クロモ (水草みずくさ)

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クロモ
クロモ
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : たん子葉しようるい monocots
: オモダカ Alismatales
: トチカガミ Hydrocharitaceae
ぞく : クロモぞく Hydrilla
たね : クロモ H. verticillata
学名がくめい
Hydrilla verticillata
(L.f.) Royle
シノニム

Hydrilla asiatica
Hydrilla japonica
Hydrilla lithuanica
Hydrilla ovalifolica

和名わみょう
クロモ(くろ
英名えいめい
Esthwaite Waterweed

クロモHydrilla verticillata)は、トチカガミ水草みずくさ。クロモいちしゅクロモぞく構成こうせいする(なお、海藻かいそうふくであるナガマツモにも、同名どうめいのクロモぞくPapenfussiella)がある)。かつてはなに種類しゅるいかに分類ぶんるいされていたが、すべて同一どういつたねであるとされ、一種いっしゅにまとめられた。

分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

日本にっぽんアフリカなどの湖沼こしょうかわなどに分布ぶんぷする。アメリカフロリダなどでは栽培さいばい個体こたい逸出いっしゅつして、侵略しんりゃくてき外来がいらいしゅとして繁殖はんしょくしていることもある。そのため、クロモの放流ほうりゅう移動いどう禁止きんしされている地域ちいきもある。

いけかわ水質すいしつ汚濁おだくくわえ、外来がいらいしゅであるオオカナダモなどに生息せいそくうばわれることもあり、かず減少げんしょうしている。

形態けいたい生態せいたい[編集へんしゅう]

クロモの

くき細長ほそながび、おおくのふしがあり、そこに細長ほそながくら緑色みどりいろせいする。

雌雄しゆうかぶで、花期かき初夏しょかからあきにかけてである。雄花おばなさやしょうじるつつみさやないしょうじ、はなはここで分離ぶんりして水面すいめんかぶ。雌花めばなはやはり葉腋ようえきしょうじ、びて水面すいめんはなかおす。このはなさんまい花弁はなびらがあるがごくほそいのでにつきにくい。

晩秋ばんしゅうごろから葉腋ようえきふええつ冬芽とうが)をつけて、それによってふゆす。ふゆになると草体そうたい枯死こしする。

近似きんじしゅ[編集へんしゅう]

コカナダモオオカナダモているが、コカナダモよりははばひろく、オオカナダモよりはぶりである。ただしクロモの形態けいたい栄養えいよう条件じょうけんなどによって非常ひじょう変異へんいがあるため、その2しゅ形態けいたいをとることもある。

オオカナダモはまるさんべんおおきいはなくのではっきりと区別くべつできる。

利用りよう[編集へんしゅう]

アクアリウム水槽すいそうえられることはあるが、基本きほんてきにあまり利用りようされない。用水路ようすいろなどに大量たいりょう発生はっせいすると、みずながれをさえぎってしまうため、厄介やっかいしゃあつかいされることもある。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Zhuang, X. 2010. Hydrilla verticillata. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.1. <www.iucnredlist.org>. Downloaded on 12 October 2011.