出典 しゅってん : フリー百科 ひゃっか 事典 じてん 『ウィキペディア(Wikipedia)』
この項目 こうもく では、トチカガミ科 か の水草 みずくさ について説明 せつめい しています。ナガマツモ科 か の海藻 かいそう については「クロモ (海藻 かいそう ) 」をご覧 らん ください。
クロモ (Hydrilla verticillata )は、トチカガミ科 か の水草 みずくさ 。クロモ一 いち 種 しゅ でクロモ属 ぞく を構成 こうせい する(なお、海藻 かいそう を含 ふく む科 か であるナガマツモ科 か にも、同名 どうめい のクロモ属 ぞく (Papenfussiella )がある)。かつては何 なに 種類 しゅるい かに分類 ぶんるい されていたが、すべて同一 どういつ の種 たね であるとされ、一種 いっしゅ にまとめられた。
日本 にっぽん やアフリカ などの湖沼 こしょう や川 かわ などに分布 ぶんぷ する。アメリカ のフロリダ などでは栽培 さいばい 個体 こたい が逸出 いっしゅつ して、侵略 しんりゃく 的 てき 外来 がいらい 種 しゅ として繁殖 はんしょく していることもある。そのため、クロモの放流 ほうりゅう や移動 いどう を禁止 きんし されている地域 ちいき もある。
池 いけ や川 かわ の水質 すいしつ 汚濁 おだく に加 くわ え、外来 がいらい 種 しゅ であるオオカナダモ などに生息 せいそく 地 ち を奪 うば われることもあり、数 かず は減少 げんしょう している。
形態 けいたい 、生態 せいたい [ 編集 へんしゅう ]
クロモの葉 は
茎 くき は細長 ほそなが く伸 の び、多 おお くの節 ふし があり、そこに細長 ほそなが い暗 くら 緑色 みどりいろ の葉 は を輪 わ 生 せい する。
雌雄 しゆう 異 い 株 かぶ で、花期 かき は初夏 しょか から秋 あき にかけてである。雄花 おばな は葉 は 鞘 さや に生 しょう じる包 つつみ 鞘 さや 内 ない に生 しょう じ、花 はな はここで分離 ぶんり して水面 すいめん に浮 う かぶ。雌花 めばな はやはり葉腋 ようえき に生 しょう じ、柄 え が伸 の びて水面 すいめん に花 はな が顔 かお を出 だ す。この花 はな は三 さん 枚 まい の花弁 はなびら があるがごく細 ほそ いので目 め につきにくい。
晩秋 ばんしゅう ごろから葉腋 ようえき に殖 ふえ 芽 め (越 えつ 冬芽 とうが )をつけて、それによって冬 ふゆ を越 こ す。冬 ふゆ になると草体 そうたい は枯死 こし する。
コカナダモ やオオカナダモ に似 に ているが、コカナダモよりは葉 は 幅 はば が広 ひろ く、オオカナダモよりは小 こ ぶりである。ただしクロモの形態 けいたい は栄養 えいよう 条件 じょうけん などによって非常 ひじょう に変異 へんい があるため、その2種 しゅ に似 に た形態 けいたい をとることもある。
オオカナダモは丸 まる い三 さん 弁 べん を持 も つ大 おお きい花 はな が付 つ くのではっきりと区別 くべつ できる。
アクアリウム の水槽 すいそう に植 う えられることはあるが、基本 きほん 的 てき にあまり利用 りよう されない。用水路 ようすいろ などに大量 たいりょう 発生 はっせい すると、水 みず の流 なが れを遮 さえぎ ってしまうため、厄介 やっかい 者 しゃ 扱 あつか いされることもある。
^ Zhuang, X. 2010. Hydrilla verticillata. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.1. <www.iucnredlist.org>. Downloaded on 12 October 2011.