEGは、主おもに写真しゃしん的てきなイメージデータを非ひ可逆かぎゃく圧縮あっしゅくすることでPNGよりも小ちいさなファイルサイズに収おさめることができる。そのため、高画質こうがしつに設定せっていしたJPEGと比較ひかくすると、ファイルサイズはJPEGの数すう倍ばい（大抵たいていは5 - 10倍ばい程度ていど）になる。

PNGは、テキストや線画せんがなど色いろの境界きょうかいがはっきりしたイメージに適てきしている。線画せんがと写真しゃしんが混在こんざいしている場合ばあいでは、目的もくてきに応おうじて濃淡のうたんが目立めだたない（シャープな）部分ぶぶんを重視じゅうしする場合ばあいはPNG、保存ほぞん時じのファイルサイズを重視じゅうしする場合ばあいはJPEGを選えらぶことができる。

JPEGは、非ひ可逆かぎゃく圧縮あっしゅく方式ほうしきでありジェネレーションロス（英語えいご版ばん）が生しょうじるため、編集へんしゅう中ちゅうの一時いちじデータの保存ほぞんには向むかない。JPEGで保存ほぞんをする段階だんかいで画像がぞうは劣化れっかし、それを繰くり返かえすたびに更さらに画像がぞうは劣化れっかしていく。

TIFFとの比較ひかく

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PNGとTIFFは、画像がぞうを可逆かぎゃく圧縮あっしゅくまたは無む圧縮あっしゅくにより劣化れっかなしで画像がぞうの保存ほぞんが可能かのうという点てんは共通きょうつうしている。

同どうじ画像がぞうを保存ほぞんする際さい、ファイルサイズでは一般いっぱん的てきにPNGに利点りてんがあるとされる[要よう出典しゅってん]。

ブラウザの対応たいおう

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前述ぜんじゅつの特許とっきょ権けん問題もんだいによりGIF排斥はいせき運動うんどうが起おこったが、当初とうしょはPNGの普及ふきゅうはなかなか進すすまなかった。それは主おもに以下いかの理由りゆうからである。

  • 当時とうじのWebブラウザでPNGに正まさしく対応たいおうしていないものがあった。
  • 広告こうこく（バナー）には当時とうじ、GIFアニメがよく用もちいられたが、PNGの仕様しようそのものにはアニメーション機能きのうが含ふくまれていないため、代替だいたいすることができなかった。多おおくのブラウザでAPNGに対応たいおうしたのは2010年代ねんだい以降いこうのことである。
  • 特許とっきょライセンス料りょうはGIF画像がぞうを読よみ書かきできるソフトウェアの製作せいさく者しゃが支払しはらうものであり、ソフトウェア技術ぎじゅつ者しゃやフリーソフト利用りよう者しゃなどの間あいだでは話題わだいになったものの、PhotoshopやPaintShop Proなど市販しはんのソフトウェアを使用しようして画像がぞうを制作せいさく・利用りようする利用りよう者しゃにとっては関係かんけいが薄うすかった。

特とくに、2000年代ねんだいに絶大ぜつだいなシェアを誇ほこったInternet Explorerはバージョン6までアルファチャンネルを持もつPNG画像がぞうを正ただしく描画びょうができなかった。2006年ねん11月にリリースされたバージョン7で、正確せいかくに描画びょうができるようになった。（ただしPhotoshopで生成せいせいしたPNG画像がぞうの場合ばあい、gAMAチャンクへの不適切ふてきせつな記述きじゅつのため正常せいじょうに表示ひょうじされないことがある）

PNGはGIFと同様どうような1色しょく透過とうかも扱あつかえ、こちらはInternet Explorer 5でも対応たいおうしていた。なお、IE5.5はアルファチャンネル付つきPNGを正ただしく表示ひょうじできるActiveXプラグイン (AlphaImageLoader) を搭載とうさいしているため、この機能きのうを使つかうようHTMLファイルに記述きじゅつすれば表示ひょうじできた。ただしIEの設定せっていによってはアルファチャンネルとして機能きのうせず、また他たブラウザとの互換ごかんを考かんがえると、わざわざこの機能きのうを利用りようする価値かちはほとんど無なかった。

ユニシスの主張しゅちょうするLZW圧縮あっしゅくアルゴリズムに関かんする特許とっきょは、米国べいこく時間じかん2003年ねん6月がつ20日にちをもって無効むこう（期限切きげんぎれ）になったため特許とっきょ問題もんだい自体じたいが消失しょうしつした。PNGはLZW圧縮あっしゅくアルゴリズム特許とっきょの有効ゆうこう期間きかん内ないで全すべてのGIFファイルを代替だいたいするには至いたらなかったが、対応たいおうブラウザの増加ぞうかとともに普及ふきゅうしていった。

ファイルサイズ

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正まさしくエンコード処理しょりを行おこなってメタデータを含ふくまないように作成さくせいしたPNG画像がぞうは、同おなじように処理しょりして作成さくせいしたGIF画像がぞうより小ちいさくなるはずである。しかしPNGはGIFより機能きのうが多おおいため、大おおきなサイズになってしまうことがある。

GIFは256色しょくに制限せいげんされているため、多おおくのソフトはフォーマットの変換へんかんを行おこなうとき自動的じどうてきに256色しょくに減げん色しょくして保存ほぞんする。そのためフルカラーの画像がぞうをPNGとGIFに保存ほぞんした場合ばあい、GIFの方ほうがサイズが小ちいさくなる（かわりに画質がしつは落おちている）。GIF同様どうよう256色しょくのPNGを作つくればGIFよりサイズが小ちいさくなるにもかかわらず、PNGは256色しょくより多おおい色いろ数すうを利用りようできるため変換へんかん時じに自動じどうで減げん色しょくされない場合ばあいがある。その結果けっか同おなじ画像がぞうをGIFにした場合ばあいよりサイズが大おおきくなってしまう。

インターレースPNGはインターレースGIFに比くらべ、圧縮あっしゅく率りつが低ひくくファイルサイズが大おおきくなる場合ばあいが多おおい。また、インターレースPNGは通常つうじょうのPNGより、ファイルサイズが大おおきくなりがちである。

ソフトウェアによっては、出力しゅつりょくされるPNGファイルのサイズは必かならずしも最適さいてき化かされないため、ファイルサイズを減へらすためにはPNG最適さいてき化かソフトウェアなどでPNGファイルを最適さいてき化かするとよい。最適さいてき化かのためのソフトウェアとしては、 OptiPNG、PNGOUT、pngrewrite、Pngcrushなどがある。また、Windows用ようながらもBlastPNGのような複数ふくすうの最適さいてき化かソフトウェアを一いち度どに扱あつかえるフロントエンドなどもある。

PNGはJPEGに取とって代かわるものではない。JPEGは写真しゃしんの圧縮あっしゅくに適てきした非ひ可逆かぎゃく圧縮あっしゅく方式ほうしきであり、写真しゃしん画像がぞうに限かぎってはJPEGのほうがファイルサイズが小ちいさくなる。一方いっぽうで、文字もじや線画せんがなどの保存ほぞんはJPEGだと圧縮あっしゅくノイズが目立めだってしまうのでPNGのほうが適てきしている上うえ、ファイルサイズもかなり小ちいさくなる。また、加工かこうを繰くり返かえす予定よていのある画像がぞうはJPEGでは劣化れっかが進すすんでしまうのでPNG保存ほぞんが望のぞましい。

出典しゅってん

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ a b Greg Roelofs 2003, Chapter 1. An Introduction to PNG.
  2. ^ a b c d Greg Roelofs 2003, 1.2. What Is PNG Good For?.
  3. ^ Greg Roelofs 2003, 1.2.4. Compression.
  4. ^ Greg Roelofs 2003, 8.5. PNG Image Types.
  5. ^ a b Greg Roelofs 2003, 1.2.1. Alpha Channels.
  6. ^ “nvidia.com 製品せいひん情報じょうほう 3D 画像がぞう”. 2012年ねん8月がつ9日にち閲覧えつらん。
  7. ^ Greg Roelofs 2003, Chapter 7. History of the Portable Network Graphics Format.
  8. ^ Greg Roelofs (2012年ねん5月がつ29日にち). “History of PNG”. Libpng.org. 2012年ねん8月がつ9日にち閲覧えつらん。
  9. ^ “GIF,JPEG OR PNG?”. 2012年ねん8月がつ8日にち閲覧えつらん。
  10. ^ Greg Roelofs 2003, 7.1. Anatomy of an Internet Working Group.
  11. ^ “GNUのウェブページにGIFファイルが一ひとつも無ない理由りゆう”. 2021年ねん12月28日にち閲覧えつらん。
  12. ^ a b c Greg Roelofs 2003, Table 7-1.
  13. ^ 『日本にっぽん産業さんぎょう標準ひょうじゅん調査ちょうさ会かい：廃止はいし規格きかく検索けんさく X4242 日本にっぽん工業こうぎょう標準ひょうじゅん調査ちょうさ会かい。
  14. ^ a b c d e f g h i Greg Roelofs 2003, 8.2. PNG Signature.
  15. ^ Greg Roelofs 2003, 8.4. The Simplest PNG.
  16. ^ a b c d e f g h i j Greg Roelofs 2003, 8.1. Chunks.
  17. ^ a b c d e f Greg Roelofs 2003, 9.1. Filtering.
  18. ^ Greg Roelofs 2003, 9.2. The Deflate Compression Algorithm.
  19. ^ Greg Roelofs 2003, 9.3. Real-World Comparisons.

仕様しよう書しょ

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  1. ^ a b ISO/IEC 15948:2004. ISO. (2004). https://www.iso.org/standard/29581.html 
  2. ^ “PNG 1.2 仕様しよう書しょ 日本語にほんご訳やく”. 2005年ねん6月がつ24日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2005年ねん6月がつ24日にち閲覧えつらん。
  3. ^ “Portable Network Graphics (PNG) Specification and Extensions” (英語えいご). 2012年ねん8月がつ9日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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ウィキメディア・コモンズには、Portable Network Graphicsに関連かんれんするカテゴリがあります。

外部がいぶリンク

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ラスターイメージ
RAW画像がぞう
ベクターイメージ
複ふく合あいフォーマット
関連かんれん項目こうもく
動画どうがファイルフォーマット
ISO/IEC
ITU-T
SMPTE
AOMedia
IETF
SAC
その他た
可逆かぎゃく圧縮あっしゅく
開発かいはつ停止ていし
音声おんせいファイルフォーマット
ISO/IEC
ITU-T
IETF
3GPP
ETSI
SAC
その他た
開発かいはつ停止ていし
Bluetooth
画像がぞうファイルフォーマット
IEC, ISO,
ITU-T, W3C, IETF
その他た
マルチメディアコンテナフォーマット
ISO/IEC
ITU-T
IETF
SMPTE
3GPP
その他た
団体だんたい
圧縮あっしゅく技術ぎじゅつについてはデータ圧縮あっしゅくを、コーデックについてはデータ圧縮あっしゅく・伸張しんちょうを行おこなうコーデックを参照さんしょう
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